
いよいよ最終日。長い道のりに思っていたが、毎日充実した旅であっという間だった。ホテルはボスポラス海峡沿いに建っているだけあって、見晴らしが良い。朝食はさすが高級ホテルで、料理の質も量も半端ない。いつも見慣れたゆで卵は、茹で時間の違いで二種類あるなどありえない選択肢だ。
最初にホテルから海に下ったところにある、カバタシュの船乗り場までバスに乗り、ボスポラス海峡クルーズを開始する。通常は旧市街からスタートのようだが、特別に船を回送してもらっていたようだ。ボスポラス海峡クルーズは、一般的なトルコツアーでは別料金になることが多いが、さすがVIPコースだけあって最初から付いている。50人くらいは楽勝で乗れるような船なので、全員乗ってもゆったり。

ボスポラス海峡と言えば、黒海と地中海をつなぐ運河のようなもので、船がひっきりなしに通っているはずだが、日曜日ということもあるのか朝だからか、あまり大型船は見かけない。第二ボスポラス大橋まで、左側ヨーロッパの近くを走行するので、進行方向左側に座ると近くに見える。

第二ボスポラス大橋を折り返すと、左側の風景はアジア側になる。どちらでも見えることは見えるが、左側の方が断然近い。乙女の塔が見えてると、クルーズも終了。旧市街のガラタ橋のところにある船乗り場に到着。ボスポラス海峡クルーズは、なかなか見どころ多くて面白かった。

船着場から歩いてすぐのところに、スパイスで有名なエジプシャンバザールがある。旅のしおりには、見るだけということになっていたが、買い物時間がもらえた。どうやら、お店とタイアップしているようで、そのお店でガイドのエルカンさんはいろいろ説明するものだから、当然のごとくそのお店でたくさんお買い上げになる。スパイスだけでなく、写真のような紅茶の元も種類がたくさんある。
中東のスパイスと言ったら、サフランを買って帰るに決まっている。高級サフランと言えばイラン産で、安いものの倍する物はやはりイラン産だという。5gで5千円くらい。日本のスーパーで買うのと同じくらいだが、どこ産かわからないので、たぶんここで買う方が安い。トルコリラの現金があまりなかったのでドル払いにすると、端数のお釣りが、なんと100円玉。まぁ、価値としてはそれくらいだが、誰だよ、トルコで交換できないコインで払ったのは。まぁ、そうやって日本に戻ってくるのだなと思った。

エジプシャンバザールで買い物をしたら昼食会場へ。ボスポラス海峡クルーズ船の発着場が良く見える。お昼は定番のケバブで、そういえば最初の夕食バイキング以来かもしれない。肉の塊を回して焼きながら、ナイフで切り落としていく。昼食時ということもあってか、初日のホテルの方が巨大だった。


昼食後はバスに乗って、アヤソフィアとブルーモスクの間にあるヒッポドロームへ。ヒッポドロームとは、古代の競馬場の意味。2つのオベリスクと、青銅製の蛇の柱がある。オベリスクは、エジプトのカルナック神殿から運び込んだもので、エジプトのオベリスクは、なぜか世界各国のあちこちにある。

最初に向かうのは、通称ブルーモスクと呼ばれるスルタンアフメトモスクへ。イスタンブール観光の目玉ともいえるトルコを代表するモスクで、青のタイルが敷き詰められていることから、ブルーモスクと呼ばれる。昨日行った、スレイマニエモスクとはまた異なる美しさ。

次に向かうのは、すぐ隣にあるアヤソフィア。2020年に博物館からモスクに戻されてしまい、世界遺産登録が危ういとの話もある。モスクだと礼拝の地であるから人も多く、入場するまでに長蛇の列。炎天下の中、実に45分も待たされてしまった。

