今日は昨日よりはゆっくりと言いつつも、7時に出発なので5時半にモーニングコールとなる。ここで大変なことが起こる。メモリカードのファイルをコピーしようとザウルス(旅行記作成用)に移していたのだけれど、どうも動きがおかしい。ザウルスがおかしくなったようで、ついにメモリーカードを破壊。なんと、まったく利用できなくなってしまった。
まぁ、物理的に壊れたわけではなさそうなので、帰ってからファイル修復をすれば良いのだが、なんとフォーマットもできないほどひどい壊れ方をしたようだ。おいおい、どうなってるんだよ。カメラが砂でやられることは考えていたが、なんとカードの方がおかしくなるとは。交換カードを持ってきていないので、一眼デジカメはただの重りになってしまった。デジタル機器は一瞬で使い物にならなくなるから怖い。(ちなみに、データは無事に復旧できたので、ご覧の通り写真は掲載できた)
気にしても仕方がないのであるが、あまり食事もできないまま出発。今日の飛行機もガラガラで、飛行機はA331とどんどん小さくなってきた。明日はもっと小さくなるのだろう。砂漠のクリーム色の中に、緑の帯がうねっているのが不思議な光景。ナイル川周辺だけに緑があるのだ。雨が降った時だけ川ができるであろう水無川も良く見えるし、あまり見慣れない空からの風景が結構おもしろい。

離陸したと思ったらすぐに着陸体勢に。シートベルト着用サインが出ているのに飲み物サービスをまだしている。まぁなんというアバウトさか。もっとアバウトなことと言えば、搭乗券の名前もあっていない。どう間違えたらこんな名前になるのだろうか。アスワンダムを眼下に見ながらアスワン空港に到着。早速観光へ出発する。ここで早くも下痢のため、二名がホテルへ直行。昨日のバイキング料理の何かが当たったのだろうか。確かに自分も朝下痢気味だったが、まぁ朝だけならよくあることで、今はもうなんともない。

最初に向かうのは、空港と町の間にあるアスワン・ハイダムである。1970年にドイツとソ連によって造られた巨大なダムで、このダムによりナイル川は堰き止められ、世界最大の人造湖ナセル湖が誕生した。ちょうど川に土を盛って山を造ったようなものなので、あまり見ごたえがあるわけではない。少しだけ写真を撮る時間を取った後は、イシス神殿に向かう。ダムにより沈まないように隣の島に移設された神殿で、船で渡って行く。その船で、ギターのような楽器ラバーバなるものが、2US$(230円)というのだから、まさに飛ぶように売れていた。ぼったくらず、安めの値段をつければバカ売れするという典型だろう。

ここはギリシャローマ時代の神殿で、ルクソールとは時代が違う。なんといっても壁に刻まれたレリーフがすばらしい。さまざまな神様の話がかかれているので、少なくとも歩き方の神様一覧くらいは読んでおいた方が良い。そして、列柱もギリシャのような柱が立っており、ルクソールで見て来たような柱とはかなり違っているのがわかる。また、キリスト教が入って来たときに、子供の頃のホルス神を育てている絵はイエスキリストに通じるので顔を消してしまったり、柱に十字のマークが刻まれていたり、キリスト教の祭壇が作られていたりもする。
バスに戻って町中のホテルのレストランで昼食となる。今日はモロヘイヤのスープではなかったが、メインはハンバーグにレバーと牛肉の料理だった。問題なのは、このレストランはアルコールを置いていない店だった。さすが田舎町。仕方がないので水だけで我慢する。お昼の後は次の目的地というかお買い物タイムで、スークと呼ばれる商店街が連なるバザールに向かう。と言っても、このホテルから歩いていける。香辛料を山にして売っていたりするので、見ているだけでも楽しいが、相変わらず客引き合戦が熾烈を極める。

ここではなぜか「バザールでござーる」。わけがわからない。Tシャツを買った店では、日本語講座になってしまった。次々にノートにメモして行く勉強熱心な人だ。そして、なんか笑うあいさつを教えてくれと言われる。その時はなんだか良く分からなかったが、後で気が付いた。「山本山」や「バザールでござーる」は単に振り向かせるためのキャッチコピーで、こんにちはと言うよりも日本人のひきは良い。良く考えたものだ。なるほど、ワン・ダラーも1US$ではなく、たんなる客引きの掛け声にすぎなかったのだ。
先ほどの船で既にラバーバは買っていたので、特に買いたくも無かったが、値を聞いてみると80£E(1,600円)とびっくりするほどの高額。確かにさっき買った物より作りはよさそうだが、そんなに高いわけがない。30£E(600円)くらいなら買ってもいいかなぁと言うと、徐々に値が落ちて来て、やっぱり30まで落ちた。だが、いらない物をまた買わされてしまった。どうせいらないのだから20でも良かったのか。

