ついに帰宅する日となってしまった。ずっとのばしていたひげも、すっかりのびて無精ひげのいきを越えていたが、すっきりそって都会モードに変更した。 今年は毎日毎日が楽しかったため、帰る日のことなどすっかり忘れていて、当然仕事のことなど記憶の彼方から消えていたわけだが、さすがに帰る日ともなれば、明日から仕事かという思いが駆けめぐる。
今日の予定は、朝一の船で西表島を抜け、石垣島でレンタカーを走らせた後、16時前の飛行機で帰宅というもの。とりあえず、朝飯を食べ、いざ出発という段階になって、ペアレントさんがこんな事を言った。「船浦の港は、一日欠航さぁ」何? 一日欠航? 天気はさほど悪くないのだが、台風12号の影響で、風が強くて接岸できないらしい。ちなみに、さぁを最後に付けるのが八重山の方言。
さて、どうしたものか。今日帰らなければ明日から会社へ行くことは、まず無理である。一瞬、これであと一日西表島にいれるかなと思ったりもしたが、何とかして帰るすべを考える。船会社に電話してみると、八重山観光は全便欠航、安栄観光は始発の便だけ出て、後は全て欠航だそうだ。安栄観光は無茶やりよるなぁとはヘルパー氏。安栄観光に関しては、楽しい話題がありすぎてけっこう有名なのだ。
しかし、聞くところによると西表島のもう一つの港である大原港は通常に運行しているらしい。船浦港が欠航でも、大原港は使えるときが多いのだそうだ。それなら背に腹は代えられない、大原まで行くしかあるまい。上原の集落から、大原の港まではバスで1時間。し・か・し、大原まで行くバスは日に3本で、朝一のバスはほんの数分前に行ってしまったばかり。次のバスは何と4時間後。
飛行機の時間が微妙なところで、バスから船の乗り継ぎを見てみると、石垣離島桟橋到着は、飛行機出発の1時間前。そこから空港まではタクシーで15分ほどなので、船が遅れない限り大丈夫だろうという、何とか首の皮一枚つながった。予定は決まったが、4時間完全に暇になった。どうしようかと思っていると、ペアレントさんがもう少ししたら大原まで行く用事があるから、乗ってくか?と言うので、乗せてもらうことにした。
が、いつまでたっても出発の気配はない。いつになったら行くのだろうかと思っていたら、ヘルパーさんが「あれ? 乗っていかなかったの?」ペアレントさんは、すっかり忘れて、行ってしまっていたらしい。それからしばらくして、ペアレントさんは戻ってきたが、「すっかり忘れとったぁ」沖縄の人らしいというか、何とも滑稽に思えてくる。まぁ、こんなところが沖縄のアバウトさでもあるのだが。
ヘルパーさんやペアレントさんとおしゃべりしながら時間をつぶした。ペアレントさんが東京へ行ったとき、どこが海だかわからなかったと言っていたが、沖縄の海が当然になってしまった人から見ると、東京の海はやはり海には見えないということか。結局、4時間待ってバスに乗り、1時間かけて大原港へ。しばし船を待ち、定刻に船が来たときはこれで帰れると確信した。何せ、船が遅れるなんてざらだから。
こうして、今回も最後の最後でハプニングにあってしまったわけだが、あとは何とか予定通り進み、羽田空港へ到着した。羽田空港からのモノレールの混雑にうんざりしてしまい、すっかり沖縄の生活になれてしまっていたのだなぁとあらためて思うのであった。
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