'21GW 五島列島への旅 その5 - 中通島

5月2日(日)
福江港7:30 8:00奈良尾港 桐教会 キリシタン洞窟クルーズ 中通島(若松大浦教会、青砂ヶ浦教会、頭ヶ島教会)
時愉亭

今日も少々風が残っているが、これなら船は出るだろうか。福江港まで歩いていける距離なので、6時半に朝食を食べたら、すぐに出発して福江港へ。なんとか船は出るようだ。慌ただしくチケットを買って乗船したら、すぐに出発した。日本全国で運航している海上の飛行機ジェットフォイルだが、新規の製造が難しい状態で、いずれは乗れなくなってしまうかもしれない。

ジェットフォイル 奈良尾港

さて、半日遅れで中通島に到着した。予定では中通島のもう一つの大きな港がある有川に宿泊し、レンタカーを借りる予定だった。しかし、たどり着けないからとキャンセルしたため、今日の日程は完全に白紙。奈良尾港近くにあるレンタカー屋を当たってみるが、すべて満車で空いていない。有川港だったら、昨日キャンセルした車があるだろうから、ジェットフォイルについている無料バスで有川に行っても良かったが、連絡バスはすごい勢いで出発していた。

元々予定していたキリシタンクルーズに参加するつもりで、連絡バスに乗らなかったのだが、なんと次に有川に向かうバスは昼までない。仕方がないが、クルーズに行って昼のバスで有川に向かうことにするしかない。一回キャンセルしたキリシタンクルーズを再度申し込む。集合場所は桐教会ということなので、奈良尾港からタクシーでとりあえず向かう。

タクシーの運ちゃんにバスがなくて困ってますというと、観光タクシーで連れて行ってもらえば、バス代も節約できてよいのでは?という。自分もこれから観光タクシーの予定だという。なるほど、そういう手があったか。確認に時間がかかったが、大丈夫そうだ。3時間で12,000円。そんなに高くはない。キリシタンクルーズの乗船場所に迎えに来てくれることになった。

桐教会

桐教会は丘の上に建っていて、集合場所は下ということだったが、丘の上の桐教会まで連れて行ってくれた。今日は日曜日ということもあって、人が次々に来ていたので、そそくさと退散して、集合場所と言われる桐教会の下へ。さて、船が来るのかと思いきや、なんと港まで車で行くそうで、他の皆さんはレンタカーで来ていたのでついて行ったが、こちらは車ではないので、お迎えに来た車に乗せてもらった。

祥福丸

キリシタンクルーズは、キリシタン洞窟に向かう唯一の道。潜伏キリシタンの一家族が迫害を恐れて洞窟で生活をしていた場所。よくこんなところで生活していたと思うが、まぁ隠れるにはもってこいの場所ともいえる。今では入り口に神父像が建っているが、何も話を聞かなければ、単なる洞窟。話のネタに来てみては、というくらいの場所ではある。

キリシタン洞窟 キリシタン洞窟

洞窟から戻ると、タクシーが待っていてくれた。頭ヶ島教会と青砂ヶ浦教会に行ければ良いので、あとはお任せで回ってもらい、最後は有川で降ろしてください、とお願いした。中通島の教会は、福江島よりもはるかに多い。元々全部回る気は無かったから、現地の方のお勧めを回れるのはうれしい。

若松大浦教会

最初に向かうのは、若松島に渡らないところにある若松大浦教会。タクシーの運ちゃんおすすめの教会。裏から見たら普通の家のようだが、逆の入り口側は教会のよう。確かに、こういう素朴な教会の方が五島の教会らしい。この教会は中に入ることができた。

中ノ浦教会 中ノ浦教会

さらに北上し、次に向かうのは、海に映る教会が見事という中ノ浦教会。今日はまだ風があるので水面に波が立っているが、風がなければきれいな水鏡になるらしい。

跡次教会 石油備蓄基地

次は、青方港にほど近い、丘の上の跡次教会。青方港は博多間で船が発着する港。ここは車から降りずに、写真撮影のみ。遠くに石油備蓄基地も見えるので、教会を見に来たというより備蓄基地を見に来た感じがする。

