'06GW メキシコへの旅'07夏 ペルー世界遺産の旅




4月29日(土)
MexicoCity Piramide
テオティワカン遺跡
Piramide MexicoCity
Hotel Regente

昨日の東京からの飛行機の中では、時差ボケをなんとか解消しようととりあえず目をつぶっていたのだが、やはり時差ボケがあって頭が重い。いわゆる寝不足といった感じである。しかし、なんとか頑張って起き出す。今日は最初にしてメキシコ最大の目的地、テオティワカン遺跡を目指す。日本語ツアーというと、滞在3時間でUS$65(7,500円)とかなり人をおちょくった料金設定だが、自力で行けばバスで1時間で行けて、自由に見て回って、バスと入場料で千円かからない。タイのアユタヤへ行く時も、そういえば同じような感じだったっけ。

8時過ぎに朝食に降りて見れば、なんと日本人だらけ。ここは日本人御用達ホテルだったのか。しかも、あきらかに新婚さんばかりだ。メキシコも新婚旅行のメッカだったんだ〜と初めて感じた。誘拐事件とか頻発している国に、わざわざ新婚旅行で来なくてもいいのではないかと思うのだが、インドネシアのバリ島なんかと同じ感覚なのだろうか。朝食が終われば、外にはHISのバスが待っていた。新婚旅行でHISなのはかなり寂しい。この団体の皆さんとテオティワカンで鉢合わせにならなければいいのだけれど。

メトロバスホテルは治安を考えて、あえて町の中心部ソカロから離れたところにしたのだけれど、これまた不便なころで地下鉄の駅まで遠く、一番近くがメトロバスの駅。とりあえず、そこまで歩いて行く。朝は結構冷え込むので、一枚上に着て出かけるが、すぐに必要なくなった。やはり、ひんやりしているのは朝晩だけで、昼間は暑い。メトロバスは、車体はバスなのだがバス停が駅になっており、必ず改札を通らなければならない。切符はsuica方式になっていて、最初に乗車する時はディポジット$8(90円)と一回目の料金$3.5(40円)以上を入れてカードを購入し、その出てきたカードにチャージする。

初めての人にはむちゃくちゃ分かりにくい。そのためか、各駅には駅員が張り付いており、買い方を教えてくれる。チャージする時は、まずカードを入れてからお金を入れないと、またカードを買うことになる。ここまで分かるまでに、何回も失敗した。ちゃんと$3.5以上のチャージが残っていれば、改札でかざした時に、$3.5ずつ落ちていく。ちなみに、$3.5で乗り放題。メトロバスは専用軌条を走るので、渋滞に皆無なのがいい。まずは鉄道の駅であるブエナビスタ駅へ向かう。メキシコの鉄道はほとんど走っていないということだったが、駅があるじゃないか。しかし、駅には柵がされ、入ることができなくなっている。なんとびっくり、中央駅が閉鎖されているのだ。アメリカの影響で完全に車社会になってしまったのだろう。

メトロバス次は地下鉄に乗車する。メトロバスとは別の料金体系だが、$2(22円)で改札を出るまで乗り放題。切符は改札を通るだけのチケットである。なので、チケットはどこの駅でも利用可能で、まとめ買いをしておくと便利。$20札を出したら、10枚もチケットをくれた。確かに、何も言わなければMAXを渡してくれるのだろう。こんなに使うか分からないが、激安なので気楽に使ってみよう。

地下鉄を2回乗り継いで、北バスターミナルへ。メトロバスにしても地下鉄にしても、治安上それほど気になる事はなく、どちらかと言えば整然と列車に乗っている気がする。安すぎるということもあるかもしれないが、違法乗車など見ることもなく、治安を考えてみても悪いとは思えない。相変わらず歩き方の脅迫にも近い脅しは、ある意味やり過ぎに思える。本当に凶悪なタクシー強盗が毎日のように起こっているのか?それなら、地下鉄やバスよりも、なぜタクシーをお勧めするのか理解できない。

歩き方は今や、バックパッカーのための情報誌だったのは遠い昔。カラーになり始めた1998年ころからおかしくなり、現在のターゲットは若い女性になってしまった。うそ臭い生情報から、高級ホテルと高級レストラン、エステにショッピング情報まで。歩き方以外に選択肢がある場合は、旺文社の個人旅行を始め、もはや歩き方を買うことはないだろう。しかし、ちょっと変な国になると売っていないので買わざるを得ないのだが、やっぱり毎度イライラすることになる。

