'95夏 今年の夏は八重山へ その8 - 波照間島

8月3日(木)
石垣島離島桟橋9:40 安栄観光 10:30波照間島
波照間島(最南端の碑、波照間空港、西の浜海水浴、星空観測会)
民宿たましろ

海も空も青く澄み渡り、絶好の南の島満喫日和。YHを早々に出発し、8時40分の船で波照間島へ。西表、竹富の船と違って、波照間島に近づくと波が高くなり、石垣島と西表島の間の海は比較的穏やかな海であると実感する。7月30日に他の島へは船が運航しているのに、波照間島だけ欠航になってしまうわけである。

少々遅れて10時40分頃到着。この島もタクシーなどの公共の乗り物はなく、宿の車などが有償運送と称して港から町中まで運んでいる。今日の宿は食事の量で定評のある民宿たましろ。荷物を置いてとりあえず自転車(宿泊者無料)で島一周へ出発する。波照間島は周囲15Kmほどの小さな島。大阪環状線が約22Km、山手線が約35Kmだから、どれくらいのものかわかるというもの。有人島としては日本最南端の島である。

日本最南端の碑

のんびりゆっくり自転車をこぎながら、とにもかくにも日本最南端の碑を目指す。島一周道路と名付けられた道は、ちゃんと舗装されているが、通る車は一台もいない。何とものんびりとした島である。自転車を走らすこと数十分、ついに最南端の碑に到着する。最南端の碑の横には、日本全国から持ち寄った石で作成した蛇の道、終戦50周年の碑(日付はまだ先の今年の8/15)、屋根がついた休憩所のような物がある。断崖から海をのぞき込むと、天候の良さも手伝ってエメラルドブルーの真っ青な海が広がっていた。何とも言えぬ感動にただただボーっとしてしまう。

しばらく海を眺めたあと、すぐ近くにある星空観測タワーへ。簡単なプラネタリウムと天体望遠鏡があり、昼間だったので星は見えなかったが、太陽の黒点を見ることができた。ここの館長は冗談好きなので、調子にのってくると冗談ばかりで話も面白くなってくる。前日行った人の話では、笑ってあげる人がいなかったため、テンポが良くなかったとか。昼にしか言わない冗談というのもあって、昼と夜2度くるといいだろう。入館料300円。

波照間空港

自転車をさらに進めて島の東にある 波照間空港へ。19人乗りの飛行機が1日に1便しかこない小さな空港で、列車の小さな駅の待合室といった感じ。飛行機は、9時30着50分発なので、今日はもう飛行機がこないため、売店も何もかも閉まっていた。ただ、自動販売機でゴーヤ茶なるものを発見。とりあえず飲んでみると、普通のお茶のようであるが、何か引っかかる味が残る。何とか飲めなくない味ではある。ゴーヤドリンクなるものもあり後日飲んでみたが、あまりのまずさに舌を巻くのだった。

町中に戻ってくると、駐在所を発見。その駐在所には日本地図が書かれてあって、波照間島が赤く色がついていたので、思わず写真を撮ってしまった。一応最南端の駐在所なのだ。そして、波照間郵便局へ行き、最南端の郵便局で旅行貯金を行う。これで日本東西南北の碑に続き、郵便局も東西南北を制覇した。ちなみに、北は宗谷岬の先の大岬郵便局、東は根室から納沙布岬の間の珸瑶瑁郵便局、西が与那国島久部良港前の与那国郵便局久部良分室である。

お昼になったので宿に戻り、昼食を頂く。ご飯の上にゴーヤや魚の有り合わせで作ってもらったのだが、とてつもなくビッグボリューム。これは夕飯が楽しみだ。午後はシュノーケルセット(宿泊者無料)を借りて港の東の海岸へ。一応、シュノーケリングの場所にはなっているが、草むらをかき分け降りていった浜には人っ子一人誰もいない。まさにプライベートビーチ。魚の量では西表島の星砂の浜には負けるが、それでも小さな熱帯魚が泳いでいるのを見ていると、ついつい時間を忘れてしまう。

ニシ浜

十分楽しんだ後、海水浴場であるニシ浜へ。こちらは無料シャワーも完備しており、ちらほら人がいるものの全部で10人くらい。のんびり泳いで、またまた日焼けして、宿に戻ると既に5時を過ぎていた。夕食は予想以上の大盛り。普通の料理だけでも1人前はあろうかというのに、それプラス八重山そばが山盛りなのである。食べても食べても底が見えないそばには苦労したけれどもおいしかった。それに加えて、生産量が少なくなかなか手に入らないという波照間産泡盛「泡波」も飲むことができ、感激。泡盛の中でも特にうまい方に入る味だった。

今日はこれでおしまいと思いきや、まだまだ終わらないのである。8時から星空観測センターで天然プラネタリウムがあるのだ。波照間島各宿から観測センターまでは送迎してもらえるので、それに乗って観測センターへ。

昼間と同じであるがプラネタリウムを見た後、簡単な太陽系の説明後、屋上へ。辺り一面真っ暗なので、星がすごく良く見える。ただ、月が満月に近いこともあって月明かりが少々じゃまであったが、関東ではここまで良く見えまい。さらに、緯度が下がってきているため、北極星がかなり下の方に見え、本州ではあまりお目にかかれないさそり座もくっきり。5月末前後1ヶ月に訪れれば、南十字星も見えるという。さらに、望遠鏡で木製や土星も見ることができ、木星の衛星や土星の輪もくっきり見ることができた。天然であるだけに、ときどき雲にじゃまされながらも、天然プラネタリウムは楽しむことができた。

22時を過ぎて車のお迎えが来て宿に戻ったが、あまりにも星がきれいなので道路の真ん中に寝っころがって、ボーっと星を見ていた。10分くらいの間に流れ星が4つ。流れ星を見たのは初めてかもしれない。こうして、最南端の波照間島の夜はふけていった。


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