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5月3日(土)
288 6:29ParisNord7:25 EC33 9:13AulnoyeAymeries9:21 9:43Mons10:10 11:02BrusselsCentral
ブリュッセル市内観光(小便小僧, グランパレス)
BrusselsCentral12:46 13:23AntwerpenCentral13:54 14:45Dordrecht14:50 15:20RotterdamCS15:18 Thalys9348 19:05ParisNord

今日の日程はまったくない。アムステルダムにいるはずが、パリまでつれてこられてしまったのだから。ひとまずスタンドでサンドイッチを仕入れて、今日のプランを考えてみる。朝一のタリスでアムステルダムまで行くと、2時間待って予定していた列車に乗れる。しかし列車に往復10時間乗るだけではあまりにも意味がない。なら、途中駅からタリスに乗るのが良さそうだ。

ということでロッテルダムから予定のタリスに乗車することにして、そこまでのんびり戻って行くことにした。まずはケルン行きのユーロシティーでベルギー国境の駅まで向かう。この列車はアムステルダムから乗ってきたものと同じもので、寝台車だけ切り離されていた。町を離れればすぐに丘の風景が広がり、フランスらしい風景となった。この風景はどこまで行ってもほとんど代わりばえない。

ベルギー国鉄うとうとしている間に国境の駅に到着した。ここから国境を越える専用列車に乗り換えであるが、次の駅が終点である。乗車した電車はベルギー国鉄の車両だった。今までがほとんど客車ばかりだったので、電車というのは新鮮で、きれいな車両だしデザインも斬新。パスポートチェックは車掌が兼ねていて、検札と同時に終了。客が数人しかいないので、車掌も暇そうである。

ベルギー入り口の駅モンスに到着。ほとんどのタリスがこの駅を通過するが、一日に一本だけ停車するとので、大々的な宣伝がされていた。特急列車が停まる停まらないでしがらみが多い日本と同じような状況みたい。さて、ベルギーに入国したはいいが、両替所がない。これではジュース一本買うことができない。駅前だけぶらぶらして、さっさと次の列車に乗り継いで、ブリュッセルを目指すことにする。

ブリュッセルはベルギーの首都で、ベルギーはフランス語とオランダ語を公用語としているため、2つの言語表記が多い。ブリュッセルの駅は、南、中央、北と続いているが、中心街に一番近いのはやはり中央駅。しかし、中央駅はヨーロッパにはほとんどない地下駅となっていて、上野駅の新幹線ホームのようだった。したがって、ユーロスターなどの優等列車は専用ホームを作ることができず、南駅に発着する。

小便小僧ブリュッセルと言って思い出すのは、やはり小便小僧であろう。逸話が数多く存在しているが、それはガイドブックなどに譲るとして、とにかく世界的に有名なのだ。小便小僧自体はたいして大きい物ではなく、どこにでもありそうな普通のものであった。今日もどこかから送られたであろう服を着ていた。ちょうど行ったときは、なにやらお祭りをやっているらしく、車の通行を止めて路上で音楽の演奏をしていた。にぎやか、にぎやか。そこから少し歩けば、グランパレスと呼ばれる広場である。ヨーロッパで一番美しい広場といわれている。豪華絢爛な建物が周りをぐるりと囲み、確かにすばらしいが、本当にヨーロッパ一だろうか?

ここでやっと両替所を見つけた。お昼を食べるくらいの額で良いので、千円くらいのお金を両替するが、300円くらい手数料を取られてしまった。でも、その近くで食べたフライドポテトサンドイッチがうまかった。オランダでもフライドポテトだけを食べる人が多かったが、ここブリュッセルでもフライドポテトが主食になるらしい。もう一つ買いたかったが、もうお金がなかった。

グランパレスさらに、小便小僧に行ったらここへ行かなくてはなるまい。なんと呼べばいいのかわからないが、小便娘の像がある。小便小僧は通りに面した目立つところにあるのだが、こちらは路地裏にひっそり隠れてある。見た感じは・・・、ただうなるばかり。最後に、ミラノのアーケードにも引けを取らないギャルリー・サン・チュベールのアーケードを通ってから、中央駅に戻ってくる。

ちょっとだけ歩くつもりだったから、荷物は全部持って歩いていたのであるが、気が付けば2時間近くも歩いていた。次のロッテルダム方面の列車は30分後である。しかし、ロッテルダムまでは行かないものの、途中まで行く列車がすぐにある。それならば、違う駅へ行ってみたくなるもの。これに乗ってアントワープ中央駅へ寄ってみることにした。

