'03夏 ベトナムへの旅 その03 - ハノイ

8月9日(土)
ハノイ(ホーチミン博物館, ホーチミン廟, 西湖)

日系ホテルということで、朝食にはしっかり和食が揃えられていた。朝からフォーが食べられるのはベトナムならでは。さて、ベトナム歩きの服装をどうしたものか。沖縄なみに短パンとサンダルにしようと思っていたのだが、結局サンダルは持ってこなかった。しかし、長ズボンではまとわりついて暑苦しい。結局短パンに靴という変な服装になってしまった。地元の人も外国人も、裸足にサンダルの人が多かった。

まずは駅へ切符を買いに、ベトナムの町へ一歩踏み出した。クラクションを鳴らしまくる車に、尋常でないバイクの数。バイクの二人乗り、三人乗りは当たり前。当然ヘルメットなどかぶらない。道もどこが真ん中で、どちらの車線かなどは全く関係ない。とにかく皆我が道を行くなのである。歩道などあるはずもなく、駅まではまっすぐの道だが、暑さとうるささと車のむちゃくちゃさと、駅に到着するだけでへとへと。

ハノイ駅

外国人窓口を探してみるが、そんなものはハノイ駅にはなかった。コインロッカーは無理としても、荷物預かりはあると思っていたが、それもなかった。適当な窓口の列に加わろうと思っても列がない。窓口に群がる人々、どこが列でどこが最後かわからない。列を作る習慣がなく、割り込みは当たり前というか先に言ったもの勝ちなのだ。バイクに列を作らない国民性、そう中国人と同じ血が流れている。

割り込みを進めながら、やっと自分の番になったと思っても、先にしゃべられて割り込まれてしまう。こちらは紙に書いてメモを用意してきたが、それ自体がなかなか渡すまでにいかない。本当に困った人たちだ。やっとのことで強引に紙を渡し、残席確認をしたところ、なんと満席。こんな列車ごときで、しかも地元の人は乗らないであろう一番の高級車両である。

満席は予想外だったので、一瞬言葉に詰まると、その隙を見て次の割り込みが起こる。それを受け付ける窓口のおばちゃん。おまえらには公共心というものが無いのか!他にも列車は何本かあるので、そちらもチェックしてもらうだけで数十分を要した。そして結果はやっぱり残席0。帰国はホーチミンシティ発の飛行機なので、ここであきらめるわけにはいかない。

逃げかえるようにホテルへ一端戻り、作戦を考えることにした。まさに逃げかえるといった言葉がぴったり合う。ベトナムパワーに負けた状態だった。駅のベンチでは落ち着いて考えられないし暑苦しい。ホテルなら、治外法権でうるさい人たちは入ってこれないし、一日中冷房完備でのんびり考える時間が取れる。一日に数本しか列車はないので、選択肢は少ないが、なんとか考えをまとめる。

翌日のハノイ発の列車が取れなければ、全て飛行機でつなげることに決め、気持ちを新たにまた駅へ向かった。すでに11時近くになっており、窓口は幾分客が少なくなっていて、先ほどの大混乱が解消されていた。それでも列を作っていないのは相変わらず。そこで翌日の列車を確認してもらったが、やっぱり残席0。もう飛行機でつなぐしかない。

いよいよ市内観光へと繰り出す。まずは駅から徒歩15分くらいのところにある文廟を目指す。このちょっとした間にも、次から次からバイクタクシーの声がかかる。だんだん反応することさえうっとおしくなる。バイクの上で寝ていたり、暇そうにしているおっちゃんは、間違いなく声をかけてくる。反対車線から手をあげて呼びとめるもの、歩いている横にぴったり平走してオートバイと連呼するもの、とにかくうざったるい。

クラクションのうるささが、いらいらを募らせる。立ち止まって地図を見ようものなら、す〜っとバイクタクシーやらシクロが寄ってきて、客引きだけでなく何をされるかわかったものではない。地図を見るには歩きながら、しかも早歩き。信号で立ち止まることさえも、常に周囲を意識していなければならない。そして、大した距離でないのに、非常に疲れて文廟に到着した。

