'03夏 ベトナムへの旅 その07 - フエ

8月12日(火)
フエボートツアー(ティエンムー寺, トゥドゥック帝廟, ホンチェン殿, カイディン帝廟, ミンマン帝廟)
Huomg Giang

ボートツアーは8時にシンカフェに集合ということで、日本語ツアーの各ホテル送迎とはまったく違う。だいたい、一日のツアーが30Kドン(240円)とは安すぎる。しかも昼食付き。こんな料金でも生活できるのだから、恐れいる物価安であるが、船の中で売るジュース代を高めに設定したり、お土産を売ったり、涙ぐましい努力をしながら、ちょっとずつ子銭を稼いでいるという気がする。

カフェまではホテルから徒歩10分ほど。当然のごとく、バイクにシクロに客引きが絶えないが、気にしない。カフェに集合して、車で船乗り場まで行くのかと思いきや、少年が現れて船乗り場まで歩いていった。この少年にも報酬があるのだろうか、もしくは船を運行する家族の一員か。

今日の乗客は9名で、各国からのカップルばかり。英語ツアーで日本人はいないと思っていたのであるが、一人旅の女性がいた。ベトナムの友人を訪ねてきたそうだ。ベトナムに来ている人は、大概友人がいるからという人が多い。買い物だけで行くような国ではないということだろう。あと一人は女子高生だ。と言っても、ベトナム人の。夏休みだろうか、おばさんを訪ねてきたらしい。そのおばさんはこの船を運航している。純真無垢でかわいくて、今時の日本の女子高生とはえらい違いだ。

ティエンムー寺

これから船は5箇所の見所を巡って行く。最初の見所はティエンムー寺である。川に面しており、階段を上れば直に境内である。入場料がただというのもうれしい。川からも見ることができる塔が美しく、20分で一通り見て回ることができた。船で次のトゥドゥック帝廟までは少し距離があり、のんびり船旅を楽しむ。

船着き場とは言えないところに接岸し、1時間の見学タイム。坂を登ると、バイクタクシーが待機していた。このボートツアー中、二カ所は船着き場から離れているので、バイクタクシーを利用せざるを得ない。歩き方では、徒歩で行こうなどと書いてあるが、徒歩で行くには遠すぎる。チャーターボートならいざしらず、1時間では絶対に戻ってこれない。

往復$1(120円)と言われていたが、バイクおやじ曰く、20Kドン(160円)だそうだ。もうこれは交渉の余地無く、固定値なのだろう。高すぎず、安すぎず、ぼったくることもなくて良い。バイクは往復で料金を払えということなので、乗ってきたバイクを覚えておかなければならない。特に、我々が見て回っている間、ぼけ〜と待っていることはなく、他の客を乗せて行ったりきたりしているので、注意が必要である。

トゥドゥック帝廟

トゥドゥック帝廟は蓮の池が美しくて見応えがあり、バイクタクシーを使ってでも来る価値はある。相変わらず入場料は55Kドン(440円)で、どんどん高額紙幣が無くなっていく。5Kドンのお札があるか?と聞かれるが、無いと答えると$3のお釣りをよこした。こちらがドルを払うばかりでなく、こんな方法もあるのか。

無事に行きと同じおっちゃんを捕まえて戻ってくると、ジュースのチップを要求される。8Kドン(64円)だからまぁ良いかとなってしまうのであるが、ぼったくられるよりはチップの要求の方が素直で良いと思う。自分自身7Kドンのジュースを買って歩いていくと、隣の店ではもう一人の日本人が同じ物を10Kドンとふっかけられていた。隣の店では7Kドンだったよと言うと、あっさり7Kドンになった。あんたがいなきゃ10Kドンで売れたのに・・・と言ったと思うが、おばちゃんの英語はむちゃくちゃだった。

次は、対岸のホンチェン殿である。これまた川沿いにあるお寺なのであるが、本堂があるだけで、20K(160円)の入場料は高い。なんだかよくわからないまま、次へ向かう。そこで船の上のランチタイムとなった。手作りの料理が4種類ほど並んでおり、飲み物は定番の別料金であったが、十分満足できた。

