'09GW カンボジアとラオスへの旅 その04 - シュムリアップ

5月1日(金)
シュムリアップ(アンコールワット, アンコールトム, タ・ケウ, タ・プローム)
Angkor Star

相変わらず時差ボケのため5時くらいには目が覚める。6時から朝食ということだが、ぐだぐだしている間に7時になってしまった。そろそろ朝食を食べに行こう。安宿のわりにはしっかりしていて、焼ききしめんのようなものや、ハンバーグ、ウインナー、そして卵のオーダーメイドつき。日本人御用達のホテルを避けたはずが、中国人御用達で日本人よりもうるさいし食い散らかす感じで汚い。ベトナムのホーチミンシティでも中国人御用達で朝食が一緒に食べたくない感じだったなぁと思い出す。

ホテルで一日トゥクトゥクを頼むとUS$15ということなので、客待ちしている兄ちゃんだったら安いかなと思って外に出ると、ホテル前でたむろっている一人が、即効で話しかけてきた。アンコールワット行ける?って聞くと、一日コースか、ならUS$15(1,500円)とのこと。一日貸し切りで1,500円ってのも安いと思うが、バイクタクシーならUS$10なのだから、もう少し安くても良い。バイクタクシーとの違いは、雨が降っても大丈夫な点。昨日のような豪雨がきたら、バイクだとたちまちずぶ濡れになってしまうだろう。

値切り交渉も残念ながら不調で、一日コースはその値段で決まっているようだ。ホテルを通していない分だけ取り分は大きいだろう。通常は一日とは8時間くらいのようだから、それだとサンセットまで時間が足りないのでサンセットまでと確認する。出発準備もそこそこに、部屋に戻って荷物を取ると、すぐさま出発する。まだ7時半で、かなり早い出発だ。

チケットチェックポイント

最初に、チケットチェックポイントに寄り、三日券を購入する。一日券はUS$20(2,000円)で、三日券がUS$40(4,000円)なら、二日滞在の人は絶対三日券を買うだろう。チケットは、使い回しを防ぐため、顔写真を撮影して刷り込まれる。これでどの遺跡でも自由に入場できるようになる。それにしても人が多い。話によるとベトナムが祝日で、ベトナム人が大挙してきているそうだ。後で調べてみると、確かにベトナムも週末を含めれば4/30から4連休のGWだ。

西参道

逆光になるので、アンコールワットは午後に行くと良いと言われるが、ここまで来たのなら、何はなくともアンコールワットだろう。一見お城や古墳のような広々としたお堀が見えてくると、いよいよアンコールワットに到着する。トゥクトゥクはお土産屋が並ぶ一角に待機場があり、すさまじい数のトゥクトゥクが停まっているので、乗ってきたトゥクトゥクをしっかり覚えておかなければならない。

中央祠堂

西参道正門でチケットのチェックをして、参道を進んで行く。インドのタージマハルも同じ構造だったが、メインの建物に向かって長い参道が続いている。歩き方には真ん中から入れないと書かれていたが、普通に入ることができた。歩き方にはいろいろ書かれている中で、参道を歩くときはカメラをのぞきながらと書かれていたが、書かれていることは何も起こらなかった。記事のための記事といった感じ。徐々に近づいていく本堂の建物を見ながら進むだけで良い。

アンコールワット

参道を進み、一段上った西塔門テラスを上がると回廊に入る。ここから建物の中に入った感があるが、沐浴の池の跡だというエリアを抜けると、本当の中心部である中央の祠に出る。昔は急な階段を上ってその中央祠堂に登ることができたのだが、修復工事のため最後の中央塔まで行くことができなくなっている。中央塔に登れないのは残念だし、ここまで近づいてしまうと見栄えも良くない。天候が曇りというのもいまいち感を醸し出しているのかもしれない。

ぐるっと中央塔の周りを一周し、戻ることにする。歩き方をぜんぜん読み込んでいなくて、回廊が素晴らしいというのを見逃していた。まぁ、夕方にまた来ようと思っていたから、明日最後に来ることにしよう。建物を出ると、帰り道右側にお土産屋が並んでいる。どれ、お土産屋を冷やかして回るか。観光地の中のお土産屋は、外の店より高いと相場が決まっているので、水だけ買ってさっさと退散するつもりだったが、いつものごとく客引きがすごい。値段を軽く聞いてみるが、最初の値付けなのに安い,安すぎる。TシャツがUS$3(300円)、2枚でUS$5(500円)とは。

