'19GW 中国・上海への旅 その05 - 蘇州

4月30日(火)
上海9:00 G7006 9:25蘇州
蘇州(平江路歴史街区、山塘街)
蘇州17:19 G7143 17:52上海虹橋
ジンジャンホテル(上海錦江飯店)

今日は蘇州へ日帰り旅行。高速列車で30分の距離なので、東京から小田原観光といった感じだ。朝食は、さすが高級ホテルだけあって、品数豊富。中国らしい天心とかも充実している。

ホテルでごろごろしていても仕方がないので、8時前に出発する。上海駅までは地下鉄一本で、30分前には到着した。翌日が祝日なのはわかっていたので、一日ずらした平日にしたはずなのに、入り口は長蛇の列。やっとゲートにたどり着いたと思ったら、切符だけでは入れない。中国人は市民カードと顔認証もセットでゲートが開く仕組み。管理したがる国としては、さすが、こういったシステムの普及はすごい。

横にいた座っているだけの兄ちゃんに聞いたら、右側と言われる。なるほど、VIP入り口があったな、と思ってそちらに行ってみると、お前の切符は一等だから、ここは通れない、と中国語でまくしたてられる。だって、こっちだって言われたって英語vs中国語でやりあうが、らちが明かない。

仕方がないので、また長蛇の列に並んで、先ほどのゲートに到着。で、なにかしら認証するならパスポートか、ということで、パスポートの写真を置いてみるが、当然のように通れない。結局、また同じ何もしていない兄ちゃんのところで、どうしたら通れるんだと聞いてもまた右側だという。お前、そこは違うって言われたぞ、と食い下がってすったもんだの挙句、あっちだ、middle、と言う。さっきは右と言ったのに、左じゃないかよ。インド人もびっくり、これが中国人ってやつだ。

言われたあたりに行ってみると、なんのことは無い、人がパスポートと切符をチェックしていた。案内も不親切だが、人も不親切だ。こんなのが海外では普通なものだから、日本のおもてなしは外国人に感動される。

上海駅

駅に入るだけで20分も要してしまった。早めにホテルを出てきて良かった。列車の出発まであと10分。すると、駅の中にもまたゲートが。しかも、搭乗口は6番とあるが、そこに向かうと4番の表示が。ホームが変更になったのかと4番に行ってみると、目的の列車は無い。これはわからない、わからなすぎるぞ・・・。

駅の入り口も長蛇の列だったが、搭乗ゲートも人があふれかえっている。6番に戻って、強引に突っ切る。昔ながらの人が切符を切るスタイルで、切符自体はあまり見ていないようだった。入ってみてやっとわかった。搭乗口とホーム(番台)は別で、どこの搭乗口でもどこのホームにでもたどり着ける。これなら、どこから入っても全く問題ない。

やっと目的のホームにたどり着いたら、目の前の車両は16号車。乗るべき車両は1号車。まるっきり反対じゃないか。新幹線のホームを端から端まで歩くようなものだ。搭乗口を行ったり来たり、ホームに降りるまでで、出発時刻の5分前。とりあえず乗って車内を歩くという手もあるが、車両はドイツのICE3と同じタイプ。どうせ途中で連結されているに違いないから、適当に乗るわけにいかないと思ったら予想通り。最後はホームを走り、なんとか出発時間ぎりぎりで乗ることができた。出発ベルも何もないので、席に着くなり列車は出発した。さすが中国、簡単には旅をさせてくれない。

和諧号CRH3

中国の高速列車は、日本、ドイツ、フランスの技術を元に中国で作られた車両。今回の車両CRH3は、ドイツシーメンス社のICE3と同じ型の車両だった。ちなみに、CRH2はJR東日本のE2系ベースというかそのものである。二等席は5列シートだが、一等席はいわゆるグリーン車で、新幹線と同じ線路幅で4列シートだからゆったり。駅の大混雑と同じく、席は満席だ。この他にもさらに豪華なビジネス席があり、こちらはファーストクラスといった面持ち。個室張りに数席しかない。

蘇州駅

快適なシートも30分で終了で、ノンストップで蘇州駅に到着した。まずは駅の外に出てみる。到着フロアと出発フロアが分かれていて、東京駅並みにホームがあるものだから、外に出るだけでも大変。巨大な門のような建物が建っており、そのすごさに圧倒される。駅前広場も車のロータリーがあるわけでもなく無意味に巨大で、土地が有り余っている感じがする。

