ローマのホテルに比べると、さすがに朝食はしょぼいがそれでも一通り揃っている。朝食が終わると駅まで歩いていって、タクシーでミケランジェロ広場へ向かう。歩いていっても問題無い距離だが、小高い山の上にあるし、行って帰っての道のりになるので、広場からスタートするのが良い。昨日は一日雨続きだったが、今日はなんとか晴れてくれて、広場からフィレンツェの町並みがきれいに見える。

ミケランジェロ広場から道を下っていくとアルノ川に出て、川沿いに歩いていくと、ポンテ・ヴェッキオが見えてくる。橋の上に宝飾店が連なる独特な橋で、昔は肉の切れ端などをそのまま川に捨てられるように橋の上に肉屋が並んでいたが、悪臭のせいで全ての店が撤去されてしまったそうだ。

橋を渡ってウフィツィ美術館へ。毎度のごとく時間がないので、今回も美術館はスルーである。広場に出て、再度ミケランジェロ広場にもあったダビデ像に出会い、そのまま歩いていくとフィレンツェのシンボルでもある大聖堂ドゥオモに到着する。ピサと同じく、大聖堂、サンジョヴァンニ洗礼堂、ジオットの鐘楼の三点セットである。

サンジョヴァンニ洗礼堂に入ろうとするが、今は入れる時間ではなかったので、しばしカフェでティラミスの休憩にする。なんと、ここにも日本人が店番をしていた。フィレンツェは住みやすい町で日本人も多いのだという。そうこうしているうちに、ドゥオモの中に入る列が動き出した。入り口で入場を止められる人が多数いたが、どうやら大きな荷物を持っていると入ってはいけないようだ。5年前にも来ているので、一通り巡って外に出る。クーポラまでは今回は登らなかった。

まだ少し時間がありそうだったので、今度こそ本物のダビデ像を見に行こうとアカデミア美術館に向かうが、残念ながら月曜日は休館日。ホテルに戻る道すがら、昨日の日本人が働いていると言っていた中央市場に行ってみる。様々な食材が並び確かに安い。店を冷やかしながら買い物をしていると、なんと昨日の人とばったり遭遇してしまった。こちらの店が本業とのこと。ハムやらチーズやらあれやこれやと勧められるままどっさり購入することになってしまった。ちなみに、肉類はヨーロッパから日本へ持ち込めないので要注意。

一度ホテルに戻って荷物を整理して、改めて出発。午後のショッピングツアーは駅前から出るので、時間も無くなってきたこともあって、お昼は駅のマクドナルドにしてみる。まぁ、世界どこへ行っても同じ味である。集合場所はウニタ・ハリアナ広場から出るとの情報だけ。どこだ〜とうろうろしていると、看板を持って道案内していたおっちゃんがあっちの方じゃないか？と教えてくれたが、そんなわけはない。予想通り、広場というよりは建物の前にバス乗り場があった。

時間になってもガイドの人が現れず、本当に場所はここであってるんだろうかと思っていたが、周りにそれらしき旅行者が集まっていたので、間違えはなさそうである。そうこうしているうちに、5分くらい遅れてガイドさんが到着した。これから向かうのはプラダとブランドショッピングモールの二カ所巡りである。お店に連れて行ってもらうだけだから、英語ができなくても英語ツアーで全然問題無いはず。28ユーロ(3,725円)と安い。観光バスに乗るときに各国語で書かれた到着時刻と出発時刻の紙をもらい、まずはプラダ・アウトレットへ。

結構距離があって、タクシーなんかで行ったら簡単に一万円を超えてしまう。このツアーの方が断然安上がりである。巨大な工場の片隅にお店がある。入場するときに自動券売機のようなものでチケットを取り、その番号でお買い物、最後に品物を受け取ってお支払いという流れになっている。つまり、ディスプレイされている物は全て見本。だから、それを持って行こうとすると怒られて、チケットを出せと言われる。最初に取っていないからそんなものないと言うと、係の人が手持ちのチケットをくれた。

いくつか買い物をして、これでフィニッシュかと聞かれ、終わりと答えると荷物受け取りカウンターに連れて行かれる。カウンターでは、なかなか物が揃わなくて、何度もあーだこーだ繰り返し、やっとの事で全品購入できた。まだ時間があるからもう少しぶらぶらしてようかと思ったら、外に出て行けと言われる。物品を受け取ったら、それを持ってうろうろ歩いてはいけないらしい。なんともいろいろめんどくさいルルールがある店である。仕方が無いので、併設のカフェで少し時間をつぶす。

出発時刻になると、皆ちゃんと集まってきて、確認もなくさくっと出発した。時間通りに戻らないと、絶対置いていかれるだろう。そしてまたバスは一時間くらい走り、次は様々なブランド品の店が並ぶアウトレットモールに到着する。

グッチを初めとする様々なブランドが店を並べている。日本ではほとんど見かけないブランドもある。アウトレットだけに、ちょっと売れなさそうな感じのものが目立つが、二割引ではなく普通の二割くらいの値段で売られている。ここでは二時間半の十分な時間が取られているので、二周も三周もしてもまだ時間があまる。またしても時間が余るので、レストランで軽めの夕食としてピザを食べる。ここでは、TAXの返金手続きができるとのことだったが、イタリアから帰国する人だけとのこと。今回はフランスから帰国するので、最後にフランスでやるしかないらしい。

そして、バスは二時間ほどかけてフィレンツェに戻る。ガイドもいないし、大型バスの一台で黙々と行って帰るだけだから、そこそこ人数集まればツアー会社としてもおいしい仕事だろう。到着は予定通りだったが、20時を過ぎており、今日もホテル近くのピザ屋に入る。頼み間違えてすごい少ない量を頼んでしまったが、いつまで経っても料理が出てこなくて、もうあきらめてそれだけで店を出る。最後に今日も昨日のスーパーによって、生ハムやなぜかサントリービールなどを買い求めた。