4月29日(木)
メルボルン(市内観光, コモハウス)
メルボルンの空港の外に出ると、ひんやりとした空気が流れていた。そう、緯度としては仙台と同じであり、暖かな東京から来た身としては、少々涼しさが漂っていた。まずは市街へ向かうSKYBUS乗り場を探す。国内線のカンタスとアンセットのターミナルが、国際線のターミナルを挟んで両端にあり、そこからバスが出ているはず。わかりやすい構造でほどなく見つかった。バスは30分に一本あり、市内まで$10(800円)。何だか高いなと思ったが、交通費の料金はどこもかしこも日本並であった。
空港内を散歩したり、パンフレットをもらったりして時間をつぶす。空港内は英語だけの表記なので、アメリカのような気分にもなるが、人々の愛想が良く、アメリカとは違って、治安が良いように感じられた。イギリスから移民してきたのがまだ新しく、イギリスの雰囲気が色濃く残っているからだろうか。昔カルピス劇場でやっていた「南の虹のルーシー」(知っている人がどれだけいるか)は、その移民の話だったなぁなどと思い出したりした。
特に、メルボルンは未だに国際色豊かな町であり、半数以上がオーストラリア国籍以外の人というのだから驚かされる。日本と同じように、人口のほとんどが中流階級で、貧富の差が余りないのかもしれない。さて、今日は非常に忙しい日で、ホテルを探す、列車の切符を取る、ツアーの申し込みをする、しかもツアーの予定は今日の夜からというものである。だんどりよくやっていかないと、あっという間に一日がたってしまう。初めての町で、初日からヘビーな日程だ。
SKYBUSでスペンサーストリート駅前に到着。町中から少し離れるが、この駅は、long distance長距離列車の出発する駅である。町中にしなかったのは、この近くのホテルをねらっていたため。駅に着いてしまったのだから、先に列車の予約を行うことにした。オーストラリアは、四社の州鉄道とそれをつなげる国鉄があるが、総てオンライン化しているので、オーストラリアの国内ならどこでも予約は可能である。JRと同じようなシステムが完全にできあがっている。
Inter state(州をまたがる鉄道予約)の表示を見つけると、そこで切符を購入。英語を話さなくても、大抵こちらがやりたいことはわかってもらえるものであるが、今回はちょっとでも英語をしゃべってみると、これがまた通じるものだから面白い。英語はしゃべれないよりしゃべれた方が楽しいということが、身をもって理解できた。無事切符は購入できた。メルボルン→シドニー→ブリスベンの二回寝台車、ブリスベン→ロックハンプトンのTILT TRAIN(振り子列車)で、$390(三万円強)。かなりの出費だが致し方ない。TILTはなぜか平日なのに混んでいて最後の一席だったが、理由はその後判明することになる。
そして、目星をつけていた駅から徒歩5分のホテルへ向かう。I don't have a reservation.(予約はしていないのですが)ときりだすと、ah,hah.などと相づちを打ってくれる。英語ができる人からすれば、大したことではないだろうが、今まで、 I don't understand.(わかりません)とよく言われていただけに、この相づちだけでも感動した。ホテルの方は、問題なく二泊分を確保。トイレ・シャワー共同、ベットがあるだけの部屋で$32(2,500円)。歩き方に載っている料金よりは少々高くなっていた。
荷物が軽くなったところで、ツアーの申し込みへ。どこで申し込みができるのかわからなかったが、ツアー出発場所に向かえば何とかなるだろうとの安直な考えで、そこへ向かうことにした。その前に、絵になる教会、セントポール教会を写真に収め、同時に近くのフリンダーストリート駅も撮影。この二つの建物は、メルボルンの街を代表する歴史ある建物である。このへんには鳩がたくさんいると思ったら、カモメだったので、ちょっと驚かされた。ツアー出発場所はなかなか見つけられず、何度か通りを往復してやっと見つけられた。中に入り、ツアーの確認。今日行こうと思っていた夕方からのペンギンツアーは夏場しか行っていないとのこと。もちろん、オーストラリアの夏場は日本の冬場で、現在秋のオーストラリアでは、もう終わってしまった後だった。13時半からのペンギンツアーならあるということだったが、そうするとメルボルン市内を歩き回る日がなくなってしまう。
結局、泣く泣くペンギンツアーはあきらめ、翌日のグレートオーシャンロードのツアーに申し込みをした。英会話もまずまず順調。ちなみにペンギンツアーとは、メルボルンから車で2時間くらいのフィリップ島まで行って、毎夜帰ってくる野生のペンギンを見学するツアー。海からたくさんのペンギンがあがってきて、まさにパレードのように見えるのである。
