'03夏 ベトナムへの旅 その10 - メコンクルーズ

8月15日(金)
ミトー(メコンクルーズ)
ホーチミンシティ(ホーチミン作戦博物館)
Ho Chi Minh City(TanSonyat)23:50 JL750
8月16日(土)
7:35東京(成田)

ついにというかやっとというか最終日。ホーチミンシティでは、バイクタクシーとシクロのうるささは相変わらずだが、元々がフランス支配下で資本主義が育っていたせいか、危険さまではあまり感じなかった。ホーチミンシティの危険さはハノイの比ではないと散々いわれてきたのであるが、自分の感覚としては、逆にハノイの方が危ないと思った。ドンコイ通りのようなきらびやかな通りは、ハノイにはない。だが、ぼったくりは相変わらずだが。CNNでは、朝からニューヨーク大停電のニュースを報じていた。こういうときに限って、NHKが見られない。ずっと同じニュースをやっているCNNの方が、わかりやすいといえばわかりやすいのであるが。

今日のツアーは、メコン川クルーズ。ホテルまで迎えにきてくれて、ミトーというメコン川の入り口の町まで車で約2時間。今日のガイドさんは、昨日に比べると普通であるが、やっぱり都会的な感じがする。ハノイは田舎だったのだなとつくづく思う。今日の参加者は8名で、その中にはハノイでハロン湾へのツアーで一緒になった人もいた。同じような行程でフエに行って、ホーチミンシティへ昨日来たそうだ。

今日もあまりしゃべってくれないガイドさんで、2時間は非常に長かった。いや、ハノイの子がしゃべり過ぎなのだ。ホーチミンシティからメコンデルタまでは交通の要でもあり、クチへ向かったときのような田園風景を見ることはできなかった。メコンデルタは社会科の時間にも習うような有名な地帯で、ここを中心に稲作が発展していった。ミトー自体は小さな町で、メコンクルーズの観光基地にもなっていることから、船付き場には船がずらりと並んでいる。大きめの船に乗船し、一路対岸のタイソン島へ。ここら一帯がメコン川であるが、日本のように高低差は無いため、常に濁った泥川である。船の上では、ヤシノミ一つ各人に振る舞われた。

メコン川クルーズ

タイソン島では、ジャックフルーツやバナナのスナック菓子のお茶休憩と、ランブータンやパパイヤのフルーツ盛り合わせ休憩、さらにはココナッツキャンディーの工場というか釜で煮ているところを見たりと、いろいろとお土産を買わせるようなルートができあがっていた。そして、メインイベントであるメコンクルーズへ。といっても、ヤシやマングローブがが生い茂るちょっとした川をてこぎ舟で進んでいくだけである。

狭い川をのんびり進んでいくのはまずまず。直射日光をもろに受けるので、ベトナムの笠がかかせない。そして、15分くらいだろうか、狭かった進路も急に開けて、海のように思えるがここも大型の船で渡ってきたメコン川。はしけで先ほど乗ってきた大きめの船を待ち、車を降りた場所へ戻ってきた。これにて今日のメインイベントは終了である。なにがなんだかわからないままに終わってしまった感じがする。事前に説明やパンフレットがないのは、まだまだ観光に力が入っていないという現れでもあろう。

12時を過ぎたところで、このまま帰ってはお昼を食べる間がないので、近くのベトナム料理店で昼食が込みになっている。魚そのままを揚げたものに始まり、鍋やら肉料理やら、バルーンライス?だったか、ボールのようにしてあげた餅など、いろいろな料理がでてすごかった。ベトナム料理といっても、フォーと生春巻きだけでなく、奥が深い。

中央郵便局

車は予定通り15時過ぎにはホーチミンシティに戻ってきた。ホテルは18時に出れば良いので、それまで時間がありすぎる。どこかに寄ってみたいところである。と言っても、見所の少ないホーチミンシティである。サイゴン大教会で車を降ろしてもらい、昨日行くことができなかったホーチミン作戦博物館へ行ってみるが、大したことはなかった。

帰り道にベンタイン市場を冷やかして回り、ホテル近くのフォー店で最後のフォー料理をいただく。こんな小さな店で、おばちゃんは片言日本語を話し、ビアホイは辞めたよと言っていた。なるほど、なかなか出会えないわけである。フォーは7Kドン(56円)だし、ビールは10Kドン(80円)だし、最後にボッタクリもなく、いい気持ちであとにすることができた。

17時過ぎにホテルへ戻ってきて、まずまず予定通り。シャワーを浴びて、荷物を整え、18時丁度にチェックアウトした。late check outにしておいて良かった。高々$10で荷物番とシャワー代なら十分。エアポートホテルでシャワー利用だけしてももっとかかるし、だいたいベトナムの空港にそんな施設があるはずがない。時間つぶしにもちょうど良かった。

