昨日のシュノーケルの疲れが残っている。今日は鳩間島へ行ってのんびりしよう。西表島から鳩間島への公共の交通機関はない。唯一あるのは、郵便配達を行うための郵便船だけ。この船は、だいたい11時くらいにこのYHの裏の上原港から出発する。ということで、それまでぐだぐだごろごろして時間をつぶす。あまりにも暇なので、喫茶店でもあるロビンソン小屋へ行って、かき氷を食べたりしていた。11時前になり、そろそろいい時間かななということで、港へ行ってみる。とにかく日差しが強くて、大変な暑さ。もちろん日よけなど何もなく、直射日光が照りつける。この日差しでは日焼け止めもあまりきかないだろう。
八重山の人たちは、時間にかなりいい加減。根気よく待つこと1時間、未だに郵便船は現れない。あまりにもこれでは遅すぎるので、連絡先でもあるデンサー食堂に行って聞いてみると、今日はもう出ました。急いでいたみたいだから、10時半くらいに行ったよ、とのこと。びっくり仰天。先に出ることもあるのか、しかも早すぎる。鳩間島への交通機関をたたれ、目の前に見えるというのに行けなくなってしまった。

島へ渡る手段がないので、行けなくなりましたと宿に電話を入れると、5千円で迎えに行ってもいいよとのこと。今日の素晴らしい天気に、この機会を逃しては、もう一生鳩間島へ行けないかもしれないという気もしたので、背に腹は変えられず、行くことにした。現在12時であるが、2時くらいに迎えに行きますとのこと。すでにお昼を頼んでいたし、もう作り始めているということだったので、島についてからお昼をいただくことにした。YHに戻って、またしてもぐだぐだしていた。
あまりにも適当な八重山時間、今回は30分前に待っているぞということで、港へ行って船がくるのを待つ。しかし、待てど暮らせどこない。宿に電話してみても、出ましたというばかり。おかしいなと思っていたところで急に船が近づいてくる。向こうの港で待っとったよと言われた。上原港は、同じ海に面しているが、港が二つに別れているのである。しかも、1時半にはきていたというから、鳩間島からくる船をすべてチェックしていたのにわからないはずである。やっとのことで、鳩間島に着いたのは、午後3時をまわっていた。本当に近くて遠い島であった。

今回の宿は、鳩間島にある3件の宿のうちの1件、青空荘。遅い昼食を食べ、4時近くになってから島内一周を始める。といっても小さい島である。直径1kmの島であるから、どんな目的地でも15分はかからない。灯台を見て、島の北へ。青珊瑚群落がすばらしいという場所である。もちろん誰も泳いでいないし、まさしくプライベートビーチである。
さらにここは星の砂の生産地というか、取ってくる場所。売っている星の砂はここで取られたものであり、春先になるとアルバイトを雇ってまで星の砂をとっているそうだ。とにかくすごい星の砂の数。海の中には、藻にしがみつく星の砂がいくつもみられた。ちなみに、星の砂と言っているものは、海に生きる有効虫の死骸である。波が荒いせいか、砂浜もすこし粒が大きかった。

青珊瑚群落を目指して、沖合へ泳いでいって見るが、行けども行けども死んだ珊瑚ばかり。どうも去年の海水の高温化で、ほとんど死に絶えてしまったらしい。かろうじて生きている珊瑚もあるにはあったが、群落と呼べるほどではなかった。リーフの外まで行けば、もう少し生きているものが見られたかもしれないが、今日は波が高くてそこまではさすがにそこまでは行けなかった。
帰りは別の道を通って、鳩間島周回道路で宿へと戻る。その途中、道をふさぐ大きな物体が。なんと、黒島でよく見た黒牛ではないか。もちろん野生のものではないが、つながれているとはいえ道のど真ん中につながれていても意味がない。近づくと、こちらをにらみ寄ってくる。こんな牛の角でさされたらひとたまりもない。
道がほとんどない鳩間島としては、迂回する道はない。もう宿はすぐそこというところなので、引き返すにもまた30分くらい歩くのはいただけない。すると、ちょうど島の人が向こうから現れた。気にしなければ大丈夫さぁと言って、牛の前を悠然と歩いてきた。確かに牛も何も気にしていない様子。目をあわす方がまずかったようだ。牛を気にせず歩いていくと、なんのことはなく通りすぎることができた。なんとも貴重な体験であった。
宿に戻ってくると、なにやら子供たちがたくさんいた。ここ鳩間島は、里子を受け入れることで小中学校の廃校を免れ、いまだにそれが続いている島。その巣立った子供たちがたまたま夏休みで戻ってきていたらしい。クーラーも何もない、波照間島よりもさらにのんびりした島であったが、星もきれいだし時間がのんびり流れていくような、そんな島であった。波照間島と同じく、リハビリ島として2泊くらいしてみるのも良いかもしれない。
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