'01夏 タイとマレーシアへの旅 その08 - クアラルンプール

8月11日(土)
ExpressLangkawi(EL7) 8:10KL Central
クアラルンプール(ペテロナス・ツイン・タワー, KLタワー, マスジットジャメ, 連邦議事堂, ブルーモスク)
KLIA(Kuala Lumpur International Airport)22:30 JL724
8月12日(日)
6:25東京(成田)

列車は、ほぼ定刻で走っているようである。クアラルンプールが近くなると、最近マレー国鉄が始めたKTMコミューターの列車を待つ人たちが駅に見かけられるようになる。そして、昔懐かし8年前に訪れたKL駅に滑り込む。が、低速走行のままいつまでたっても停まらない。それどころかついには駅を通り抜けてしまった。どうしたことか。

KL中央駅

するとそのすぐ後、地下の駅に滑り込んだ。なんとここが新しいKLの中心を担う駅、KL中央駅であった。降り口よりも高いプラットフォームへ列車から降りると、なんとマレー語、英語に続いて日本語の案内表記が。手書きで適当に書いた様な物ではなく、完全に正式な物。最初はマレーシアには華僑の人が多く住んでいるので、中国語かと思ったが、カタカナもあるので日本語だろう。金持ち日本に逆らうよりも、むしろ利用しようという現れか。

駅を出て、これまた唖然とする。ここは東南アジアの一国なのだろうか。きれいな造りの大きな建物の中で、長距離のマレー鉄道、近距離のKTMコミューター、PUTRA-LRTの乗り換えが可能になっている。まさに先進国並と言ってよい。その一角に荷物預かりがあったので、大きな荷物を預ける。RM5(160円)は少々高めだが、致し方ない。駅構内でミーゴレン(焼きそば)の朝食を食べた後、LRTでKLCCへ。

KLCC(Kuala Lumpur City Center)という公園とオフィス街があるエリアを中心にKLは発展を続けており、そのランドマークともいえるものが、ペテロナス・ツイン・タワーである。タケノコのような421mの世界一の高層ビルで、一つを日本企業が、もう一つを韓国企業が作り上げた。41階に二つのタワーをスカイブリッジが結んでおり、そこまで無料で登って見学することができる。が、タワーの外にまで、すでに長蛇の列ができており、かなりの時間待ちそうだなと思ったら、整理券を配っているだけで、もらった券は11時30分。なんと今から2時間後。そんなに時間があるのでは、待っているだけはもったいないので、KLタワーへ向かうことにする。

KLタワー

LRTで二駅戻り、KLタワーの麓に出たはずが、丘に登る道が無く、丘を半周することになってしまった。こんな事なら、KLCCから歩いてくれば良かった。こちらのタワーはオフィスビルのツインタワーと違って、電波塔であり、世界第4位の高さ。ちなみに、日本の東京タワーは10位。ぐるり360度クアラルンプールの町並みを見渡すことができ、ツインタワーも真横から見ることができて素晴らしい景色。ここでも日本人観光客がひっきりなしに訪れていた。

KLタワーを後にして、KLCCへ歩いてゆく。30分以上はかかるだろうという歩き方の情報は全く当てにならず、20分もかからずにタワー下の公園に到着できた。歩き方には、KLタワーにはタクシーで行った方が良いとか、KLCCからは歩かない方が良いとか、どうもバックパッカー向けの本はやめて、一般観光客向けにターゲットを替えたようである。しかし、嘘八百の連発は相変わらずで、一般観光客がこの本を受け入れられるのかは、はなはだ疑問である。おそらく、中途半端なガイドブックとして、今後消えてゆくのだろう。

ペテロナス・ツイン・タワー

少しKLCCの公園を巡って、ツインタワーへ戻ると11時15分。集合時間として書かれていた時間にちょうど良くなった。しかし、地下の入り口では券をちぎるだけで時刻をチェックしている感じはなく、X線荷物検査の後エレベーターで41階へ。日本みたいにきっちりするわけもなく、だいたいの目安で行けば良いようである。KLタワーに比べると展望は悪く、大したことはないが、無料で上れるのだから、いたしかたない。スカイブリッジは反対側のタワーに入れず、同じエレベーターで地下に戻る。

