'09GW カンボジアとラオスへの旅 その07 - ビエンチャン

5月4日(月)
ビエンチャン(ブッダパーク)
Riverside Hotel

基本的に見所の少ないビエンチャンにあって、唯一の目的地っぽいのがブッダパークである。普通の寺だったのに、仏像を次々に集めた結果、いつしかブッダパークと呼ばれるようになった。ビエンチャンからバスで一時間、途中にタイと結ぶ友好橋があるので、ブッダパークと一緒に行ってみることにする。まずは昨日時間切れで行きそびれた寺に向かう。

ラープ

ホテルを出て隣の建物にお食事どころがあったので、朝食を食べるために入る。モーニングセットとかあるようだが、ここまで来てパンの朝食は味気無い。英語メニューでは良く分からないので、歩き方の写真を見せて、ラオス名物であるラープがあるか聞いてみる。すると、できるそうだ。ひき肉と香味野菜を炒めた料理で、地元の人向けかトウガラシ入りでとてつもなく辛い。マンゴジュースとラープで33,000kip(396円)。朝からガッツリ料理だが、500円しないのがいい。

今日は、月曜日ということもあって、子供達が学校へ出て行く時間だった。バイクの後ろにちっちゃい子がしがみついている様はなかなかかわいいものがある。昔は日本でもお店兼住居といった家が多かったから、こんな風景がよく見られたと思うが、今の日本では全く見ることが出来なくなった。日本はどこまでつまらない国になってしまうのか。

ワットホーパケオ

有名な寺が向かい合っているところまで、徒歩で10分くらい。本当に小さな町だ。どちらの寺も今では普通の寺としては使っていなくて、博物館になっている。入場料は外国人価格で5,000kip(60円)ずつ。一つ目のワットホーパケオはたんたんと見て回る。朝早くて人が誰もいないが、建物の中には人がいて、写真は撮らないようにと念押しされる。タートルアンと凱旋門、そしてこの寺がビエンチャンの三大ランドマークのようである。というか、これしかないのが寂しい。

ワットシーサケート

道路を挟んで反対側にある二つめの寺ワットシーサケートも博物館になっており、回廊に数多くの仏像があるのが特徴である。こちらは回廊に囲まれた本堂だけで、しかも本堂内も見るところがほとんど無い。なんとなく二カ所の寺を見て回っただけだった。

朝食をのんびり食べていたので、バスターミナルに到着したのは9時半を過ぎていた。ちょうど14番のバスが停まっていて、すでに満席である。すぐ15分後にあるようだから、次の便にすべく待っていると、次から次から満員のバスに日本人が乗っていく。なぜ日本人か分かるかというと、例外なく手に地球の歩き方を持っているからだ。

普通の町では歩き方なんか持って歩いていたら、速攻でスリに狙われるので、外ではカバンにしまうのが鉄則である。この本のデザインはだまそうとしている人には超有名。日本語は読めないくせに、自分の街がどこに書いてあるかまで知っている。しかし、ここビエンチャンでは、あまり観光客がいないし、狙われるような感じもしない。人が少ないせいもあるし、路上生活者のような人も見かけなかった。つまり、日本的な安心感が、みんな同じような行動につながるのだろう。

それにしても、みんな同じ目的地を目指しているのがおもしろくもあり、なにも見所がないあらわれでもある。日本人数名は立ったままバスに乗って行ったが、そのすぐ後に次のバスが来た。同じことを考えていた人が多かったようで、すぐに満席になったが、無事座ることができた。当然のごとく立つ客も出てくるので、一つの椅子で二人座ったり、4人掛けを5人で座ったりが当たり前である。日本ではかなりありえない状況だが、まさに少しでも席に座らせてあげるという譲り合いの精神であろう。ふんぞりかえっている人なんていないし、わざわざ詰めて予定以上座らせている。ちなみにバスは日産製のマイクロバスである。

この混雑状態がどこまで続くのかと思ったら、友好橋のイミグレーションまでこの状態だった。そこまで45分、やはり座って行って正解だ。若干入れ替えで乗って来た客もいたが、かなり空いた。運ちゃんに歩き方の写真を見せて、ブッダパークで降ろしてくれと言っておく。そこからさらに15分くらい、まさに歩き方に書いてある通り一時間でブッダパークに到着した。前の方に座っていた外国人が降りようとしていたからここだなと思ったら、となりのお坊さんも教えてくれた。外国人がバスに乗るならここに行くのが当たり前なのだろう。一時間バスに乗って5,000kip(60円)。

良くありがちのカメラを持ち込むのは追加料金という状態で、入場料5,000kip(60円)にカメラ持ち込み料3,000kip(36円)。20,000kip札を出したらお釣りがないと言われ、10,000kip札でもお釣りがないと言われる。相変わらずやる気のなさが垣間見える。

ブッダパーク

中に入ってみると、まさになんだこりゃ。ちょっとした公園に無造作に仏像が並んでいて、しかもなんだか変な仏像ばかり。集めたというより自分の趣味で作ったのでは無かろうか。展望台を兼ねたこれまた良く分からない建物の中にも仏像があり、真っ暗な中に薄気味悪い。ものの10分で一通り見て回れるので、これだけのために一時間もかけて来たのかぁと思うとがっくりくる。

