
コンヤの町は、コンヤ平原の中心に位置し、そのだだっ広い平原にホテルがぽつんと立っていることが、眺めからもよくわかる。今日は、あまり急がなくてもよさそうなものだが、いつものごとく7時半に出発とのこと。いつもと同じ時刻の朝食だが、エレベータが混雑で降りてこれなくなりそうな感じだったので、そのまま出られるように荷物を持って朝食会場へ向かう。
今日の移動距離は250kmだが、カッパドキア内で観光地巡りになるので、同じくらいバスに乗ることになる。熊本から鹿児島を通り越して、宮崎まで行くくらいの距離。東海道・山陽・九州新幹線の距離では足りないほどの距離をバスで走ることになった。
コンヤと言えば、シルクロードが始まる街。昔は中国から行商人が歩いてきた道であり、その途中には、キャラバンサライ(隊商宿)と呼ばれる、行商人向けの宿が点在している。宿と言っても、盗賊から守るために塀で囲まれているので、一種の城のようなものになっている。

周りに何もない広野に道がまっすぐ続いている。そんな道をバスは一時間半走り、スルタンハニという小さな町に到着。スルタンハン・ケルヴァンサライというセルジューク朝時代最大の隊商宿の前で休憩する。行ってみたい人は中に入っても良いですよ、と言われるが、15分では入っている場合ではないだろう。30分でも寄ってくれれば良いのにと思ったが、9月以降のツアーでは中を見学することになっていた。そりゃそうだろ。
その目の前にあるお土産屋で休憩するのだが、完全にお土産がカッパドキアばかりで、気球のお土産とか盛りだくさん。これまでのガソリンスタンド併設の売店ではなく、普通の個人商店のお土産屋なので、おみやげも安い。そして、ガイドのエルカンさんが言っていたのだが、今回のツアーで両替するなら、ここかグランド・バザールがお勧めとのこと。確かに、空港では一万円で1,450TLしかもらえなかったが、ここは1,600TLももらえる。実に一万円で150TL(1,050円)も差があるのだから、ここまで耐えられるなら、両替は待った方が良いだろう。
休憩所から一時間走ったら、いよいよカッパドキアに入る。カッパドキアとは、ペルシャ語で「美しい馬の地」という意味。一口にカッパドキアと言ってもエリアは広大で、ギョレメやユルギャップの街を中心とするギョレメ国立公園が世界遺産にもなっているカッパドキアと呼ばれる地。そして、最初に行く地下都市があるカイマクルは、その国立公園からは少し離れている。

元々石灰岩の地質で簡単に岩が崩せるので、穴を掘って暮らしていたが、イスラム教徒の迫害を受けたキリスト教徒は地下に逃れ、巨大な地下都市を作るまでになった。それが、このアイマルクの地下都市である。地下10階の深さまで達していて、他の岩窟住居とは違ってまさに都市である。2020年には、妖精の煙突のあたりで、ここよりも巨大な地下都市が発見されたそうで、新たな発見が待たれるところ。

まさに人一人通れるような通路が張り巡らされ、下の階へ続く階段もこれまた狭い。たまに広い空間があって、ここで暮らしていたのだろう。閉所恐怖症の人には厳しい空間なので、地下に下りる階段前で、戻りたい人は出口で待っていてもかまわないという。カッパドキアらしさはないが、見どころとしては押さえておきたいところだと思った。

いよいよギョレメ国立公園のウチヒサールに入り、まずはカッパドキア屈指の絶景を望めるピジョンバレー(鳩の谷)で昼食である。鳩の谷は、ブドウ栽培のために鳩のフンを肥料とし、その卵はフレスコ画を書くための漆喰の材料として使っていたそうだ。本当に穴を掘って鳩の巣を作っていたために、こんな穴だらけになってしまった。

今回の旅行では初めて、「名物の壷焼きケバブ」、「トルコ風シュニッセル」、「イマムバユルド(ナス料理)」の3つから昼食が選べる。これだけ書かれたら普通は名物を選びそうなところだが、イマムバユルドはトルコ語で「お坊さんも気絶するほどおいしい」という意味のナス料理らしく、この二種類が半々ぐらいで選ばれていた。気絶するほどでもないと思うが、まぁおいしい。ケバブの方は、壺を壊すパフォーマンスがあるだけで、いたって普通のケバブだった。

食後にトルココーヒーを頼んでみる。トルココーヒーは、いかに泡を立てるかがポイントだそうで、うまく泡立てられるかがお嫁さんとして受け入れられるかの指標になるくらいだそうで。さらに、作るときに砂糖を練り組むので、砂糖の量を事前に言っておかないと激甘になってしまう。なので、少な目でと言ったら普通なコーヒーだった。トルコ人の普通を試してみた方が良かったかもしれない。

