'97夏 九州旅行と韓国旅行 その06 - 移動日

8月13日(水)
釜山10:00 Saemaul8 14:20Seoul
ソウル(東大門)
大祐旅館

ついにというか、やっとというか、釜山を離れる日となった。予定では水中翼船で麗水に向かい、夜行列車でソウル入りするつもりである。国内船の乗り場は、関釜航路の乗り場とは違っている。日本で手に入れていた時刻表では、歩き方に載っていた9時半の船が無いことは知っていたが、夏になれば臨時で出るのだろうと安直に思っていた。しかし、残念ながら時刻表通りだったようだ。

今日は天気も悪く、船からの景色は望めない。しかも麗水からソウルまで寝台車が取れるかどうかもわからない。というわけで、釜山から直行でソウルへ行くことに決めた。そして、朝食として船乗り場でのり巻き(キムパップ)を買って食べた。酢飯で無いのだが、結構うまい。キムパップ弁当は、駅弁や車内の弁当として定番の弁当になっている。

釜山駅まで行き、セマウル号の切符を購入した。土日は一割増であるが、火水木は一割引という料金設定のおかげで、やたらと安い23,100won(3,000円)である。釜山〜ソウル間は444.5kmで、東京〜米原間とほぼ同じ距離。新幹線なら2時間半の所、セマウルなら4時間強である。フランスのTGV型高速列車が開通すれば、2時間程度で結ぶことになるのだろうが、開通予定は延び延びになっている。

セマウル

これから乗るセマウル号は、10両編成が2つ連なった20両編成。それぞれに普通車、特室、食堂車が連結されている。特室とは日本でいうところのグリーン車にあたるが、料金の差が釜山〜ソウル間で700円なので、韓国の人は普通に乗っている。新幹線と同じ線路幅を持ちながら、普通車でも4列シートなのだからゆったりしている。列車の出発前に、新聞の車内販売はなんだか変だった。

これでしばらく釜山の町ともお別れである。列車は騒音もなく快適で、まずまずの速度で走っていく。相変わらず外の風景は日本の田舎風景で、車内は車販がひっきりなしに歩き回っている。ただ、ちょっと変わっていたのが駅到着前の音楽。駅ごとに曲が決まっているのだろうか、クラシックが唐突に流れ始め、その後で到着の案内が韓国語、英語で行われる。いきなりジャンジャカやるのはちょっと考えもの。

ソウル駅

ソウルが近くなると、田舎の風景から住宅が立ち並ぶようになり、線路が複々線になり、架線が張られるようになった。しかし、ソウル駅自体は電化されていない。4時間はさすがに長く、やっとという感じでソウル駅に到着した。改札で切符を集めていたので、駅員にイゴルチュセヨ(これをください)と言ってみると、切符はもらうことができた。ここでも先代の日本の鉄チャンのおかげか。

ここで帰りのセマウル号の切符を取っておく。帰りは土曜日になるため一割増で、特室にもしたため、34,600won(4,500円)だった。同じ区間なのに、帰りは実に1.5倍の料金となってしまった。次にするのは宿探し。ソウル駅から近く、歩き方に載っていた大祐旅館へ向かう。南大門のすぐ近くなのだが、南大門があるところへきてみると、なんと改装工事中で壁にすっぽり覆われていた。なんとも残念だった。

大祐旅館は、初めていくと絶対迷うとの話通り、三角の道をあっち行きこっち行きし、やっとの事で探し当てた。相変わらず、歩き方の情報だけでは宿にたどり着けない。宿の人は日本語がしゃべれて問題なし。満室に近かったがなんとか泊まれるようなので、3泊をお願いした。今日はもうあまり時間もないので、ソウルの町をぶらぶらする程度。

遅くなったが、近くの食堂で昼食とした。ハングルにも随分慣れ、メニューから冷麺を探し当てた。もちろん辛いピビムネンミョンである。なぜかhot? ice? と聞かれたが、熱い冷麺なんてあるのだろうか?食べ方も教えてもらい、麺をはさみで切ってもらった後、酢、キムチ、などを入れて食べる。独特の歯ごたえがある麺、程良い辛さ、酢の酸味がなかなか良かった。ただし、少々値段も高く5,000won(650円)だった。

昼食後は、ソウル駅を探索した。ソウルの駅舎は赤れんが造りで、東京駅にそっくりである。その駅舎の南大門側はにぎわっているが、反対側にはなにもない。ソウル駅をぶらついた後は、もう一つのターミナルである清凉里(チョンニャンニ)駅へ地下鉄1号線で向かう。地下鉄は日本のように線区ごとに色分けされた上、駅ごとに番号も付いているため、非常に気楽に乗れる。

東大門

ソウルが東京なら、清凉里は上野という位置づけになるだろうか。江陵、安東など、韓国の東側に向かう列車は、この駅から発着する。ソウルの人の多さに比べれば、こちらは田舎駅だった。東大門、明洞とぶらついてから、宿の近くで夕食。焼き肉も食べられる食堂であったが、やっと念願のピビンパプを頼む。店の人はこれだけ?ってな顔をしていたが、確かにこれだけを頼む人はいないようだった。

韓国の人達の食べ方を見ていると、歩き方に載っていたマナーなんてまったく守っていない。いや、もともと情報が古いだけで、マナーなんてものは無くなっているのかもしれない。韓国も日本と同じである。肝心のピビンパプはというと、日本みたいにきれいに盛りつけされておらず、具がごったごったにご飯の上に載っている。なんとなく、安食堂の食事らしくて、それもまた良かった。値段は4,000won(520円)。


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