'22夏 再び小笠原 その4 - 聟島

8月7日(日)
ケータ列島(聟島)ツアー(7:30〜17:30)
漁師宿なぎ屋

今日は一日海のツアー。申込時には行けるかどうかわからないという話だったが、最終的に7名参加で聟島まで行けることになった。父島定番のツアーは、南島に上陸して父島周辺でドルフィンスイムを行うものだが、今回のツアーは小笠原諸島の北端にある聟島(別名ケータ)に向かう。ケータツアーを行う会社は二社しかいないそうで、そのうちの一つであるピンクドルフィンに参加した。

宿に朝食はついているので、今日は7時から朝食を食べて、急いで出発する。コープでお昼のお弁当を買っていくのだが、コロナのせいで今やお弁当は売っていなくて、おにぎりか菓子パンくらい。そこらの店でもツアー用のお弁当は用意していないので、ここで買っておくしかない。おにぎりと多めの飲み物を買っておく。

ツアーにしては早めの7時半出発だが、聟島まではおがさわら丸でも一時間かかった距離なので、小さな小型船では2時間半かかるとのこと。昨日に引き続きべた凪の海で、なんとも快適。聟島ツアーは、大概帰りに海が荒れてげろげろになるらしいが、今日はそんな心配もない。ちなみに、べた凪とは、全く波がない穏やかな状態を言うが、もっと行くと鏡のように静まり返っているので、オイルと呼んでいるそうだ。

媒島

父島の北にある弟島と西島の間を走り、孫島を過ぎるとしばらく島がなくなる。ここまでが父島列島だ。その先が聟島列島で、しばらく進むと最初に嫁島が見えて来る。目的地の聟島との間には、媒島(なこうどじま)がある。聟島列島は、本当の血のつながった家族ではないらしい。(笑)

聟島 ガジュマル

淡々と海の上を走っていくだけなので、すっかり飽きてきたところでやっと聟島に到着した。二時間半ではたどり着けず、2時間50分くらいかかっていた。島中部の南側にある南浜から上陸するのだが、当然桟橋など無いので、海に膝まで浸かって上陸する。砂浜から少し入ったところに見事なガジュマルがあり、その周辺が集落跡になっている。人口は最大25人だったが、太平洋戦争前には無人島になっている。

聟島 聟島

少しだけある森を抜けると、急に視界が開ける。緑はあるのだが低い芝だけで、高い木が全然無い。たまにバナナのような変な木がある。どこかで見たような景色に思える。そうだイースター島だ。モアイを作るために木を伐採しすぎて、裸山になってしまった。ここは木を切り倒すことなどなさそうだが、山の上だけきれいになくなっているので、台風や潮風にやられてしまったのだろう。山を登る道ができているが、ガイドなしでは道に迷いそうだ。

ランタナ ランタナ

ケータはそう簡単に来るところではないので、ガイドさんは環境省からのついでのお仕事も受託していて、道脇のモニタリングポイントに、消えかかった文字にマジックで上書きしてくるという重要なミッションもしていた。道の途中には、開拓者であった岩崎亀五郎の墓が残っている。あまり見かけない花もあって、調べてみたら南国特有の花で、ランタナという。沖縄と小笠原にしかないらしい。アジサイのような小さな花が集まってかわいい花だが、すぐに広まってしまう危険な外来種とのこと。

大山 大山

一時間ほどで、聟島最高地点、標高88mの大山頂上に到着。山頂で見晴らしが良いので、太平洋戦争時代の日本軍の通信所跡が残っている。島の北の方角を見ると、これまで登ってきた道があり、南浜も見える。しばし休憩のあと、山下りはあっという間。南浜に戻ってきたら昼食で、朝購入しておいたおにぎりを食べる。

珊瑚 魚

その後は、湾を変えてシュノーケル。なんといっても晴れているので、海がきれい。それほど珊瑚はすごくないが、魚の群れがすごい。水族館のごとく、なかなかお目にかかれない光景だった。30分くらい遊んだ後は、帰りながらイルカを探す。

イルカ

一回目はすぐにいなくなってしまったが、二回目はしばらく船の前を泳いでいる。どうやらゴンドウの群れのようで、普通は一緒に遊んでくれないので、船長も様子を見ていたが、いつまでも船の周りにいるものだから、海に入って!と促される。しかし、入った途端に、どんどん遠ざかってしまい追いつけない。一緒に遊んでくれるイルカは、バンドウイルカでないと駄目なようだ。

イルカ イルカ

聟島を出て早二時間。もう嫁島まで来てしまったが、最後のチャンスを狙って湾に入って、イルカの群れを探しまくる。すると、いよいよイルカの群れを発見。周囲をイルカが泳ぎまくり、海の底の方にもゆっくり泳ぐ群れが。今回はまさにドルフィンスイムを実行できた感じ。惜しむらくは、救命胴衣を着けて入ってとのことだったので、潜ることができなかったのが残念だった。

嫁島

いつの間にやら嫁島の端まで来てしまった。半分くらい帰ってきたので、嫁島を出て二時間。17時半には父島に無事到着した。ケータツアーで誰一人船酔いもなく、無事に帰ってこれたのはすごいことだという。9時間の長丁場ツアーだったが、かなり楽しめた。

亀刺 亀煮

今日も夕食難民になることを覚悟して、夕食に向かう。最終手段は昨日の店があるだろうと思い、今日は隣の居酒屋ふくちゃんへ。すると、何のことはない、簡単にOKで拍子抜けした。が、いたって普通の居酒屋で、焼き鳥屋のようだ。刺身を頼みつつ焼き鳥も頼み、小笠原名物の亀刺と亀煮も頼み、まぁまぁ小笠原らしい夕食を堪能できた。


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【目次】
出発準備編
出航
父島
聟島
母島
南崎
帰航