昼食を食べたら、次はウチヒサール城へ。ウチヒサールとはトルコ語で「尖った砦」という意味で、数十年前まで実際に暮らしていたそうだ。まさに集合住宅ともいえる場所。観光客相手の気球やラクダがいたりする。

さて、お次はお土産巡り第二弾、定番の絨毯の店に連れていかれる。ペルシャ絨毯とはちょっと違うトルコ絨毯だそうで、トルコ絨毯はデザインがやや荒いが丈夫という違いがあるそう。手作業で作るから何か月もかかるし、機械織りとは異なり目が細かいし、汚れても水洗いだけできれいになるそうだ。手織りかどうかは裏を見るとわかるそうで、きれいなモザイクみたいになっている物が手織りの証拠。絵画のような絨毯もあったが、そんなお金出すなら絵画の方が良いなと思ったり。ヘレケというシルクの絨毯は、見る角度で色が変わったりして確かにきれいさすごさはわかるのだが、まぁそれなりにお高い。
日本語ペラペラの社長は話がうまい。選んだ品と違うものが送られてこないように、自分でサインしたものと一緒に写真を撮って送るというし、アフターケアも神戸の支店があるというし、クリーニングもできるという。なんと言っても今回の売り文句は、コロナで絨毯職人が減ってしまったので、絨毯づくりを国家事業として支援するため、国から補助金が出ているという。日本でいうところの旅行支援みたいなものだ。エジプトだったかで見たときの絨毯は50万円くらいが普通だったが、確かに半額くらいだ。高級絨毯なので、孫の代まで使えるのだから、買ってみるのも悪くはない。今だけ特別価格と言われると、弱いのが日本人。実に一時間半も滞在させられ、ほとんどの人がお買い上げだった。

次に向かうのはトルコアイスのチェーン店MADO。トルコアイスと言えば定番の伸びるアイスで、それを試食しましょうという趣向。ちょうどカッパドキア地域でお祭りをやっているようで、少し離れたところにバスを停めて歩いて行くことになった。ベトナムでもそうだったが、もはやイベントをこなしていくだけのような状態。普通によくあるアイス屋さんで、いくつかのフレーバーから選ぶようになっている。まぁ、一度は食べてみたいが、お土産屋界隈でもよく店が出ているので、そちらの方でも良かった感じ。ツアーで組み込むには仕方のないところだが、チェーン店だと31アイスクリームと代り映えがない。それに、あまり伸びなくて残念。
バスに乗り込むと、気球の事務所から連絡があり、明日の気球は出るとの連絡があった。朝からなかなかGoの連絡がもらえなくて、ずっとやきもきしていたが、皆安堵する。天気が良くても風が強いと出せないし、飛ぶかどうかは結構ギリギリまでわからないようだ。

次に向かうのはラクダ岩。完全に連れまわされている状態なので、どこに行っているのかよくわからない。まさに、はい着きました、はい写真撮ってください、次行きます、の状態。遊歩道が整備されているが、歩くこともなく次へ向かう。

次に向かうのは三姉妹の岩。カッパドキアのハイライトと言われるが、まぁ不思議なキノコ岩があるよねっていう感じ。お土産屋が並ぶ界隈では、トルコアイスを売っていた。頼んでみると、お約束のように勝手にトリプルにされてしまう。まぁありがちではあるが、MADOのアイスよりはトルコアイスっぽかった。

結局、今日も7時半から18時までかかって、連れまわされる観光だった。今日と明日は初の連泊で、洞窟風ホテルに宿泊する。洞窟ホテルと言っているが、別に洞窟の中に作ったわけではなく、洞窟の中に作ったような部屋にしているというだけだ。部屋の種類は様々で、どのような部屋にあたるかは運しだい。今回宿泊した部屋はなかなか広い部屋で、当たり部屋のようだった。

夕食は、4食目でやっとバイキングではなくなりコース料理になった。とはいえ、テイストは同じなのでこれは旨い!ということもなく、淡々と食事をした感じ。ただ、ここまでのワインは100TL(700円)だったのに、なんとびっくり300TL(2,100円)だ。この値段なら、すぐ近くにあるワイナリーのワインなのではないかと頼んでみると、やはりグラスから違っていて、これまでとぜんぜん違う味。なるほど、ワインの産地だけはある。だが、わざわざ買って帰るかといったら微妙なところという感じ。

実は今日はこれでは終わらない。希望者にはプロジェクションマッピングに参加できるイベントがある。もちろん、ツアー料金込みなので、送迎バスも含めて無料だ。それでも、明日は気球で朝早いので、参加したのは半分くらい。20時半から30分くらいで、バス往復を加えると1時間半の工程。プロジェクションマッピングは、カッパドキアの歴史を描いたものだと思うが、山をスクリーンにしただけで、そんなに面白いものではなかった。それなら早く寝た方が良かったか。
![]() |
【目次】 |