次に向かうのは、はっちゃんが権威高揚のために造っていたというエジプト最大のオベリスク。完成すれば全長42mにもなったが、あまりの大きさに完成までたどりつけなかったらしい。オベリスクの形の岩が残っているのが見える。これだけと言えばこれだけなのだが、照り返しのきついところで、山を登り下りするだけでも大変なことで、気温は46.2度。今日も46度越え達成である。

これにて本日の工程は終了。15時半には部屋に入り、夕食まで3時間の休憩となる。中日ということもあるし、アスワンはアブ・シンベルへ行くための中継地的な要素もあり、これくらいがちょうど良いのかもしれない。本日のホテルはアガサクリスティの映画「ナイル川殺人事件」のロケが行われたホテル。旧館がそのホテルであるが、我々が泊まるのは新館である。だが、その新館は、ナイル川が一望できるなんともすばらしい景色。これだけは、旧館よりも良いだろう。

さて、3時間も寝ているだけではもったいないので、町をぶらぶらする。と言っても、町中からかなり離れているので、水を買いに行くだけだ。歩き方の地図によると、プトレマイオス朝の神殿というのが公開されていないが近くにあるらしい。なら、そこまで行ってみようか。しかし、そこは遺跡が無造作に転がっているだけで、たいしたこと無かった。とりあえず1.5lの水を2£E(40円)で入手し、ホテルへ戻る。
たった30分くらいの散歩でただ水を買いに行っただけになってしまったが、汗が吹き出すのを越えてポタポタ落ちる。ルクソールよりもさらに暑いようだ。というか、気温は同じでも湿度が妙に低いため、暑さが身にしみるのでは無かろうか。服のままプールに落ちたように、パンツまでびっしょり。温度計をみてみれば、さすがアスファルトの照り返しが厳しく、またしても最高気温を更新して47.5度だった。さすがにここまでくると、かなり危険な領域に入ってくる。頭がくらくらするし、これではドライヤーの風にあたるというよりも、ドライヤーの中に入っていると言いたくなる。風が吹いても熱風で、まさにサウナの中で歩き回っている状態だ。せっかくシャワーを浴びてTシャツを替えたのに、また夕食に出る時に替えなければいけない。

少しホテルで休憩したら、夕食に出かける。さすがに日が落ちて来て、暑さは随分やわらいで来ていた。ホッサンさんがどっかのレストランへ行きますと言っていたところは、ナイル川の島にあるドッカというレストラン。アスワンと言ったらナイル川での帆掛け船ファルーカで川下りをするのが有名である。まったく動力が無いので、風が無いから動かない。とりあえず上流までモーターボートで引っ張っていってもらい、川下に向かうと風が無くても動くことができた。全く動力が無いので、静かに川下りができるのも珍しい経験である。
船頭さんによる歌が始まると、皆を巻き込んで盛り上げる。まさに今日は遺跡よりもエンターテイメント日で、満喫することができた。最後に定番のお土産販売があり、首飾りや置物など、手作り品なので2US$(230円)と安く、これまたバカ売れだった。結局ファルーカでナイル川を二往復し、着いた先はホテルの目の前の島だった。最近食事が肉続きだったので、夕食は魚の煮込み料理。煮込み料理と言えば、トマトベースのスープで煮込むのが一般的なようで、いつものようにカレーのようにご飯にかけて食べる。ここでもビールはおいていなくて、あったと思ったらノンアルコールビールだった。

戻る時はモーターボートですぐに帰り、最後にオールドカタルストホテルの見学会となった。新館宿泊者は入ることができるが、泊まっていないとバーの利用券を購入させられるほどのところだ。ロビーに通路にトイレになんとまぁ素晴らしいことか。そして極め付けは昔のまま残るエレベータで、蛇腹の扉を閉めないと動かない。暇を持て余したボーイさんがそれを逆手にとってエレベータを途中で止めたりして、写真撮影大会となってしまった。これではチップを渡さなければなるまい。暇つぶしに大もうかりのボーイさんだった。最後に、今日は一杯もビールを飲んでいなかったので、バーでビールを飲んで終了した。
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