'09夏 マレーシアとブルネイへの旅 その07 - キナバル公園

8月14日(金)
コタキナバル(キナバル国立公園)
Promenade Hotel

今日は車で二時間のところにあるキナバル山国立公園へ行く。路線バスで行ったらかなり大変なところなので、そこそこの料金でツアーで行けるのはうれしい。しかも、バスで行ったらほとんど不可能な温泉まで行ける。11時間の長丁場のツアーとあって、出発は7時半である。同じホテルで日本人一家族と一緒に出発し、途中でマレーシア人カップルを乗せて総勢7名でキナバル山に向かう。

車はガソリンスタンドで給油をしながらトイレ休憩。たった30分走ったところなので、トイレ休憩というかガソリン入れ忘れといった感じがする。一応、トイレはホテルを出る前に行ってあるが、トイレがあったら行けると気に入っておくのが鉄則だ。

キナバル山

次に山道に入ってしばらく行ったところで車は停まる。出発から約一時間半、キナバル山がきれいに見える丘の上だ。お土産屋さんも店を連ねているが、昨日と同じくパスポートも財布もホテルに置いてきているので、手持ち資金RM100を初っぱなから減らすわけにはいかない。帰りにも寄ってくれることを期待したが寄らなかった。今時珍しく、タイアップができていないようだ。

20分の休憩の後、まずはキナバル公園を通り抜けてポーリン温泉へ。キナバル公園からかなり距離がある。これは普通に一人で来てタクシーでいくような距離ではなかった。昔日本軍が占領時代に開発したという温泉であるが、硫黄のにおいのするかなり本格的な温泉で、有料の室内温泉もあるが、二人ずつ入れる場所がたくさんあり、自分で水と温泉を入れて楽しめる。入場料はツアー料金込みのようで良心的だ。英語ツアーだと自分で払うのが一般的で、日本語ツアーだと込み込みになっていることが多い。

キャノピーウォーク

まずはみんなが温泉に使っている場所を抜けて、吊り橋があるキャノピーウォークへ。森の中をオランウータンのように歩こうっていう趣旨のようだ。人数制限6名と書いてあるところに、6オランと書いてあるので、まさにオランって人って意味だよなと認識する。ちなみに、ウータンは森なので、オランウータンは森人だ。いつものありがちのカメラRM5、ビデオRM30という料金表示。カメラはまだしも、ビデオは高過ぎではないだろうか。吊り橋自体は、板が一枚わたっているだけなので、歩く足の重みで右に左に揺れる。これはかなり吊り橋の中では揺れる方だ。こういうのが嫌いな人は本当に渡れないだろう。欧米人はキャーキャー言いながら渡っていた。

ポーリン温泉

温泉に戻ってきて、約50分の温泉タイムとなる。このために水着も持ってきたし、荷物も最小限にしてきたが、日本の温泉のような感じではなく、実際にはプールをイメージした方がわかりやすい。すぐ近くに荷物を全部持ってこれるので、どこかに置きっぱなしになることもなく、海ほど警戒をしなくても良かった。昨日は気づかなかったが、足の裏がひりひりしているのは、昨日の日焼けのせいだ。

ポーリン温泉

お湯をためて個人温泉ができる趣向は素晴らしいのだけれど、いつまでたってもたまらない。たぶん、満タンになるまでに二時間くらい必要だと思う。残り15分になったところであきらめ、ひょうたん型のプールのようなところへ。まさに温水プールといった面持ちで、かなりぬるい。結局、ツアーでここに行くなら、足湯くらいがちょうど良いのかもしれない。

昼食の時間であるが、ちょうど世界一の花が咲いているから見ないかと言われる。なんとRM30(810円)だという。びっくり価格だ。一年かけて育ち、花が咲くと悪臭を放ってハエを呼び、5日くらいしかもたないそうだ。なので、幻の花であり、インドネシアで植物園に行ったときも見られなかった。その花が咲いているなら見に行くしかあるまい。

ラフレシア

結局全員見に行くことになり、お金を払うとおばちゃんが裏山に連れて行ってくれる。徒歩5分くらいのところに、柵に囲まれて確かに咲いている。期待していたものに比べると小振りで、30cmくらいの大きさしかない。日本語ガイドのおっちゃんがちょうど来て教えてくれた話では、インドネシアの花に比べると小さくてにおいもほとんどしないそうだ。それでも、ハエが花の中に集まっていた。

英語ガイドの兄ちゃんは中に入ってこないでガイドをしてくれなかったので、この日本語ガイドのおっちゃんがいろいろ教えてくれた。やはり年に数日しか咲かないので、そのときはかき入れ時、家の人総出で花を守り、一気にお金を稼ぐのだそうだ。こういう花が咲く場所がいくつかあり、花が咲いているところに連れて行くらしい。

