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5月2日(金)
Rüdesheim9:00 11:30Boppard12:44 RB6016 13:01Koblenz13:17 SE3536 14:38KölnHbf15:17 EC148 17:52AmsterdamCS22:15 288

日本にライン下りは数あれど、今日は本家本元のドイツのライン下りである。ライン川遊覧は、マインツ〜ケルンのほぼ一日がかりの船旅を楽しむものだが、パックツアーなどでは、ハイライト部分のリューデスハイム〜ザンクトゴアールの2時間の船旅となる。今回個人旅行だから乗船区間は自由に決められるが、やはり時間の関係上同じような行程になった。本来は時間に追われて乗るべきものでもないのだが。

船船乗り場には早めにつき、出発の20分前には乗船した。この船はユーレイルパスでも乗船できる。船は一階部分は普通の客室で、二階部分は屋根がない甲板となっている。船の中にまでおみやげ屋があるのは、日本の観光地さながら。今日は天気がいいのでもちろん甲板に繰り出す。まだ出発には早いためガラガラで、折り畳み椅子を持ってきて、適当な場所に席を作る。

出発時刻が近づくにつれ、やはり日本人が大挙してやってきた。前情報では、このリューデスハイム9時出発の船は日本人団体がよく使うと聞いていたのだが、その通りだった。団体の数はなんと6つ。あっという間に甲板は日本人で埋め尽くされた。ドイツ人やフランス人観光客が肩身が狭そう。日本語が飛び交い、すっかり日本に帰ってきたような状態になった。

古城船は定刻に出発し、案外速い速度で川を下って行く。この船は普通の定期便のため、川の右に左に停まりながら、客をどんどん乗せて行くが、降りる客はまったくいない。古城が次から次から現れ、雄大な景色の中をおもちゃのような列車が駆け抜けて行く。椅子に座っている時間がほとんどないほど、川の右に左に次から次から現れるので、飽きることはない。

そして、昔は船の往来の難所であったローレライを過ぎて行く。川幅が狭くなり、岩壁にこだまする音が、妖精ローレライの歌声として船頭を魅了し、船の事故が絶えなかったという。このローレライをすぎれば、川の左側にザンクトゴアール、右側にザンクトゴアールスハウゼンである。日本人団体は100%どちらかで降りる。嵐が去ったあとといった感じで、すっかり人も減ってのんびり風景を楽しむことができた。

ローレライといっても、すぐに下船しなければならない。船を降りる予定の地ボッパルドでの列車の乗り継ぎは、予定では20分弱であったが、船が遅れていたので、着いたときにはすでに列車の出発時刻になっていた。急いだところでいまさら間に合うはずも無く、次の列車に乗ることにした。ここは特急電車も数多く走る幹線ではあるが、ボッパルドはローカル駅のため、1時間に1本の普通列車しか停まらない。町中をぶらぶら歩き、スーパーで0.5DM(40円)のビールを購入してみた。一応ビールの味だったが、香り高いということはなかった。それにしても、この値段は安すぎる。水代わりにビールを飲むというのも、まんざらではない。

ケルン駅ボッパルドから鈍行列車でコブレンツへ。コブレンツではまたもやソーセージを食べて、ケルンへ向かう。ケルン駅前の大聖堂へ行くつもりだったが、残り時間が30分くらいしかなくなったため、行くのはやめてケルン駅で列車の撮影をしていた。次から次から列車がくるので飽きないが、ここでドイツの鉄ちゃんに遭遇した。ドイツ語はさっぱりだったので、コミュニケーションが取れなかった。せめて英語が話せれば。

ケルンからは国際特急ICに乗って、オランダのアムステルダムへ。夜行や駅で国境を越えたことはあったが、去年も含めて列車内で国境を越えるのは初めてだ。オランダとの接続駅で国境係員が乗ってくる。オランダには特に制服がないらしく、いたってラフな恰好で、国境を越えるつもりでいなかったら、国境係員とはわからない。パスポートを見せるだけでチェックはOK。EU加盟国内の移動はいたって簡単である。

アムステルダム駅やっとのことでオランダのアムステルダムに到着した。オランダの駅は東京駅のモデルともなった駅。見事な赤煉瓦の様相は、まさしく東京駅そのままであった。まずやることはホテル探し。なにやら混雑が激しくて、両替するにも一苦労、駅を出ても人通りが激しい。適当にホテルを当たってみるが、なぜかホテルは満室が続出。三軒くらい当たったところで駅のインフォメーションに行ってホテルを探してもらう。

しかし、ここもまだまだ人が多くて、長蛇の列ができていた。やっとの事で順番がまわってきても、アムステルダムのホテルはすべて満室ですと言われてしまう。近くの町はないですか?と聞いてみると、ロッテルダムならあるかなぁって端末をたたいている。しかし、ロッテルダムって、列車で1時間半近くもかかるんだけど。東京で静岡の宿を紹介されているような感じ。

アムステルダム駅ロッテルダムでも四ツ星以上のホテルしかなくて、ホテルの取得は断念した。そこで思いついたのは夜行列車。アムステルダムからベルリン、ミュンヘン、バーゼル、パリの4方向へ今から乗れる夜行列車が走っている。夜行返し(下り夜行から上り夜行に乗り継ぎ、また同じ駅に戻ってくる)という技もあるが、海外に来てまでやる気もしない。第一、ほとんど寝れないので、次の日が辛くなる。

翌日はアムステルダムからパリまでタリスの予約を取っているので、これに乗るのには、パリまで行って折り返し、適当なところからタリスに乗るのが妥当であろうとの判断で、今日の宿はパリ行き夜行に決定した。今の時点で夜行出発まで2時間を切っているから、クシェット(簡易寝台)の予約はできない。直接車掌に交渉し、あれば取るし、なければ座席で仕方あるまい。

列車が入線すると同時に車掌を捕まえる。二等クシェットは満席だが、一等クシェットなら空いているとのこと。一等クシェットがあるとは。二等の三段式に比べたら広々とした二段式。しかもユーレイルパスを持っていれば、料金は29G(1,900円)で二等クシェットと変わらなかった。綱渡り的な一日の終わりであったが、なんとか横になることができた。海外にきてまで何やっているんだろう、と思うと笑えてしまうのだった。

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