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11月24日(月)
グラナダ市内観光(アルハンブラ宮殿, アルバイシン, フラメンコ)
Hotel Navas

今日は当初は予定にすら組み込まれていなかったグラナダで、一日観光である。最大の目的地はアルハンブラ宮殿。イベリア半島は、一時イスラム教勢力が支配していたが、キリスト教勢力に奪還された歴史がある。そのイスラム王国最後の砦として、建築されたのがアルハンブラ宮殿で、山の上の要塞であり、かつ贅を尽くした宮殿でもあった。

スペインの予定をたてるにあたり、当初はマドリードに宿泊して、あちらこちらと日帰りするつもりであったが、風車の町はまだしも、コスタデルソル(太陽の海岸)、ジブラルタル、モロッコへ行くにはあまりにも遠すぎる。日帰りすることはほとんど無理だから、コスタデルソルに宿泊するか。それなら帰り道に寄り道できるのでは。その時に何気なく見つけたグラナダだった。

しかし、ガイドブックを読めば読むほど、グラナダへは行かなければいけないらしい。コスタデルソルの予定も次々に削られていき、きがつけば、アンダルシア地方の日程はグラナダがメインとなっていた。ちなみに、日本人が思い浮かべるスペインと言えばアンダルシア地方であり、陽気な人たちと、太陽が降り注ぐ海岸や白い壁の家々に出会える。

アルハンブラ宮殿アルハンブラ宮殿は8時半から開くとあってか、ホテルの朝食は7時半からだった。スペインのホテルとしては、かなり早い時間の食事になるだろう。朝食を早々に済ますと、数分で歩いていけるヌアバ広場からバスに乗車する。バスと言っても、細い路地を走り回るため、ワゴン車を少し大きくしたくらいのバスで、10人くらいしか乗れない。そのバスで山道をくねくね登っていく。

チケット売場までは、距離にして2km弱。歩いていけない距離ではないが、なんせ丘の上にあるため坂が急で、バスを使った方が断然良い。しかし、バスは生活の足であり、かなり遠回りしていくので、10分以上かかってしまった。観光客と見ればそこで降りるのはわかるので、そこでしっかり降ろしてくれるが、ぼーっとしているとバスは元の広場に戻ってきてしまうので注意が必要である。

夏場は長蛇の列ができるというチケット売場は閑古鳥が鳴いており、購入したチケットは、王宮に9時〜9時半で入場するようにと書かれていた。観光客が多い時期には、王宮の入場制限をこれでするのである。チケット売り場から王宮までは少し距離があり、今時刻は9時ちょっと前だから、9時に王宮へ行くことは不可能だが、9時半までには何とかたどり着かなければならないらしい。

ヘネラリフェこの道を登っていって、左に曲がってくださいという指示に従い道を進んでいくと、手入れがすばらしく行き届いた庭園にたどり着いた。入場券の一部をもぎられ、どこだかわからないまま王宮を目指す。庭がきれいだ、眺めがすばらしい、と思いなだら歩いていると、一周して元の道へ戻ってきてしまった。よくよく地図を見てみれば、今巡ってきたところは夏の別荘であるヘネラリフェだった。

王宮へ行くには、左に曲がった後もう一回左の道を入らなければならなかった。急いでそちらの道を進み、とにかく王宮を目指す。9時半ちょっと前、やれやれなんとか王宮に入ることができた、と思ったものの、なぜか城壁の間を歩き中に入れない。ここまでくれば急ぐこともないし、のんびりしてもよいだろう。景色がすばらしく、アルバイシンの白い町並み、カテドラルなどが一望できる。

アルカサバ結局城壁を一周して戻ってきた。おかしい王宮へ入れない。すると、もう一カ所チケットもぎりのおじさんがいるではないか。ここが目的の王宮で、今回ってきたところはアルカサバだった。すでに10時を過ぎており、予定時刻は過ぎている。しかし、何事もないようにチケットを渡すと、入ることができた。空いている今の時期ならでは。チケットを購入してから1時間以上後に王宮に入る方が良さそうである。

