'98夏 この夏も八重山へ その10 - 西表島

8月6日(木)
西表島(幻の滝)
みどり荘YH

やっとのことで目的の西表島にたどりつき、今回の目的の一つである幻の滝へ向かうときがきた。地図にも名前は載っていない、通称幻の滝。白浜からカヌーで川を登っていくしかないので、普通の観光客では見ることができない滝でもある。しかし、るるぶにも紹介されており、ガイドを付けて多くの人が訪れているようである。ガイドをつけると1万円らしいが、もちろんガイドなんてつけるはずもない。

そしてついに今日、顔のかさぶたもはがれた。これで顔の傷がこれ以上ひどくなることはあるまい。手足は既に生傷がたくさんあるので、少々傷が残っても大したことないから、これにて海解禁である。西表島を満喫できる体制に何とかなった。

さて、白浜までどう行くか考えていて、バスで往復することに決めた。11時に白浜に着き、16時のバスで戻ってくるとちょうど良い。というわけで、掃除のじゃまをしつつ、バスの時間までYHでごろごろ。スーパーで買い出しをして、沈んでも大丈夫なようにデジカメは水中撮影用のケースに入れ、銀塩写真として写るんですを購入してビニール袋でくるんだ。

バスで約30分乗って、白浜に到着。1軒しかない売店でカヌーを借りる。今回はオーシャンカヌーと呼ばれる物で、FRP製で最初から穴が空いているもの。ボートというよりは、単なる板といった感じ。お尻がびちょびちょになってしまうが、沈むことは全くない。ちなみに、水が入らないようにしてあるタンクがあったので、完全防水装備をしてこなくても全然問題なかった。

そして、潮のかげんを聞いてみる。すると、今日は何と12時干潮。基本的に、カヌーで西表島の川を登るときは、満潮になるように登ってゆき、干潮になるように下ってくるのがベスト。しかし今日はまるっきり逆。しかも、干潮が近いので、まっすぐ川を目指せないらしい。またしても事前調査がたりなかったが、これものんびり八重山の旅をしているのだから仕方がない。

早速、ライフジャケットを付けて、舟浮方面へカヌーを進ませる。それにしても、海というには余りにも浅すぎる。10cmくらいしか深さがなかったりして、座礁すること数回、何度も海の中を歩いてカヌーを引っ張っていった。途中、舟浮の水落の滝を目指すカヌーの集団とニアミスし、カヌーをこぎながら、どこまで行かれるのですか?なんて、話もしたりした。

仲良川

やっとの事で、仲良川の入り口にたどり着いたのは30分後。直線でくれば10分もかからないだろうに、干潮のため最初から疲れてしまった。ここからはもくもくと川を上っていくことになる。最初のうちは百mくらいあろうかという川幅で、干潮のため真ん中が干上がってしまっている。何てことない普通の川である。しかし、川の流れと干潮に向かっていることが、なかなかカヌーを前に進ませてくれない。腕の力だけで進むというのもしんどいものだ。日陰など当然無く、直射日光が容赦なく降り注ぐ。漕ぐ手を止めると、川の流れの音だけがして、川の上に漂う木の葉のような錯覚を覚える。

カヌー終点

右に左に蛇行していくうちに、川も随分と細くなり、やっとジャングルらしい川になってきた。曲がり角にくるたび、今度こそ上陸地点だろうと思いつつ、何度も何度もうらぎられた。もう周りを楽しむ余裕もなく、とにかく着いてくれという思いであった。そうこうしているうちに、ついに前方にカヌーを発見。既に入っている人がいるから、カヌーを停めてあるところで上陸してねといわれていたのだ。実に、白浜港を出発してから2時間半。このままたどり着けないのではないかとも思ったが、何とか無事到着できた。

木にカヌーを縛りつけ、次は山道である。トライアスロンならぬカヌーとウォークのバイアスロンか?山道は比較的楽で、道がおおむねできている。途中、川を渡るところで既に入っていた人とすれ違い。「まだ遠いですか?」「いえ、もうすぐですよ。」疲れ果てた体には、結構この言葉はうれしい。でも本当にすぐ近くで、少し歩くと滝の音が聞こえるようになった。巨大な岩を登り、赤い苔が生える岩など越えていくと、ついに念願の幻の滝へと到着した。

幻の滝

10mくらいの滝で、裾が広がるように流れ落ちる滝は見事この上ない。しかも、当然のごとく人は誰もいない。カヌーを降りてから30分。カヌーに比べて、歩きは大したことなく、あっというまに到着したという感じだった。滝の前で遅めの昼食。やはりこういうところではおにぎりが最高。この時間では、16時のバスには到底間に合わないが、間に合うように急いで帰るのももったいない。水分も十分に補給して、1時間ほどのんびりゆったり時を過ごす。

15時頃になって、元きた道を引き返す。帰りのカヌーは比較的楽。川の流れに乗っていけばよいので、写真を撮ったりする余裕もあった。しかし、川幅が広くなってくると状況は一転、満潮に向かっているため、水が逆流してきている。またしても漕いでも漕いでも進まない状況で、すっかり疲れ切ったところで何とか白浜港に無事帰還。帰りはカヌー1時間半で、陽が暮れる前に何とか到着することができた。店の人の話では、余りにも過酷なコースのため、こんなにつらいとは思わなかったと怒り出す人もいるとか。カヌーをなめちゃいけないよ、何せ人力なんだから、だそうだ。潮をうまく見ていけば、行きは1時間半、帰りは1時間で行けるとのこと。12時満潮という日を狙っていくようにしましょう。

さて、バスは無いし服はすっかりびちょびちょ。トラックでもヒッチハイクして乗せてもらおうかなと思っていたが、とりあえず服を乾かしがてらビールを空ける。運動の後のビールは最高だ。するとちょうど目の前に、はではでなカラーリングのやまねこタクシーが到着して客を降ろした。何と運のいいことか。ちょっと濡れているけどいいですか?というと、トランクからビニールシートを取り出して椅子の上に敷いた。用意周到といったところだが、こういうことは西表島では日常茶飯事なのかもしれない。

ついに西表島でもタクシーに初乗りしてしまったが、値段もかなりなもの。仕方がなかったが、今日はけっこう楽しめたし満足できる1日であった。夜になると、一昨年の夏にも会った常連さんがいて、いつものごとく酒盛りがはじまるのであった。


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