今日も天気はぴーかんである。これなら心配していた19人乗り飛行機も無事に飛ぶことだろう。その多良間島へ向かう飛行機は13時30分発。午前中はゆとりがあるから、伊良部島にでも行くことにした。伊良部島は宮古島から高速船で10分足らず。目と鼻の先の島であり、船の交通量もかなり多い。最初はバスとタクシーで島一周することを考えていたが、レンタバイクを船に載せて往復した方が料金は安いし、行きたいところへもいける。というわけで、レンタバイクを借りることにした。しかし、この選択が運の尽き。この後悲惨な結果が待っていた
YHから徒歩10分ほどのレンタバイク屋で原付きを借りて、いざ平良港へ。伊良部島の佐良浜港まで、原付き往復で千円なり。高速船は頻繁に出ているのだが、原付きを載せられるフェリーとなると少なくなる。10時の便で行って、12時半には帰っていなければならないから、滞在時間は2時間もない。でも、通り池しか見るとこないよと言われていたので、多分大丈夫だろう。

船は伊良部島の佐良浜港に到着。宮古の都会に比べるとこぢんまりとした町並みであるが、平良港と頻繁に行き来があるため、港はかなり大きい。伊良部大橋の早期実現をなどという看板をよく見かけるが、宮古島とはかなり距離があり、実現は難しいと思った。
佐良浜港から伊良部島のど真ん中を突っ切る道路で下地島へ向かう。下地空港へ向かう道だからだろうか、よく整備されたきれいな道である。この下地空港とは、日本でもここだけというパイロットの離着陸訓練場。しかし、近年シミュレーション機の発達と、アメリカで訓練した方が安いということで、利用率がかなり落ち込んでいる。一時期那覇との間で定期航路があったときもあったが、今は運休中である。
整備された道を快調にとばせたのは途中まで。途中から急に舗装されていない道になってしまう。少し速度を緩めたその瞬間、あっやばい!気が付くと、派手にひっくり返っていた。ひっくり返る瞬間を覚えていないとは、すっかり反射神経が鈍ってしまったものだ。30km/hくらいだったと思うが、砂利にタイヤを取られて滑ってしまったらしい。
まず真っ先に思ったのは、傷がどうというよりも、この旅行で海に入れなくなったらどうしよう、ということだった。一歩間違えば死ぬことだってありえるというのに、後で考えてみると我ながら驚くばかり。しかし、このときはそのことの方が心配だった。それから傷の確認をしてみるが、足、手、肩、顔右半身すべての擦り傷がやけどのような状態になっていて、ひざが特にひどい状況。だが、全身で受けたせいか、骨は折れていないようだった。
しかし、毎度のことながらハプニングが起こっても、対処ができる位置で発生する。今回はちょうど工場の前で、大きな物音を聞きつけてか、工場の人たちが出てきてくれた。こういう擦り傷で一番怖いのが破傷風である。すぐさま水で洗い流し、消毒できたことは幸いだった。あっちこっち血が止まらない状況で、バンドエイドで強引に押さえるしかなく、かなり悲惨な状況であることを今更ながらに痛感した。
原付きはぶつかったわけでもなく、滑っただけなので、傷ついてしまったが走行には影響無し。あちこちに打撲と出血がすごいことになっているが、そのまま予定通りの行程へ。その前に郵便局に寄ってくる。旅行貯金も伊良部島へきた目的でもある。郵便局へ入る早々、どうしたのそれ? と、真っ赤になった顔のすり傷を見て、局員の人たちはびっくりしていた。原付きで転びましてと言うと、たくさんのティッシュと消毒液を頂いた。有り難い限りである。

そこから下地島へ向かう。島といっても、伊良部島と10mも離れていなくて橋でつながっている。気にしていなければ違う島に渡ったというのに気がつかないほどである。そして、橋を渡ればすぐに空港が現れる。下地島は空港しかない島といってもいいくらい、島のほとんどが空港で占められている。その空港をぐるりと迂回して、通り池へ。
池の底が海とつながっているめずらしい池。ダイビングのスポットとしても知られるが、池だけ見ても静まり返ったきれいな池。とりあえず、写真だけ撮ってそそくさと退散する。けがしていなければ、少しは池の周りを散策したりするところだが、やはりけがが影響したのだろうか。けがの状況がちょっと心配にはなってきたこともある。
さて、港に戻ってきて、まず化膿止めの薬とバンドエイドを薬局で買って、船に乗り込む。すると、乗船の係の人やらたまたま車で宮古島へ渡ろうとしていた人まで、次々に、顔の傷を見るなり、どうしたんだ、診療所(病院とは言わない)へ行った方がいいよと言われる。そんなにすごい傷だと思っていないのだけれど、相当すごく見えるらしい。それよりなにより、見ず知らずの人まで心配してくれるのは、関東とはえらい違いだと痛感した。
船の中でバンドエイドを代えながら傷の確認。自分でもみたくないほど、ひざの傷がかなりすごい。でも、それ以外は多くの擦り傷があるものの、これくらいならよくある傷。これなら旅も続けられると思い、一時帰ろうかと思うほど弱気になっていたが、気合いが入ってきた。そう、これから多良間島を経由して、石垣島まで行かなければならないのだから。
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