昼食

あまりにも来た甲斐がないので、公園内のレストランで昼食にする。メコン川が一望できるが、あまりきれいな川ではないし、川までまだまだ遠くて広場が広がっているし、まぁなんだかこのむちゃくちゃ加減がまた楽しい。ココナッツが山積みになっていたので、ココナッツジュースにビール、焼き麺を頼んだら焼きビーフンだった。客なんか来やしないので、店の人たちはみんな家族なのか、片隅で昼食を食べてるし、なんだか本当にのほほぉんとした空気が流れている。

帰りはバス停など無いから、反対側の道に行ってバスを待つ。ゲストハウスで知り合ったようなグループが待っていたのでわかりやすい。バスがいつ来るかわからないが、こうしてのんびり待つのも日本では出来ないことだ。しかし、意外とすぐにバスは到着した。イミグレーションがあったところから15分くらいだったから、10分くらいしたら車窓を気にしておく。遠くに橋が見えてきたので、橋に近づいたところで運ちゃんに声をかける。降車ボタンなどないから、最初から運ちゃんの後ろの席に座っていた。なかなか気づいてくれなくて、橋をだいぶ過ぎてから停まったが、基本的に自由乗降システムだから、どこで降りても良い。15分しか乗っていなくても、行きと同じ5,000kip(60円)だった。

友好橋入り口

橋の入り口は、橋の下の川側だと思って行ったり来たりしていたががまったく見つけられなかった。しかし、陸側を見ると歩き方に載っていた写真と同じゲートが。なるほど、ここが入り口か。本当にこの歩き方めずらしく役に立つ。ゲートを入っていくと、兄ちゃんがパラソルの下に駆け寄ってきた。ここで入場料を払えってか。というか、これってタダの道路で金取ってるだけじゃないかよ。なるほど、イミグレーションから行けないわけだ。2,000kip(24円)だからたいしたことないが。

坂を上がり、橋の歩道を歩いていく。ちょうど日本人カップルとすれ違う。歩き方を見ている人は、まさに同じルートを歩いている。タイとつながっているということだけの普通の橋だが、ラオス国内であるメコン川の中央まで行くことが出来る。その橋の中央にはこの3月から開通した鉄道の線路が引かれていた。なるほど、鉄道の橋が周りから見えないはずである。

友好橋

日本だったら、こんな道路の真ん中に線路を引いたら安全が確保できないという理由もあって、鉄道橋をもう一本架けてしまうところだろう。ゼネコンだけの問題ではなく、ちょっとの我慢も許さない国民性が今の日本を作っている。橋の中央まで行って何をするかといえば何もなく、本当にただ行って戻ってくるだけしかなかった。元来た道を戻り、橋の入り口から10分くらい歩けばイミグレーションなので、そこまで歩いて行くことにする。

イミグレーション

イミグレーションの外にはお食事処が並んでいるが、さっき食べてしまったしお土産みたいな物を売っている店もない。鉄道の駅はこの近くかと探してみたが、あとでgoogleを見た限りではかなり違うところに駅があった。ここからのバスは、どちら方面も同じところに停まるので、ビエンチャン行きを確認してバスに乗り込む。すると、先ほどの日本人が。相変わらず同じルートだ。

この日本人は、歩き方に載っていた三つ目のお寺に行くんだろうなぁと思ったらやっぱりそこで降りた。歩き方で紹介されている二つのお寺は朝見てきたところであるが、もう一つは町中から少し離れている。このバスで帰りがけに寄るのが効果的だ。自分はもうお寺はお腹いっぱいなので、そのまま最後まで乗り通し、バスターミナルに戻ってきた。

まだ陽が高いが、もうやることはない。タラートサオでショッピングだ。昨日も行ったモールで今日はミックスジュースを飲んでみる。屋台風の店で、カップにフルーツがいろいろ入れられていて、適当に選んだらミキサーでジュースにしてくれるという物だ。6,000kip(72円)とは安い。モールの隣には昔ながらの商店が連なっていて、電化製品から宝石、なんでも売っている。ここをぶらぶら歩いているだけでもおもしろいが、英語さえも通じない店が多くてなかなか楽しい。

基本的にみんな仕事をしたくないから客引きなんかしないのだが、ある店では執拗に客引きをされる。TシャツがUS5$だ(500円)って。さっきの店では20,000kip(240円)だったよ。カンボジアなみの客引きに、久々にさらに楽しさ満載といったところだが、言葉が通じる(英語)分だけ当然のように全ての物が高い。あまり見て回っていないうちなら、この値段でも安いと思うのだけれど・・・。

16時くらいにはホテルに戻って一休み。夜になってから昨日も行った屋台で食事にしようかと思ったが、微妙に残りのラオス紙幣が寂しく、40,000kip(480円)くらいしかない。一食分にはぜんぜん問題ない額だが、気を抜くと足りなくなりそうだ。特に、屋台だと適当に頼むからあとでいくらになったかわからなくなることが多い。なので、朝行った隣の店に行って、メニューと値段を見比べながらビールと麺を注文し、まだ残金がありそうだったので、最後にラープで締めて、きっちりラオス紙幣を使い切った。


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【目次】
出発準備編
出発
プノンペン
シュムリアップ
シュムリアップ
ビエンチャン
ビエンチャン
バンコク
帰国