相変わらず天気は良好。ただ、予想通り昨日の熱帯低気圧は台風2号となった。この時期でいまだに2個目とは、何という少なさか。ここ八重山では明日にも台風が直撃するだろうに、全国の天気では台風の発生すら報じられていなかった。すべてが東京中心であるから、そんなものである。今日中に与那国島から脱出できれば、とりあえずは問題ないだろうから、予定通り島内一周へ繰り出す。
まずは、祖内の町を見下ろすテンダハナタという展望台へ。与那国島の海底遺跡発見以来、与那国島自体がムー大陸の一部だったのではないかという話が広がっている。ここテンダハナタも大きな岩の上部がきれいに真っ平らになっていて、祭りを行う場だったのではないかともいわれている。

そして、与那国島東端の東崎へ。天気がよい日には西表島が見えるということだったが、天気がいいのに全く見えない。ガイドブックを書いている人は、実際に目で見て確認したわけではなく、距離的に見ることが可能だとして書いているのではないだろうか。それにしても、相変わらず観光地に人っこ一人いないのは、異様な雰囲気でもある。軍艦岩、立神岩、と順に巡っていく。立神岩は自然の造形物と言われているが、ムー大陸の話があると、人工的な物ではないかと思ってしまう。
あまりの暑さで、車を降りるたびに飲み物をがぶ飲みし、500mlのペットボトル2本は島半周であっさりなくなってしまった。比川の町で飲み物を調達し、最西端の碑を目指す。夕陽の時にきた何もかもが黄色の世界とはうって変わって、最西端の碑もくっきりはっきりしていた。雲か陸かよくわからない感じだが、台湾も何となく見えたようだった。

少しのんびりしてから、クブラバリへ。その近くに、日本で最後の夕陽が見える丘という碑が建っていた。碑があるだけで何もないが、何とか見所を増やしたいという与那国の意気込みが感じられる。さて、ちょうどお昼にも近くなったので、昼食にする。与那国空港に寄り道した後、前回きたときにも食べに行った割烹どなんへ行く。よなぐにそばがおいしいということで、前回はそばを食べてしまったが、ここは何と言っても海の幸が豊富なところ。特に、この店は鮨も出す店でもあり、いいネタがそろっている。そこで、さしみ定食2千円を注文した。
最初に出てきたもずくが、これまたうまい。八重山はもずくの特産地でもあり、お土産として売られているのもよくわかる。次にメインの刺身であるが、ここ八重山ではとんかつ定食にも刺身が付いてくるほどで、おまけという位置づけが強い。それゆえ、さしみ定食というと、その量はすさまじかった。刺身盛り合わせ3人前といった感じだ。この量だけでも仰天してしまうが、さらに刺身もうまい。与那国特産のカジキマグロはもとより、どの魚も冷凍されていないのでうまいのだろう。しかし、余りにも量が多いため、最後は味わうのも程々に黙々と食べていった。関東の刺身定食は、じっくり味わって食べる量をうまく設定した結果の量なのかもしれない。

腹もふくれたところで、今度は与那国一高い山を目指す。ここには西表島と無線通信を行うNTTの通信局が建っている関係で、車で登っていくことができる。ただ、車がすれ違うことができない道が永遠と続いている。NTT鉄塔のあるところが山頂で、祖内の集落から東崎まで一望できる。少し脇道を登っていくと、三角点があってこちらは与那国空港もよく見える。飛行機の上から眺めたような、素晴らしい絶景が広がっていた。が、今まで晴天続きだった空は、すっかり雲に埋められ、遠くの方で雷が鳴りだした。いよいよ台風の接近が感じられる。
宿に戻ったあと、空港まで送ってもらい、飛行機にて石垣空港へ。雲がおおってきたものの、まだ雨、風はなく、無事石垣島に到着した。空港からはタクシーで、再度八重山荘へ戻ってきた。明日は西表島へ入る予定。したがって、石垣島は最後の夜となる。ここは石垣牛のステーキを食べておきたいところ。本で見つけたステーキ屋たんたんへ30分ほど歩いていくと、何とそこには休業の看板が。もう一軒ある支店で営業していますとのことだった。そこまでの道のりはさらに遠い。もうあきらめて、戻りながらステーキ屋を探す。しかし、これといった店はなく、八重山荘まで戻ってきてしまい、いつものあさひ食堂で食事となってしまった。
今回は実体のよくわからない千円定食というのを頼んでみる。定食類はせいぜい500円の物ばかりだから、よっぽどすごい物が出てくるのだろう。すると、お盆に乗り切らないくらいのうつわの数。二人分はあろうかというくらいのすさまじい量で、さすが、安さが魅力のあさひ食堂で千円もだせば、これだけ出てくるのもうなずける。昼に続き、またしても夕食で腹一杯になり、宿へと戻った。台風が徐々に接近してきているようだが、果たして、明日は西表島にわたれるのだろうか?
![]() |
【目次】 |