'09GW カンボジアとラオスへの旅 その03 - プノンペン

4月30日(木)
プノンペン(ワット・プノン, セントラルマーケット, 独立記念塔, 王宮)
Phnom Penh18:25 PG996 19:20ShumRiap
Angkor Star

飛行機の中でかなり寝てきたので、あまり寝付きが良くないまま朝になってしまった。7時くらいに起きようかと思っていたが、もっと早々と起きてしまった。時差が2時間あるので、早く起きてしまうというのもある。ホテルに朝食が付いているといってもアメリカンだし、昨日ラウンジでパンをもらってきていたので、それで朝食とする。すると、もう8時には出発準備完了だ。今日の夕方にシュムリアップへ向かうため、16時くらいにホテルに戻ってくれば良い。それまで荷物を預かってもらうために、高級ホテルにしたというのもある。安宿だと荷物がどうなるかわからない。

カンボジア駅

ホテルは町の北側に位置しているので、観光スポットを見ながら南下し、トゥクトゥクで帰ってくれば良い。ホテルを出ると早速トゥクトゥクとバイクタクシーの攻勢だが、そんなものには目もくれない。すぐあきらめてくれるので、ハノイに比べたらすさまじく楽だ。最初に向かうのは、図らずも近くにあったカンボジア駅である。一応タイから線路がつながっているのだが、あまり走っている感じがしない。朝出発して夜到着する列車しかないらしい。だれでも入れる状態の駅は、窓口にも人がいなくて閑散としていた。

ワット・プノン

次は近くにあるワット・プノン。首都プノンペンの名前の由来になったところでもあり、丘の寺という意味。ちなみに、プノンペンはプノンさんの丘という意味だそうだ。路上生活者が多いというだけあって、子供からお年寄りまであっちでもこっちでも手を出している。無理に奪い取ろうとすることはないので、そんなに危険度はないが、子供たちに手を出されるのは悲しい現実である。階段を登って行くと、ここでUS1$(100円)払ってくださいとの看板が。実はここから入るだけが有料で、その他はただだった。まぁ、US1$くらいならいいか。内部は線香の匂いが漂っていた。

ちょっと行けば川なので、少し眺めてからオールドマーケットへ。おぉ、確かに両替商が軒を連ねる。レートがしっかり表示されているのだが、すぐとなりの店と違うことに驚く。まぁ、US$10で100R(3円)くらいの違いだから、どうでもいいっちゃどうでもいいが、それがまた不思議だ。一番レートの良いところで両替をしてもらうと、担当は高校生くらいの女の子だという。日本のコンビニバイトとはわけ違い、若いのに一生懸命働いている姿は感動を覚える。ベトナムでもそうだったが、日本では味わえない普通のことが味わえるのが、東南アジアの旅の良いところといえる。

セントラルマーケット

オールドマーケットはおおむね食品を扱う店が多いので、ぶらぶら散歩するだけだが、鳥そのまま丸焼きとか、魚もただぶつ切りにしただけとか、とにかくグロテスク系が多い。そんな手間はかけられないということだろう。オールドマーケットから少し歩くと、セントラルマーケットである。すごい。とにかく規模がすごい。しかも、同じような店ばかり並んでいるので、どこの店で買って良いのやら。たぶん偽物だろうなっていうようなルイビトンのバッグなんかも、無造作におかれている。ほとんど客寄せはしていないのだが、一度足を止めればすぐに捕まってしまう。

またいつものごとく、置物などをディスカウントしてもらいながら買いまくり、また帰ってからこんな物買ったっけというはめになる。翡翠の象の置物に目が止まったら、ここは宝石屋だった。本物かどうか怪しいところであるが、ルビーにサファイヤがサイズにも寄るがペンダントにしてUS$18(1,800円)とのこと。女性陣には激安ショッピングツアーとなるだろう。もちろん、本物かどうかはわからない。いきなり重りを買ってしまったが、持ちながらの観光を続ける。

それにしても驚くのはここは日本かと思うくらい日本車の多さである。バイクばかりかと思ったらそうでもなく、トヨタ車の多さに驚かされる。しかもレクサスがものすごい数走っている。これが円借款の威力か。カンボジアにお金を貸して、日本企業が仕事をもらい、橋や道路工事に加えて車も売りまくっているということだ。これがこれからの日本のビジネスモデルなのかもしれない。

適当な商店でコーラを買うと、単語も通じない子供たちで結構大変だったが、2,000R(50円)とのこと。若干高い気もするが、まぁこんなもんか。ある店で水以外になにかないかとそこにあった物を買って見たら、ラベルの見た目から高麗ニンジン茶かと思ったら、酒だった。ペットボトルで酒を売ってるのかよ。すごい国だ。

あちこちで水を買った感じでは、1,200R(30円)くらいが普通価格。やはり物価は1/4〜1/5くらいだ。タイよりも物価は安いが、ベトナムの方がもっと安い。カンボジアは貧しいとインプットされ続けているが、ベトナムの方がもっと貧しい。これが社会主義国との差とも言えるし、日本が積極的にテレビなども使って援助をする差なのだろう。