これにて、今日するべき作業は終わった。今日の夜のツアーもなくなったので、一日のんびり市内観光ができる。まずはトラムに乗る方法を探らねば。近郊電車、トラム、バスを運行しているThe Metの出先機関があるとのことで、探してみるが、またしても見つからず。皆が集まる通りにあるだけに、なかなか見つけにくい状況になっている。気がつけば、市民の台所といわれるクイーンビクトリアマーケットまで歩いていってしまった。この際だから中に入ってみると、魚市場、肉市場、衣料に雑貨、何でもごちゃまぜで売っている。まさにこれなら何でもそろう。その一角に、ファーストフード店が軒を連ねるエリアがあった。広東ラーメン、イタリアン、アジア系、何でもそろっている。オーストラリアらしい食べ物というのは存在しないので、ここはイタリアンでラザニアを頂く。
腹ごしらえをしたら、茶色の無料トラムに乗って、市内を半周。やっとのことでThe Metの出先機関を見つけた。有料の地図があるということだったが、入るなり Can I help you?(何かお手伝いできますか?)と言われてしまい、地図が欲しいと言ったら無料地図をくれた。これだけで出るのもなんだし、コモハウスの行き方を教えてもらう。しかし、それが結果的に吉と出た。コモハウスへ行くのに、どこの停留所で降りればよいかわかっていなかったのだ。
8番のトラムに乗って、34番で下車。ここまで教えてもらうと、何ともわかりやすい。フリンダーストリート駅までいって、Zone1乗り放題の切符を買い求め、トラムに乗ることにする。ちなみに、トラム、バス、近郊電車は全てこのThe Metが営業していて、Zone1〜3で料金設定がされている。トラムだけを乗りまわすなら、Zone1でほとんど大丈夫。乗り放題切符も、2回乗れば元が取れ、すごくコストパフォーマンスがよい。歩き方に乗っていたトラムの乗り方は、車掌から切符を買うというものだったが、車掌が乗ったトラムなど全くなく、自動券売機がその代わりをしていた。乗り放題の切符なので、毎回買う必要はないが、チェック機に毎回通す必要があるようだ。しかし、地元の人たちは、通していない人が多かった。
教えてもらった駅でトラムを降りて、コモハウスへ。降りたらすぐだよと言われていたが、5分くらい歩いた。入り口でお姉ちゃんがあーだこーだ英語でまくしたてる。大きな荷物を置いていきなさいと言っていたと思ったので、別に預けるものはないと言ったのだが、日本語のパンフレットを持ち出し、「館内ではフラッシュ撮影をしないでください」の文を指している。??? 途中から違うことを言っていたのか、はたまた違うところを指したのか、よくわからなかったが、英会話もまだまだ完璧ではないようだ。
コモハウスとは、昔ながらの豪邸を残しているもので、イタリアのコモ湖がそのゆらいだとか。お土産屋さんに行くと、ちょうど案内をするからついてきなさいとのこと。日本語のパンフレットを持参で、オーストラリア人家族と一緒にツアー開始。簡単な英語でしゃべっているのか、はたまた自分の聞き取り能力が高くなったのか、何を言っているのかよくわかる。
昔はろうそくの明かりしかなかったので、部屋という部屋に大きな鏡をおき、その反射光で明るく見せたという。さらに、豪華絢爛な部屋に、世界各地から取り寄せた置物(特にベネチアンガラスと中国の陶器が多い)、そして広大な庭、金持ちのやることはすごいの一言である。一通り見学すると、ちょうど日本人団体が通り過ぎていった。トラムに再び乗車して、街中に戻ってくる。そのまま終点まで乗ってみると、メルボルン大学に到着した。赤レンガがきれいな建物で、ちょうど平日の夕暮れ時ということもあって、帰宅する大学生がたくさんいた。
夜の教会を眺めた後、マクドナルドで夕食とする。相変わらず世界共通の味。最後にコンビニで買い物をするが、日本と同じように酒の販売には免許がいるので、コンビニに酒は置いていない。ちなみに、コンビニはセブンイレブンしかない。隣の酒屋でオーストラリアでは有名なビールのVictoria Bitter(通称VB)と、Melbourne Bitter(メルボルン限定品らしい)を購入した。VBは昔のキリンラガービールを彷彿させる味でうまかった。乗り放題切符があるので、最後はトラムではなく、近郊列車に一区間だけ乗ってスペンサーストリート駅へ行き、ホテルへと戻った。
一日メルボルンの街を歩いて思ったことは、とにかく治安がいいところ。街灯が明るく、トラムが走りまわっているせいか、夜の一人歩きも安心である。また、高校生には日本と同じように男女制服があり、女の子の短いスカートは日本と同じ。外国は制服なんてないものだと思っていたから、これにもびっくり。車は左側通行だし、外国の食べ物や文化をどんどん受け入れているし、日本と同じようなお国柄なのだろうなと思った。

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