'03夏 ベトナムへの旅 その06 - フエ

8月11日(月)
Hanoi(NoiBai)12:10 VN247 13:20Hue(PhuBai)
フエ(阮朝王宮)
Huomg Giang

すでに熱中症ぎみで朝なかなか起きられない。カンカン照りの中、毎日歩きまわっているとよくある事。さらに外は雨。朝食を食べただけで、結局10時までごろごろしていた。チェックアウトを済ませ、ドアボーイにタクシーを呼んでもらう。ドアの開け閉めに人が立っていること自体申し訳ないことであるが、タクシーが来るまで少し話していると、海外旅行はおろか、国内も旅行したことはなくて、ホーチミンシティに行ってみたいと言っていた。こんな話は珍しいことではなく、誰もがこのような状態である。だが、彼らの目は生き生きとしている。どこかの国の生きること自体面倒くさいと思っている人たちとは、ぜんぜん違う。

タクシー代はやっぱり$10(1,200円)で、ドアボーイもそう言っていたから、もはやそれが普通なのだろう。途中でエンジンをかけたままでガソリンを入れたり、相変わらずむちゃくちゃであるが、無事空港に到着した。空港で降りるとき、緑の制服の警官が寄ってきて、ぼったくっていないかしっかりチェックしていた。今回はメーターが動いていた(どこから動いていたのか定かではない)のであるが、170,000ドンくらいを示していたので、どちらかと言えば、$10では少なくて申し訳ないくらいなのかもしれない。ちなみに、ドルからドンへは、15K倍くらいである。

ベトナム航空

ホーチミンシティへの飛行機は1時間おきに出ているのであるが、これから乗るフエへは日に一本だけ。プロペラ機と思ったが、驚くべきことにA340で満席。もちろん?、地元の人は数えるほど。外国人だらけで、日本人もちらほら見受けられる。どうやらパックツアーでフエにも行くツアーがあるようだ。こんな状態で、よく二日前に飛行機が取れたものだ。列車も寝台が取れないわけである。

1時間のフライトであるが、サンドイッチのサービスがある。ここでは、日本ではすでにあたりまえでなくなった常識があった。フエの空港は、まさに沖縄石垣空港である。小さな建物が一つ建っているだけで、徒歩1分の距離をバスで移動する。空港の中でタクシーとミニバスのチケットを売っていたので、迷わずに購入した。ハノイで散々にやられてきたから、まっとうにチケットを売っている事自体がすごいことである。あたりまえのことをあたりまえにやっていることで感動できてしまう国も珍しい。市内まで90Kドン(720円)でかなり高めだと思ったが、メーターは97Kドンくらいになっていた。またしても申し訳ない。

ホテルは地元では高級ホテルとして有名なフォーンザンホテル。受付の方は日本語を少し話し、パスポートを預けさせられた。公安の通達でそのようにしろと言われているらしい。自分しか信用できない国で、安心してくださいと言われてもなかなか苦しいが、仕方がない。部屋は広めでリバービューで、まずまず。ベトナムらしい籐でできた家具やベッドが趣がある。しかし、昨日までが超高級ホテルだったので、かなり落差があった。相変わらずこんな広い部屋では、落ち着かないのであるが。まずまずのホテルが$20のところにあって、一泊$55ではやはり高級に位置付けられるのだろう。難点は、リバービューで眺めが良い分、窓が多くて外の熱気がそのままつたわり、冷房をがんがんまわさなければいけないこと。

多分ほとんどのホテルがそうだと思うが、女性の制服は伝統衣装のアオザイである。日航ホテルでは受付の女性ぐらいであったが、ここのホテルではいろいろな人が皆アオザイをきている。確かに見ためが美しい。チャイナドレスのようでいて、ズボンをはいており、ワンピースというよりは上着というべき物なのだろう。このアオザイは、ハノイやフエでは、ホテルくらいでしか見かけなかったのであるが、ホーチミンでは見かけるどころか、様々なデザインの物を来ている女性を、どこでもかしこでも見ることになった。

阮朝王宮

荷物を整えて、いざ出発。向かうはフエのランドマークである阮朝王宮へ。相変わらずバイク、シクロの客引きが激しいが、ハノイに比べればかわいいもの。これくらいならタイでもよくあった。さすがハノイに比べれば、田舎町である。王宮の入場料は、55Kドン(440円)もする。また一桁間違いか?と思ったが、どうやらそうではないらしい。外国人料金がこの値段で、ベトナム人は10Kドンとのこと。

王宮門を通り、紫禁城に似せて造った太和殿がメインの建物。しかし、ベトナム戦争で全て損失し、現在ある建物は復元したものである。そして、他の建物はほとんど復元されておらず、土台を残すだけである。広さの割には、見所は太和殿だけだった。一通り巡って、飲み物でもと売店によると、観光地価格でペプシが10Kドン(80円)と言う。8Kドンくらいが妥当だろう。しかし、こちらの人がしたたかなのは、高過ぎと言わせる前に、栓を空けてストローをさしてしまうところ。で、まぁ良いかと妥協してしまう。本当に買いたいときは、立場が弱い。

