'21GW 五島列島への旅 その4 - 久賀島

5月1日(土)
五島列島キリシタン物語〜久賀島・奈留島編〜(午前発)
鬼岳星空ナイトツアー
カンパーナホテル

福江港

今日は、二つの島を巡る教会巡りツアーに参加するので、集合場所は福江港。朝一でレンタカーを返して、福江港まで送ってもらう。また福江港に戻ってくるので、大きな荷物はコインロッカーに入れておく。コロナ禍でツアー参加者は少ないかと思ったが、15名位いて意外と盛況だ。今日は相変わらず風が強くて、定期航路は軒並み運休。元々のツアーは、定期航路を使ったものになっているので、ツアー中止かと思ったが、今日は客も多いので、海上タクシーを使ってツアーは開催されるそうだ。島と島の間なら、風の影響をあまり受けないので、小型船なら問題ないのだろう。

マリア像 浜脇教会

最初は、久賀島田ノ浦港に向かう。途中、船からしか見られないマリア像のところで止まってくれたり、タクシーならではのサービスも。久賀島は五つの島のうち、南から二番目の島。ひさかじまと読む。港からは車のタクシーに分乗して、すぐ近くの浜脇教会へ向かう。

浜脇教会

五島で最初のコンクリート教会ということだが、逆によくある普通の教会といった感じ。港に入るときも丘の上に見えていた。

牢屋の窄殉教記念聖堂

次に向かうのは、牢屋の窄殉教(さこじゅんきょう)記念聖堂。人口減少により三つの教会を統合して建てられた記念聖堂。この地は、キリスト教弾圧時代に、狭い牢屋に200人監禁され、42人も亡くなった窄殉教事件の地でもある。個人で来たら、ただ教会があるだけにしか見えないが、ガイド付きなのでいろいろ話が聞けて良かった。無人お土産販売もあり、五島名物の椿油はどこで買うよりも安いのだとか。

道路

次は島の東側に向かうのだが、道はどんどん狭くなり、車がすれ違うどころか、本当に車道か?というくらい狭い道。レンタカーを借りた観光客の車がたまに落ちているそうだ。すれ違う場所も無く、対向車が来て何百メートルもグネグネした道をバックしたら、そりゃ落ちますな。五輪教会に向かうためには唯一の道だから、個人で来るには至難の業だ。陸路で個人で来るなら、レンタカーでなく、バイクで来た方が良いだろう。

さらに、五輪教会がある五輪地区までいくには車でたどり着けず、山の中にある駐車場というか広めの空き地でタクシーを降りて、さらに細い山道と防波堤の上を歩いてやっと到着する。未だ道路が開通せず、船でしかたどり着けない村が日本にあるとは驚きである。これは、ツアーなればこそたどり着ける名所だ。

五輪教会 新五輪教会

五輪地区は、五輪真弓の出身地としても知られるところで、小さな漁村。ここに、昔ながらの木造の教会があり、建て替えようとしたときに取り壊すのではなく保存を決めたことで、世界遺産に指定されることになった。何度も言うようだが、教会自体が世界遺産ではなく、「久賀島の集落:重要文化財旧五輪教会堂を含む、五島市久賀島の文化的景観」が「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となっている。久賀島自体が世界遺産と言えよう。

旧五輪教会 旧五輪教会

新五輪教会は中に入れないが、旧五輪教会は役目を終えたため、中に入れる。木造の教会というのは、確かにめずらしい。ちょうど、というか、この時間に合わせて教会守の長松さんが来てくれて、いろいろ説明をしてくれた。これもツアーならではといったところだ。

次に向かうために、元来た道を戻るかというとさにあらず、タクシーで港に戻るくらいなら、海上タクシーで隣の島に移動したほうが速い。元々の予定でも、ここだけは、海上タクシーを利用することになっていたらしい。

昼食

奈留島は、久賀島よりは大きい島で、五つの島のうち南から3番目の島。海上タクシーで、奈留港の少し奥まったところまで行って、近くの奥居旅館で昼食。なんとも昼から豪華な刺身定食で、これも料金に含まれている。昼食時間は一時間取られているものだから、出発まで時間を持て余す。

江上天主堂

次は、車のタクシーで江上天主堂へ。ここは、「奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)」ということで、世界遺産になっている。高床式を取り入れたなんとも不思議ないで立ち。中には入れないので、外から見学し、説明を聞くのみ。中に入ってどうかという話もあるが、外から見るだけでは何ともつまらない。

奈留島港

これにて教会巡りは終了である。タクシーで同じ道を戻り、奈留島港へ。久賀島とは異なり、立派なターミナルがあって、お土産屋などもあり、離島カードをもらうことができた。離島カードとは、一部の国境の島で発行されている内閣府が作成しているカード。五島列島ではあちこちの島で配っている。

本当は、定期船で福江港に帰るはずだが、相変わらず風が強くて船は欠航している。最初から予定通りだと思うが、同じ海上タクシーで福江港に戻る。さて、これから二時間後のジェットフォイルで中通島に向かう予定なのだが、予想通りだが強風のため出発一時間前に欠航となった。長崎との間で波が高いようなので、福江港に止まるジェットフォイルが中通島まで往復すれば良いのではないかとも思うが、まぁ島間だけを移動する人なんて少ないから、欠航してしまうのだろう。

これは困ったことになった。明日一日は中通島を回り、明後日は朝一で佐世保に出る予定なのだが、下手に中通島に渡って缶詰になったら、飛行機がある福江島よりも脱出することが難しくなる。今日は飛行機は飛んでいないが、長崎行きのフェリーは動くようだから、今日のうちに本土に戻ってしまうこともありだ。

悩みに悩んだ末、福江島に一泊し、明日の朝一の中通島行きのジェットフォイルが動かないようなら本土に帰ることにして、一縷の望みをつなげることにした。とすると、ホテルを確保しないといけないのだが、あてもないので、昨日寄ったカンパーナホテルに泊まるまることにした。今日の夜また星空チャンスがあるので、観光案内所で申し込んでからホテルへ向かった。今日の泊まる予定のホテルは、たまたま現地支払いにしていたので、電話連絡したら船の欠航ということでキャンセル料を無料にしてくれた。沖縄みたいな対応でありがたい。

高瀬みな うな丼

夕食は適当に選んだ居酒屋菜づ菜。地方によくある小さな居酒屋だったが、鰻屋でもあるようだ。五島らしい食材を探してみるもほとんどなく、珍しそうなものは「高瀬みな」。居酒屋でよく出てくるお通しだそうで。最後に、鰻屋なのだからうな丼も頼んでみた。なるほどおいしい。

鬼岳星空ナイトツアー

さて、最後は星空鑑賞。今日も来てくれると思いました、と昨日のガイドさん。今日は天候がよさそうなこともあり、10名くらいの参加者だった。今日は星空が良く見える。ただ、どうしても見ておきたい星空というところまでもいかなかったが、都会では見られない星空だった。

山の上で星空観賞の後は、望遠鏡で星を眺める。なぜ天文台の人たちは冗談が好きなのかわからないが、ここの説明してくれる方も、ひたすらダジャレが続いた。


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【目次】
出発準備編
福江島
福江島
久賀島
中通島
佐賀
或る列車