'01GW アメリカ・カナダ東海岸の旅'02冬 アラスカオーロラの旅'07冬 カナダオーロラの旅'08冬 カナダオーロラの旅'09冬 カナダオーロラの旅'13冬 三回目のイエローナイフ





今回の正月は、元々はオーストラリアへ向かう予定だった。しかし、テロ事件後全体的に海外旅行が減ったものの、逆にアメリカ、ヨーロッパ方面の客がアジア、オセアニアに向かい、増えてしまった。このため、オーストラリアのチケットがなかなか取れない。仕方がないので目的地を変更し、それで出てきたオーロラ観測だった。

オーロラベルトまずはオーロラを見に行く場所を決めなければならない。JTBなどのオーロラツアー募集パンフレットがよくできており、それで候補地を絞り込んで行く。オーロラ観測といえば北欧がよく挙げられているが、北欧はオーロラ観測にはいまいち不向き。右図のように、北極に近ければ(緯度が低ければ)オーロラが見易いというわけではなく、磁北極と呼ばれる北極点からカナダ寄りの点を中心に、赤の線で囲んだエリアがおおむねオーロラが見えるエリアである。日によってオーロラが発生するエリアが異なっており、白い帯になっているところでは、オーロラをほぼ毎日見ることができる。この白くなっているところをオーロラベルトと呼ぶ。

北欧は、このリングのぎりぎり南端に位置し、良い環境で見られるのは、カナダのイエローナイフか、アラスカのフェアバンクスなどである。このオーロラベルトの真下ならほぼ毎日オーロラを見ることが可能で、離れれば離れるほど、太陽の活動状況によって、オーロラが出ない場合もでてくる。アラスカ大学のホームページでは、そのオーロラがよく見られる地点の予報を毎日出している。
アラスカ大学のオーロラ予報のページ

その中でも世界一オーロラが見られる日が多いと言われているアラスカへ行くことにした。晴れれば、ほとんど毎日なんかしらのオーロラを見ることができるらしい。しかし、この”晴れれば”という言葉が曲者だったことに、今回の旅でつくづく気付かされるのであった。

オーロラとは、真空管に少量のガスを入れ、放電させたネオンのようなものである。ガスの種類によって、色が様々に変化する。太陽の炎のエネルギーが太陽風として地球に届く際、空中の原子にぶつかり、電力が発生して光を放つ。基本的には緑色をした鮮やかな光で、場合によっては赤や黄色に光り、その光の三原色から、青、白など、様々な色を見ることができる。オーロラは、最初は雲のような一筋の線が現れてから、カーテンのようになびくような現象を見ることができる。アメリカでは、ノーザンライツと呼ばれている。

さて、目的地が決まれば航空券を押さえる。たいていの人が利用するシアトル、アンカレッジ経由は、ノースウエスト航空とアラスカ航空が提携しているため、ノースウエスト航空として一貫してチケットを確保することができるのだが、11月に入っていることもあり、なかなか空きが見つからない。パックツアーが押さえてあるのか、シアトルからアンカレッジのアラスカ航空が取れないのだ。そこで見つけた大韓航空。週3便であるが、ソウルからアンカレッジ経由でニューヨークまで飛んでいる。日本から韓国へ向かう人が多いため、ソウルまでのチケットがなかなか取れない状況ではあったが、関空発なら14万円台と東京発よりも三万円以上安いものなら確保できたので、関空、ソウル経由で行くことに決定した。

ちなみに、JTBのツアーに参加すると8日間で30万円にまで達してしまうツアー料金であるが、自分でホテルにチェックインできる人であれば、飛行機とホテルと現地発のオーロラツアーを自分で手配して、20万円程度で行くことができる。フェアバンクスでは、オーロラツアーはほとんど(全て?)日本人が行っているので、日本語で簡単に申し込むことが可能である。オーロラ鑑賞には、是非自分で手配して行ってみることをお勧めする。

いつもは現地調達のホテルであるが、今回は混みそうなロッジなどが多くなるため、事前にホテルをすべて調達。しかし、ぜんぜん予約をしなても楽勝だった。最近はホームページ上やメールで予約ができるホテルが多く、中には日本語でお問いあわせくださいというのも多い。

そこで、いろいろ予約をしていたところ、まったくうんともすんとも言ってこないホテルがあった。フェアバンクスのダウンタウンにある一人旅の人たちの安宿、フェアバンクスホテルである。日本語のホームページもあるが、リンクが途切れており、英語で問い合わせても何もなし、メールを二度送り、FAXを送ってみたが相変わらず返事なし。仕方がないので、キャンセルする旨のメールを送り、他のホテルを予約した。するとやっと応答が返ってきて、確認のメールは送った、FAXは紙が詰まって壊れていた、と書かれていた。先に送ったはずの確認メールは、このメールのあとに届いた。アメリカ人の対応はこんなものなのかなと思いつつ、時すでに遅しだったので、再度キャンセルする旨通知した。

今回は事前準備が多い。まず、防寒対策の服が重要であるが、重ね着で対処することにした。本格的に防寒着を買うと10万円を遙かに超えてしまう金額になってしまうので、-60度でも耐えられる装備をしたい人は、いくつかのホテルで用意している格安のレンタルを利用した方が良い。

今回の服装
頭: 毛糸の帽子、スキーで使うような口あて、耳当て、ダウンジャケットのフード
上着:Tシャツ、冬物のYシャツ、厚めのセーター、フリース、ダウンジャケット
手: 薄目のフリース手袋、厚めの手袋の二重
足: タイツ、フリース、ズボン、ウインドブレーカー
靴: 冬靴下、足用ホカロン、トレッキング用の厚めの靴下、毛糸の靴下、トレッキングシューズ
長時間外にいると、足、足先がかなり冷たかった。おなかもかなり冷えたので、靴をもっと保温性の良い物にして腹巻きなどすれば、重ね着だけでも十分-30度に耐えられる。

カメラも、しっかり準備を行った。一眼レフカメラ用に20mm/f1.7のレンズを購入。動きの激しいオーロラの撮影には、シャッタースピードを短めにするためにも、とにかくf値の小さい明るいレンズが必要である。今回はISO400を利用したのであるが、ISO800もしくはそれ以上の感度があった方が良いと感じた。そして、バルブが利用できるデジタルカメラを購入。ミノルタのDiMAGE7は、レンズに28mm/f2.8を備え、フィルム感度はISO800に設定できる。

ちなみに、カメラにも防寒対策が必要である。たいていのカメラは0度以上の動作保証となっているため、特にデジカメなどのデジタル機器は低温に非常に弱い。布などを巻き付けて保温し、ホカロンなどを中に入れておくと良い。フィルム交換、電池交換を素早く行い、いかに元の状態に戻せるかが鍵になる。また、長時間外に放置したカメラは、室内に持ち込むと確実に結露するため、袋などに入れて半日そのまま置いておく必要がある。

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