昼食はいわゆる大皿が中心に並び、みんなで取っていくパターン。あっちにもこっちにもツアー客が陣取っている。それにしても、日本語ガイド付きのツアーが多いこと多いこと。少なくとも3つ見かけたし、みんな同じルートで回るので、あちらこちら日本語ガイドが聞けた。こちらはというと、ガイドというよりは連れてくるだけの仕事みたいで、だいたい入り口で待っていることが多かった。

驚くべきは、日本語ツアーは若い女性ばかりということだ。日本語ガイドを付けるべき家族連れは英語ツアーで、少々間違ったって安い方を選ぶべき若い人たちが日本語ツアーで金を使いまくっているわけである。完全に日本の社会構造はおかしくなっている。やはり、これからの日本は、独身は税金を多くし、子育て世代に手厚い保護をしていかないと、子供の教育上もよくないし、国が滅びる。海外に行くたびに、日本の姿がよく見えるようになる。

車は同じ道を戻りながら、キナバル公園へ。街道からちょっとあがったところにHQ(本部)があり、その中にいろいろ施設がそろっている。路線バスで来るなら、このHQで降ろしてもらい、帰りは街道に出て路線バスを拾うことになる。

まずはビジターセンターで、キナバル公園にいる動物や昆虫、植物などを見て回る。植物で有名なところではさっき見てきたラフレシアに加えて、食虫植物である日本語ではウツボカズラ、英語ではピッチャープラントが有名どころ。昆虫では、人面虫やカブトムシなど様々、動物は昨日サピ島でみかけたオオトカゲなども有名どころである。ここでも日本語ガイドが女性たちを引き連れてガイドをしていたので、ちゃっかり聞いていた。

ウツボカズラ

その次は植物園である。歩き方には全く情報無いので、何があるのかも何を見るのかもよくわからなかったが、中ではガイドが付いてくれて、いろいろと教えてくれた。もちろん英語だ。手を挙げたような小人の花や、ウサギのような耳を持つ花、サンタクロースの顔そっくりの花、とかまぁおもしろい。ウツボカズラもしっかりあった。植物園というとあまり面白みのないことが多いが、ここは次から次から変な花が見られて、かなり楽しかった。

サンタクロースフラワー

これにて、本日のツアーは終了である。最後にHQに寄り、コタキナバル登山についての説明をしてもらう。午後になると見えなくなるという話通り、キナバル山はすっかり雲の中に入っていた。現在16時なので、そろそろ山を下ってきた人が集まっていて、バスも集まり始めていた。ちなみに、コタキナバル山は東南アジア一の山で、富士山よりも若干高いが、2日かけて誰でも登れる山になっている。もちろん、高山病の心配はあるが。

帰りはどこのお土産屋にも寄らず、下界に降りてきたら100km/h以上で飛ばしていたのに、ほぼ予定通り18時にホテルに戻ってきた。東京から富士山5合目観光に行ったようなものだから、かなり遠かった。それでも、世界遺産にもなっているキナバル山を見ることができたし、温泉にも入れたので、ツアーにして良かった。

夕食はいつものように近場をぶらぶらしてみるが、その前に財布の残りがとぼしくなってきたので、どこかで両替しなければいけない。センターポイントに行くと、両替所があっちにもこっちにもあるので、一万円札を両替しようと並んでみたが、あまりの処理の遅さにやめた。日本では一万円でRM310しかもらえないが、ここでは最大RM364。やはり、物価が安い側で両替をするのが鉄則である。ちなみに、カードキャッシングは、一ヶ月の利子を入れても一万円でRM350くらいだったので、キャッシングよりも両替所の方がレート良かった。

結局、銀行のATMを見つけてVISAカードでキャッシングしたのだが、RM300が全部RM100札。RM50でもお釣りがないと拒否されることが多いのに、この高額紙幣、使い道無い。日本でいったら5万円札くらいの感覚である。ホテルに戻ってから、ホテルのお土産屋で一枚使ったのと、ホテルでRM50札二枚に変えてもらった。

トムヤム

今日の食事はビールが飲めるところがいいなぁと歩いていたら、タイガービールののぼり発見。食事メニューがよくわからなかったが、ラクサがあったので頼んでみたら、今はやっていないとのこと。でも、トムヤムが同じだからそれにしろという。それってタイ料理じゃん。予想通りパクチーが入った辛いシーフードラーメンだった。これがまたとてつもなく辛い。自分で緑とうがらしを入れてしまったのもあるのだが。

だからビールがまた進む。これではRM10は超えるだろうなと思ったら、なんとRM25(675円)だった。こりゃまた高い。よく考えてみると、前回ビールを飲んだのはラブアン島だったから、免税でビールがジュースなみに飲めたのだ。スーパーでもビールはRM6(162円)で売ってるくらいだから、まぁ仕方がないといえば仕方がない。やはり、マレーシアでビールを飲みたかったら、スーパーで安いビールを選んで買いだめしておいた方がいい。


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【目次】
出発準備編
出発
ラブアン島
ブルネイ
ブルネイ
コタキナバル
キナバル公園
コタキナバル
クアラルンプール