いくら安くても、基本的に言い値で買うのはバカである。と言っても、これでは値切る範囲も限られる。US$2(200円)ならどう?って聞くと、すんなり下がった。こりゃまだ下がるなと思いつつ、一回言った額は変えられないので買わざるを得ない。その次はカンボジアシルクか。できは良さそうだが、US$10(1,000円)はさすがに高いなぁ。と言うと、あっさりUS$6(600円)まで下がった。それでもいらないんだけど、オークションで売ればいいかと購入する。キャバクラのぽん引きと同じで、興味を示さなければすぐに次の客に矛先を変えるが、一回つかまるととことんまでおつきあいしないといけなくなる。

お土産たっぷり抱えてトゥクトゥクがたまっている場所に戻ってきた。あまりにもたくさん停まっていて、どれが乗ってきた物かわからない。うろうろしていたら、向こうから見つけてくれた。やれやれ、一日貸し切りとはいえなかなか大変だ。お土産は、鍵がかかる箱に入れてもらい、意外と至れり尽くせり。

バイヨン

次に向かうのは、アンコールトムの中心であるバイヨンである。アンコールトムは城壁に囲まれた大きな街で、その中心に王宮や寺院などがある。アンコールトム内は電気自動車が走っているという歩き方情報だったが、普通にそのまま入っていく。しかし、ゲートのところが車一台やっと通れるくらいの幅なので、渋滞していた。やっぱりベトナム人観光客が多いようだ。ここはもしかしたら観光バスは通れないので、電気バスが用意されているのかもしれない。

バイヨン

ガイドブックを見ている限りでは、もしかしたらアンコールワットよりバイヨンの方が実は良いのではないかと思ったが、実際に行ってみるとさすがにそこまでではなかった。あちらこちらに顔を彫り込んだ塔があるのが特徴で、ちょっと異様といえば異様な感じだが、ここまで顔だらけだと不思議な感覚になる。

アンコールワットでは全く見かけなかった日本人であるが、ここでは日本人だらけだった。ゆっくり9時頃に出発して、最初の観光地なのだろう。日本人は、ガイドブックで有名なところしか見に行かないので、たまに教えてもらえるときもあるが、いろいろゆっくり見て回り、自分が良いと思うところをじっくり見てこそ来た甲斐があると思うのだけれど。バイヨンの北側にお食事処が並んでいて、トゥクトゥクもその辺りで待っているとのこと。9時ぐらいにホテルを出発して来ると、この辺でちょうどお昼時になるのだが、まだ時間があるので王宮近辺を巡る。

バプーオン

あまり歩き方も読んでいなかったので、メインどころ二カ所を終えて、あとは惰性でもあった。ちょっとだけトゥクトゥクに乗って、まずはバプーオンへ。トゥクトゥクは少し先で待っている。パプーオンは王宮脇にある寺院で、空中参道と呼ばれる参道がある。メインの中央祠堂は、修復修理中で中に入れなかった。あちらこちらと修復中が目立つ。

ピミアナカス

元に戻って、王宮入り口の装飾でもある象のテラスを通ってピミアナカスへ。王宮自体は木造だったため、現在は残っていないが、その前にまさにピラミッドの寺院がある。ピラミッドの階段は非常に急で、登るのは自分のリスクでなんて書いてあるが、人が登っているのが見えるので、登ってみる。登れることはできると思うが、降りるときが大変そうだ。と思ったら、もう一方に木製の階段が作られていた。なにやってんだか。

メキシコなどで見てきたピラミッドの上に神殿をのせる構造で、遠く離れていても同じ感覚を持っているのか、伝える人がいたのか。ピラミッドの上にはガイドを勝手に行う兄ちゃんがいて、あれが姉池で・・・なんて始めるもんだからさっさとその場を離れる。後でチップを要求するに決まっている。当然英語でガイドするから、英語がわからない日本人には関係ないと言えば関係ないが。