王宮は目を見張る素晴らしさで、どの建物も、どの間も、こつこつ石を彫って造った彫刻がみごとである。今まさにサグラダ・ファミリアがめざしているところであろう。そして水の宮殿と言われるごとく、いたるところに噴水や水鏡がある。砂漠の民には水は貴重だったそうである。メインのアラヤネスの中庭は、白い壁に青い空が見事で素晴らしい。

アラヤネスの中庭それにしても次から次から日本人団体が連なってくる。日本だけでなく、中国、ドイツ、フランス、どこでも団体客はいるけれど、日本人はすごい勢いで駆け抜けていく。他の国の団体は老人ばかりというのもあるが、日本人団体の見学スピードは早すぎる。何もそんなガイドブックの確認をするだけの旅をしなくても良いと思うのだが。さて、こちらはのんびりゆっくり王宮を見学し、最後にカルロス5世宮殿を見てまわると、早くも12時近くになっていた。3時間くらいいたことになるが、それでも急ぎ足だった。今まで世界中いろいろな建物を見てきたが、これほど感動した建物はない。世界一と言っても過言ではないだろう。

帰りは歩いて最初にバスに乗った広場まで戻ってきた。坂道を下ったところが、最初にバスを乗ったヌアバ広場で、ちょうどサクロモンテ方面のバスが出るところだった。そのバスは歩き方の地図に載っていた、山の上に行くものだと思っていたが、なぜか見当違いの方角へ。そして、そこの道から登っていくといいよ、と地元の方に言われてバスを降ろされた。とりあえずサクロモンテの終点らしい。

サクロモンテ言われたとおり山を登っていくと、白い壁の家々、素朴な村といったのどかな雰囲気が漂っており、いい感じである。廃墟となっている建物の前が見事な展望で、アルハンブラ宮殿が一望できる。そしてさらに山を登れば展望台へ行けるのかと少し登ってみるが、行けども行けどもたどりつけず、それどころか遠ざかっていく。仕方無しに元のバス停に戻ってきた。

先ほど一緒にバスを降りた老夫婦がバスを待っていた。しかし次のバスの時間は表示されていない。すると、目の前に洞窟住居のバーがあった。サクロモンテで有名な洞窟住居はクバといわれるもので、外壁は白く塗られていて、お皿が張り付けられていたりする。アンダルシア地方の白い家の洞窟版だ。アルハンブラビールが、地元の客向けとはいえ、おどろくべき50c(65円)だった。ビール瓶だけのラッパ飲みだが。

老夫婦はロンドンからきたとのことで、英語は話せて当然であるが、スペイン語会話集を片手に必死に次のバスは何時かと聞いていた。そういえば、ここしばらくは英語さえ通じれば、海外旅行は大丈夫と思っていたので、旅の会話集を持ってくることを忘れていた。アメリカ人はどこでも英語で通すが、イギリスの人はちゃんと郷に行っては郷に従えを実践していることが、当たり前であるが妙に関心してしまった。

地元の方によると、次のバスまで1時間以上あるらしい。それなら歩いてアルバイシンまで行ってしまおうか。白い家々を眺めながら、アルハンブラ宮殿を眺めながら、ぶらぶら田舎道を散策し、アルバイシン方面への分岐点まで歩いていく。実際たいした距離はなく、30分もかからず到着した。しかし、その間にバスに追い抜かれた。おいおい、次のバスはもっと後じゃなかったのか?

アルバイシンアルハンブラ宮殿から白い壁の家々が見渡せたところがアルバイシン地区で、入り組んだ路地に白い壁の家が所狭しと並んでいる。どこが見所というところは無いが、ぶらぶら散策するのは楽しい。そして、サン・ニコラス展望台からは、アルハンブラ宮殿が目の前に見え、これまた素晴らしい景色が広がっていた。お昼もずいぶん過ぎてしまったのでが、展望台のすぐ近くのオープンカフェで腹ごしらえとする。スペイン料理と言えば、パエーリャとトルティーヤ。ちょうど後者があったので頼んでみた。アルバイシンスペシャルなオムレツとのことである。お好み焼きの卵だけ版といった感じで、様々な具が中に入っていておいしい。このトルティーヤはパンに挟んで食べたりもする。

