'01夏 タイとマレーシアへの旅 その06 - ペナン島

8月9日(木)
EXP35 13:55Butterworth
ペナン島(コムタ)

朝起きると、すごい揺れになっていた。路盤整備が地方まではいきとどいていないのであろう。風景がすっかりマレーシアの熱帯雨林的になっていた。列車が定刻なのか、遅れているのか、まったくわからない状況であったが、列車到着予定時刻に隣のおじさんはのんびり朝食を頼んでいるところを見ると、まだまだ列車は到着しないようである。朝はどうなるかわからないから、昨日のうちに駅のコンビニでパンを買い求めていて正解だった。

結局、1時間遅れでハジャイ(正式名称はハートヤイだが、地元訛でこう呼ばれる)に到着。早速列車を降りると、切符売り場へ。列車が遅れなければ、20分は停車しているはずであるが、遅れているのでどれだけの時間になるかわからない。それなのに、前の外人が窓口をふさぐ。隣の窓口が開いたので、なんとか間一髪で切符を購入でき、列車に乗り込むとすぐに出発した。ここからは席指定のない自由席。3両のうち2両は外国人でいっぱいであるが、真ん中の一両はがらがらである。バタワース行きの切符は取れなかったというのに、この車両はハジャイまでの客に割り当ててしまったのだろうか。

パダン・ペサール駅

ハジャイを出ると、すぐにイミグレーションカードをくれる。列車はとにかくがらがらで、のんびりゆったりしながら、30分ほどで国境の駅パダン・ペサールへ。この駅はホームの中央にタイとマレーシアのイミグレーションがあり、ぐるっと一周すれば両方のイミグレーションを通ることができる。マレーシアからタイへ向かう列車では、反対のホームから同じく一周すれば両方のイミグレーションを通ることができる。よくできた構造である。しかし、イミグレーションを通ったか通っていないか、チェックは甘いようだった。

階段を上がると外に出られる。周りには何もない。本当に国境の駅だ。列車に戻ると、タイ国鉄の機関車からマレーシア国鉄の機関車に付け替えられた。時計を見ると10時。なんだ予定通りではないかと思ったが、マレーシアとタイの間には時差がある。+1時間の時差があるので、もう11時になっている。やはり1時間遅れである。

ここからまだ3時間ほどの道のりであるが、どうも列車の速度が遅い。いたるところで徐行を行っている。もはや列車が遅れることぐらいどうってこともなくなっており、列車が走っているだけ奇跡かもしれない。結局、バタワースに到着したのは予定時刻を大幅に遅れて、2時間半遅れの15時過ぎ。折り返しバンコクへ向かう乗客にも踏んだり蹴ったりであった。

マレー鉄道

まずは両替所でマレーシアリンギットに交換。日本円からでも問題なく交換できたが、かなりレートは良くないようだ。その後、切符売り場へ。バタワース駅には駅舎らしいものがなく、小さな小屋にチケットオフィスと書かれてあるのみ。ここで、明日のクアラルンプールへの夜行列車を予約すると、今回は問題なくOK。タイ国鉄よりもさらに安く、なんと40RM(1,200円)。こんなに安くて良いのだろうか。

バタワースからフェリーに乗り、リゾート地として名高いペナン島へ向かう。フェリーは、ジョージタウンという大きな町に着く。タイのハジャイとこのペナン島を結ぶタクシーもあるそうで、5人程度で相乗りするため、列車よりも安く早く到着できるそうである。まずは予定していた安宿に行きチェックイン。もちろんいつものごとく予約はしていないが、問題なく取れた。49RM(1,470円)で、タイのホテルに比べても安いが、バス・トイレ付きでこの値段はすごい。

コムタ

時間も時間であるので、ジョージタウンのランドマーク、コムタだけ行くことにする。地上60階建ての高層ビルで、対岸のバタワースからもよく見える。昔ながらの町並みが残る中で、コムタの周りだけすごい発展をとげており、若者があふれている。2020年までに先進国の仲間入りをというマハティール政策も、こんな田舎のペナン島にまで広まっているようである。そんな近代的なビルの展望台へ登ることができる。58階に展望台が用意されており、入り口で5RM(150円)払う。その上の階はレストランである。ジョージタウンの赤い屋根の町並みや、ペナン大橋など、360度の展望を見渡すことができ、そして定番のお土産も品数豊富だった。

同じエレベーターで地上におり、すぐ横のスーパーで、翌日の朝食を調達しておく。すると、パック売りのドリアンを発見。一個2〜3RM程度で売っているのが定番であるが、とげのついたままでは食べられない。5RM(150円)というちょっと高めであるが、ちゃんと剥いてあるので、そのまま食べられる。近くの公園で食べてみるが、やはりあのむぁ〜んとしたにおいがいつまでも残った。

最後に、近くのホーカーセンターで夕食とした。今日は久々のマレー料理。カレーミーは、カレー味のラーメンであるが、香辛料の辛さと、スープの味がなんともいえなかった。マレー料理はやはり自分の口によく合う。しかも、タイの読めない文字と違って、マレー語はローマ字読みすれば良いので、読むことができるのがうれしい。久々の屋台のマレー料理を堪能し、ホテルへ戻った。

マレーシア

永らく英国に支配されてきたが、戦後独立。マレー人、華人、インド人などから成る多民族国家。マハティール首相がうち立てた、「2020年には先進国の仲間入りを」という政策の元、急ピッチで発展を遂げている。日本の発展をお手本にしており、貧富の差はあまりなく、日本同様全国民が中流階級を目指しているという感じを受ける。日本の昭和40年代、高度成長期まっただ中といったところ。物価は1/3程度。


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バンコク
バンコク
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