'09GW カンボジアとラオスへの旅 その06 - ビエンチャン

5月3日(日)
ShumRiap10:05 QV522 13:00Vientiane
ビエンチャン(タートルアン, パトゥーサイ)
Riverside Hotel

カンボジアも最終日。なんだかあっと言う間だった。バンコクなんかで時間を取らないで、もう一日延ばせば良かったと思った。それくらい、遺跡の数が半端ないし、湖見学とかマーケットとか別の楽しみもある。ツアーで6日間滞在っていうのもあったが、今ならそういうのも有り得ると思った。

今日は日曜日のせいだろうか、朝からチンドンやっている。まだ6時にもなっていないぞ。ちなみに、結局サンライズは一度もチャレンジさえしなかった。GWの頃は雨季に入っており、朝曇って昼から晴れて夕方スコールというパターンを繰り返しているので、日の出も日没もこの時期は期待できないだろう。というか、US$10とか払ってわざわざ見に行くものでもなかろうて。

疲れがたまってきたので、なかなかすぐに起きられないが、7時を過ぎたらさすがにまずいので朝食を食べに行く。今日はビーフンで、日替わり料理がかなりうれしい。8時に予定どおりチェックアウトして、最後の最後まで同じトゥクトゥクで空港へ。一日運転手よりも、空港への送り迎えの方が意外と短い時間で儲かるのかもしれない。

空港までの料金US$5に、これまでの感謝も込めてチップUS5$、さらにやっぱり使い切れなかったプノンペンで両替した20枚の500R(250円分)をあげる。持って帰っても紙きれでしかないが、原地の人にとっては二食も食べられるかなりの額になる。当たり前のようにチップを受け取る西洋諸国に比べると、あまりチップをもらいなれていない東洋諸国はちょっとのチップでもすごい喜んでくれるので、こちらもチップをあげた甲斐があるというもの。

バンコクやホーチミンへの飛行機も同じくらいの時間で、あちらこちらに日本人の姿が見える。前の日本人は、手荷物に爪きりはまずいでしょうと思ったが、そのまま通していた。さすが適当。新しくなったばかりという空港で、何から何まで高いのだが、カンボジアのお菓子が売っていたのでなんとかお土産として買って行く。バーもあるし、足マッサージ(30分US$10)もある。

最後にアンコールビールを飲んでカンボジアの旅も終了である。あっと言う間の3日間だった。久々に何から何まで楽しかった旅だった。これまでのアジアの国の中で、ここまで気持ちよく帰れる国は無かったので、久々にアジア良いよなと思ってしまった。たまたま人が良かっただけなのかもしれないが、こんな人がいるってだけで、金にガツガツする国民性でないということだろう。ちなみに、日本人は金の亡者ばかりなっているのに、そうでないと信じようとしている人が多い状態である。だから正直者が馬鹿を見る。

ラオス航空

ラオス行の飛行機は、当然のようにプロペラ機だ。早朝にビエンチャンを経って、折り返し便だ。日ごとにプノンペンに行ったり、シュムリアップに行ったりしているので、今日たまたまあって良かった。10時発で9時35分に搭乗開始なのだが、10人くらいしか客がいないので、当然10分もかからずに搭乗完了。予定時刻の15分前に出発した。このアバウトぷりは、沖縄八重山に通じるものがある。

機内食

ビエンチャンまで直線距離で飛べば良いのに、パクセーという町を経由する。そのため、ビエンチャンまで3時間もかかる。まずは国際線なので、しっかり機内食が出る。一時間ほどのフライトで、出発が早かったので、15分早く到着した。ここからは国内線の客と交ざってしまうのでどうするのだろうと思ったら、全員降ろされて、入国審査をするようにとのこと。なんとこんな小さな空港にイミグレーションがあった。一日に二回しか飛行機がこないのに、ビザを購入する窓口もある。しかし、日本人は短い観光ならいらなくなったので、入国スタンプを押してもらうだけだった。