一眼デジカメの電池が早くも無くなってしまった。曇り空の時は露出が合わないことが多く、3枚ずつ撮っていたので、アンコールワットで撮りすぎてしまった。それにしても半日で電池が無くなるとは・・・。電池を一度外すとしばらくは使えるようになるので、あと半日だましだまし使うことにする。ほとんどはコンパクトカメラで撮らざるを得ない。

さらに北側の大仏を見て、塔が一つ立っているプリア・パラライへ。あまりたいした見所ではなくて、人がほとんど訪れないところだが、塔門の前で日本人がしゃべっている。人が写り込まない写真を撮れるチャンスなのにずっとしゃべっている。そんな場所でずっとしゃべらないでくれよ。5分くらい待ったと思うが、写真の出来は待った甲斐がなかった。

広場に戻って反対側のプリア・ピトゥを見るが、あまりたいしたことなくてすぐに退散。プラサット・スゥル・プラットやクリアンを眺めながら、トゥクトゥクに戻る。意外とトイレの場所が限られているので、北側のトイレに寄ってもらってから、バイヨン北の食堂に戻って昼食とする。たぶん、連れて行く店が決まっているのだろう、食堂がたくさん並んでいるが、一番端の店に誘導される。食堂といってもオープンスペースでテントの屋根があるだけの簡単なお店。プノンペンと同じく一食US3$(300円)程度。基本は炒め飯か炒め麺に何の肉を入れるかという選択肢だけ。さんざん歩いたのでビールもうまい。

食事が来るまでの間に、まぁ来るは来るは子供たちがいろいろな物を売りに来る。これが驚くほど安い。絵はがき10枚、竹製笛、スカーフ、どれもこれも本当にUS$1(100円)かよ。一つ買うと次々に買わされるんだよなぁとわかっていてもつい買ってしまう。いらない、いらない、と言ってもなかなかあきらめてくれないが、一つ買うだけですぐに去っていく。しかし、違う子が売りに来る。何人いるんだよ。まったく。結局各人から一つづつ、食堂なのにどっさり買い物をされてしまった。

食事時にゆっくり歩き方を眺めていると、ライ王のテラスを見逃していたわ。そこに寄ってもらってから、アンコールトムを後にする。アンコールワット、アンコールトムのメインどころを終えてしまったらもうあとは惰性であるが、あるはあるはとにかくすごい数の遺跡が続く。時間がある限り遺跡を見て回り、夕方に夕日が見えるポイントへ行くことにする。

チャウ・サイ・テボーダ

アンコールトム東側の勝利の門を出て、すぐのところに二つ並んでいる遺跡に行く。これまでに見てきたところに比べると、どちらも規模は小さい。南側にチャウ・サイ・テボーダがあり、バプーオンにも見られた空中参道がある。線香を持っておばちゃんがうろうろしていたので、捕まらないように逃げ切る。北側のトマノンもこれといった大きな違いなかった。

その前にあった土産物屋がまた激安で、もうめぼしいものはほとんど買ってしまったから、ココナッツジュースを買うくらい。これもタイなんかで飲んだら300円はするだろうが、ここではUS$1(100円)。どこまで物価が安いんだよ。TシャツUS$2と最初言っていた値段も最後にはUS$1(100円)でも良いっていうし、とにかく安い物を買いたかったら、マイナーな遺跡前のお土産屋が狙い目である。

タ・ケウ

次はタ・ケウ。ピラミッド形状で、上まで登るにはまたしても自分のリスクでと書いてある。アンコールワットが登れなくなった今、一番急階段を上り下りしないといけない場所のようだ。男二人の日本人、バイクで訪れていた日本人女性、などを見かけ、意外とマニアックな遺跡なのかもしれない。でも、もうお腹いっぱい状態。淡々と見て回る。

タ・プローム

次はタ・プローム。お、次は日本人なら必ず行くところか。トゥクトゥクは反対側で待っているということで、ここは通り抜けられるようだ。寺院自体はたいしたことがないものの、スポアンと呼ばれる大樹に建物が覆われ、自然の力をまざまざと見せられる場所である。全く歩き方を見ずに歩いていたら、「最も有名な巨大木」という名前の巨木は見逃した。まぁ、勝手に名前を付けているだけだから、現地では有名ではないのだろう。

