'03夏 ベトナムへの旅 その08 - ホーチミンシティ

8月13日(水)
Hue(PhuBai)13:10 VN255 14:30Ho Chi Minh City(TanSonyat)
ホーチミンシティ(サイゴン大教会)
Vien Dong

ハノイの出発時刻よりも今日はさらに遅い。散歩でも行きたいところであるが、外は暑いし、バイクおやじがうるさいし、別段行くところもないし、部屋でごろごろしていた。テレビがあれば、大概のホテルでは海外向けのNHKが見られるのであるが、終戦記念日間近ということで、毎朝ベトナム戦争の特派員報告というのをやっていた。アメリカ軍に付いて従軍したり、サイゴンからレポートがあったり、ベトナムの歴史を学ぶには最適だった。

11時過ぎにチェックアウトし、無事パスポートは返却された。空港までのタクシーは96Kドンで、空港入場料2Kドンを加えて、ちょうど100Kドン(800円)札を渡せた。空港の売店やお土産屋を見て回るが、Tシャツが$3(360円)だったり、プラスチックながら絵皿が15Kドン(120円)だったり、まったくぼったくりしない価格はこんなにも安いのかと驚きを隠せない。飛行機に乗る前に軽く食事でもと思っていたが、Restrantと書かれたところでは、ジュースとお菓子しか売っていないなかった。まさに田舎の空港だった。

フエ空港

今日の飛行機もほぼ満席で、ホーチミンシティに到着した。国内線だからだろうか、タクシーの客引きも少なかったが、白タクなど目もくれずにタクシー乗り場へ。しかし、タクシー乗り場から乗っても、相変わらず白タクと代わり映え無い。このホテルまで、あぁそこなら$5。と言って車を走らせる。だいたい相場通りだからもはや戦う気はなし。少し走ってから、メーターを動かすのは、会社に入れるお金さえもケチるためか。さらに運ちゃん曰く、どこまで行くの?なにを聞いとんじゃ。

しばらく順調に走っていたが、なぜか路地裏に。これはやばいことになるかもしれない。水を確認するなどと訳の分からないことを言って、ボンネットを開けてなにやらやっている。怪しい仲間が現れないか、トランクの荷物が盗まれないか、ひやひやしながら、おっちゃんのわけのわからない行動が終わるのを待った。車が出発しても、後ろを確認して、怪しい人がいないことを確認した。昼間の乗車で良かった。夜だったらどうなっていたかわからない。この国では、何が起こるかわからないので、常に警戒を怠ってはいけない。そこまで警戒できないよ〜という人は、この国には行くべきではない。

目的のホテルが近づいても、このホテルなら$10で泊まれるぞ、などとのたまう。予約をしているって言っているのに、相変わらずわけのわからないおやじだ。タクシーで目的地に無事に到着することさえ、この国では大変な事である。やっとホテルに到着し、なんとか無事にチェックイン。昨日のホテルよりもさらに狭くなっているが、日本のビジネスホテルに比べれば、はるかに良い。

荷物を置いたらホーチミンシティへいよいよ出かけていく。ハノイよりも大変という言葉とはうらはらに、それほど危険性は感じられない。クラクションのうるささもハノイの方がひどかったように感じる。バイクやシクロの客引きは相変わらずで、地図やココナッツ売りなどの物売りも多い。しかし、ここへきてそれらの雑音をまったく気にもとめなくなってしまった。いよいよ無視しても心が痛まなくなってしまった。クラクションと同じく、単にnoisyな音だなと。誰も彼も警戒し、話しかけてくる人はうるさいだけの物扱い。何しにこの国を訪れたのかわからなくなってきた。が、道の横断には慣れてきた。信号などほとんどないので、車やバイクがどんどん走っている中を歩いて渡るしかないのであるが、車はまだしもバイクなら避けてくれるので、走ったり止まったりせず、同じペースで歩き通せばよい。

人民委員会

ホーチミンシティは、ハノイ以上に見所が少ない。唯一の観光スポットであろう統一会堂は、この時間では入場できない。そのため、今日は残りの時間、ぶらぶら町歩きをするだけである。まずはハノイでも使った、日本語ツアーのウエンディーツアーのオフィスを目指す。ハノイと違って、ホーチミンシティは南ベトナム時代には資本主義が発展していたので、町並みがまったく異なっている。特に、買い物ストリートとして有名なドンコイ通りのようなきらびやから通りは、ハノイにはなかった。そして、高層ビルといえばホテルくらいしかなかったので、歩き方に載っていた全館冷房の17Fのオフィスに向かうのは、東南アジアの一都市とはまったく感じられなかった。

地図通りに向かった先は何もなく、空き家になっていた。どうしたことか。ハノイでもらったパンフレットに載っていた地図によると、どうやら移転したらしい。移転先はヒルトンホテルの中ということで、これまた場違いな服装で、本当に入って良いのだろうかひやひやしながら訪れた。6月に移転したばかりだそうで、JALプラザが隣にあった。予定通り翌日のクチトンネルのツアー、あさってはメコンクルーズに申し込んだ。またしても、ツアーに参加してまで戦いを挑まれないための安心料のためである。

サイゴン大教会

ドンコイ通りをぶらぶらして、サイゴン大教会へ。ドンコイ通りでは、バイクおやじだけでなく、チラシ配りのアオザイお姉さんもたくさんいる。ハノイやフエではあまり見かけなかったが、ここホーチミンシティでは、アオザイ姿の女性、単色ではなく色鮮やかな絵入りアオザイをきている女性を多くの場所で見ることになった。サイゴン大教会の周りでは、やたら物売りのおばちゃんやら子供やらがたくさんいる。無視していてもついてくるので始末に負えないが、どんどん歩いていけば、そのうちあきらめる。写真を撮るとき立ち止まらなければいけないので、それが危険ではある。そして、少々離れているサイゴンの駅まで歩いていく。ドンコイ通り周辺以外は普通の町並みが広がっていた。

駅前にフォー屋があったので、とりあえず腹ごしらえとするが、フォーが5Kドン(40円)、ビールが1Kドン(80円)と確認したのに、付け合わせの野菜が15Kドン(120円)だと〜。普通はタダだ。うどんが500円に、漬け物が1,500円の店があるだろうか。パクチーなんか、汁の中に入れるくらいで生じゃ食えないだろ。史上最大のぼったくりにあってしまった。まさにボッタクリバーさながら。たまにベトナムの醍醐味はぼったくりとの戦いなどという人がいるのだが、それなら日本でもできること。ボッタクリバーでも行って楽しめばよい。ベトナム人自ら地位をおとしめる行為をするのだから、どんどん下に見るようになってしまう。

サイゴン駅

駅前のボッタクリ店とは違って、駅の中の売店は良心的に予想された値段で、またしても定価で買えることの喜びを感じてしまう。そして最後の戦い、タクシーでホテルまで。ところが地元の人を運んできたこのタクシーは、なんと驚くべき事にメーターを普通に動かし、ボッタクリもなく、たった15Kドン(120円)だった。あたりまえのことをやられるだけで、本当に感動する。これなら、空港からホテルまでは$3くらいで十分のような気がする。

最後に、ホテルのすぐ横にあるCOM屋で軽い夕食とした。PHOは麺屋であるが、COMはごはん屋である。適当におかずを選べば、ご飯の上に載せてくれる。二品選んでご飯にスープ付きで10Kドン(80円)。少々ぼられている気もするが、もうぼられても気にしない。そういう国なのだから。


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【目次】
出発準備編
出発
ハノイ
ハノイ
ハロン湾
フエ
フエ
ホーチミンシティ
クチトンネル
メコンクルーズ