北寺塔

地下鉄に一駅乗って、北寺塔へ向かう。三国時代に呉の孫権が母に報いるために建立した塔で、蘇州では最も古く規模の大きい仏教寺院とのこと。なぜか入場料は無料で入っていけるが、市内が見渡せて見晴らしがよいと言われる塔には登れない。お寺の中を散策するだけだと、あまり面白くなく、すぐに次の目的地に向かう。ちょうど地下鉄が無いエリアのためか、自転車の客引きが多い。15分くらい歩いて拙政園へ。

拙政園

平日を狙ってきたはずだが、それにしても人が多い。後で聞いた話では、水曜日が祝日なので、多くの人は休みをずらして連休にしてしまうそうだ。つまり、水曜日を中心にどちらかに5連休にしているので、ほぼ日本のGWと同じ状況ということだ。拙政園の入場券の券売機の前には、チケット販売機が壊れているのか、機械が動いていなくて、人だかりができている。手作業で発券しているのかと思っても、そんなこともなさそう。

機械の前に座っている人に話を聞くと、日本人かと確認するとiPhoneを取り出し、翻訳ソフトで画面を見せてくれる。そこには、"予約のみ"との表示。案内看板を見ると、英語で4/27〜チケットの購入はWeb予約のみとの表示が。なんと、つい数日前からシステムが変わって、ここではチケットが買えないということだ。なんともびっくりすることをやってくれたものだ。しかも、混雑が激しくなる直前に切り替えるとは、さすが中国である。有無を言わさず、お上意向を押し付ける中国を垣間見たのだった。

中に入れないのは残念だが、どうせ似たり寄ったりの中国庭園。あまり気にしない。すぐ近くのもう一つの見どころでもある獅子林に行ってみると、こちらも同じ状況で、チケットが売っていない。入っていく人たちはスマホ片手に入っていくので、同じことになっているのだろう。

中国に来て驚くのは、老若男女、スマホ片手に決済するシーンだ。カウンターの窓越しスマホをかざしたりして、現金を出している姿を見たことが無い。逆に、こちらが100元(1,750円)札で支払うと、透かしを見たり、怪訝そうな顔で必ずチェックが入る。キャッシュレス決済が進んでいることにも驚きだが、皆スマホを持っていることにも驚きだ。おそらく、ここが中国一の経済都市、上海だからということもあるのだろう。

東洋のベニスとも言われる蘇州であるから、船下りをしたいところ。拙政園の前にある船乗り場に戻ってみると、さっきは切符を売っているのか売っていないのかわからない窓口で人がチケットを買っていたので、そこに並んでみると、すぐに船に乗ることができた。一人30元(525円)。後でJTBの情報などを見ると、一艘150元とか書いてあった。

船下り 船下り

かなり細い運河を船は進む。一応手漕ぎの船なので、のんびりゆっくり進んで良いのだが、景色がいまいち単調なので、すごい楽しいわけでもない。平江路歴史街区の道沿いを船は進み、あるところで折り返すと途中で船は岸につけられた。ここまで降りるようだ。しかし、どの船もそうやっていることはなく、乗り場まで戻ってきている人たちもいる。

どうやら、乗っている人たちが降ろしてほしいと言ったみたいで、船を漕ぐ人からしたら、軽くなるので当然降ろしてくれる。それに合わせて、一緒に降りてしまった、ということのようだ。船を降りたら、ここに来るつもりだったから、手間が省けたと言えなくもないが、中国人にまんまとやられた感がするのが嫌な感じ。中国語ができないのが悪いのだ。仕方がない。

平江路歴史街区 平江路歴史街区

平江路歴史街区は、細い通りに古い街並みが残っていて、なかなか歩いて楽しい。お土産屋も数多く並んでおり、京都の三年坂と言った感じか。そして、すぐ横を流れる運河には、先ほど乗ってきた船がひっきりなしに行き来している。雰囲気はいい感じなのだが、さすがに東洋のベニスとは言いすぎのような気がする。

蘇州麺

お昼はちょうど見つけた蘇州麺の店。どこでラーメンを食べても同じに思えるのは、皆そうめんのようなコシの無い細麺であること、スープは旨いが、どこでも同じような味、といったところか。ラーメンは日本で進化しすぎてしまい、中国のものとは別物と言えるだろう。それでも、一応現地の名物を食べられて満足。

