'06GW メキシコへの旅'07夏 ペルー世界遺産の旅




8月6日(月)
Lima9:00 Q6221 10:00Cusco
クスコ市内観光ツアー(12:30〜18:00)
Savoy Hotel Cusco

本日はいよいよ富士山頂とほとんど同じ高地のクスコへ向かう。9時の飛行機で7時にはホテルを出ないといけないので、5時半のモーニングコールである。なのに、モーニングコールなのか間違え電話なのか、寝入りばなの23時ごろに電話がかかってきて、なかなか寝付けなくなってしまった。ほんと、このホテルは散々だった。昨日はあまり活動をしていないので、体が疲れていないというのもあるから、時差ボケがまだ続いているようでもある。

空港にはかなり早く着いたので、30分間のお土産時間となった。空港に入る前にかなりのお土産屋が並んでいる。8時15分に最集合し、とりあえずリマ観光のガイドさんとはここで一端お別れである。また、戻ってきてから、ナスカでお世話になる。X線チェックの前に個別に空港使用料を払う窓口があり、右に行くと国内線、左に行くと国際線になっている。

ここで一人一人空港使用料を払うのだが、まとめてやってもいいんじゃないかとも思う。US$6.05と絶妙な端数があるが、ここではヒューストンで入手していた5セントコインをきっちり払えた。なお、お釣りがあるときは、ペソで返ってくる。ちなみに、ペソ払いではS/19.65で、S/3.25=US$1のレートに固定されているようだ。これならドルで払った方が良いレートだろう。

X線チェックを越えればゲートはすぐで、一応搭乗開始時刻の8時半になっていたのでゲートへすぐ向かう。しかし、飛行機が停まっていなくて間違いなく遅れるだろうなぁと思う。これから乗るのはランペルーだと思っていたら、エアロコンドルという地元の航空会社だった。他にもいくつか地元の航空会社があるようだが、ナスカの航空会社を考えると、たぶんツアーなら全員この航空会社だろう。

予想どおり9時近くになって飛行機がダッシュで現れ、30分遅れの9時半出発となった。B737なのに変なエンジンを付けているなぁと思ったら、今ではあまり見かけなくなったB737-200だった。かなり古い機体で、着陸時に風を受けるために壊れたかと思うくらいカバーが外れるのが特徴。

アンデスの山々出発するとすぐに雲を突き抜け、雲海の上を飛ぶようになる。アンデスの山々もきれいに見え、何ともすごい景色。飛行機のキャビンは大概標高1,500mくらいと同じ気圧に設定されるが、到着する少し前から気圧が徐々に下がり始め、腕時計(プロトレック)の高度計は2,500mで一度落ち着いた。そして、クスコに到着する直前に、3,250mまで高度を一気に上げていった。話では、クスコは3,400mという話なので、若干数値が低めに出ているようだ。

飛行機を降りていきなりタラップの坂道を上るところからもう息切れ気味。頭が痛いということは無いのだけれど、なんとなくもやもやっとした感じで体がだるい。バスに乗り込むと、早速酸素の錠剤を食べ、酸素を多く取り入れられる液体を、水に数回プッシュしておく。あと、ポカリスエットならぬアミノ酸飲料の粉をもって来ているので、余った水に溶かしておく。これら三点を気が付いた時にこまめに摂取するようにした。ちなみに、高山病の予防には水分をこまめに取ることだそうで、水が毎日一本配られる。

どんよりした雲が立ち込めるリマと違って、雲を通り抜けてきたのでここクスコは快晴の青空である。ホテルに一度チェックインして、一時間ほど休憩時間となる。飛行機が遅れたので、そのまま観光に出発かと思ったが、観光時間を少しずらして、休憩タイムを取ってくれた。

高山にくると、必ずホテルに常備してあるのが酸素ボンベとコカ茶である。酸素はもちろん酸素が薄い高山では吸えば一過性だが体調が良くなる。しかし、あくまでもその場しのぎのため、何度も吸っていると、酸素なしでは動けなくなってしまうので、吸い過ぎに注意!

コカ茶は高山病に効く飲み物として、どこのホテルでも無料で飲めるお茶だが、その原料のコカの葉は、精製するとコカインという麻薬になるため、基本的には高山病の辛さを麻薬で緩和することにほかならない。と言っても、コカ茶自体はそんなに危ない飲み物ではなくて、ちょっと飲んだからといってどうこうなることはない。ただ、大量に摂取するのはよくないそうだ。ちなみに、お土産としてコカ茶のティーバッグなどが売られているが、アメリカや日本には持ち込み厳禁である。

とりあえず散歩に出かけてみる。歩いている分には特に息苦しさは無いが、やっぱり息がすぐに切れる。常に急ぎ足で歩いているような状態だ。このホテルは町の中心部からかなり離れていて、逆にプーノ方面の鉄道駅が目の前だった。そして、民芸品店が軒を連ね、お土産を買うならここが最適。集合時間までもう時間がなかったので、一通り見て回るだけでホテルに戻った。今日から二日間は、原地の日本語ガイドが一緒に付いてくれる。

アルマス広場12時半に出発し、まずはアルマス広場へ向かう。リマでもあったが、大きめの町には必ずアルマス広場がある。そこでバスを降りて、昼食のレストランへ向かう。今日のメニューは野菜スープにチキンのメイン、デザートといったコース。野菜スープは今後どこでも定番のように出てくることになる。

12角の石昼食後は12角の石があるロレト通りへ。昨日はあまりお土産屋はなかったが、この通りにはお土産屋が軒を連ね、やっと観光地っぽくなってきた。インカといえばぴったり組み上げた石組みが特徴だが、ここにはなぜか角がたくさんある石が多い。12という数字には一年を示すこともあり意味のある数字だと言う。しかし、10角や14角とかの石もあるようで、あまり意味はなくてデザインとしてこうなっただけなのではなかろうか。

