'97夏 九州旅行と韓国旅行 その08 - オドゥ山展望台

8月15日(金)
ソウル9:00 Tongil1561 10:02金村 オドゥ山統一展望台 金村15:04 Pidurgi1026 16:08Seoul
大祐旅館

朝はのんびり起床して、ソウル駅まで歩いて行く。途中、コンビニでおにぎりとのり巻きを購入しておく。今日向かうのは、北朝鮮国境近くの展望台。ソウルの方にはおなじみの展望台となっているオドゥ山統一展望台(オドゥサン・トンイル・ジョンマンデ)である。ソウルから乗車する京義線は、昔は北朝鮮の平壌までつながる大幹線だった。しかし現在は途中で寸断され、ローカル線になってしまっている。

ソウルから金村(クムチョン)の駅まで約1時間の道のりで、トンイル号のため料金は1,300won(169円)だった。列車が動き始めると朝食にするが、海苔に塩やふりかけが付いた韓国海苔を使ったおにぎりは、変な味だった。この列車はトンイル号なので、車内販売がある。どの車販でも、なぜか「するめ」は置いてある。しかも、それが飛ぶように売れている。日本でいうところの旅にはみかんと同じようなものか。

トンイル号

ローカル線とはいえソウルまで通勤圏内だから、駅前には高層マンションも多い。そんな風景が田舎の風景になった頃、金村駅に到着した。ここでちょっとハプニング。列車の写真を撮っていたら駅員に怒られた。韓国語で何を言ってるかわからなかったが、片言英語ができる駅員によると、列車の写真を撮ってはダメらしい。軍事上問題があるとも思えないが、国境近くで警戒感が高まっているようだ。

バスターミナルまで歩いていく。ハングル表記の運賃表の中から、トンイルジョンマンデ840won(110円)を探し出したが、窓口は閉鎖されたまま。仕方がないので、直接バスに乗り込むことにした。しかし、バスターミナルなのにバス停は無く、無造作に停められたバスの中から、ハングルで経由地名を書いた行き先表示を見て、バスを探し出さねばならなかった。

すると、運のいいことにトンイルジョンマンデの文字を発見できた。いつ出発するかわからないが、とりあえず乗って待つことにする。歩き方にはバスは30分に1本くらいあると書かれていたのに、結局1時間近くたってから出発した。こんなことなら、タクシーで行けばよかったか。バスは15分くらいかけて、サービスエリアのようなところに到着した。

周りにはなにもないが、このサービスエリアのようなところだけ、おみやげ屋から食堂からいろいろ揃っている。すると、ちょうどいい具合に無料バスが出発しそうだったので、無料バスに乗って展望台を目指す。昔は展望台まで車で行けたのだが、あまりにも観光地化しすぎて駐車場スペースが無くなり、広い駐車場を作れるところから無料バスで送迎するようにしたらしい。

オドゥ山統一展望台

山を登ること数分で、統一展望台に到着した。バスを降りるとすぐ漢江が目の前に見え、対岸は北朝鮮である。川の向こうは北朝鮮というだけで、感慨深いものがある。北朝鮮からわざと見えるように、韓国側には高速道路並みの素晴らしい道路が川沿いに造られている。望遠鏡500won(65円)を見ると、北朝鮮の団地などが手に取るように見えるが、あまり人が生活している感じはなかった。

展望台の建物自体に入ってみる。入場料は1,200won(150円)。朝鮮半島の歴史に始まり、北朝鮮の服や食べ物を展示していたり、北朝鮮のいろいろな物を売っている。こんなに北朝鮮グッズを売れるほど、韓国と北朝鮮は国交があるのだろうかと思ってしまう。メインのホールでは、映画館のような椅子配置で北朝鮮が目の前に見える展望台となっており、北朝鮮の説明が1時間おきに行われている。

北朝鮮

韓国語で何を言っているかさっぱりわからない説明であったが、望遠カメラを使いながらの説明は、見ているだけでもなんとなくわかった。帰ろうとすると、なんと無料バス乗り場は長蛇の列ができていた。今日は祝日でもあるので観光客が多いようだ。展望台へ来るときは朝早かったので、まだ人も少なかったが、のんびりしすぎたため、すっかり混雑していた。

しかし、次々にバスは登ってくるので、ちょっと待っただけで乗ることができた。サービスエリアのようなところへ戻ってくると、相変わらずバス停のようなものは無いが、バスを降りたところにバスの時刻表があった。次のバスまで1時間くらい待たねばならないらしい。それならば、少し遅くなったが食べそびれた昼食にするため、食堂を見て回る。

おばちゃんたちの熾烈な客引き合戦が繰り広げられる中、ある1軒に入りまたもやチゲを頼む。韓国も残りわずかと思うと、チゲを食べずにいられなかった。しかし、ここのチゲはコンロ付きで煮立てて食べさせられたので、暑いさなか熱いチゲでますます暑くなった。観光地価格で、5,000won(650円)なり。おみやげ屋を冷やかしたりしているうちに、バスの到着時刻になった。

しかし、バスの姿はまったく見えない。あちらこちら探しているうちに、なんと全然違うところで停まっているバスを発見した。どこが本当のバス停なんだ。ダッシュで何とか間に合い、金村駅に向かうことを確認すると、500won(65円)と言われる。行きは840won(110円)だったはずだが?金村駅に到着し、次の列車を確認すると、ちょうどいいことに一日3往復しかないピドゥルギ号だった。

ピドゥルギ

行きは1,300won(169円)だったが、帰りはピドゥルギ号で500won(65円)だった。違いは車両のボロさだけ。またそのボロさが良かったりもする。いろいろな車両が連結されていて、ロングシートの車両から、トンイル号に使うクロス転換シート、昔ながらのボックスシート、妙に感動してしまった。もちろん窓は開けられるし、ドアも手動。韓国はまだ、古き良き時代がある。

ソウルに戻ってきて、宿でまた3人合流した。今日の夕食は犬(ケ)である。歩き方に載っていた犬料理屋へ行ってみたが、それらしき店は見つからない。さんざん探し回って疲れたところで、豊田ホテルが目に飛び込んだ。日本人にはおなじみ、パックツアーでよく使われるかなり良いクラスのホテル。ちょうど友達が前回の韓国旅行で泊まったこともあったので、泊まってもいないのに聞いてみた。

日本人観光客が多いから、ボーイには予想通り日本語が通じた。しかしボーイにもその場所はわからないらしく、電話までしてくれたがつぶれていた。それならばと、近くの犬料理屋を紹介してもらう。少し歩いたところにその店はあった。ここの店は、日本語はおろか英語も通じない。韓国語の単語を並べ立て、あれやこれやと注文する。こういうコミュニケーションも海外ならでは。お目当ての料理には犬鍋を頼む。

3人前と言ったが、2人前単位でないとダメなようで、2人前に犬のモツをサービスしてくれた。犬料理、どんなものか不安だったが、胡椒などで臭みを消しているのか、比較的食べやすい。鶏肉をもっと脂っこくした感じ。犬と思わなければ別段どうという事はない。ただ、サービスで入っていた骨付き肉のサイズと犬の足が頭の中で一致してしまったときは、少々まいった。

最後に、パプを入れてもらっておじやまで作ってもらい、店の人には何から何まで至れり尽くせりしてもらった。これで3人で45,000won(5,850円)にしかならない値段を見て、昨日と同じくらい腹一杯食べたのに、あまりにも安い値段にびっくりした。最後にソウルタワーに登ってソウルの夜景を見て、今日の活動は終了。ソウルタワーから見るソウルの夜景は、戦時下のためかあまり明るいものではなかった。


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