一通り巡った後、列車にも乗らないが駅に行く。歩いていくのはちょっと遠いので、声をかけられたらバイクタクシーに乗って行こうかなと歩いていると、門を出たところの店が並んでいるあたりで早速声がかかった。英語もあまりわからないおっちゃんだったが、免許証(バイクタクシーの免許はないので、単なる運転免許証か?)を見せてくれて、むちゃくちゃ人がよさそうだった。そして料金は5Kドン(40円)と言う。10Kドンくらいかなぁと思っていたところで下の値段をいわれるとびっくりしてしまう。こんな人の良いおっちゃんもいるんだなぁと感慨しきり。どうやらハノイとは比べものにならないくらい良い町らしい。チップくらいあげれば良かったか。

ベトナム国鉄

駅はちょうどE2ハノイ行きの列車がくるとあって大混雑。ベトナムでは切符を持っていないとホームへ入れない。入場料に2Kドン(16円)が必要なようである。しかし、写真が撮りたいからホームに入れてくれと英語で言っても通じず、カメラを見せたら通してくれた。一般人にはまだまだ英語が普及していない。ちなみに、この駅には外国人窓口があった。

とりあえず落ち着いたら、ビールを飲む。水代わりにビールを飲むことが定常化している。飲んでいるそばからバイクの客引きが。いくらか聞いてみると、10Kドン(80円)だそうだ。さっき5Kドンだったよと言うと、それじゃ行けないよと言われる。さっきよりも距離は短いぞ。さっきのおっちゃんの正直すぎもあれであるが、ぼったくりにしても2倍程度でおさめる方もなかなかである。0が一個多いのはあたりまえのハノイと比べるまでもない。

それで納得して、町中まで送ってもらう。100円もしないで乗れるのなら、安心して何度でも乗れそうだ。町中のシンカフェで明日のツアーの申し込みをする。今日は日本語を話す人がいないらしい。若い女の子で、必死に英語で説明してくれた。いや、私の英語力がへぼいだけだが。そして、明日のボートツアーを申し込んだ。

DMZツアーもどうですか?と聞かれるが、時間が無いので行けないと言うと、二週間休みがあるんじゃないの?だって。日本は一週間取れれば良いほうなんだよね。さらにご多分にもれず、国内どこにも行ったことが無いようで、たまたま着ていたハワイのTシャツから、ハワイに行ったことあるの〜と、眼をきらきらさせながら本当に行ってみたいという感じがひしひしと感じられた。打算的に物事を考えながら話をする今の日本人からは考えられない情景であった。日本人にもこういったかわいげをもって欲しいものだが、高校生でオバタリアン化している状況では、もはや望むべくも無い。

そう言えば、お昼は飛行機で食べたサンドイッチ一個だった。17時も過ぎて昼食だか夕食だかわからない食事とした。フエでは有名な料理らしい、ブンボーフエ。いわゆるフォー料理であるが、フエ特有でちょっと違っているらしい。うどんときしめんの違いのようなものか。歩き方に載っていたところへ行くと、店が二件並んでいる。右側の店にとりあえず入ってみるが、英語が通じない。何か食べられるものありますか?ありません。それじゃここはなんの店だ〜という状態であったが、よく歩き方を見て訪れる人が多いのか、歩き方の料理メニュー一覧ではなく、フエの店の紹介のページを開けさせ、これならあるよと言う。

いやはや、東南アジアらしい展開になってきた。こういうことがハノイではできなかった。どこでどうぼったくられるか、物をすられるか、睡眠薬が入れられるか、非常に危険な空気が流れており、おちおち安食堂に入ることができなかった。こういうむちゃくちゃなかけあいがアジアの楽しみであろう。ブンボーフエ自体は、麺がそうめんみたいに細くなっているだけで、特に代わりばえのないフォーだった。あまり辛くもない。翌日わかることになるのだが、どうやら本に載っている店とは違っていたのだった。食事が7Kドン(56円)に対して、ビールが10Kドン(80円)。相変わらずビールのほうが高い。

シクロ

ホテルへ戻る道で、また客引きのシクロが。値段だけ聞いてみようかなと思って聞いてみたら、ホテルまで20Kドン(160円)だそうだ。バイクより高いじゃないかと言うと、バイクよりも人力だから大変なんだよ、高くて当然だよ、ともっともらしきことを言う。バイクより遅いのだから、安くなるのが普通では?と思うが、一度くらいは乗ってみるかと乗ることにした。前の展望が開けて良いし、車道を走るのでなかなか面白い風景が広がる。まぁ、一度くらいは乗ってみるのもよかろう。もちろん、ハノイやホーチミンシティは避けて。

ホーチミンシティでシクロに乗った人の話では、わざと遠回りされて500Kドン(4,000円)請求されたが、手持ちがなかったので100Kドン(800円)にしてもらったそうだ。それでも高すぎる。18時過ぎにはホテルに帰ってきて、本日の活動は終了。朝は遅いし夜は早いし、まぁたまには良いだろう。夜になるとさすがにおなかがすいてきて、ホテルのレストランで本当の夕食とした。ご飯にニュックマム、すごく合ってうまい!ここでも、生春巻きを賞味した。


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【目次】
出発準備編
出発
ハノイ
ハノイ
ハロン湾
フエ
フエ
ホーチミンシティ
クチトンネル
メコンクルーズ