'01夏 タイとマレーシアへの旅 その05 - バンコク

8月8日(水)
バンコク(ワット・サイ)
Bangkok14:20 EXP35

ついにバンコクを離れる日が来た。タイに何があるのかと思っていたが、いざ滞在してみると、まだまだこれからといった感じがする。今度はもっとのんびり来たいと思った。

ワット・サイ

これから半日、中途半端に時間がある。どこにいくにも目的地らしいところはないし、それならば、バンコク市内の水上マーケットとして知られるワットサイの水上マーケットに行ってみよう。バスで行くには遠回りになるので、タクシーで向かう。ファランポーンからタクシーで30分程度、89B(270円)であるが、しっかりチップを要求され、100Bあげてしまう。チップを要求するところが、タイ人の嫌なところであるなと思うが、生活がかかっているので、相手も必死なのであろう。

交通量の多い通りからワット・ポーへ向かう路地がマーケットになっている。そして、運河につきあたる。おそらくここが水上マーケットの場所であろうと思うが、たまに船が横切る程度。昨日に比べるとまったく違う。時間も時間でそろそろ店じまいという感じか。それでも、昨日の観光客目当てのマーケットと違って、地元の人向けという感じで、客引きをあまりうけないのは良かった。この国では、本当に声をかける人には反応したくなくなる。

ワット・サイ駅

その市場からちょっといったところにワット・サイ駅がある。線路はガタガタで、ところどころかけていたりする線路に、駅とは名ばかりの小屋が一つ建っており、子供が旗を持って駅番をしていた。こんなところが駅として認められるとは、恐るべき国である。

そして、またタクシーでファランポーン駅へ。帰りは渋滞にしっかりはまり、120Bを越えてしまった。だが、12時半には到着し、まだ列車の出発まで2時間もある。そこで、駅構内のタイ料理のファーストフードで食事にする。買う物の値段を見てから、入り口で食券を買うシステム。ここで、最後のタイ料理ということになった。アイスコーヒーは、やっぱりタイ式で、むちゃくちゃ甘い。

30分前にはすでに列車は入線しており、多くの乗客がもう乗り込んでいた。中はクーラーがきいて、涼しいからだ。583系タイプの通路を中央に両側に寝台が並ぶ形。ただし、2段式である。ビールを飲んで、うとうとしているうちに出発し、いくつかの駅に停まるたびに、車内はタイ人でいっぱいになった。バタワース行きの車両は3両だけで、そちらは外国人だらけだが、残り10両はハジャイで切り離しなので、タイ人だらけである。

タイ国鉄

周り一体タイ人ばかりで、グループできていた若者たちの宴会が始まった。それにすっかり巻き込まれてしまう。英語が話せないタイ人相手に、ボディランゲージだけで宴が進む。タイ人も日本人と同じく、英語が話せないことに引け目を感じるようで、外国人が日本人を見るとこういう感じなのかなと思った。2等寝台に乗れるということは、タイの中でも小金持ちの上流に位置する人々なのだろう。その上流の人たちは、日本人と対して変わらない生活をしており、携帯電話も持っている。

そんな彼らは男3人、女3人でマレーシアのランカウイ島へ向かう一夏のリゾラバ旅行グループ。明らかなカップル男女に、恋人にしたい女性がいる男とその女性、おまけの男女というよくある構成。言葉が通じないまでも、楽しかった。そのグループとは関係のないおじさんと、グループ内の女の子の一人は結構英語を話せたので、まぁまぁ意志疎通を図れた。

なんというか、昔々の日本にもあったような、旅は道連れ世は情けという感じで、周り一体の乗客と和気藹々と話が弾んでいた。やはり、今のタイは自分の親が子供の世代、昭和30年代から高度成長期に向かうところなのであろう。日本は高度成長した代わりに、大事な物を失ったような気がする。それがタイにはあるものだから、多くの若者がタイに向かっているのではないだろうか。でも、女性がパックツアーでグループでくるのは、相変わらず不可解である。

寝台車両

それにしても、タイにいると、日本人は特別な扱いを受けることに気づく。日本でも、欧米人に対して少し上の人、英語を話すすごい人、という感じを持っている人が多いと思われるが、ここタイでは、日本人に対する扱いが、その欧米人的である。つまり、日本人というだけで、すごい人、こんな田舎に日本人が、という扱いを受ける。日本の田舎で、こんなところに外人が、と同じ感覚のようだ。今まで欧米を旅してきた感覚とはまったく逆の扱いを受けるので、これにはかなり面食らう。これが、アジアの中の日本の立場なのだろう。日本にいるとまったく何も感じないが、海外へ出ると、やはり日本人であることがかならずつきまとう。日本人としての意見を常に考えておかねばならないなと、今回も感じてしまった。

ところで、この列車の驚くべきところは、トイレにシャワーが付いているところ。水が用意され、手でおしりを洗うタイ式のトイレのために用意さているのかもしれないが、しっかり排水も考えられているし、タイルが床に貼られていたり、寝台に併設されたシャワーと考えられるだろう。

また、この列車には食堂車がついており、たまに歩いている係りの人に注文をすると、持ってきてくれる。自分の席は、すっかり酒盛り場と化していたので、つまみの料理がいくつかあって、夕食を頼むまでもなかった。また、駅ごとに2〜3分ずつ停まるので、車内にまで売り子の人が入ってきて物を売り歩いていたり、なにかすごさを感じる。20時をすぎると寝台を組み立て始め、22時には就寝した。


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ペナン島
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