アヤソフィアは、元々は東ローマ帝国の時代に建てられたキリスト教正教会の大聖堂であるが、オスマン帝国によりイスラム教モスクとして改築が行われたという珍しい経緯を持つ。これまで白い内装が多かったので、黒い内装は全く違った印象を受けるが、確かになんとなく普通のモスクとは違う感じがする。ガイドのエルカンさんに、スマホを床に置いて撮影すると良いと言われ、撮ってみたらなるほど見事。照明とドームが見事にマッチしている。

最後に向かうのは、1467年に建てられ19世紀まで使われた、トプカプ宮殿へ。オスマン帝国の皇帝であるスルタンたちの王家の宮殿である。表敬の門を抜けると第2中庭で、さらに進むとトプカプ宮殿の見どころのひとつ、宮廷の女性たちの生活の場であるハレムに入る。
と、音声ガイドが混信する。なんと日本人団体が後ろに並んでいた。なるほど、HISのもう一つのスタンダードコースの団体が同じ時刻に同じ場所に来たのだ。こちらのツアーの一日後を追ってきていて、昨日アンカラ宿泊を挟み、カッパドキアからバスで午後にイスタンブールに到着したようだ。こちらはもう今日の夜には帰ってしまうが、スタンダードコースは今日イスタンブール半日観光後、明日の飛行機で帰ることになっている。

ハレムに入ると、ヨーロッパの豪華さとは少し違った、しかしそれはそれで素晴らしい部屋が続く。アラブの宮殿といった趣だ。スルタンの大広間は、宴を開いた宮殿の中で最も華やかな部屋。ムラト3世のサロンは、宮殿内で最も美しい建物と言われる。

建物の外に出るといったん解散で、宝物館へ行きたい人は自分でお金を払っていくようにとのこと。長蛇の列ができてたし、別料金なら行かない。海沿いに建っているので、眺めも素晴らしく、のんびり散策する方が楽しい。その後のツアーでは、宝物館もツアーに組み込まれるようになっていた。

トプカプ宮殿でいよいよ終わり。アラスタバザールを抜けて、最後の夕食会場へ。夕食はこれと言って特徴なく、まぁこれまで十分トルコ料理を満喫したし、あとは帰るだけだから、もはや何でも良い感じ。最後の締めとして、トルココーヒーを頼んだ。
食後は空港までバスで送ってもらい、一時間くらいで到着。飛行機の出発は夜中の2時すぎだが、今はまだ21時で、実に5時間以上も待ち時間がある。スーツケースを開けて、今日の分のお土産を入れたり、飛行機用の荷物を取り出したりする。トルコナショナルエアーだから、チェックインは可能で、ガイドさんがグループで来た人たちが隣席になるように席を移動させてくれた。往路のように席の移動合戦はなさそうで良かった。
空港では、イミグレーションを通ったら一旦解散。午前1時に再集合とのことだが、この間に眠ってしまう人も多いようで、探すのに苦労しないように、この辺りに居てねと言われる。が、お土産屋を冷やかすのも限界があるし、ターミナルの中央付近は席も埋まっていて、結局離れたところに行って待つしかなかった。トルコリラはほぼ使い果たしていたが、空港の買い物はユーロが使える。これまでの物価を考えると劇高に見えるのは、空港価格に加えて、海外料金になっているのだろう。

再集合は遅れる人もなく、予定通り。皆でゲートに向かうが、一番端っこ。巨大な空港では、たどり着くまでに20分くらいかかってしまい、ほぼ搭乗開始のアナウンスと同時だった。飛行機は予定通り出発し、偏西風の影響で帰りは時間がかかるかと思ったが、予定通りに到着した。
トルコはどういう国かわからないままカッパドキアだけのイメージで来てしまったが、トルコ人は親日だし、何から何まで様々なもの全てが良かった。そもそも、日本人にはキリスト国家よりもアラブ、イスラム国家の方が合っていると思う。イスラムの人は概して優しい。それは、外国人が日本に来て思うことと同じなのだろう。なんとなく、キリスト国家側につかされて、イスラムは怖い国みたいに刷り込まれているが、実際はそんなことはない。そんなことも再確認した旅だった。
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