'08夏 インドへの旅 その04 - アーグラ

8月4日(月)
NewDelhi6:15 SHATABDI EXPRESS 2002 8:12AgraCantt
アーグラ(タージマハル, アーグラ・フォート)
AgraCantt18:55 TAJ EXPRESS 2279 22:00HazaratNizamuddin
Star Palace

今日は最大にして唯一とも言えるインドの目的地、タージマハルへ向かう。デリーから列車で2〜3時間。寝台車ならかなり走っているのだが、座席列車というとあまり走っていなくて選択の余地なく、朝6:15発の列車に乗ることになる。一等座席車だから食事は出るだろうと思って、朝は食べないことにした。出なかったら着いてから食べても良いだろう。

30分くらい前に駅に着いたが、一番線にすでに停まっていた。車両の入り口に予約者リストが掲げられている。図らずも、高速列車のシャターブディー・エクスプレスだった。広軌だから新幹線よりも車体幅が広く、横5列の新幹線と同じ席配置でもゆったりしている。列車は予想外に定刻に出発した。

車内食

ほどなくすると、新聞が配られ、次は紅茶(チャイ)とちょっとだけスナックサービス。紅茶はインスタントだが、お湯がポットで一人一人に配られる。いつもなら何も入れないストレートだが、インドらしくクリームと砂糖たっぷりのミルクティーにして飲む。そして、一段落したら今度はお食事サービスだ。ベジかノンベジで選ぶことができて、ベジだとカレーが、ノンベジだとオムレツが出ていた。ベジの方が良かったかも。これらのサービスはこの列車が特別なだけだったようだ。

インド国鉄

途中一駅だけ停車して、アーグラ・カンティ駅に到着したのはたったの10分遅れだった。インド国鉄もなかなかやるではないか。しかし、遅れがなかったのは、たまたまこの列車だけだった。

さて、基本的には歩いて回ろうと思っていたのだが、昨日歩き過ぎて疲れたし、リキシャーもそんなに危なく無さそうなので、Rp50という人を無視しながら歩いて行くと、Rp30で良いというので乗って行くことにした。が、リキシャーではなく普通の車だった。まずいものに捕まったか・・・。いわゆる白タクなのだが、このおっさん、しきりに一日観光に行かないかと誘う。プリペイドタクシーのドライバーだと免許証のようなものを見せるが、そんな紙切れ簡単に偽造できるのに意味がない。ますます怪しい。断っても断っても永遠話を続ける。Trust me(私を信用して)とまで言われると、こんなこと言う奴こそ絶対信用しない。

走っている方角は間違っていないので、とりあえず大丈夫だろう。おかしなそぶりを見せたら、停まったすきにいつでも車から降りられる準備をしておいた。もともと荷物は少ないから、簡単に逃げられそうだ。結局、リクシャーと同じくらいのんびり走り、説得され続けたが、最後まで逃げ切れた。待たなくても良いのか?と最後に聞かれるが、なんで待つ必要があるんだ。

西側の入り口に到着したようだ。道を歩いて行くと、今度は子供たちが寄って来て、置物やキーホルダーなどを買えとうるさい。小さなタージマハルのキーホルダーが、2個で$5だと。西洋諸国で買ったら一個300円くらいしそうな物なので、買ってみても良いかなと思うが、そのまま歩き続けると、どんどん値が下がって来た。まぁ、そんなものだろう。気が付けば二個で$1だと。それなら買おうか。そうしたらもう少し買ってよとか、他の子供がもっと大きな置物を買ってよと、売り子が増殖する。

もういらないよって事でやっと入り口にたどり着くと、今度はオフィシャルガイドを名乗る人が現れた。オフィシャルと名が付いても話しかけてくる人は基本的に怪しいので、とりあえず気にしないようにしていたのだが、かなりしつこい。チケットは外国人料金でRp250+Rp500(1,875円)と史上最高の入場料。ちょっと日本でも躊躇する金額だ。Rp500は文化庁への税金のようなもので、五カ所の共通券となっているが、一日で五ヶ所も回るかっつうの。場所ごとの税金にしようと思っていたのに、いらんオフィシャルガイドの登場によって、有無を言わさずこのチケットを買わされてしまった。ちなみに、外国人には水とシューズカバーがもらえるが、水は列車でももらった物が丸々あるので、水だらけだ。

正門

オフィシャルガイドは、いらないと言っても荷物検査のところまで着いて来て、荷物検査のおっさんがオフィシャルガイドだぞ、必要ないのか?と言っていたので、本当にオフィシャルガイドだったらしい。しかし、いくら無料でもチップでRp500(1,250円)も請求されたという話も聞くので、本当にただほど高いものはない。とても厳しいと歩き方に書かれていた荷物チェックはカバンを開けるくらいで全く問題なし。たまたまテロの後など厳しくなったときの情報を載せてしまったのだろう。久々に地球の騙され方全快だ。

タージマハル

中庭を進み、茶色いゲートをくぐると、いよいよタージマハルが視界に入って来た。その大きさに驚く、世界一の建造物、などと歩き方に書かれていたので、期待が大きすぎたのかそれほどでもない。もちろん素晴らしいことは素晴らしい。前々からタージマハルには行きたかったが、インド人との戦いが面倒で、少し離れていたのだ。だからこそ、期待が大きすぎたのかもしれない。