バンテアイ・クディ

そして、夕陽ポイントに行くなら16時半までに戻ってくれば大丈夫ということで、もう一カ所行くことに。すぐ隣のバンテアイ・クディである。いつものように女の子がこれ買って〜(日本語)と寄ってくる。もう、さんざん買いまくっていたので、じゃあ帰りがけにね〜というとあっさりあきらめてくれた。寺院自体は同じような感じで、たんたんと巡って戻ってくると、お土産屋でやっぱり女の子に捕まった。

明らかに安いのだけど、いろいろ見てくると微妙に高いな〜という感覚がある。こういうときは、一品増やしながら値切っていくと、計算ミスしたりして意外と安くなる。それにしても、なんか変な日本語が蔓延している。一個、二個と数えるべきところ誰も彼もが一枚、二枚と数えている。絵はがきを売る子が日本語を教えたのかな。商品を包む時の新聞に目がいって、商品そっちのけで新聞を読んで一喜一憂していたり、なんだかほほえましい。

さて、またしてもたんまり買い込んでしまったぞ。と思ったら、あ〜帰りに買うって言ったでしょ〜(日本語)と、別の女の子が。さっきの店は違う子のところだったのか。それにしても、子供たちが、といっても中学生くらいの子がどこもかしこも店番しているのは、まだまだ貧しい国だなと感じてしまう。仕方がないので、カンボジアシルクを買ってあげて、またしてもオークション品が増えてしまった。

意外と時間を取られてしまったが、サンセットポイントであるプノン・バケンへ。朝はどんより曇っていたが、昼から陽が差してきたので、アンコールワットもきれいに見えていた。今またアンコールワットに行っても良いなぁと思ったが、サンセットも外せないので予定通り向かう。すでに多くのバスが集まっている。さすが、この時間観光客のほとんどがここに集まるだけはある。小高い山の上で景色が良いところということで、サンライズ、サンセットポイントになっているのだが、山の上までかなりの距離を登っていかなければならない。

プノン・バケン

15分くらい登った丘の上に、さらにピラミッドが建っている。急な階段を上ると、なるほど見晴らしが良くて、アンコールワットもよく見える。全方位きれいに見えるのだが、森が見えるばかりでバイヨンなどは確認できなかった。夕陽の時間は18時くらいでまだ一時間くらいある。ぶらぶらしているうちに、次から次から人が登ってきて、遺跡の上は人だらけ。遺跡自体はたいしたことないから、みんな西側に陣取っている。

プノン・バケン

しかし、太陽は雲の中へ。まだ完全な日没には時間があるが、早めに山を下るのが良いだろう。まだ登ってくる人たちもいたが、ちょうど麓に降りた頃に暗くなってきた。いくら観光客がたくさんいるとはいえ、真っ暗な山道を下るのは危ないし、第一トゥクトゥクの兄ちゃんを見つけられない。ホテルに戻ったときには、すっかり真っ暗になっていた。これだけ一日チャーターでUS$15(1500円)とは破格値であるが、ちょうどお札が無くて、US$20札をあげてしまう。チップを奮発してもまだまだ安い物価には恐れ入る。

夕食に出るのは面倒くさいので、ホテルで食べようかと思ったらやっていないようだったので、近くの高級レストランへ。いつもなら屋台まで出かけたいところだが、オールドマーケットの辺りまで行かないとなさそうなので、ちょっと遠い。高級レストランはびっくりするほどの高級店で、インドなみに店員が手持ちぶたさに並んでいて、外国人客がちらほらいるだけだった。ビール飲んで2,3品頼んでUS$20(2,000円)超えてしまうとは。この静かな空間も買っているということなのか。

今日の最後はホテルに戻ってマッサージ。部屋に呼んで一時間US$10(1,000円)ってどんだけ安いんだよ。町中では、フットマッサージがUS$6(600円)でやってるし、びっくりするほどの物価安である。今日はカンボジアを朝から夜まで、大満喫の一日だった。


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【目次】
出発準備編
出発
プノンペン
シュムリアップ
シュムリアップ
ビエンチャン
ビエンチャン
バンコク
帰国