'06GW メキシコへの旅'07夏 ペルー世界遺産の旅




4月30日(日)
メキシコシティ市内観光
MexicoCity Xochimilco
ソチミルコ
Xochimilco MexicoCity
Hotel Regente

ベジャス・アルテス宮殿二日目にしてメキシコシティの観光に出かける。まずは地下鉄に乗ってベジャス・アルテス宮殿へ。1934年という比較的新しい建造物だが、総大理石造りで歴史を感じさせる。現在この建物はオペラなどが行われ、大劇場として利用されている。まだ朝早いので中に入ることはできないが、外から見るだけでもそのその荘厳な造りは素晴らしい。

ラテンアメリカ・タワーそして、そのすぐ近くにあるラテンアメリカ・タワーに登る。42階建てのエンパイヤステートビルのような建物である。歩き方には$40(440円)と書かれているが、入場料は何かで$10(110円)増しになっている。どうやら博物館代の様だが、エレベータを降りた一つ上の階に写真が飾ってあるだけだった。そこからさらに上に行くエレベータがあり、それで最上階の一階下の展望台にたどり着ける。朝方だし大気汚染が世界一ひどい町としても知られるメキシコシティであるから、ガスっていてあまりきれいに景色が見られない。特に、町の中心であるソカロ方面は真東なので、朝方来るのはよくない。その分、自分が泊まっているホテルのあたりはよく見えるのだが。

エレベータで戻ってから、おみやげ屋を冷やかしてから下りようかと思ったら、掃除中で入ってはいけないという。まぁ、適当というかなんというか。一階まで下りようとすると、エレベータが調子悪くてなかなか動き出さない。こちらのエレベータは有人なのだが、あんちゃんがドアが閉まろうとしているのに強引に乗ってくるからこんな事になるんだろうが。いろいろがちゃがちゃやっているうちに、なんとか動き始めたが、なんともとんでもないエレベータである。結局、時間が早かったせいかもしれないが、客は一人だけだった。

外に出て写真を撮っていると、なにやら声をかけてくるお二人が。声をかけてくる人は大概問題ありだが、そもそもスペイン語しか通じない国にあって英語で話しかけてくること自体も怪しい。この人たちはよくキリスト教の宣伝をしている方々だった。日本でも同じようなことやってるよというと、満足したようだった。

ソカロのカテドラルさて、地下鉄に気楽に乗れる料金なので、地下鉄で一駅乗って、町の中心ソカロを目指す。地下鉄を降りると広場である。その広場を取り囲むように、大聖堂と宮殿がある。ここにアステカ帝国の神殿があったのだが、スペインの侵略により破壊され、その上に大聖堂を建てたのだ。400年くらいの歴史はあるのだが、もっと歴史のあるものを壊して建てられたものとなると、なんだか興味半減でもある。

まずは大聖堂の中に入って見る。右側と左側に別れていて、今日は日曜日ということで左側ではミサが行われていた。とにかく大きな聖堂である。外に出て大聖堂の脇を進むと公園があり、さらに奥にはそのアステカ時代の遺跡テンプロ・マヨールを見ることができる。いわゆるイタリアのフォロロマーノと同じような感じで、神殿跡の発掘調査が進んでいる。この調査からアステカ帝国の都テノチティトランの中央神殿であることが判明し、大聖堂や宮殿の下にも遺跡が続いているそうである。

テンプロ・マヨール今日は日曜日ということで入場料がタダ。昨日行ったピラミッドも日曜日はタダということだったが、人が多くて大変だろうと思って昨日行っておいたのだ。入り口で荷物チェックを受け、なぜか水のペットボトルと傘を預けさせられる。どうやら飲食厳禁のようだが、なぜ傘まで。遺跡は昨日のピラミッドで見てきたような石を利用した建物で、蛇の飾りや円盤に掘られた彫刻などが見事である。かなりの部分が土に埋まっているようで、屋根の部分がちょうど周りと同じくらいの高さになっている。全てを土に埋めてから建物を建てたことが伺える。

国立宮殿さらに併設の博物館が素晴らしい。様々な出土品に復元模型、石版など多数展示されている。これだけ見て回っても良いくらいの内容がある。一通り博物館も見て回ると、次に国立宮殿へ向かう。中央に噴水を配して四方を建物で囲んだヨーロッパにありがちな建物である。ここはそういった建物よりも、その壁画が注目される。ディエゴ・リベラという現代美術家が壁画を書き進めていたのだが、その作業の途中で亡くなったため、二階の半分くらいまでしか壁画がない。ちょうど壁画が切れるあたりに半円形の議事堂がある。

ソカロ周辺を一通り見て回ったら、今日のもう一つの目的地であるソチミルコに行く。地下鉄とトラムを乗り継いで1時間くらいだ。メキシコシティといえば昔はベニスのような運河の町だったそうだが、スペインが町を造る時に埋め立てて、その昔の面影を残しているところはこのソチミルコだけと言う。そのため、世界遺産にも指定されている。地下鉄2号線の終点がトラムの起点になっている。郊外で客がいないせいか、工費の安い二両編成のトラムにしたのかもしれない。このトラムは地下鉄と同じく乗り放題$2(22円)だが、別料金になっていて、地下鉄の切符は使えない。30分くらい終点まで乗って、無事目的地に到着した。

