4月30日(火)
EN217
8:45MilanCentral
ミラノ市内観光(ドゥオーモ)
MilanCentral14:55
Pendolino513
19:15RomeTermini
朝目覚めると、何となく見慣れた風景。いつのまにやらイタリアへ入っており、何にもない丘の風景ばかりのフランスから一転して、日本の様なのどかな田舎の田園風景に変わっていた。トーマスクックに載っていない、小さな駅に次々と停まっていた。トーマスクックは、いわゆる日本の小型時刻表のようなものなので、主要駅しか書かれていないのである。
予想に反して、ミラノ駅にはまたもや定刻に到着した。案外定時運行されている。駅に降りたとたん、とてつもない駅の大きさにまず驚いた。パリ・リヨン駅も大きいといえば大きかったが、ここミラノ駅はとてつもなく無駄に思える天井の高さとドーム型のガラス天井を持った駅で、大きい上に豪華である。日本の貨物駅などで良く見られる構造であるが、規模がはるかに違う。
改札する事はやめたのだろうか、誰もいない改札口を通って、まずは自動両替機にてリラと交換。福沢諭吉さんもしっかり認識してくれて、後で覗いたどこの両替屋よりもここの機械が一番率が良かった。次は列車予約である。今日のローマまでのペンドリーノと、明日の夜行列車の予約を取る。窓口を間違えること3回、ようやく目的の所へたどり着いたら、また郵便局方式で番号札取れと言われてしまった。
イタリアではペンドリーノのみが全席指定で、出発の4時間前までに予約を取らないといけない。そのため、13時の列車の予約がすでに取れなくなっており、この1月から走り始めたばかりの15時の列車にした。明日の夜行列車のクシェットも確保することができ、無事に列車予約は終了した。しかし、あっち行きこっち行きしている間に、かなりの時間を費やしてしまった。
ミラノ中央駅は建造物としても素晴らしく、外へ出てみてあらためてその大きさに驚く。どこまで行っても、写真に入りきらないのだ。結局、半分であきらめてしまった。ふと見ると、目の前に最近イタリアへ進出開始したマクドナルドがあるではないか。パリで食べ物屋が少ないことに面食らっていたので、つい入ってしまったが、イタリアにはいたるところに屋台が出ていることを、今は知るよしもなかった。
小銭を作ったので、地下鉄の切符はすんなり購入できた。おつりがちゃんと出る自動販売機だった。ミラノでは、地下鉄、バス、市電に1時間30分以内なら乗り放題というか、一枚の切符で乗り継ぎOKである。自動改札機では乗った時刻が刻印される。ここで明らかに日本人とわかるアクセサリーじゃらじゃらのカップルに遭遇した。パリではあまりこんな人見かけなかったけど、今年はイタリアブームということか?
ドゥオーモで地下鉄を降りて外へ出れば、そこはまさしくドゥオーモ広場。世界第二位の大きさを誇る大聖堂である。あまりの大きさにまたもや驚いてしまう。中に入ってみても、その大きさはすさまじい。椅子に座ってついついボーっとしてしまう。すると、日本人団体が次から次から通り抜けていく。団体3組のうち2組は日本人のようだ。やっぱり今年はイタリアブーム。
しばらくのんびりした後外へ出て、建物の脇からエレベーターで屋上に登った。屋上にも教会があり、びっくりである。かの有名なアーケードを通ってスカラ座へ向かい、さらにスフォルツェスコ城へ。なんの城だかよくわからないけれど、車の出店のサンドイッチがうまい。どこでも観光地ならこういった出店があって、まさしく日本的、庶民的ですっかりイタリアが気にいった。
ミラノといえば、サッカー好きには涙もののACミラン本拠地である。ACミランはもとより、各チームのユニフォームがあっちでもこっちでも売っていて(やっぱり車の出店)、1万リラ(700円)とはお買い得。人気選手の名前も5千リラ(350円)で入れてくれると言うが、バッジオくらいしか頭に浮かばず、カズと入れてもらおうかとも思ったが、そのチームのユニフォームはなかった。
ノルド駅へちょっと寄り道した。さすがにこちらの駅には優等列車はこないようだが、どの列車も落書きがすごい。いや、ここまでくると落書きというレベルではなく、芸術と言えるほど。まさにデザインのイタリア人というのにふさわしい。ここで早くも時間がなくなり、最後の晩餐がある美術館へは寄れなくなった。つくづく芸術には縁がない旅である。
ミラノ中央駅には14時前に到着し、駅の中をぶらぶらする。駅構内にはコンビニのような何でも売っている店があり、いろいろと買い物したりした。フランスではこんな店を見つけられなかったので、あれやこれやと買ってしまった。イタリアは、なにからなにまで庶民的な国で、フランスとはかなり違うことが感じられた。イタリアがますます気に入ってしまう。