税関は全くやる気なし。税関の紙を渡すこともなく、入国完了してしまった。入国したらもう完全に外なので、また荷物チェックをして出発待合室へ行かなければならない。が、またしても荷物チェックは適当だった。待合室には、意外と地球の歩き方を手に持つ日本人が多い。どんなとこなんだと見てみたら、アンコール遺跡と同時代の世界遺産があるとのこと。ここまでくるとまさにマニアな世界で、ラオスに来たは良いけど目的地がないとか、世界遺産すべて制覇とか狙っている人以外、なかなか訪れる人は少ないだろう。

メコン川

ここからは国内線になり、11時45分発がまたしても10分早く出発した。メコン川を眺めながら飛行機は上昇して行く。今回もまた機内食があるが、さすがに国内線だけあってカップケーキ一個。飲み物もコーヒー、紅茶、水しか選べない。そして、予定時間より早く、ラオスの首都ビエンチャンに到着した。ちなみに、ラオスというのは英語名で、現地ではLAOラーオである。他民族国家ということで、people'sのsが付いてしまったのか。

ラオスはソビエトの影響を受け、ベトナム戦争でホーチミンルートとして北ベトナムを支援した。そのせいで、ベトナム戦争に巻き込まれた地域もある。また、北朝鮮とも友好関係を持っている数少ない国である。ソビエトの崩壊により、中国やベトナムと同じように社会主義国家を維持しながら市場経済を拡大している。ベトナムでは、ラオス人の出稼ぎ者が多かったのも、このときの関係があるのだろう。

カンボジアも内紛のときにはベトナムと同じような対立軸になっていたが、それが落ち着いたのはベトナム戦争に遅れること20年、1990年になってからである。そういった面では、ラオスの方がカンボジアより発展が早いはずだ。それを証明するように、ラオスの方がカンボジアよりも物価が高い気がする。いや、カンボジアが安過ぎなのだ。ラオスはタイ経済の影響を受けてか、タイとほぼ同じか、やや安めといったところだ。

タクシーで町中までUS$6(600円)、相変わらず空港タクシーは高い。国内線に出てきてしまったので、両替をしに国際線の方に寄ってもらう。どこでもUS$が使えるということだったが、カンボジアほど普通に使えることはないだろうと両替しておいて正解だった。どこの店も現地通貨kip(キープ)表示で、US$表示なんてほとんど無い。観光客相手のところはUS$も受け取ってくれるが、計算が面倒なので、電卓無しでは計算できない。タイバーツも使えるということだったが、同じである。

US$50が約40万kip。ベトナムでもそうだったが0が多いので、thousandを省いて値段をいうことが多い。タイは1Bが10円感覚で物価が1/3くらいだが、ラオスでは10千kipが500円くらいとすれば、1/4くらいか。カンボジアほど劇的に安い感じはしないが、もちろん激安の部類だ。

タクシーの兄ちゃんは、ホテルは予約してあるのか?っていうお決まりのパターンだったので、予約はしていないがそうだと答える。どこに連れて行かれるか分からないからだ。何も言っていないのに、ルアンパバーンはどうだった?なんて聞く。国内線から出てきたからだろうが、それだけ国内線から出てくる観光客は、みんな行く場所なのだろう。今となっては、行けば良かったと思う。

10分もかからずに目的のホテルに到着した。リバーサイドと言いつつ、路地に入った隣の建物だった。二泊の宿泊は問題なし。US$10増しのVIPルームも空いているそうなので、それにしてみる。眺めがよいという話だったが、川側の部屋はすでに埋まっていた。そもそもUS$15のところでUS$10増しなので、そんなに差があるのだろうか。普通の部屋に泊まっていないので比べられないが、確かに昨日のシュムリアップよりはきれいな部屋だった。

