'00夏 のんびり沖縄離島の旅 その6 - 西表島

8月19日(土)
西表島(ヒナイサーラの滝)
みどり荘YH

基本的に明日で夏休みが終わる人が多いので、今日の朝出発する人がちらほらいる。同室の一人旅の人も、今日の飛行機で帰るそうだ。彼も自分と同じ世代で、一人旅をする人が少なくなったのを嘆いていた。昔はここに泊まって、参加者を募って、あちらこちら探検して回ったというのに・・・と。同感。

今日は、久しぶりのヒナイサーラの滝へ行くことにした。過去5回西表島にきたうちの、最初の3回は歩いていったり、カヌーで行ったり、毎回行っていたのであるが、しばらくご無沙汰していたので、久しぶりに行くことにした。歩いていく場合は干潮時、カヌーで行く場合は満潮時をねらっていく必要があるので、干満表は必須である。

今日の干潮時間は15時45分。これはすごく遅い。歩いていくとなると、干潮の2時間前くらいに出発し、2時間後くらいに帰ってくるのが理想的である。しかし、こんなに遅いと、出発を遅らせては帰りも遅くなる。ということで、少し早めにYHを11時に出発する。船浦港を過ぎて、船浦湾に降りて行くところまで歩いていかなければならないので、そこまでで30分くらいかかってしまう。

ヒナイサーラの滝

マングローブのへりをじゃばじゃば水に浸かりながら歩いて行く。さすがに干潮よりも満潮に近いだけあって、水が多い。最大の難所、ヒナイ川をわたるところでは、完全に腰まで浸かってしまったが、最初から水着だし、水不足で水量が少なくなっている影響もあり、ぜんぜん問題なかった。そして、白い浮きのところから草原へ入って行く。手のひらほどもある貝の一種であるウミニナは、相変わらずたくさんいる。

そして、山道に入っていくと、カヌーが止めてあるポイントまではあっという間。何度も来ているから道がわかっていて気楽だし、なんといっても童心に返ってどろどろになって歩けるのは楽しい。川を渡って、滝壺への上りの山道となる。こんなところ、以前ならなんともなかったところであるが、運動不足というよりも、体力の衰えを感じずに入られなかった。そして、12時半には滝壺に到着した。時間的には、予定通りである。

水不足が言われているように、滝の水はかなり少ない。まさにヒナイサーラ(白いひげ)のようになびいていた。滝壺は、相変わらず人が多い。最近では、カヌーで来るのが普通になっていて、歩いてきたというとびっくりされてしまう。基本は歩きで、カヌーでも来られる状況なのに。

滝上

少し休憩したら、いつものごとく滝上へ。そこまではお昼ご飯はおあずけである。カヌーを止めてあるポイントから逆に山を上がっていくと、30分くらいで登ることができる。一部急な坂もあり、やはり休み休みで登って行かざるをえなかった。それでも、30分で登り切り、相変わらずあっという間についたという感じである。

そして、この素晴らしい景色はまったく変わらない。なんでこんなに素晴らしいと感じるのか、珊瑚礁にのっかっている鳩間島がみえるからだろうか。しかし、鉄塔から見た鳩間島は、ここほどの感動は得られない。どうやら、周りを山々に囲まれているにも関わらず、目の前には海が見えて、島も見える。そういう情景が良いようである。なんにしても、自分にとってはここは日本のBEST風景である。

滝上から鳩間島

おにぎりの昼食を食べて、のんびりしていると先ほど滝壺で話をした若者が登ってきた。滝上には行かないかもといっていたが、強く行った方が良いと勧めたため、カヌーのおねーちゃんもつれて登ってきたらしい。やはり、皆素晴らしい景色に感動していたが、携帯電話を使っていたのにはあまり良いものではなかった。こんなところでも、携帯電話が使えること自体が驚きでもあったが。その人たちに、地元の方ですか?なんて言われてしまったが、確かにすっかり黒くなっていたし、一人で歩いて来たら、そう思うのも仕方がないかもしれない。

彼も一人旅をしているのであるが、彼は素泊まり1500円の宿とテントを繰り返しているそうだ。なるほど、YHに若い人が泊まらなくなるわけである。YHは素泊まりで2300円である。テントなら場所代300円くらい払えば済む。これからの時代、二極分化がますますはげしくなり、安いのはきたなくてもとことんまで安く、高いのはとにかくきれいでサービス満点、となっていくのであろう。いるもて荘が後者のきれいな宿になっている状況で、みどり荘は前者のとことんまで安くしなければ、人が来なくなる。しかし、道楽でやっているおじいにしてみれば、そんな変化をするはずはないと思う。

誰もいなくなった滝上でのんびりした。1時間半くらいいただろうか。1時間もあれば道路まで出ることができ、そこから宿までは30分で帰れる。15時を過ぎたあたりで、帰ることにした。それでもまだ干潮時間になっていない。

カヌー

帰りはいたって楽で、あっというまにカヌーが止めてあるところまできた。まだカヌーがたくさん止めてあり、この時間から滝上に登っていく人がいた。すっかり、この滝もメジャーな観光地になったものだ。そこからまた数十分歩いたところで、船浦湾に出る。干潮ですっかり水が引いており、ど真ん中を突っ切って帰ることができる。そんな途中で、前にも歩けるカニの群に遭遇。近づくと器用に穴を掘って隠れてしまい、何もいなかったかのように見えるが、少しそのまま待っていると、さわさわ音がして、すごい数のカニが出てくる。このカニが土を掘る作業が、畑のように耕すことになり、土が活性化されるそうである。

道路まで戻ってくると、滝上で30分ほど早く帰った女の子連れがカヌーを引きずって帰っているところであった。干潮になると最後が大変だよと言ったとおり、最後で苦労していたようである。最後は、徒歩でみどり荘へ。今日ほとんどの人が帰ってしまったので、新たに泊まる人もいなくて、宿泊者は常連さんだけになっていた。自分も毎年同じ時期に来るのであるが、新しい人を加えない常連グループには入らない主義なので、西表島最終日の夜も、ごろごろしているうちに、更けていった。


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鳩間島
鳩間島
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西表島
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