ベンタイン市場

タクシーは、またしてもホテルのボーイさんが$5と言う。もはやそういう取り決めなのだろう。それにしても、このタクシーは本当にタクシーなのか怪しい。メーターが無い。いわゆるホテル直属の白タクってやつか?ちゃんと空港までたどり着けるのだろうか?しばらくわからない裏道を走っていたが、おおむね北方向に走っているので間違いはないだろう。行きにも通った空港前のゲートを通ると、空港に向かっていることがなんとか確認できた。

しばらくすると、空港に到着したらしい。空港に着いたよと言われても、本当にこれが空港なのだろうか?と思ってしまった。なぜか人が集まっていて、コンサートホールのようだった。Airportの文字を確認できなかったが、建物の中にDepatureという表示があったので、たぶん空港なのだろう。ちゃんと目的地にたどり着いたかどうか確認しなければいけないほど、何から何まで常に確認が必要な国である。

19時前には着いてしまったのであるが、チケットを持っていない人はチェックインカウンターにさえ行けない構造になっているので、うるさい人々がいない中で待つことができた。20時を過ぎると、ちらほら日本人が集まり始めたのは、ホテルの都合で追い出された人たちか。そして、早々と21時過ぎにはチェックインカウンターがオープンした。しかもそれを待っていましたと言わんばかりの長打の列。3時間前にこれだけの人が集まる飛行機は珍しいのではなかろうか。席はもう決まっているので、のんびり列が短くなるのを待つが、いつまでたっても短くならないので、JALゴールドカードの利点を行かし、ビジネスクラスでチェックインした。そういえば、アオザイを着て帰国しようとしている人がいるのには驚いた。確かに作ってみたのは良いけれど、着る機会なんてそうそうないような気がするが。

手荷物だけのX線チェックを通ってエスカレータで2階へ上ると、空港使用料$12(1,440円)を支払う。ここ久しく空港使用料というものを払っていない(チケット込みだった)ので、なんとも新鮮であった。その後で出国審査である。今回も例のごとく、ビザの日付の書き直したところを何度も何度も見ていたが、とりあえずおとがめなしで、出国することができた。一応、免税店の品数もそろっていて、お土産もいろいろ並んでいる。残ったドンを使い切るには便利であるが、もともと値札自体がぼったくっているような値段がついているが、町中で買った方が高いものもあったりする。さらに、ここでも最後のぼったくりが行われた。$1.5と表記された乾燥フルーツ菓子が、レジでは$5と言う。はいはいわかりましたって感じで、こんなところでも、最後の最後にベトナムらしさを味わってしまった。

さらに、夕食がまだなので、最後に食事でもとレストランへ行くがこれまた高い。フォーはありますか?と聞くとありませんとの返答。しかし、メニューにはしっかりある。どうも自分の発音がおかしいようだ。ベトナム語の発音は難しい。$3もするわりには今回の旅で一番まずいフォーだったし、単なる缶ビールが$3もした。成田空港でさえも、定価の5倍もする1,000円の缶ビールはあるまいて。

飛行機に乗る前に、最後のX線チェックゲートがあり、チェックインをしながらX線チェックも行っているので、なかなか列が進まない。こんなシステムをしている空港は初めてだった。飛行機はまずまず予定通り離陸し、ベトナムの海岸線に沿って飛行した後、タイのバンコク東京線の航路を利用して、東京へ向かっていた。

フライト時間は5時間半で、1時間前には朝食が配られることから、睡眠時間は実質4時間弱しかない。ほとんどの人が爆睡しており、朝食のおかゆも食べられない人が多かった。こんな短距離なのだから、朝食はいらないから寝させて欲しい。もしくは、香港線のように夜日本着にした方がよいのではないだろうか。入国も問題なく、荷物は預けていないのでそのまま外へ。夏休みの帰国ラッシュを伝える気の早いマスコミが出口に待ちかまえていたが、JR乗り場へと向かう。

ほとんど眠れなかったから、成田エクスプレスで一本で寝ていこうと思っていたのだが、なんと集中豪雨の影響で、JRの列車は遅れているという。下り電車が遅れているので、上りもいつになる事やら。さらに、その先で徐行運転が予想されているので、横浜に着くのはいつになるかわからないとのこと。大変なベトナム旅行であったが、日本に帰ってきてまでまだ大変さが続いているとは。日本語の発音が変な風になりながら、スカイライナーで日暮里から京浜東北線を利用して帰宅した。

今回久々のアジア系であったのだが、たまたまSARSの影響が続いているのか、ハノイは非常に危険な町だと感じだ。イタリアのローマも危ない感じがしたが、そんなものは目でもない。ホーチミンシティも代わり映えのない騒音のうるささがあるものの、危険な雰囲気はハノイほど漂っていなかった。ぼったくりは、どこでも当たり前のように存在し、買い物目的だけで訪れるお姉さんたちの気が知れない。まともに観光で行けるようになるにはまだ数年かかると思われる。訪れる方々は、心して訪問して欲しい。個人でできるODAとして。


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【目次】
出発準備編
出発
ハノイ
ハノイ
ハロン湾
フエ
フエ
ホーチミンシティ
クチトンネル
メコンクルーズ