とりあえず荷物を置いたら観光に出発である。といっても、全くといっていいほど見所がない。一番遠いタートルアンまでトゥクトゥクで行って、歩いて戻って来るのがよさそうだ。ラオスのトゥクトゥクは、カンボジアのバイクに荷台をくっつけた物とは違い、小型トラックバイク版といった感じで、カンボジアよりも進んでいる感じがする。トゥクトゥクはホテルの前でたむろっているので、勝手に向こうから声をかけてくる。たいした距離でもないのに、4,000kip(500円)だとぉ。ラオスは物価は安いが交通機関が意外と高い。公認価格と言うことだが、どこまで本当かはわからない。

明日はどうするとか、お姉ちゃん紹介するよとか、まぁ乗っている間中いろいろな宣伝を繰り広げる。それでも、普通なセールストークで、インドのようにあからさまに変なところ連れて行かれなさそうな感じがしないのが良い。10分くらいで、すぐにタートルアンに到着した。帰りも乗ってけと言われるが、歩いて帰って来るつもりなので、もちろん断る。

タートルアン

広大な広場の向こう側に金色の塔がそびえている。一見社会主義チックな作りに思える。飲み物などの店は並んでいるが、お土産を売るような店はない。しかし、そこらへんで捕まえたスズメをカゴに入れて売っているのがちょっとありえない。どうやら食用のようだ。そういえば、カンボジアでも売ってたっけ。タートルアンは、ラオス仏教の総本山でもあるのだが、人がぱらぱらしかいない。入場料を払うのがどこか分からず、気が付いたらすでに中に入っていた。塔が建っているだけで、中に入れるということもなく、ぐるっと一回りして終了。なんともあっけない。

タートルアンを出て真っすぐ歩いて行く。車がほとんど走らないので、びっくりする。本当に首都の町並みなのか。今日は日曜日だからというのも関係しているようだが、それにしても閑散としている。東南アジアで最も小さな首都と言われるのも頷ける。

パトゥーサイ

1kmくらい歩いて凱旋門パトゥーサイに到着。戦死者を慰霊するためというのだが、なんとなく微妙な感じ。3,000kip(36円)払えば塔の上まで登れる。途中の階にお土産屋があるが、みんなむちゃくちゃやる気なさげ。物を見ていても声をかけようとはしないし、売っている物もなんだか買いたい物がない。なるほど、これが社会主義の遺産なのか。そういえば、どこの施設も16時で終わってしまうという、まさにお役所仕事。サービス競争で抜け駆けしようとも思わないらしい。

町並み

塔を降りたら売店があったので、早速ラオスのビールであるビアラーオを買う。さらに、屋台のような店で焼きそばを売っている。が、眺めていても相変わらず売る気がない。完全作り置きだが、焼きそばが5,000kip(60円)に、焼き鳥が一本2,000kip(24円)。何から何まで劇安やんか。ちなみにビールは一本8,000kip(96円)。焼きそばはまぁそれなりだが焼き鳥がうまい。これがまたビールに合う。意外とあっちこっちで叔母ちゃんが焼き鳥を焼いているので、これはいいおやつになった。

食べ終わる間もなく片付け作業を始めていた。まだ15時を過ぎたばかりだというのに。全く商売っ気が無いが、客がいないというのもある。地元の人はあまり見かけず、外国人観光客の方が多いんじゃないかってくらいだ。自転車を借りて走っている観光客が多いが、日本人、特に女性が一人で観光している姿が目立つ。行くところがなくなって、こんなところまでくるのは日本人くらいしかいないのだろう。

あと少し歩けばショッピングモールのタラートサオである。立体駐車場を備えた、びっくり驚きの建物がある。まさにモールと呼ぶべき百貨店だ。中の店は中国チックで、通路に面してショーケースが並び、店員がすぐにでも客を捕まえる態勢にある。日本のように店の中に入れてからという商売形態と異なる。こんなところも新しいながら中国の影響をうけているのだろうと思う。ここまでのやる気のなさとは全く違う。