文廟

何があるのか事前確認していなかったが、有名どころなのだろう。入場料がわからず、さらに高額紙幣しか持っていなかったので、50Kドン(400円)を出すと、30Kドンのお釣だった。値段が良くわからないときに海外ではよくやるパターンではあるが、まぁ20K(160円)なら、なんとなく良い感じがする。しかし入場した後でチケットをよくよく見てみれば、2Kドン(16円)の文字が。

あちゃ〜やられた。10倍も料金を取られてしまった。確かに、歩き方にも2Kドンと書いてあった。公共の人たちが平然とこういうことをするのだから手に負えない。ここまで入ってくれば、とりあえずバイクおやじどもからは逃げられ静かである。しかし、中は特に何があるというわけでもなかった。ここの売店は良心的で、今時珍しいビンジュースで、5Kドン(40円)だった。

外に出れば、またバイクタクシーとの攻防である。何を言っていようとも、財布が落ちたよと言われていたとしても、完全無視。No, thank youと言うことはおろか、眼をあわせること自体、乗る気があると思われてしまうので、聞こえないフリをするのが良い。この町では人間不信に一日でなれる。目を合わせるな、金(餌)をあげるな、とはどこかで聞いたようなフレーズだが。

ホーチミン博物館

そこからホーチミン博物館までは徒歩15分くらい。夏休みということもあるのだろうか、かなりの人でごったがえしている。中国人観光客もよく見かけた。今度は入場料5Kドン(40円)を確認してから、荷物を預けて入場する。ここではちゃんと料金表示がしてあったので、間違いはないだろう。あたりまえのことがあたりまえにされていない、あたりまえのことで満足してしまう。まだまだまだ発展途上の国である。

さて、ホーチミンとは何者か?ベトナムの首都でしょなんていう人もいるくらいの認知度と言えるが、ベトナム戦争から説明をしなければならない。ベトナム戦争については、別記を参照して欲しい。簡単に説明すれば、北ベトナムの指揮を取り、国家統一を果たした英雄である。ちなみに、ベトナムの首都はここハノイであるので念のため。

建物内は、どこかの国のデザイナーがデザインしたそうで、独特の作りになっており、3Fに行くとホーチミンの銅像が出迎えてくれる。博物館では、日本語でも説明を読まないのに、英語ではさらに読まなくなる。手紙などが展示してあるだけなので、じっくり読み進めなければわけがわからない。まぁ、ホーチミンが偉大な人だということはよくわかった。

ホーチミン廟

そのすぐ横には一柱寺という祠のようなものがあり、そこを離れればすぐにバーディン広場とホーチミン廟である。今日は土曜日で、ホーチミン廟には午前中しか中に入れないそうだ。短パンで来てしまったので、どちらにしても中には入れない。このあたりはさすがに常時警察の眼が光っているためか、バイクもシクロも客引きはしていなかったので、ゆっくり散策することができた。

その後、ハノイでもっとも美しいと言われているタイ湖(西湖)に到着した。ごみが浮き水は汚く、どこが美しいのやら。湖に面したところでいすに座り、さてどうやって戻ろうか思案していたところ、またしても考えさせてくれない人たちが現れる。今度はバイクではなく物売りである。ホーチミンシティではあまり見かけないのであるが、ここハノイではどこにもかしこにも天秤を担いだ物売りのおばちゃんをみかけた。

西湖

人それぞれ売るものが違うのであるが、今回現れたおばちゃんはケバケバの赤い果物ランブータンを売っていた。いらないと言っても離れていかず、しつこさは相変わらず。しかもまったく英語通じない。仕方がないから買ってあげるよ、5Kドン(40円)で十分でしょとお金を渡すと、このお札と同じのをくれと10Kドン(80円)を示した。こりゃ高い買い物だなと思いつつ、食べてもみたいところだしつい買ってしまう。

手で簡単に割れるので食べ始めた途端、こんどはロト。そんなもの買ったって、当選がわからない。その次はガム売りの少女だ。逆にランブータンをあげると、さっさと退散してくれた。お子様の方が物わかりが良い。というか、子供にまで仕事させるな。その次は金くれ。ランブータンでごまかそうと思ったが、だめらしい。あまりのしつこさに、その場を離れざるを得なかった。本当に、この国では落ち着く場所が無い。


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【目次】
出発準備編
出発
ハノイ
ハノイ
ハロン湾
フエ
フエ
ホーチミンシティ
クチトンネル
メコンクルーズ