朝食時に天気予報を見るのは、日課となっている。今まで全く問題ない快晴続きであったが、南の海上についに熱帯低気圧が発生した。これは台風になる可能性が非常に高い。恐らく2日後くらいが危なそうだ。何とか与那国島へ行って帰ってくる時間はあるだろうということで、明後日の宿の予約をしておく。またしてもここ八重山荘だ。今日は満室だけど、明後日なら空いているということで、何とも運がよい。バイク事故で厄を落としたのだろうか、今後運にとことん恵まれることになる。

宿を8時半に出発して、タクシーで石垣空港へ。与那国行きの飛行機は、今は珍しくなったプロペラ機のYS-11である。今回の座席は進行方向右側で展望がいまいちかと思いきや、与那国空港の風向きの関係で、与那国島一周遊覧飛行となり、右側がベストポジション。与那国島を東から西まで眺められ、日本最西端の西崎の先でUターンして、与那国空港に到着した。

今日の宿は祖納港に近い、こみね旅館。普通の旅館といったところだ。宿に着いて、早速海底遺跡観賞船について聞いてみると、何ということか夏場は南風が強くてほとんど出港できないらしい。風が少しでも吹いていると海底遺跡はほとんど見えないそうで、運行しても見られない日が多く、そろそろ廃止になるのではないかというのが一般的な見方とか。これでは、何のために与那国島まで来たのかわからなくなってしまった。このためだけに来たと言っても過言でない。ちゃんと確認してこなかったのが悪かったといえば悪かったのであるが。
ということなら、今日は島内観光にして、明日の朝一の飛行機で帰ってもいいかと思い、JALのホームページにアクセス。グレ電は全くないが、携帯は感度良好で問題なくつながる。しかし、昨日はほとんど毎日空きがあったというのに、しばらくは全便満席状態。台風が接近してきそうなので、販売しないようにしたのだろうか? とにかく便変更ができないなら、今日はのんびり過ごすことにしよう。
そこで、今日の空いた時間は釣りをすることにした。炎天下の中長時間さらされるわけだから、日焼け止めを塗り、長ズボンにしていざ出発。と、その前に腹ごしらえのために隣の喫茶店へ。少し歩けば本にも載っている店に行けたところだが、あまりの暑さにあまり歩き回る気もおこらず、宿のすぐ横の喫茶店でそーめんチャンプルーを頂く。こんなところで喫茶店が成り立つのか心配にもなってしまうほど、誰も客はいなかった。
昼食も終わっていざ釣りへ。レンタル竿千円、釣り針などの消耗品は別ということだったが、1980円のリール付き釣り竿を売っていたので、ここは釣り竿を買ってしまう。釣り具屋(というか、何でも道具屋)のおばあは、釣りに関して全くわからないらしく、こちらが何買ったらいいかと聞いても、ちょうどいた客に聞き、その客もその客で、釣り針とおもりが必要なんてわかりきった答えをしているし、島の人たちは何とものどかなものである。ここらへんで釣るときの仕掛けを聞いているのだけど。
それにしても、与那国の人たちのしゃべっている言葉は、「よなぐによなぐに」で全く何しゃべっているのかわからない。(やえやまガイド巻末4コマ漫画参照)結局、適当な釣り針、おもり、うきを購入した。餌は近くのスーパーで売っているよということで、行って聞いてみると、サンマでいいかな? 何て言ってくる。そんな餌でどんな魚を釣ろうというのか。1m以上の魚をねらうなら、それでも良さそうだが、今回の釣りではサンマの大きさが釣れれば万々歳だ。他の餌を探して、冷凍エビにした。ねりえとかそういった物は普通のスーパーでは売っていないらしい。すぐ目の前がビーチになっており、その先にフェリーよなぐにも停泊する祖納港へ。港といってもとにかく海の透明度は素晴らしいので、港でも泳げるくらいきれいである。

釣り糸をたらし、竿の長さなどを調節して一度巻き上げると、何だかゴミが付いている。何だ?と思ったら、魚が食いついていた。入れたら食ったまさに入れ食い状態。なかなかさいさきが良い。海がきれいなため、海の中の餌を魚がつついているのがよくわかり、釣れなくても面白い。しばし時間を忘れ、釣りに没頭するが、実際の釣果はそれほど思わしくなかった。小さな魚ばかりみたいで、しっかり針を飲み込んでくれないらしい。
そこで、場所を移動して今度は橋の上から糸をたらす。ここはさっきよりもよく釣れる。しかし、5cmほどのあじのような小さな魚ばかり。そろそろ夕陽を見に撤収するかなと思った瞬間、見事20cmほどの魚を釣り上げた。大した仕掛けもなしこれだけ釣れれば上出来であろう。ぼちぼち大きな魚も釣れたことだし、楽しめたので満足。与那国島の楽しみ方というのは、こういう釣りをしたり、のんびりすることなのだなと、今回初めて感じた。今回の与那国訪問で、他の八重山の島にはない楽しみを見つけられた気がする。

釣りの後は宿の車で最西端の碑を目指す。本当はレンタカー屋で車を借りるつもりだったのだけれど、うちでもレンタカーやっているよという言葉にのせられて、旅館の軽ワゴンを借りたのだった。何ゆえ最西端の碑を目指すかといえば、ここは日本一西側にある地点であるから、日本一遅い夕陽が見えるところでもある。今日はとにかく快晴であるから、夕陽もさぞかしきれいに見えることだろう。
すっかり陽も傾き、みごとにまっ黄色の建物や港。関東のように燃え上がるように赤くならないのは、空気がきれいな証拠。最西端の碑の周りには、多くの人が集まっており、陽が沈むのをのんびり待っていた。しかし、残念ながら水平線上にだけ雲があり、太陽は雲の中へ。根室での初日の出と同じ状況となってしまった。でも、今年は日本一早い日の出を見たし、日本一遅い夕陽も見たし、今年は東西の日の出日の入りを見たし、良い年になったかな。
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