バスターミナルはとてつもなく広い。なにがなにやらさっぱり分からない。窓口の行き先を眺めて見ても、テオティワカンの文字が見つけられない。歩き方は相変わらず情報が乏しい。おまえは本当に自分の足でここまで着て書いているのか?まずは一通り窓口をなめて見ようかと、一番奥の8番線方面へ歩いて行く。と、端から二番目の小さなブースに、ピラミッドの文字を発見。テオティワカンも書いてある。いやぁ、すごい偶然だ。次の出発は5分もないので、その次は15分後。何やら番号を指示されるが、改札を通った先に柱番号が書いてあった。バスは指定席で、料金はバスに1時間乗って$27(300円)だった。

バスの出発前に、おっちゃんがお菓子を売りに来た。よくあるとりあえず置いて行き、欲しければお金を、いらなければほっとけば持ってかえってくれる。何だまた押し売りかと思ったが、$10(110円)でお菓子がいろいろ入っているなら、お買い得かなと思って買ってみる。まさに遠足気分。駄菓子詰め合わせといった感じだ。

バスが出発すると、電卓やらお菓子やら、まぁ次から次から売り子が乗って来ては、次のバス停で降りていく。こうやって、一日バスで移動しながら商売しているんだなぁと思うと涙ぐましくなる。しかも、小学生くらいの少年が働いているのだから、まだまだ貧しい国だ。あげくには3人くらいギターを抱えて、バスの中で3曲くらい歌っていく。下手なショーなんかに行くより、こういうところでちょっとチップを渡した方が良い。旅行者にとっては暇つぶしにも最適で、なかなか楽しい遠足になった。ピラミッドには、1時間で11時45分に到着した。

ここでテオティワカンについて簡単に説明しよう。西暦350年から650年まで、テオティワカン文明が存在していた。その後8世紀くらいには、テオティワカン人は滅亡したと伝えられているが、その真相は定かではない。日本では弥生時代〜古墳時代くらいで、まさに埴輪や古墳などが全盛の時代である。実は日本と文化交流があったのではないかと思うくらいの偶然性だ。一番有名なものが、太陽のピラミッドと呼ばれるもので、太陽が真上にくる春分の日と秋分の日には、全国から人々が殺到することでも有名である。世界で三番目に大きいピラミッドで、頂上まで登ることができる。またもう一つ、小さめの月のピラミッドもあり、宗教行事の中心として利用されていたらしい。

ケツァルコアトルの神殿歩いてゲートに進むと、入場料が$45(500円)に値上がっていた。切符切りのおじさんのところを通り、お土産屋を通り抜けると、遺跡にいよいよ突入である。場所を確認してみると、一番南の入り口のようだ。まず入って目の前にあるケツァルコアトルの神殿へ。左手にはちらちら巨大な月のピラミッドと太陽のピラミッドとも見えるが、目の前の城壁に囲まれた神殿もすばらしい。すべて石を積み上げてきれいに表面を削って平らにしている。今ではコンクリートで固められているが、平らな造形は当時を再現しているのだろう。神殿と言っても、今は石の山が残るのみだが、その台座部分の彫刻がすばらしい。

それにしても、あちらこちらうるさくつきまとうおみやげ売りの人々。店を広げている人は、店の前を通ったときに声をかけるくらいだが、リュックに詰めて置物など数点限定で歩きまわって売っている人々もいる。値段はあってないようなものだし、最初の言い値は市場価格の倍くらいの額なので、よっぽど欲しいと思わない限り話を聞くだけでもつきまとわれて大変だ。しかも、あちこちにいるので、一人かわしてもまた一人と次から次からわいてくる。ベトナムのしつこさに比べたら、まだかわいいものだが。

太陽のピラミッド正面に月のピラミッドを見据えながら、太陽のピラミッドへと歩いていく。このあたりも神殿跡などが残っており、大規模な町であったことが伺える。太陽が容赦なく照りつけるが、太陽を遮るものも無く、黙々と歩いて太陽のピラミッドに到着。ここはもちろん、ピラミッドに登頂しなければ。階段はかなり急で、ちょっと上るだけでもすぐに息が切れる。運動不足というだけではなく、2,000mの高地という影響もあるのだろう。それでもなんとか、休みながらなんとか登り切った。