青砂ヶ浦教会

どちらかというと有川よりは青方の方が中通島の中心地のようだ。その青方の町を抜けて山を越えると、一つの目的地である青砂ヶ浦教会である。堂崎天主堂と同じく立派なレンガ造りの建物で、国の重要文化財ではあるが、世界遺産に指定されていない。何度も言うようだが、世界遺産に認められたのは、教会の建物自体ではなく、信仰を守り通した潜伏キリシタンの文化が評価された。明治になってから建てられた教会は、この構成要素になりえない。中に入れず残念だが、一つの目的地を完了。

鉄川與助旧居跡

青砂ヶ浦教会から有川へ向かう途中の新魚目町に、鉄川與助旧居跡がある。鉄川與助は青砂ヶ浦天主堂をはじめ、堂崎教会などいくつも重要文化財の教会を建てた建築家。家跡なんて、個人では絶対来ないところだが、観光タクシーならでは。レンガ造りの壁が残り、自宅も煉瓦で作っていたことがわかる。

頭ヶ島教会

最終目的地である頭ヶ島教会へ。近年は、道が狭くて混雑するので、上五島空港でバスに乗り換えて来るところだったが、今年度から辞めたそうだ。ただ、事前予約していかないといけないので、運ちゃんが電話で予約してくれた。自分でも元々レンタカーで来るつもりだったが、予約は一時間後だった。ちなみに、上五島空港は現在定期就航はない。

頭ヶ島教会

頭ヶ島(かしらがしま)教会は、正真正銘の世界遺産であるが、当然、教会が世界遺産なのではなく、「頭ヶ島の集落」が世界遺産の構成要素。中通島とは橋でつながっているので、別の島に来たとはわからない。教会の前に島があるおかげで、船舶から教会が見つからなかったのだとか。石造りの珍しい教会で、これも鉄川與助の建築。中には入れないが、窓が開いているので中の様子を見ることができた。

坂本龍馬像

最後はちょっと寄り道して「坂本龍馬ゆかりの広場」へ。坂本龍馬が購入した練習船ワイル・ウエフ号が遭難し、龍馬はこの地に駆けつけて慰霊碑を立てたとのこと。その時の祈る竜馬が銅像になっている。本当に竜馬が来たのかは怪しいようだが、こんなところに龍馬像があるとはなんとも不思議。

五島うどん

有川に戻り、五島うどんの里で降ろしてもらい、昼食を食べようとするとなんと休み。こんなGWの書き入れ時に休むとは驚き。運ちゃんが知っている店で五島うどんを出してくれる店を探してくれるが、全然やってない。宿の近くのカフェで聞いてみると、通常はメニューにないが出しても良いというので、そこで昼食にした。今回のタクシーの運ちゃんは、話は面白いし、至れり尽くせりで十分満喫できた。たまにはこういう旅も良い。特に、五島は観光地というより、その文化を知るところなので、ガイド付きがとても合っている。うどん自体は、どちらかというと見た目ラーメン。

蛤浜

宿に一回チェックインして、荷物を置いたら歩いて蛤浜へ。どこまでも続く、遠浅のきれいな海。海水浴場でもあるので、夏場は混みそうだが、今は当然泳ぐ人はいない。バスに乗って有川港まで行き、お土産を買って宿に戻る。

夕食

夕食は近くの食堂まで送ってくれるそうだが、日曜日で休みとのことで、夕食会場は「し喜」。なんだよ、昨日泊まろうとしていた宿併設の居酒屋じゃないかよ。昨日泊っていたらここに来ようとしていたので、なんだか良かったのか悪かったのか。夕食を食べ終わると店の車で宿まで送ってくれた。


| 戻る |

【目次】
出発準備編
福江島
福江島
久賀島
中通島
佐賀
或る列車