鉄道の旅第2段は、イタリア版新幹線のペンドリーノ。全席指定列車で、ユーロパスを持っていても座席予約料として約千円取られる。トンネルを無くし耐圧の問題から避けた角張ったTGVに比べて、日本と同様トンネルやカーブ区間が多いイタリアでは、車体がたまご型の構造となっており、一見日本の新幹線に近い。さらに、振り子車両で、カーブでも速度を落とすことなく曲がることができる。
乗車する列車はETR450型と呼ばれる古くからある車両で、ほとんど日本の新幹線を赤く塗ったような車両だった。さすがイタリア、見事なデザインの車両である。ただ、いくぶん老朽化が進み、一等車内もすこし貧弱。だが、一等車内はどこから見てもお金持ちの方々ばかりで、乗っているのもすっかり場違いな感じ。ちなみに、この車両は車体が小さいため、全席一等の3列シートである。
列車は定刻に出発した。出発してから気がついたが、ミラノ駅には駅弁が売っているのだった。買ってみようと思っていたのに、すっかりわすれていた。しばらくはのんびり走っており、車内検札の後、車内サービスでチョコボールとシャンパンが配られる。一等には豪華食事が付いているという話はどうしたのだ。昼食時間はとうに過ぎているため、ユーロスターに続きまたしてもやられたという感じだ。
途中、フィレンツェには10分も早く到着した。どうもむちゃくちゃなダイヤを組んでいるようだ。ここで方向転換を行い、ここからローマまでが本領発揮。ディレティッシマ(イタリア語で直線的なという意味)と呼ばれる高速専用線を、270km/hで快走する。確かに新幹線なみに線路がまっすぐである。新型車なら300km/h運転の様であるが、この速度でも十分に速い。
山あり川ありたんぼありの変化に富んだ車窓風景で、フランスの車窓とは訳が違う。飽きるまもなく、あっという間にローマへ到着した。ローマ・テルミニ駅はこれといった特徴もない普通の駅で、ミラノ中央駅が特別すごい駅だったのだとあらためて実感した。さて、これからホテル探しであるが、19時といってもまだ明るいので、ホテル探しもそんなには苦にならない。
歩き方によると、駅の西側がホテル街らしい。めぼしいホテルにあたりをつけ、まずは三つ星ホテルを当たってみる。ローマは治安が悪いということなので、少しは良いホテルにしておこうと思ったのであるが、残念ながら部屋は空いていなかった。他に三つ星ホテルが近くにないため、あっさり断念して、今まで通り二つ星ホテルを当たってみることにする。
歩き方に載っていたホテルに行くと、ちょうどバス付きが空いており、一人あたり60と言う。一人あたり6万リラ(4,200円)なのだろうが、歩き方の相場が少し値上がっているとしても少し高いような気がする。高いというとあっさり50に下がり、朝食なしで45にまで下がった。こんなに安いところはないよとホテルの親父は強調していたが、後でホテル探しをした相場では、確かにバス付きホテルの中では一番安かった。
しかし、今はまだ他のホテルの相場もわからないし、イタリアでは部屋を見せてから値段交渉をするはずなので、とりあえずやめて他のホテルへ。と言っても、ビルの各階が別々のホテルになっているので、1階上がるだけで別のホテルになる。しかし満室だった。その次は料金60リラ、その次も満室。こんな夜に部屋探しだと足下を見られてしまうのだろうか。
しかし、次のビルのホテルでは、バスなしで一部屋空いていた。部屋を見せてくれて、一人当たり4万リラ(2,800円)。部屋の外に共同シャワーがあるので問題ない。ホテルの親父もイタリア人の陽気さを全面に出していておもしろいし、ここに決めた。ちなみに、ここはホテルというより、ペンショーネと呼ばれ、部屋が別になっているだけのユースホステルのようなところ。日本人、韓国人の若者が数多く泊まっていた。
たった5千リラ(350円)のためにここまでしたのかという思いもするが、このホテル探し自体を楽しめたのだからよしとしよう。夕食はやはりパスタだろう。気楽に入れる店を探していると、駅前にパスタのファーストフード店を発見した。スパゲッティ、マカロニ、ラザニア、どれも5,500リラ(420円)で適当に選べば皿に盛ってくれる。その皿を電子レンジでチンだったが、日本の味とは比べものにならないほどにうまかった。
食べている時に、ここの店の人が日本人らしいと思ったのか、「私日本のテレホンカード集めてます。良ければください」と日本語で書かれた紙を見せてきた。ちゃんと日本語になっていたから、誰か日本人が書いてやったのだろう。テレホンカードを手渡すと、飛び上がらんばかりの喜びようで一目散にかけていった。イタリア人の陽気さをかいま見た一瞬であった。

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