月のピラミッド頂上には昔神殿があったということで、その残骸が単なる岩山として残っているだけなのだが、ここからの景色が素晴らしい。山がある以外はオーストラリアのエアーズロックを思い起こす景色で、平原に低い木々が立っているのが見える。訪れてみて初めて気がつくことだが、月のピラミッドの北側には山がそびえている。ピラミッドを拝みつつ、その向こう側の山を神様としていた事が伺える。ピラミッドばかりが目立つ遺跡ではあるが、ピラミッドと山が見事に重なり合う様は壮観である。

死者の道太陽のピラミッドを下り、死者の道を歩いていく。この死者の道は真北から数度傾いているということだが、それは地球の傾きと同じ角度だとか。目の前の月のピラミッドの先には、大きな山がそびえている。月のピラミッドは、太陽のピラミッドに比べると若干小さいが、ここからの眺めもまた格別である。太陽のピラミッドが見えるだけではなく、死者の道を中心に左右対称に神殿が連なっている様がきれいに見える。

ケツァルパパロトルの宮殿月のピラミッドのそばには、ケツァルパパロトルの宮殿がある。昔の彫刻、赤い装飾がそのままに残る宮殿で、その鮮やかな色には目を見張る。まさに飛鳥時代の壁画を見ているかのようである。よくもこんなにきれいに残っている物である。しかも、博物館などで保存するわけでもなく、普通に外に雨ざらしなのにも恐れ入る。

その近くに出入り口があり、ここにもおみやげ屋が連なっている。こういうところでお土産の相場を見てみるのが基本だが、店によっても値段は様々。そんな中で半額くらいで値札が付いていたおみやげ屋でお土産を買った。この店だけ商売っ気がないのか、他の店に比べても激安だった。その後で壁画博物館へ行こうかと思ったが、一度外に出なければいけないようだったので、入れなくなったら困るので行くのは辞めた。死者の道へ戻り、太陽のピラミッド近くにあるシティオ博物館をぶらりと見学してから、元の入り口に戻ってきた。

すっかり昼食も食べずに歩き回ってしまったが、最初に1リットルの水とお菓子セットを買っておいて良かった。最後に軽食でもと思ったら、ビュッフェしかなくて$150(1,650円)もするとのこと。そんな高い食事を食べるつもりはさらさらない。結局昼食はお菓子だけで終わりにしてしまった。4時間ほど歩き続け、すでに16時過ぎていた。ツアーではこんなにののんびりゆっくり歩けることはなかっただろう。バス停など何もないが、バスを降りたところでバスを待っていると、10分くらいでバスが来た。帰りのバスは静かなもので、往きと同じくらいの時間でバスターミナルに戻ってきた。

ブエナビスタ駅近くの民芸品市場に行ってみる。カードが使える店とあって品揃えは豊富だがとてつもなく高い。広大な敷地に家具まで売っているのだからすごい。ちょっとした置物だけ購入してきたが、商品を紹介する人、お金を受け取る人、包む人、と分業されていてこれまた無意味に人手がかかっている。さすがに商品が高くなるわけだ。最後に食事場所を歩き方で探してみるのだが、毎度のごとく高級レストランしか書いていないから使えない。そんな中、たまたま地図に見つけた大衆食堂街。ガリバルティ広場近くにデパ地下のような食堂が連なっており、多くの店が連なっている。そんな中をぶらぶら歩いているだけで声がかかるので、適当に店に入ってみる。

ALAMBREメキシコ料理と言ったら、トウモロコシの粉で作ったトルティージャと呼ばれる生地に肉類を巻いて食べるのが一般的な食事である。特にタコスが有名である。適当な肉の種類を選び、ビールは当然コロナ。肉にチーズがかかっているのがまた美味で、500円くらいで食べられるのだから良い場所を見つけたものだ。これだけでも十分お腹いっぱいになるのだが、歩き方の後にある昔の残骸のような記事にポソーレがうまいと書いてある。しかも、場所はここじゃないか。で、探してみると、ポソーレを売っている店があった。いわゆる豚骨スープなのだが確かにうまい。日本人の口によく合う食事だ。

ガリバルティ広場のショーレストランを出ると雨が降っている。よくあるスコールだ。ガリバルティ広場で雨宿りをしているが、メキシコらしい衣装を着て、ギターやバイオリンなどを持った人たちが歌を歌っている。なんともメキシコらしい風景だ。歩き方に載っていない情報でメキシコらしい風景に出会えて、なんだか得した気分。最後はホテルまで歩いていったが、たいした距離無いと思ったのに、30分もかかってしまった。ちょうど20時で日が暮れてくるところだった。

動画(1.4MB)

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