ここからが最近の歩き方の使えなさを見事に露呈した。ここまで来たら乗るかどうかはさておき、遊覧船を見に行きたいところ。駅を出て左に行けば船乗り場がある・・・という寂しい情報だけを頼りに駅を出る。東に向かうとか西に向かうとか書いていないところも寂しい記述だが、地図自体ないのもそもそも一人でくることを想定していない。ちょうど日曜日ということもあって、通りは大混雑。朝市がたっていたり、移動式遊園地があって路上で観覧車が回っていたり、大変なにぎわいである。さらに進むと広場があって、さまざま屋台が並んでいた。

駅を出て左に10分以上歩いたが遊覧船乗り場は見つからない。それどころか道が入り組んでいて元の場所にさえ戻れるか分からない。かなり歩き回って広場に戻れた時にはかなり安堵した。またしても歩き方にだまされたか。と、駅に戻ろうとするとゴンドラと多分スペイン語で書かれている看板を発見した。それを頼りに歩いて行くと、遊覧船がぎっしり停まっているではないか。結局、通りを左に進むだけではなく、さらに右におれて左右と曲がった先にある。まさに誰も来たことがないのにただ書いている歩き方のやり方が露呈される。

遊覧船遊覧船は数人で貸し切りにしても$50(550円)くらいとお手軽で、屋形船といったおもむき。相乗り船は一人$10(110円)だから、料金的には問題ないが、この後博物館に行くことを考えると、1時間くらいしか時間がない。歩き方によれば船は1時間くらいというから、乗ってみることにした。人が集まったら出発するので、10分くらい待たされた。それでもぎっしり40人くらい乗っているのだから集客率は高い。こんな大きな船なのに、竹竿一本で操船していく。今日は日曜日ということで家族連れがとにかく多くて、在りし日の日本の休日の風景を思い起こさせる。

のんびりゆっくり運河を進んで行くだけだが、とにかく船が多く、お菓子や飲み物を船で売りにくる。さらには音楽演奏隊の船もあったりするし、のんびりゆったりした時間を十分楽しめた。さて、船は元の場所へ戻ると思いきや、なんとぜんぜんわからないところで降ろされた。車で来る人向けの乗り場のようで、どちらかといったらこちらが起点なのかもしれない。タクシーで戻ろうにも、危険が一杯のタクシーだし、第一客待ちをしているタクシーはいない。

仕方がないので、また同じ船で戻ることにした。その前に、お昼をとっくに過ぎてしまったが、屋台でお昼ごはんにする。どこを歩いていてもタコス屋はあり、その具が店ごとに異なっている。絶対に英語は通じないし、注文が難しいのでなかなかとっつきにくいが、安くておいしくて食事としては最適だ。いろいろな具が並んでいる中から指さして、トルティージャに具をのせて焼いてくれる。一つ$10(110円)くらい。その後再び船に乗船するが、さらに第三の地に連れて行かれたらどうしよう。なんとか船は同じ道を戻っているようだ。家族連れが多いので、ぴりぴりしたムードから解き放たれ、のんびりした感じになれる。子供には癒し効果があるのではなかろうか。

さて、最後の最後で船は右に折れ、またしても未知の地に降ろされた。16時半にはトラムに乗りたいと思っていたのだが、時間はすでに16時を過ぎている。場所も分からず地図もなく時間もなくかなり心細い状況だが、永年の経験と勘を働かせて多分こちらの方角だろうととにかく進み始める。最後に右に曲がったのだから、左方向に進めばよいはず。何度か船乗り場を通り過ぎながら、ついに最初に船に乗ったところに到着した。まさに奇跡だ。歩き方のせいで大変な思いと大幅な時間ロスをしてしまったが、無事帰れてまずは良かった。しかし、最後の最後で駅への道も間違えてしまい、駅にたどり着いた時の安堵感といったら、今までに経験したことがないものだった。

トラムと地下鉄を乗り継いで、まずは国立博物館を目指すが、乗り換え二回の時点で18時を過ぎてしまった。博物館は19時までだから、入場時間ギリギリ間に合うかといったところだが、30分もなしに何が見られるのか。もう、博物館へ行くことは断念し、昨日の食堂で夕食を食べることにする。

大衆食堂街昨日気になったBIRRAを食べて見るが、単にラム肉のタコスであまりうまくはない。今日も店をハシゴして、昨日と同じ店で同じALAMBREを食べる。やはりこれはこれでおいしいのだが、さすがに二食分ではお腹いっぱい。昨日に続き、今日も腹がはち切れんばかりに食事をし、またしても広場で生演奏を聞きながらホテルへ戻る。今日は歩いて行かずに、地下鉄を乗り継いでホテルに戻ることにした。

町を歩いたり地下鉄に乗ったりすると、住んでいる人々の姿が見えてくるのだが、なんか今の若い日本人を見ているかのようである。ヘソ出し、ケツ出し、人前でいちゃいちゃ、目の周りの黒い縁取り、ガン黒(これは元々だが)。なるほど、ヨーロッパから帰ってくると毎度日本人の異様な化粧やファッションに驚くのだが、今回はあまりおかしく感じなかった。そうか、今時の人達はラテン系を目指していたのかと思うと正直愕然とした。

異文化コミュニケーション(NOVAじゃないよ)という研修があった。文化が違えば考え方も変わる。日本は行間を読む文化だが、アメリカは言葉がすべてで、一を聞いて十を知ることは絶対にできない。そして今の若い人を見ていると、そのアメリカ人とダブって見える。言われてないから地べたに座り込むし、電車の中で化粧をすることが恥ずかしいとは思わない。自分で行間を読まない(読めない)からだ。海外を旅することで、日本自体も見えてくる。現在のさまざまな社会問題は、失われた10年のせいではなく、還暦を迎えた戦後60年のアメリカ政策の集大成ではなかろうか。

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