サント・ドミンゴ教会アルマス広場を一通り説明後、バスに乗ってサント・ドミンゴ教会へ。インカ時代にはコリカンチャと呼ばれる太陽の神殿だった。コリカンチャとは、黄金の居所という意味で、まさに黄金が散りばめられた神殿だったそうだ。例のごとく、スペイン軍は神殿を破壊した後、その土台の上に教会を作った。その建物自体は、度重なる地震で何度も壊れたものの、土台はしっかり残ったと言う。この写真にも、インカの石組みの上に赤レンガの教会が建てられているのがわかる。

中を見学すると、昔の神殿の石組みがよくわかり、インカ時代のきっちり積み上げる石組みがよく分かる。まれに石を組まないで線を引いただけのものもあったりする。一通り見学コースができており、これを巡るだけでもなかなか良かった。アルマス広場にしてもここにしても、クスコの町全体として一日ゆっくり巡ってみたかった。マラソンツアーではなかなかのんびり自由行動ができないのが残念である。

クスコの町並み次は町の郊外に出かける。どんどん標高を上げ、まずはクスコの町が一望できる所でバスは停まる。観光バスが停まる所には民族衣装を着た女性と子供とアルパカに出くわす。彼女らは、写真を撮ってもらってチップを稼いでいるのだ。おおむねチップはS/1(40円)くらい。

ケンコー遺跡、プカ・プカラ遺跡はバスの中から見るだけで、タンボ・マチャイ遺跡へ向かう。富士山頂とほぼ同じ標高の3,750mである。腕時計の高度計は3,600mを指しているが、ガイドも実際はそれくらいじゃないかと言う。道は入り口からなだらかに上っているので、かなりの苛酷な修行と化していた。しかし、ここまでくると逆になんだかハイテンションな状態で、息も切れずに普通に歩いていた。

タンボ・マチャイ遺跡100mくらい歩いた先には、聖なる泉がある。どんなに雨が降らなくても枯れることがなく、しかもどこから流れてきているのかも謎だそうだ。まさにインカの謎である。水はとても冷たく、おなかを壊す人が続出したため、今では飲まないようにと言っているそうだ。しかし、何人かは飲んでいた。のちのち、お腹の調子がよくない人が増えていたが、それはこの水のせいではなく、高山病のせいだと思う。

次に向かうのはサクサイワマン遺跡。日が落ちてきたので、すっかり寒くなってきた。本当は郊外の最初に訪れるポイントなのだが、日が当たらなくて寒くなるタンボ・マチャイを先にしたのだった。だいぶ体調が良くない人が増えてきて、明日のメインイベントを考えて、二名がバスで待機する。普通に歩いている分にはあまり気にならないが、歩いた後にバスに戻って安静にしていると、動悸を感じたりして辛くなる。高山病は、その時よりも、その後にくるのがやっかいなので、がんばりすぎに注意しよう。

サクサイワマン遺跡サクサイワマン遺跡は、インカ時代の要塞ということで、ぴったり組み上がった石組みがジグザグに立ち並んでいる。その中には石の組み合わせがピューマに見えたり、鳥に見えたり。たまたま自然にできた物ではなく、計算して作り上げたのだろうというのが一般的な考えである。

本日の観光はこれにて18時に終了。夕食を食べに20時に再度集合ということで、それまで民芸品店をぶらぶらする。セーターは持ってきていたが、やはりアルパカのセーターは購入してみたい。本物か偽物かわからないが、手編みでベイビーアルパカのセーターがS/35(1,400円)だそうだ。普通のセーターを日本で買ってもこの値段にはならないだろう。でも、手編みのセーターはすぐに破けてしまい、自分で補修するはめに・・・。

20時になって、これから民族音楽フォルクローレを聞きながらの夕食である。またしてもカフェテリアで、ペルーでは名物料理は無いのだろうか。はたまたHISだから食事やホテルに金をかけないのだろうか。明日に備えてビールは辞めておく。高山では酔いが回るのが早いと言われているからだ。20時半から民族舞踊がスタートし、同じ人達4名が服装を代えながら踊っている。まさに前座といったなんだかいまいちのショーだった。

フォルクローレそして次がメインイベントのフォルクローレ。空港でも演奏していたが、よく観光客が集まるところで演奏してチップやCDを買わせたりしている。すでに空港で買ってしまったのでもういらないが、こちらの方がうまかったかも。サンポーニャと言われるたくさんの筒を束ねた楽器が特徴で、これぞアンデス音楽といった音楽である。有名な曲Kondor Pasa(コンドルは飛んで行く)はいつでも必ずやる曲で、どこに行っても何度も聞くことになった。21時半でショーは終了だと思ったら、次の出し物がまだあった。しかし、ほとんどの団体が席を立っていて、我々のツアーもこれでホテルに戻った。

リマで二泊もしているのだから、時差ボケは解消されたかと思いきや、相変わらず一時間おきに目覚めてしまう。どうやらこれも高山病の一種で、深く眠れなくて何度も夜中に起きてしまうらしい。人によっては頭が痛くて寝られないこともあるとか。お腹も張っていて、起きるたびに信じられないほどのおならが出る。元々飛行機に乗るだけでお腹が張ることが多かったので、まさに気圧が低いからだろう。とりあえず胃腸薬も飲んでおくが、お腹の張りはしばらく続いた。なお、海外に出ると自分はシャワーだけで済ますので良いが、湯船につかるのも高山では良くないらしい。注意しよう。

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