カイディン帝廟

次のカイディン帝廟までも、バイクタクシーで向かわなければならない。ここはさすがに距離がありすぎて、歩くかバイクかの選択の余地はないだろう。ここも同じく往復20Kドン(160円)である。取り仕切るおっちゃんに料金を払い、カイディン帝廟へ。相変わらずの55Kドン(440円)の入場料であるが、お釣りが無いとのことで60Kに対して2Kドン札2枚でごまかされた。1Kドン(8円)ぐらいならまぁ良い。ここは見晴らしよく、ヨーロッパと中国の文化が混ざった建物で、他の建物群とは一線を博している。

戻るときに乗ってきたバイクがなかなか見つけられなかったが、なんとか無事に帰ってきた。すると、また金を払えと言われる。すでに払ったよと言っても聞かない。しかし、そこでちょうど取り仕切るおっちゃんがいて、その人にすでに払ったと言ったら聞き分けてくれた。先払いは良くない。しかし、フエの人はものわかりが良くてよい。

ミンマン帝廟

そして対岸にわたって、最後の目的地ミンマン帝廟である。フエと言えば、ここの写真がよく使われている有名な場所で、フエで一、二をあらそう美しい建物であると言われている。船を下りると、なぜかバイクタクシーが客引きをしている。もうバイクに乗るべきところはないはずである。無視して歩いていくと、なんのことはない徒歩5分もかからずに入り口に到着した。日本人はこんな手によく引っかかっているようなので、注意されたい。

ミンマン帝廟内部は、一部工事中があるものの、有名な写真のポイントは健在だった。天気も良くなってきて、美しい風景が広がっていた。帰り道、子供たちに日本の小銭を要求されるが、持っているわけがない。百円玉程度だとしても、おもちゃ代わりというよりは、子供を使ってチップを要求しているという色合いが強いのだろう。

結構充実したボートツアーだった。200年の歴史の中で、帝が代わるたびに帝廟を作っていたので、まだまだ他にも見所はあり、これら全てをまとめて世界遺産に指定されている。ぼったくりもかわいいものだし、危険度も低いし、アジアらしく楽しめた一日であった。

最後に町中をぶらぶらして、シンカフェの隣の建物でインターネットにつなげてみた。今時は画面に表示するだけなら、日本語も表示できるし、メールもwebメールで確認できる。速度はまずまず、しかも10分500ドン(4円)と破格値だった。夕食には、昨日とは違う隣の店でブンボーフエにした。まさに歩き方の写真に載っているそのもの。野菜もたくさんついて、ビールも6K(48円)とすさまじく良心的。こちらの人は、付け合わせの野菜をそのままばりばり食べるようであるが、単なる草みたいな味だったり、パクチーだったり、汁の中につけ込んだ方がおいしいように感じる。

そして、今日の最後の最後で歩き方に載っているフォーサイゴンという店へ。ステーキがうまいと書いてあるが、フォーの店でフォーを食べないのはいかがなものか。歩き方で紹介されているせいか、普通の日本人は訪れなさそうな定食屋といった雰囲気なのに、ちゃんとメニューがあるのには恐れ入る。フォーもおいしくて、料金も7Kドン(56円)と安くて、大満足の一日だった。

最後に、ホーチミンシティで最後の戦いが待ち受けている。ハノイ以上に大変と聞かされていたから、ホテルも日本語が通じるところにしようと電話してみたところ、今日の予約業務は終了したので、明日またかけ直して欲しいとのこと。こんなホテルがあるもんなんだねぇ〜と思いつつ、もうどこでも良いやと別の安宿へ予約を入れた。中心街から少し離れるだけで一泊$20(2,400円)。町を変えるごとにホテルの質が下がっていく。


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【目次】
出発準備編
出発
ハノイ
ハノイ
ハロン湾
フエ
フエ
ホーチミンシティ
クチトンネル
メコンクルーズ