'97夏 九州旅行と韓国旅行 その04 - 釜山

8月11日(月)
釜関フェリー 8:30釜山港
釜山(東莱温泉)
ソウル荘旅館

6時半から朝食となるが、船を降りてから食べようと思い、食べに行かないでごろごろしていた。7時を過ぎると、ゆらゆら揺れながら動き出し、釜山港には定刻に到着した。とっくの昔に釜山港沖に到着しているのだから当然である。入管も税関もあっさり終わったが、両替がなんと長蛇の列。とりあえずのお金さえないからここで両替せざるを得ないのだが、ゲートを出たところの両替所はガラガラだった。

台風の影響をまだ引きずっているのか、天候は曇り空。未だにどこかの島に渡っただけで、外国に来たとは思えないのであるが、さらに風景がまったく日本と同じだから、まだ九州旅行の続きの感覚である。ハングルもある程度勉強したせいか、そんなに違和感を感じない。そんな感じで日本のままの感覚でいたので、車が右側通行になっていることさえ気づくのに時間がかかった。

まずは宿探しで、歩き方に載っていた釜山港に近いソウル荘旅館へ行く。もちろん英語は書いていないし、ハングルを勉強したとはいえ、すぐに読めるほどになっていないから、探し当てても合っているかどうか、本と見比べて何度も確認した。ここの宿の主人は、日本語が通じるというレベルを超えて、日本人ではないかと思うくらい日本語がうまい。だから言葉も全然問題なかった。

部屋に荷物を置き、即金で2泊分40,000won(5,200円)を払う。ほとんど口約束だけという感じで、領収書も何も無いところが、いかにも韓国らしくてアバウトだった。まだ貨幣価値がピンとこないが、なんだかすごく大金を払った気がする。しかし、実際には博多のビジネスホテル1泊分より、ここの2泊の方が安い。朝食として売店でパンを購入してから、国鉄釜山駅へと向かった。

釜山駅

明日慶州へ行くための切符を取りに釜山駅へ。地下鉄一駅分を、時間もあるので歩いて行く。釜山駅は大ターミナルで、1階が韓国の特急セマウル号の切符売り場、2階がその他の列車の切符売り場となっており、さらにホームごとに改札が行われるのは変わっている。ホームの上を橋が渡っており、階段ごとに改札がある。明日の列車の切符は、急行列車2時間で、たった3,900won(510円)だった。

釜山では予定を決めていないので、地下鉄を乗りつぶして町自体を感じることにする。初乗り450won(59円)だが、ある程度以上は500won(65円)となり、端から端まで乗ってもそれ以上の値段はない。公共交通機関の値段の安さにはまったく驚かされる。終着駅は空き地が多く、本当に韓国第2の都市だろうかと疑いたくなる。日本でいうところの大阪をイメージしていたが、どうやら都市というにはほど遠いようだ。

看板などにも英語はほとんど書いていないし、コンビニで若い店員にも英単語さえ通じないし、韓国は日本と肩を並べるほどにまで成長していると思っていただけに、肩すかしを食らった感じだった。どこかで昼食にしたいのだが、ハングルしか書いていなくてわからない。結局ロッテリアのお世話になった。しかし、このロッテリアの先に韓国料理のファーストフード店があった。残念。

乗りつぶしも完了したし、次は温泉へ行ってみる。地下鉄の駅名もその名の通り、温泉場(オンチョンジャン)駅。東莱温泉という温泉で、韓国通の方に教えてもらった共同浴場へ向かう。全然逆の方向へ行ってしまっていたり、変な道を曲がってしまったり、たどり着くまでに苦労したが、着いてみれば教えてもらった道案内通りだったことに気づく。まったく、どこをどう間違えたのやら。

建物には何にも書いていないが、のれんがかかっているのは日本の銭湯と同じ。おばさんが左側に入って行くので、右側に入って値段を見ると、2,400won(310円)だった。日本と同じくらいの値段ということは、韓国としてはかなり高額なのではなかろうか。ど真ん中に湯船があり、他に冷たい湯船と熱い湯船があった。韓国人は行ったり来たり繰り返していたが、私は熱い方には入れなかった。

夕方になったし天候も悪いため、今日は観光をあきらめ、宿周辺の食堂で夕食にする。相変わらずメニューを見てもさっぱりわからない。ピビンパプと言ってみるが、言葉が通じないのか元々ないのか、わかってくれない。歩き方の写真入りメニューを見せてピビンパプを指してみるが、反応は同じだった。ある料理を指さしてもらうと、チゲ関係ならあるらしい。それならばと、豚とキムチの鍋のキムチチゲを頼む。

メニューと本をにらめっこしていると、メニューにピビンパプがあるじゃないか。よく食堂では、メニューに書いてあってもやってないと言われることが多いらしいが、どうもそれらしい。このアバウトさも、また韓国らしい。料理が出てくると、おまけの総菜だけでキムチを初めとして6皿もある。こんなにあって3,000won(390円)とは安すぎる。これが、韓国食堂の食事なのかと感心した。

まずご飯だけ食べてみるがまずい。しかし鍋の中にご飯を入れ、おじや状態にするとこれがうまい。辛さも程良くて、韓国らしい食べ物にやっと出会えた。キムチはちょっと浅漬けだったが、南部のキムチは浅漬けで、北へ行くほど漬ける時間が長くなるらしい。そんなこんなで韓国初日は過ぎていったが、ありがとう(カムサハムニダ)さえ長すぎてとっさに出てこないし、言葉の壁は厚かった。


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