'08夏 インドへの旅 その07 - ヴァーラーナシー

8月7日(木)
ヴァーラーナシー(ガンジス川)
Vanarasi15:40 IC405 16:55Delhi
Alka

夜が明けて窓からガンガーを見て見ると、次々に船が出ていた。朝の沐浴シーンを見ようというものだ。ホテルを出ると早速捕まって、今度は30分でRp1,100と言う。冗談じゃない、さらに高くなっているじゃないかよ。雨季のオフシーズンで、川の流れが増していて、ボートを出すにもかなり大変らしいので、歩き方の一艘Rp75というのは安すぎるように思う。三人で漕ぐから、三倍のRp300くらいが妥当な線だろうか。またしてもすったもんだの交渉のあげく、最終的に、一時間Rp300(750円)でまとまった。

ガンジス川とガート

普通は一度上流に向かってから下流に流れて行くものだと思うのだけれど、行きなり下流に流されて行く。そして、同乗していた子供が準備していた花と灯籠を流す。あぁ、また後で金をせびられるんだろうな。ほんと、何をするにも寂しくなる。で、袋一杯の花を投げないかと言う。そらきた。これで促されるままやると、法外なお金を取られることになる。いくら?って聞いたら$20だって。話にならん。でも、すぐにあきらめてくれたのでよかった。

ガンジス川とガート

その次はおっちゃんが300じゃ少ないよ、500くれよ、と言い出した。あげくに、30分300って言ったのだから、一時間なら600だよな、とまたむちゃくちゃなことを言い出した。確かに、最初30分で交渉してたけど、最後に一時間にしたのはおまえだろうが。もう、それ以降はガイドもしてくれない。なんか、本当に金のことになると目の色変えて、しかも子供じみた嫌がらせをするのは本当に頭にくる。またしてもだんだん怒りがこみあげてくる。

どこまで来たか分からないが、適当なところで折り返す。目的地として歩き方に書いてあるマニカルニカー・ガートにも行ってくれないのね。もう、詐欺師の町に来てしまったことをあきらめるしかない。帰りは流れの急なところを避けながら、陸地に近いところをさかのぼっていくので、沐浴している人達にぶつかったり、押してもらったりしながら、なんとか無事戻って来ることができた。

そうしたらやぱり一悶着。300じゃ足りない、500だせだと。ボッタクリバーもいいとこだ。もめていたらそこに座っていた人まで参加して、一時間で500と言ったなら500払えと、なぜに嘘つきの協力をするのか。まったく町の住民までぐるになってボッタクリを奨励しているのかよ。がっかりを通り越してあほらしくなってきた。日本語でバカ、アホ、とけなして帰ってるくらいしか、もうなにもできなかった。

事前交渉さえも反故にする、詐欺師だらけの町。日本ではありえない怒りが起こると同時に、こんな子供のケンカみたいなことをしなければならない事実。はっきり言って、行かないべきの町ではなく、行ってはならない町だ。歩き方が一応公共の本で、変なことを書けないから、あえてここで書いておこう。「お金にどんよくなだけ」ではない、「詐欺師の町に行くからには、それなりの覚悟をしよう」と。

さて、ヒンズー教最大の黄金寺が近くにあるというので行って見ようと思うのだが、路地が入り組んでどこに向かっているのか分からない。散々迷った末、広い通りに出てきて、やっと自分の居場所を確認する。そうすると、この辺だなと入ろうとすると警官に止められ、カメラを持っているだけで入ってはだめだと言う。境内だけではなく、その近くにまでも行けないとは。もう、あきらめて、ホテルに戻ることにした。路地を抜けて行った方が近いのはわかっているが、また迷いそうなのでぐるっと回ってホテルに帰る。

ダシャーシュワーメード・ロードでは、またしても朝から客引きの人々がうるさい。そんな中、朝食がてらナンをふくらませたものと、明らかに甘そうなお菓子のような物を買う。一個Rp3(7.5円)っていうのだから、いかにRp500が高額なのかがわかる。ホテルに戻りシャワーを浴びて、12時にチェックアウト。いよいよこの町での最後の戦い、空港タクシーの戦い である。ホテルで呼んでもらえるかと思ったら、ツアーのアレンジだけだった。仕方がないので、ダシャーシュワーメード・ロードに出て、ロータリーのところまで向かう。その間にもしつこいくらいの客ひきが。どう考えたって自転車で空港までは行けないでしょうに。

タクシーで行くなら駅前まで行かないと乗れないだろうし、駅前に行ったら行ったでくだらない攻防がやり取りされているのは目に見えている。オートリクシャーのおやじに呼び止められ、空港まで行けるか?と聞く前に、エアポート?と聞いてきた。それなら話が早い。タクシーでRp450くらいっていうのだから、リクシャーならRp200くらいか。しかし言い値はRp350(875円)だった。Rp300(750円)でどうだって聞くとすんなりOKになった。

町中を走って行くと、警察に呼び止められる。何事かと思ったが、一緒に乗せていってほしいとのことだった。方向と外国人が乗っていることから、空港に向かうことがわかったのだろうか。途中一時的なスコールがあり、今日はいたって涼しい。途中で警官を降ろし、さみしい田舎の風景になってくると、こんなところで降ろされたらたまったものではないなと思う。無事に到着することを祈るのみ。