行ったり来たり二往復くらいしたらさすがに飽きてきたので、帰ることにする。地下鉄1号線の道を歩いているはずだが、一向に駅の案内が出てこない。歩いていると、中国銀行を見つけたので、両替をすることにした。パスポートさえあればどこの銀行でも両替できるが、いろいろな書類を書かされて手際が悪い。日本でもどこでも両替できるが、慣れていないとなかなかできないのと同じだろうか。ただ、係の人が懇切丁寧に教えてくれるので、身分の違いはこうも対応に違ってくるのかと思ってしまう。レートは空港よりも若干悪かった。

一駅分歩きとおし、まだ駅の入り口は見つからず、4号線の途中駅も見つからず、結局朝降りた北寺塔駅まで歩きとおしてしまった。駅で荷物チェックがあるのは上海と同じだが、蘇州では人が少ないためか、毎回荷物を開けて中身を見せないと通してくれない。地下鉄に乗る程度でなんでこんな面倒くさいことをするのか。

このまま蘇州駅に戻っては早すぎる。るるぶなどに載っているもう一つのみどころぽい山塘街に行ってみることにする。蘇州駅で地下鉄を乗り換えて一駅、駅から歩いて5分くらいでまた観光客が集まるポイントが現れた。

山塘街 山塘街

なるほど、るるぶに載っている蘇州の絵柄である。運河の両側に店が立ち並び、船がひっきりなしに行き来している。ただ、船は手漕ぎ船ではなく、エンジン船。しかも20人は乗れるだろうという大型船だ。この船で虎丘まで行くのがお勧めになっているが、これは船下りとは言わないだろう。平江路歴史街区の方がよっぽど昔ながら感がある。だが、蘇州と言ったらここみたいで、JTBツアーもここしかこない残念なツアーになっている。

山塘街

先ほどの平江路歴史街区と同じく、道の両側にはお土産屋が立ち並び、多くの観光客が歩いている。少し歩くと、芝園という紹介されている庭園の一つがあるが、同じパターンになりかねないので行くのはあきらめて、運河沿いのカフェでのんびりしたりする。どちらかだけしか行けないと言われたら、個人的には平江路の方をお勧めするが、こちらは虎丘という観光地にも行けるので、JTB的にはこちらをお勧めするのだろう。

蘇州駅

地下鉄で蘇州駅に戻り、ホームに入る。上海とは違って、ホーム改札までは誰でも入れる。地方都市とは思えないほどの巨大ターミナルで、空港と言った方が合っているかもしれない。上海とは違って機械で入場チェックしており、10分前にならないと改札が始まらない。次々に上海に向けて高速列車が出ていくが、その都度、大量に乗客がゲートを通っていく。

やっと10分前になって改札が始まると、一気に人がホームに流れ込む。時刻通りに走っているのがすごいことで、新幹線のシステムではあるまいし、数分おきに定刻で列車が到着するのはすごい。この大混雑のせいで、上海駅行きのチケットがが取れなかったのかと納得する。そのため、帰りは上海虹橋駅行き。

復興号CR400BF

車両は、一見ICE3のようだが微妙に違う。各国の技術をパクって作った和階号ではなく、車種毎にばらばらだった技術を標準化し、内製化した復興号だった。2017年から運用が開始されている。往路とは違い、いくつか駅に止まりながら、上海虹橋駅に到着した。

新天地 新天地

駅を降りると地下鉄10号線に乗り継げる。乗ろうとした列車は大混雑で、ラッシュ並みの混雑だったが、一本待ったら始発でもあり、座ることができた。今日の夕食は趣を変えて、中国らしからぬ店に行ってみようと、新天地に向かう。新天地は新しいスタイルを取り入れた街として開発されたエリア。日本で言ったら、横浜の赤レンガ倉庫のような感じだろうか。若者向けにおしゃれなエリアを開発した感じである。

麻婆豆腐

るるぶに載っていた、夜上海という店へ。中国料理の創作料理が並び、乾燥チーズがかかった麻婆豆腐は微妙な感じだったが、それぞれ趣向を凝らしてまずまず旨い。しかし、店はガラガラで、周りは日本人ばかり。もしかすると、新天地は現地の人にはあまり受け入れられていなくて、外国人を集めるエリアになってしまったのかもしれない。

帰り道は、地下鉄に乗ると一駅なので、歩いて帰ることにした。上海一のきらびやかな、ブランドロードでもある淮海中路を通って帰った。


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出発準備編
大阪
大阪
上海
蘇州
周荘
上海
帰国