'97夏 九州旅行と韓国旅行 その03 - 下関

8月10日(日)
博多10:07 11:13小倉11:32 11:46門司港 和布利公園 火の山公園 下関港19:00 釜関フェリー

昨日の雨もすっかりあがり、またもや暑い日差しが返ってきた。関釜フェリーの予定は明日である。今日と明日は何をすればいいのやら。いろいろ考えたあげく、本当は韓国から帰ってきた後に行こうと思っていた関門人道トンネルへ行くことにした。そこから火の山公園へ行って下関港まで行き、キャンセル待ちできたら今日の船、ダメだったら火の山YHに泊まって明日のことはそれから考えることにした。

門司港駅

博多から小倉まで快速列車に乗り、乗り継いで門司港駅へ。門司港駅は関門トンネルができるまでは、連絡船で最初に着く九州の駅だった。異国情緒あふれる駅の造り、内装など国の重要文化財に指定されている。駅舎の中はその当時のまま使っている物が多く、いままで駆け足でこの駅を利用していたので、こんなにも見応えのある駅舎であるとは思っても見なかった。

門司港駅から少し歩くと海に出て、対岸の下関が間近に見える。鉄道も道路もほとんどトンネルで下関と結ばれているが、中国自動車道だけは白い大きな吊り橋の関門橋で結ばれており、これがまた良い景観となっている。このあたりには古い建物が集められ、いろいろな資料館となっている。横浜などと比べると、その規模は小さいが、異国情緒が感じ取られる良い場所である。

人道トンネル

そこからさらに歩くこと30分、和布利(めかり)公園に到着した。下関との距離は短いところでわずかに400mしかない。泳いでも行けるくらいの距離で、ちょうど吊り橋が下からきれいに見えるポイントでもある。ここから下関までは人道トンネルが続いており、道路用に造られたトンネルの隙間を利用して、人が歩けるようにしてある。歩行者はタダだが、自転車は20円かかる。

エレベーターで降りるとホールのようなところがあり、トンネルが一直線に下関へと向かっている。トンネル部分の全長は700m。ちゃんと道の中間ほどに県境表示もあり、黙々と歩いて下関側に到着した。外に出ると当然、さっきと逆の門司を見る側になっているわけで、この海峡の下を歩いてきたのかと思うとなんとも感慨深げ。ここからロープウェイで火の山公園の展望台へと登って行く。

火の山公園

たまにスコールのような雨に見舞われるが、晴れ間ものぞく天候でまずまずの展望。下関と海峡を挟んで九州門司の町並みが見渡せる。夜ともなれば、夜景がすばらしいようだが、昼間の景色もなかなかのものである。山を下るとYHがあった。今日の関釜フェリーに乗れなかったら、ここにお世話になりにこようと思いつつ、バスに乗り込み下関港へと向かう。

下関港には15時前に到着した。出航は19時であるが、3時間前に手続きを行う必要があるので、そんなに早い時間でもない。しかし、厳密には3時間前を過ぎても問題ない。台風の影響で積み残された人が多いのか、かなりの人数が並んでおり、キャンセル待ちを行う人は番号札をもらってお待ちくださいと書いてある。しかし、もう乗れますから、乗船名簿などを記入してくださいとあっさり言われた。

すっかり九州旅行を満喫してしまい、急に韓国へ行くことになったので、これから海外旅行というイメージがわかない。もともと韓国自体が国内の延長という感じがするし、待合室で待っていても、どこかの島へ船で行くだけという気がしてならない。17時になって出国手続きが開始されたが、荷物のX線検査も無しに出国手続きできてしまうところが飛行機とは違うところ。

出国手続きの列に並ぶと、韓国の運び屋のおばちゃんがすごい量の家電製品を持っている。あまりの多さに台車を持参しているところがまたすごい。交通費を払ってまでこんなに買い込むメリットがあるということか。出国手続きが終われば、すぐさま船に乗船した。一応小さな免税店があったが、船の中でも免税品を買うことができる。

今日の船は韓国籍の釜関フェリーだった。この航路では、日本籍と韓国籍の船が一日おきに交互に運航しており、今日は韓国の船である。船のボロさ、汚さは日本の船ではないという感じを抱く。しかし、帰りに乗った日本籍の船と比べると、こちらの方が断然面白味があった。出航時には、韓国の行進曲のような音楽が流れていた。

自動販売機は円用とwon用の物があり、ジュースは100円。ビールは免税で350mlが150円。風呂とサウナがついているが、風呂は壊れているようで使用できなかった。食堂では夕食と朝食が出るが、さすがに韓国の食べ物がたくさんある。しかし、倹約モードがまだ抜けきれない状態だったので、ついつい一番安いカレーライスを食べてしまう。味はまさしくボンカレーで550円。

食事をしてしまえば、やることもないのでひたすら寝る。船はかなり揺れていたが、何度目かに起きたときには、すっかり揺れもなくなっていた。船は釜山港沖に深夜到着するのだが、入国審査がはじまるのが8時半なので、早朝までずっと町明かりが遠くに見えるところで停泊しているのである。おそらく、釜山港沖にもう到着したのだろう。そう思いつつ、また眠るのだった。


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