今回の新しいランドマークを巡る予定は完了したので、8年ぶりのマスジットジャメ、連邦議事堂、KL駅と巡ってゆく。これらはすぐ近くに集まっているので、歩いて見て回ることができる。KL駅は、長距離列車が全てKL中央駅発着になったため、中央のホームをKLコミューターが使っている程度で、閑散としていたし、昔夜行列車に乗る前に食べたファーストフード店はつぶれていた。駅構内のセブンイレブンも品数少なく、やる気無しといった感じ。

さて、お昼を少し過ぎたところ。クランバスターミナルからバスに乗り、スランゴール州の州都であるシャー・アラムへ。クアラルンプールは、マレーシア連邦政府の直轄地で、アメリカのワシントンDCや、オーストラリアのキャンベラ(ACT)といった扱いである。スランゴール州は連邦にクアラルンプールを渡す見返りに、多額のお金を得ることになり、世界有数の大きさのドームを持つ、スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・シャー・モスクを完成させた。周りを取り囲む塔ミレットは、世界一の高さとか。青く美しいそのモスクは、ブルーモスクと呼ばれている。

ブルーモスク

高速のような道を走ること40分、ブルーモスクが視界に現れた。非常に大きなモスクである。バスはショッピングセンターのあるPKCT前に停まる。入り口にちょうどレストランがあったので昼食とするが、いわゆる小さなホーカーセンターで、三軒の屋台風の店が並んでいた。レストランといっても、こういう形が一般的なのであろう。でも、しっかりウェイター役がいたり、レジ係がいたり、屋台とは一風違っていた。

さて、ブルーモスクまで歩いてゆく。とにかく巨大で、美しいモスクだ。これは一見の価値あり。前回8年前にはすでにできていたはずであるが、気がつかずに訪れることはなかった。例のごとく、建物内にはいるときは、肌の露出を極力避けなければ成らず、女性は布を必ず頭に巻かなければならない。

この後、タクシーで最寄り駅まで向かう。2kmくらいで、歩けるかどうか微妙な距離だなと思ったが、いざタクシーで走ってみると、かなり距離があった。その後クラン港へKTMコミューターで向かう。クラン港はマレーシアを代表する港とあって、8年前にも訪れたところであるが、その当時は列車も運行停止中、船もほとんど運航していない状況であった。しかし、今は列車で向かうことができ、港もインドネシアへ向かう高速船などが新設され、屋台が並んで活況を呈していた。それでも、昔と変わらず小さな桟橋があるだけは変わらず、昔の駅らしき物も確認できた。

クラン港の駅には、KTMコミューターに乗りにきた鉄道ファンと思われる日本人が、なぜかたくさんいた。クアラルンプールは、すごい勢いで近代化が進んでいおり、いろいろな鉄道ができている上、まだまだ建設中の路線やモノレールなどたくさんある。鉄道ファンには楽しい町になりつつあり、今後韓国や台湾に続き、鉄道ファンが大挙して訪れることになろう。列車でKL中央駅に戻ると、18時を過ぎたところ。最後にチャイナタウンでもぶらぶらしようかと思っていたが、19時過ぎにはバスの出発所に行きたいところなので、荷物を受け取って、すぐさま直行する。

クアラルンプール国際空港は、1998年に新しく完成した近代的な空港である。しかし、町中から非常に遠い。高速道路を使っても、バスで1時間の距離である。空港までLRTを建設しているようであるが、まだまだ先の話であろう。1時間に1本のバスは、毎時30分の出発で、19時30分のバスに乗車できた。1時間ほどかかり、20時半には空港に到着した。これまたすごい空港である。離れ小島になっている搭乗ゲートはかなり離れているので列車に乗り込み、その建物の真ん中には木が生い茂っている。森の空港といわれる由縁がここにある。

最後にホーカーセンターでマレー料理をたらふく食べてから搭乗ゲートへ向かう。お土産屋では、入ったとたんに店の人にぴったりつかれ、どんなコースを通ろうともついてくる。まったく、こういう客引きをやっている事自体、まだまだ先進国の仲間入りはできない。が、それで山のようにお土産を買い込む日本人にも困ったものだ。そして、最後の最後、搭乗口のX線検査で引っかかり、荷物を全部開けたあげくに結局は乾電池だったという馬鹿さ加減で、見た目は先進国の仲間入りを果たしかけているが、まだまだ人々のレベルが上がってきていないなと感じた。しかし、タイもマレーシアも魅力のある国で、何度も訪れてみたい国であると思った。


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ペナン島
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