ヴァーラーナシー空港

22kmの距離で原チャリで走ってきたのだから、予想どおり一時間かかった。何はともあれ無事に着いてよかった。本当は昼食を食べてから来たかったが、何かあってはと思い空港で食事をすることを考えていた。しかし、田舎の空港にそんなものはなかった。唯一あるのはお菓子を売る売店だけ。JALの中でもらったオカキを食べてとりあえず昼食とする。今日はあまり食べていない。

さて、搭乗予定の飛行機を見て見ると、ぜんぜん時間も便名も異なっている。本当に大丈夫かよこの国。とりあえず、デリーには何かが飛んでいるようだから、最悪金を払えば帰れるだろう。他の格安航空会社も2社あり、同じくらいの時間に次々に飛び立つようだ。30分くらい待って14時を過ぎると、インディアンエアのカウンターで聞いて見る。ここまですべての人を敵視してきたので、にこやかに対応してくれるとなんだか別世界に来たかのようだ。確かに、飛行機に乗る人達は外国人の観光客ばかりで、地元の人でも飛行機といったら最高級の乗り物だろう。

インディアンエアは、エアインディアに業務を完全に委託しているようで、ここでもエアインディアの窓口しかない。とりあえず定刻に飛んでいるとのことなので、なんとか無事にチェックインできた。何から何まで、不安にさらされる国である。出発の30分前になっても何のアナウンスもないので、セキュリティゲートを勝手に通る。セキュリティーゲートを通った証拠に、チケットと荷札にスタンプが押される。これが、最終搭乗の時に確認される。搭乗口を確認するが、JetStarが最終搭乗状態なのに、ゲートの表示がおかしいまま。なんのことはない、搭乗案内は壊れたままほったらかしになっているのだ。さすが、インド。

JetStarの機体が飛び立ち、出発予定時刻は過ぎているが、飛行機の姿は見えない。同じチケットを持って待っている人もいるので大丈夫だろう。と、そのとき聞き取りにくいアナウンスがあり、16時20分予定と言ったような。まぁ、今日中ににデリーに着ければ良い。飛行機が到着したと思ったらもう一つのSpiceairで、ほどなくして搭乗が開始された。

インディアンエア

自分が乗るインディアンエアはまだか?と思ったら、反対側に停まっていて、そのすぐ後に搭乗開始となった。建物から出るところで警察の荷物チェックがあり、飛行機に乗るところでチケットのチェックがある。やれやれ、飛行機に乗るだけでも一苦労だ。日々、いかに情報に頼っているかということがわかる。

飛行機は50分遅れで出発した。飛行機からガンガーを見えるか見えないかと思う前に、飛行機は雲の中に入っていった。たった、一時間半のフライトだが、かなりしっかりした機内食が出た。こんなのはいらないから安くして欲しいと思うわな。デリーには遅れをそのまま引き継いで、16時50分に到着。荷物は預けていないからすぐさま外に出て、プリペイドタクシーに乗車する。

国内線空港が町に近いとはいえ、コンノート・プレイスまでRp200(500円)で行けるのか。正規料金だと本当に安い。事前にチケットを窓口で買って、降りる時に渡すので、変なところへ連れて行けないし、遠回りをしても意味がない。これは良いシステムだ。駐車場を出るときも、目的地と名前を確認し、だれがどの車に乗ったかも分かるようになっていた。国内線のターミナルからなので、30分くらいで到着した。場所が良く分からないということだったが、ゆっくり探しながら走って見つけた。最後にしっかりチップを要求され、一割のRp20(50円)でOKだった。

ホテルにチェックインすると、なんとまぁ全面鏡張りのお部屋。インド人はこういうのが好きなのか。建物に囲まれた場所なので、窓が一つもないというのは仕方がないところか。今までのドアを開けたら外とうってかわって、いたって普通なホテルに逆に面食らう。ちゃんと石鹸もタオルも付いているし。

夕食場所を探して見るが、今までのような食事ができるようなところはなかなかみつからない。結局元に戻ってホテルで食べることにしたのだが、これまたすごい。各テーブルごとに人がいるのではないかと思うくらい給仕係が控えている。メニューを広げてびっくりなのは、Rp100を切るような料理がない。適当なマサラを選んで、ナンかライスが付いているかと聞いたら付いているって言ったのに、勝手にライスにされて別料金だった。しかもRp100もする。コーラも飲んで、総額Rp315(790円)なり。びっくりの最高額。

これがウマイかって言ったらあまりそうでもなく、冷房が効いた高級店で高級そうにしてあるカレーを食べるより、暑い中で汗をかきながら適当に作った料理を食べる方がインドらしいよなぁと思った。食後にはフィンガーボールがくるし、最後にお口直しだというフェンネルも来た。歩き方には、食後に必ずこれが出るといわれていたもの。今までそんなな物は見たことなかったので、さすが高級志向の歩き方だけはある。


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【目次】
出発準備編
出発
デリー
アーグラ
デリー
ヴァーラーナシー
ヴァーラーナシー
帰国