アントワープ中央駅アントワープ中央駅は、ヨーロッパでは珍しくない行き止まり式の豪華な駅であるが、ここベルギーは日本のような効率重視の駅ばかりなので、こういった駅は珍しい。ちなみに、ここアントワープは、図らずもフランダースの犬の舞台となった町で、日本人観光客も大勢訪れる町らしい。観光局の人が苦労してネロの銅像をたてるまで話が、地球の歩き方ベネルクスに載っていた。

駅の周りをぶらぶらし、アムステルダム行きの列車に乗車する。ロッテルダムで18分の乗り換えでタリスに乗れる。ところがところが、オランダに入って国境係官が乗り込んできた時、パスポートチェックと同時に二つ目の駅で乗り換えだという。この列車はアムステルダム行きのはずだから、ロッテルダムは通るはず。同じ車両に乗り合わせた家族連れもアムステルダムまで行くのに、乗り換えと言われていた。

結局二つ目の駅に到着すると全員降ろされて、この列車は折り返しアントワープ中央駅行きになっていた。アントワープ駅でアムステルダム行きの案内を確認して乗ったはずなのに、勝手に途中で運転を打ち切るなんて訳が分からない。しかも、もともと予定通りの運行のようであるし。オランダ鉄道(国鉄は民営化した)にはあきれてものもいえないが、とにかくロッテルダムまで進むほかない。

乗り換えた電車はオール二階建ての新型普通電車であったが、乗車を楽しむどころではなかった。時刻表に載っていない列車であるが、他の普通電車の所要時間と比べると、ロッテルダムに到着する時刻はタリスが出発する2分前。実際2分もあれば乗り換えに問題ないだろうが、あちらこちらで工事をしていて、列車の速度がとても遅い。こういうやきもきした状態の時には、さらに遅く感じるものだ。

そしてついに、ロッテルダム一つ手前ですでに出発時刻の2分前。あとはタリスの到着が遅れていることを祈るのみ。しかし、電車がロッテルダムの駅に入ると、すでにタリスが駅に停まっていた。万事休す。それでも最後の望みを託し、列車を降りると共に猛ダッシュ。階段を駆け下り、四つくらい先のホームへ登る。すると、なんとまだドアが開いているではないか。

タリスタリスは5分遅れで出発した。昨日といい、今日といい、オランダには良い思いが何もなかった。タリスはフランスのパリ、ベルギーのブリュッセル、オランダのアムステルダム、ドイツのケルン間を結ぶ国際特急プロジェクトにより誕生した列車である。フランスのTGVを元に、四カ国の電源方式に対応する。ドイツの電源に対応するのが遅れており、ケルン方面はまだベルギーのリエージュまでしか行っていない。

ユーロスターにも負けない豪華車内設備を誇り、当然ビュッフェは三カ国の通貨が使用可能。車内放送も車掌がフランス語、オランダ語、英語でしゃべっている。しかし、すばらしい車両なのだけれど、列車の速度は非常に遅い。フランスのTGV専用線以外はECとほとんど同じ速度で走っており、ブリュッセルからアムステルダムはタリスでなくとも、ユーロシティーがほとんど同じ時間で結んでいる。

やきもきした工事区間はやはりタリスでも徐行して走っており、のろさに輪をかけていた。のんびり走っているうちに、ベルギー国境の駅で運転停車。ここから、オランダの右側通行からベルギーの左側通行に変わるのだ。ヨーロッパでは、列車は左側通行、車は右側通行というのが多いが、なぜか、ドイツ、オランダだけは列車も車も右側通行なのである。

オランダのお金が余っていたので、ビュッフェに行って水やらビールやらを購入する。水ごときにもタリスマーク入りのプラスチックのコップが付いている。その分、駅の売店で買うよりも値段が高いのだが。今日来た道をどんどん戻って行き、フランスに入れば本領発揮し、時速300km/h運転となる。ブリュッセルを出るときには10分以上遅れていたが、パリ到着時にはほとんど遅れがなくなっていた。

パリでは、今回の旅行最後のホテル探し。いろいろ聞いてまわるが、去年よりもかなり高め。結局どこも同じくらいの値段だったので、適当な三千円のところに決めた。夕食は堅苦しいレストランなんてめんどくさいので、駅前のハンバーガー屋へ行くことにした。フランスパンのサンドイッチにすっかり慣れきっていたので、パンの柔らかさにすごく違和感があった。

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