もう一つのロナ展望台へ寄ってから、バスに乗ってカテドラル前に戻ってきた。カテドラルと王室礼拝堂がくっついているが、別々に入場料を取られるので、王室礼拝堂だけ入ってみることにした。シエスタ休憩がもう少しで終わる時間とあって、開くまでおみやげ屋を冷やかして回る。カテドラルの前はお土産屋通りになっており、お土産選びには困らない。旅はまだまだ長いというのに、いろいろと重いものを買ってしまった。

王室礼拝堂やっと16時になり、王室礼拝堂の中に入ってぶらりと一周したら、すぐに出てきてしまった。確かに豪華な内装であるが、アルハンブラ宮殿を見てきた後ではどれもこれもかすんでしまう。そして、ホテルへ戻って一息つくことにした。すぐ近くに日本語情報センターがあって、寄ろうと思っていたのだが、17時からということだったので、ホテルでその時間まで待つことにした。

スペインの夜はこれで最後になるから、フラメンコを見に行くのなら今日が最後のチャンスでもあるので、そこで申し込もうと思っていた。雑居ビルを上っていくと、旅行会社のようなものではなくて、おじさんがひとりできりもりするところだった。集まっていた人たちはカップルばかり。しかも得る情報は食事の安い店とか、スキー場の情報とか、なにか違う。るるぶでも買って、読め!と言いたい。

ここのおじさんは、何十年も前にバックパッカーとして旅をして、スペインが気に入ってそのまま住み着いてしまったのであろう。そのような体験を語りたい、一緒に話をしたいのだと思う。しかし、そういう旅人は今はいなくて、単に情報収集の一環として訪れる人が多くなったので、つまらなくなっているような雰囲気だった。だいたいスペインの片田舎まできて、なぜ安い中華を食べる必要があるのか。

シーズンオフという事もあり、洞窟フラメンコしか申し込めなかったが、とりあえず無事見られるようだ。おじさんのスペインギターの演奏を聴いた後、ちょうど一人旅で自分とは全く逆向きの旅をしている人と夕食へ。洞窟フラメンコは21時に集合だが、普通のレストランはスペイン時間で21時くらいから開き始めるので、レストランをを探すのも一苦労。しかも歩き方は高級店しか書いていないから、まったく利用価値0。

それでも、カテドラル近くのビブランブラ広場に面したレストランは、観光客相手であるせいか、いつでもやっているようで料金も手頃である。今日はスペインのレストランで最後の夕食とあって、グラスワインの赤ワインを頼み、料理はパエーリャにトルティーヤも頼んだ。相変わらずワインが安くてうまい、料理もおいしくてスペイン最後の夕食も十分に楽しめた。

洞窟フラメンコ今日はまだまだこれからで、21時にヌエバ広場に集合して、サクロモンテにある洞窟フラメンコへ。NHKの世界遺産中継(2004.12)でも登場したクエバ内のフラメンコである。フラメンコと言えば、このアンダルシア地方から始まったもので、踊り、ギター、歌の三位一体の芸術で、それに手拍子とカスタネットが情熱的に加えられる。しかも、洞窟であるので、音の反響がまたすごい迫力。最初に登場した女性が力強く、かなり引き込まれるものがあった。次の二人はまぁまぁ、男性のフラメンコも入り、最後は大御所でちょっと力強さには欠けるものの、なかなかに楽しめるすばらしいものであった。これがたった23ユーロ(3,000円)とは非常にお得だった。

すっかり遅い時間になっていたが、次の回を待つ人たちが待っていた。さすが、スペインの夜はまだまだこれからのようである。最後にサン・ニコラス展望台からアルハンブラ宮殿の夜景を眺め、ホテルへと戻ってきた。スペインは夜遅くまで皆ぶらぶらしているお国柄であるが、さすがに0時近くになってくると人通りが少なくなっていた。明日の朝はかなり早い出発なのだが、大満足のスペイン最後の夜だった。

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