ベトナム友好の碑

セントラルマーケットからトゥクトゥクに乗って王宮に行こうと思っていたが、たいして遠くないので歩いて行くことに。しかし、若干道を間違えてどこにいるのか分からなくなった。最後に行くつもりだった独立記念碑に先に行ってしまおうと思ったら、碑にベトナム国旗があったので、ベトナム友好の碑だとわかった。完全に行き過ぎていた。こんな碑があるのなら、さぞベトナムとは仲良しなのだろうと思うが、実は仲が悪い。

独立記念碑

そのまま進んで独立記念碑を見て、トゥクトゥクで王宮まで戻ろうとしたが、こういうときに限って客引きがない。半分位歩いてしまったらもう1kmもない距離を乗ってもしかたがないので歩き通す。王宮に着いたら着いたで、ちょうど11時を過ぎたところでお昼休みとのこと。なんということだ。気が付けば3時間あまり歩き通していたことになる。それならまずは昼食に行って、最後に行く予定だった博物館に行くことにする。

ちょうど博物館の入り口近くに店がたくさんあって、英語メニューの看板があるお店に入る。これだけ歩き回ったので、なんといってもビールがうまい。ヌードルを頼んだら、五目焼きそばといった感じで麺もインスタント感ありあり。英語メニューがあるとこれでUS$3.5(350円)とかなってしまう。地元の飯屋をハシゴしようかと思って、博物館の後にしようと思っていたら、13時でほとんどの飯屋は終わっていた。シュムリアップでがんばろう。

国立博物館

国立博物館は様々な時代の石の仏像がたくさん並んでいる。見ごたえ十分だが、全部見てもそんなに時間はかからないだろう。歩き方には時間がない人はこの三つをなんて書いてあるが、時間のない人は多分行かないだろう。どの仏像にも、広隆寺の弥勒菩薩のような雰囲気が漂よっている。元々のクメール帝国はタイ、ラオスにまで至る広大な領土を持っていたが、今ではその末裔はカンボジアに残るのみ。タイにもその文化が残っているので、アンコールワットはタイのものだなんて話が持ち上がる。日韓のように、東シナ半島でも歴史問題が存在するのである。

博物館でのんびり時間をつぶし、14時少し前に王宮の入り口へ。徐々に人が集まってくるところで、子供たちが水を売っている。2,000R(50円)じゃ高いでしょっていうと、いくらなら買う?っていういつものパターン。このパターンに入ったら、必ず買うことになる。1,000Rだなっていうと、負け時とじゃぁ1,500Rと言う。まぁ、それくらいならいいや、と買う。

その後は門が開くのを待っているだけだから、みんな待っている観光客らは子供たちと雑談しているのだが、あっちではフランス語でしゃべっているようだ。片言ながら、子供たちの語学力はすごい。そして、悪がきっぽく彼女いるのかとか聞くので、いないよっていうと姉を紹介するよ、18歳、カンボジア語できるの?と、おませさんトーク。それは売春って言うんじゃないのか?まぁ、こういうくだらないトークもアジア旅行の楽しみと言える。

王宮・即位殿

王宮に入って行く。隣のパゴダ(寺)と併せて入場料が25,000R(625円)とはびっくり料金。カンボジアではベトナムのようにあからさまな外国人料金にはなっていないが、地元の人自体が観光することが少ないということだろう。タイで見かけたような建物が並び、タイとカンボジアはもともと同じ文化を継いでいることが良く分かる。そして、即位殿の豪華さには目を見張る。シャンデリアもあったりしてなかなかすごい。本当の王宮はその後ろにあるのだが、立ち入り禁止となっている。

シルバーパゴダ

場違いな洋風の建物があったり、変な感じもするが、それが見事だと歩き方には書いてある。感覚ずれてないか?シルバーパゴダはというと、タイのエメラルド寺院のような仏像がすわっている前に、エメラルドを額に埋め込んだ仏像が立っている。説明していた人の話では、25カラットだそうだ。本当か。

一通り巡って水でも飲むかと、コーラと水を買ってみると、びっくり価格の8,000R(200円)だった。建物の中で観光地価格とは言っても、そりゃないでしょってくらい高い。でも、暑さに負けて外に出るまで我慢するより、高くても買ってしまう。少し休憩してから外に出る。バイクタクシーの人が寄ってくるが、それはやはりやめておきたい。トゥクトゥクは少しはなれたところに停まっていたのでそこまで歩いて行くと、さっきの女の子がいて、あ〜みたいな顔をしたが、もう今日プノンペンから出発すると言っていたのであまり深追いはしてこなかった。