しかし、まだ16時にもなっていないというのに、次々に店がしまっていく。早い。あまりにも活動している時間が短い。日本みたいに24時間店が空いているのもどうかと思うが、一日昼休憩もあって8時から16時の活動ってどうよと思う。いわゆるスタバのようなコーヒーショップがあったので、ラテを頼んでみるとかなり本格的。16,000kip(192円)もするのだから、日本円にしてみれば半額くらいだが、現地の人にとっては超高級品だと思う。これが先進国の味ということで、たまには飲む高級品なのだろうか。こういった感覚を持てること自体が国の活力を生む。

明日のバスを確認するため、すぐ隣のバスターミナルへ。ビエンチャン郊外唯一の観光地っぽいブッダパークに行くバスが、ここから出ているはずである。トゥクトゥクのおっちゃんが連れて行ってやるぞって言ってたが、バスで一時間かかる距離をいくらかかるかわかったものではない。今時の若い女性ならそれもやりかねないが、そもそもそんな人はこんな国まで来ないだろう。(笑)

一番奥だったが意外と簡単にバス停を見つけられ、朝からずっと20分間隔くらいで走っている。意外とこの歩き方は役に立つ。未だミーハーな日本人女性が訪れない土地だけに、昔からバックパッカーをやっている人の情報だけで出来ているからだろう。ミーハーな目的地はすっかり女性向けガイドブックとなってしまい、ショッピング、エステ、(高級)ホテルが載る雑誌となってしまっている。

歩き方は皆ツアーのサブブックとして持って行くだけだから、詳しい地図など必要なく、タクシーに住所を示して行ってもらえというのが今の歩き方である。しかも、情報が5年に一度くらいしか変わらないようで、古い情報てんこ盛りである。るるぶの方が広告をベースにしているので、情報が新しかったりする。

元々は地球の騙され方っていうくらい怪しい情報で満ちあふれ、その中から自分で取捨選択しながら正確な情報を選んで行く力が必要だった。そもそもの歩き方は、そこらの一般人の旅情報を集めたブログ収集誌だったのだ。なので、最近は全く情報に期待していないのであるが、実際に行ってみるとかゆいところに手が届く情報で、書いてある通りに動けば目的地に着けるなんて、今時の歩き方としてはかなりびっくりした。

ナンプ広場

もう、16時を過ぎてしまったので、どこに行っても店は開いていない。早々と活動終了である。街の中心にあるナンプ広場も、ちょうどおっちゃんがバルブを締めて噴水を止めるところだった。おっちゃんがどいたらもう一枚写真を撮ろうと思っていたのに。

ホテルの目の前はメコン川で、夕方から始まる屋台が並んでいる。これがまた安い。カンボジアほどではないが、10,000kip(120円)で食事ができるのだ。どこの店でも炭火で焼き鳥などを並べているので、声がかかった店で並んでいるものを食べてみることにする。歩き方にものっているラオス風ソーセージと、塩漬けにしただけのメコン川で取れた魚。これにビアラーオ。メコン川にしずみゆく太陽を眺めながら、これはなかなかよかった。

さらには、相変わらずこの国でも屋台にいろいろなものを売りにくる。子供たちが売りにくるのはガムばかりだが、おばちゃんが売りにきたのはスルメだった。右手には火鉢を持って。おぉ、その場で焼いてくれるのか。焼き鳥のようにスルメが刺さっていて、一本2,000kip(24円)。これまたえらい安いなぁ。二本買ってあぶってもらう。

ピン・パー

ピン・パーと呼ばれる魚が意外と大きくて、塩だけの味付けがこれまたうまい。またしてもビールが進み、大瓶、小瓶と二本ビールを飲んでも、全部で59,000kip(708円)。魚が30,000kipとちょっと高い値がついているが、それでも360円なんだから、アユの塩焼きを考えるとびっくりするほど安い。ラオスは意外と食事が楽しめる。観光客も少ないので、トゥクトゥクなどの客引きも少ない。これで見所豊富ならば申し分ないのだけれど。


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【目次】
出発準備編
出発
プノンペン
シュムリアップ
シュムリアップ
ビエンチャン
ビエンチャン
バンコク
帰国