トゥクトゥクでホテルまで戻る。US2$(200円)ならそんなもんかと思ったが、高くても4,000R(100円)くらいというところで、やっぱり倍だったかと思っても後の祭り。なかなか計算がうまくいかない。ホテルまで戻ってきたら、まだ時間があるので湖に行って見ようと歩いていく。しかし、行けども行けども湖に到達できず。しかし、ここにカンボジアのバックパッカー街があることがわかった。今ではタイとかインドではなくて、ここに沈没している人も多そうだ。

ホテルの戻って、そこらのボーイさんを捕まえて荷物を受け取り、500R(13円)をチップを渡すと、たったこれだけでこちらがびっくりするほど喜んでくれる。チップが当たり前になってしまった国とは訳が違う。タクシーを呼んでもらって、空港に向かう。行きはUS$9(900円)だったのに、帰りはUS$12(1,200円)とは。ホテルの呼び出し料が加算されるそうだ。ホテルを出てトゥクトゥクでくれば良かった。他のアジアの国々では当たり前のようにぼったくられるが、珍しい対応で、すいませんという感じで申し訳無さそうに言っていた。

かなり早めについてしまい、出発の二時間前に着いてしまった。まだチェックインは始まっていなかったが、冷房の効いた建物の中に入れてもらう。いつまでたってもチェックインが始まらないのは、もしやキャンセルになるのではと思ってしまう。歩き方にはかなりの率で運休になると書かれているが、実はその唯一のカンボジアの航空会社であったシュムリアップ航空は運行をバンコクエアウェイズにまかせ、実質なくなってしまった。つまり、驚くべきことにカンボジアの国内線をタイの航空会社が運行しているという状況になっている。

しかし、そんな心配は必要なかった。出発の一時間半を切ると、チェックインが始まった。受付のお姉さんは、パスポートに入れていた一万円札を見て、これって日本のお金?初めて見た〜と興味津々。見てもいい?となかなか日本ではお目にかからないようなことがほほえましい。いやはや、このプノンペン滞在は、何から何まで楽しかったし良かった。

カンボジア唯一の国内線で、ドメスティック方向に進んでX線検査をするが、水がまだあったので捨てないとだめかなと思ったら、普通に通してくれた。かなり適当だ。中に入って何か食べ物でもと思ったら、サンドイッチやヌードルなどがあったので迷わずヌードルを食べる。タイのパクチー味でおいしかった。

そんな中、外は土砂降りの大雨に。そして雷がすごい光っている。こんなので飛行機が来るのだろうか。しかし、また予想に反してちゃんと到着した。18時05分に搭乗開始になっているのに、55分ごろの到着ではまだまだ乗れないだろう。しかし、ほとんどお客は乗っていなかったらしく、10分遅れになっただけだった。飛行機はガラガラかと思いきや、中国人団体に韓国人、日本人でプロペラ機の70席がほぼ満席。意外とシュムリアップだけの滞在にしないで、プノンペンから移動する人が多いのにはびっくりした。

落雷の中の飛行機

プロペラ機なのでバスで移動して乗るのだが、あんな豪雨の中外に出れないよと思ったが、もうすっかり雨は止んでいて、しかし雷はピカピカ光っていた。そん中、たまたま撮った写真が雷を捕らえていた。しかも、実際に見る稲妻は、人体の捕らえる感覚の違いか、一瞬光るというものではなく、下からゆっくり光りの線がつながっていくような感じだった。

飛行機では国内線なのに簡単なサンドイッチの機内食が出て、これならまた夕食はいらなそうだ。シュムリアップに到着すると、荷物を預けていないものだから一番乗りで空港を出てタクシーヘ。バイクタクシーならUS$2(200円)というが、この暗い中で乗るのはいただけない。タクシーはなんと左ハンドルの日本仕様で、なんでわざわざそんな車に乗るのか驚きである。

で、例のごとく明日一日チャーターどうだと聞いてくる。車で一日観光なんかしないよ。高いし。タクシー代はUS$7(700円)で、お釣りがないと、10,000R(250円)をよこした。実際にUS$2.5分にしかならないので、ちゃんとこれを毎回準備していて、US$.5だけちょろまかしているのだろう。

明日も乗ってけよぉというおっちゃんを尻目にホテルにチェックイン。すると、今度はホテルスタッフがバイクタクシーの押し売りだ。朝9時に出発すればちょうど良いと勝手にバイクの予約を入れる。部屋に案内までしてくれたが、そこでもひたすらバイクの押し売り。なんでそこまでしつこいのか。まだ状況がわからないなかで決めることはできない。

とりあえず断って、歩き方をよくよく見てみると、どうやら現地で客待ちするトゥクトゥクなどはなくて、基本的には一日チャーターしなければならないようだ。どんなシステムだよ。ホテルを通さなければ全部自分の取り分になるから、みんな必死に売り込んでくるのが分かった。やれやれ、明日からどうなる事やら。


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【目次】
出発準備編
出発
プノンペン
シュムリアップ
シュムリアップ
ビエンチャン
ビエンチャン
バンコク
帰国