列を成しているラーメンを食べてみても、まずくはないが並ぶほどでもないというような感触と同じだ。空が晴れてなくて、少し曇り空なところもいまいちな印象を与えるのだろうか。世界一大きな建物と言えばバチカンのサンピエトロ寺院、世界一素晴らしい建物と言えばスペインのアルハンブラ宮殿、という持論は変わらない。ただ、写真で見てみると見た目よりも素晴らしい。この見事なまでのシンメトリーがそういう感覚にさせるのかもしれない。

タージマハル

きれいな左右対称なので、中心をそろえて写真を撮るのが基本である。朝早いので人が少ないのが良い。タージマハルに向かってずっと歩いて行くと、タージマハルへ登る階段のところに靴を預ける場所があり、おっちゃんが靴の整理をしていた。チップはup to you(あなた次第)と言うのであげないで行こうとしたら、チップチップとやっぱり催促された。ので、Rp20(50円)くらいあげておく。

タージマハル

今日は朝方雨が降ったのか、大理石がひんやりしていて歩きやすい。建物の中には柩が収められており、后の柩を中央に、その横に王の柩が並んでいて、ここだけ左右対称でないという。横にある茶色の建物からは、額縁に収まったようなタージマハルを見ることができる。真っすぐ左右対称に見るのも良いとは思うが、あまり写真では見かけない、少し斜めから見上げるタージマハルも素晴らしい。のんびりゆっくり散歩し、一通り見るだけで2時間近くかけていた。

帰り道は、南門の前がなにやらお土産やチックなので、行って見たら即効で客引きがよって来た。基本的はどこも同じようなので、適当な店をのぞいて見る。見るだけと言っても、絶対何も買わずに出ることはできないので、何か買うつもりのない小心者は決して声にのってはいけない。

象の置物がRp100(250円)だというから、それならまぁまぁお買い得だなぁと思っていたら、あれもこれもと品を出すたびに値がつりあがっていく。大理石のタージマハルの置物(本物かはわからない)や、絵皿など。最後には単なる絵皿が$150だと〜。いろいろな石を埋め込んだものだそうで、そりゃ良いものかもしれないけど、私にゃその良さわかりませぬ。

さらに必殺写真攻撃だ。この結婚相手が名古屋にいるそうだ。親近感を沸かせるためのお決まりパターン。これは要注意という信号である。たまたま旅をしていた日本人と写真を撮ったのだろう。インドを旅する日本人は、そういう浅はかな行為は本当にやめて欲しい。後からくる日本人が迷惑するだけだから。

二千円分くらいで済まそうかと思ったら、なぜか他の品物がどんどん安くなり、結局、$50もの買い物をさせられてしまった。全く大阪商人もびっくりの口のうまさ。やはりというかなんというか、最初の言い値の1/4が妥当なラインのようだ。今回は最初の言い値の半分くらいにしかなっていないので、完敗と言えよう。ちなみに、空港で同じような物を売っていたが、大体最初の言い値くらいの値札がついていた。本当に何か欲しいなら、こういう店で買った方が値切れるので、空港で買うよりも安上がりだ。

ぶらぶら歩いて行くと、まだ同じような店がいくつもある。大理石は高いので、プラスチックで良いからタージマハルの置物が欲しいなと思って見ていると、小さい物ではRp35(90円)だそうな。さっき子供から買ったものの二倍の値段か。それにしてもプラスチックなら安い。とりあえず店に入って見ると、さっきの店の客引きのあんちゃんが様子を見に来ていて、安くし過ぎないようにクギを刺していた、ようだった。皆協定価格(カルテル)ができあがっているのだ。

後でもめるのもなんだし、もうほとんど欲しい物は買っちゃったし、安い物だけ買い求める。値切り交渉の結果、$9とちょっと端数が出てしまった。こりゃまずい、お釣りを両替すると言ってとんずらされる可能性が高い。しかし、それ以上に問題だった。隣の店で払うからと隣の店のおやじ(こちらが本店)に引き継がれ、もういらないのに、またしてもさっきの店と同じ講釈が。もうさっき買ったしそんな高い物いらないよ。さっさと$1よこしなと言っても素知らぬふり。

金は使い果たしてもう無いと言ってもクレジットカードでおろせるよと負けない。コーラでも飲むか、と情にも訴える作戦を展開する。本当に入ったが最後、何か買わないと抜け出せない。最後は$1は捨てて逃げるつもりだったが、二つで$150と言っていた置物が、いくらなら買うんだと買うつもりもないのに言われ、まぁ一個$20だなって言うとむちゃくちゃ渋い顔をして、そんなの無理だよと言う。じゃぁもう出るは、と出ようとすると、まぁまぁとまた振り出しに戻る。

そもそも買うつもりがないのに値段交渉している時点でこちらにすさまじく有利に働く。じゃぁ$20って言っただろ、それで良いよと握手を求めるが、いや、いらない物を売り付けられても困るとまた振り出しに。明日来るよと言うと、明日来ないことはわかってま〜すというお答え。あほらしい掛け合いの連続となってしまったが、結局おっちゃんが折れて、$20で小さな大理石のケースのおまけが付いた。

そういえば、まだ$1が残っていた。これでは長い戦いをしてきた意味がない。もう一個同じケースをつけてお釣りなしでどうだって言ったら、一個$5だから$25だよなんて言っていたが、最後には折れて最初の言い値の総額$85がなんと$21になっていた。ちなみに、このケースは空港で$10の値札がついていた。Are you happy?とまで聞かれたが、もちろんハッピーだ。前半戦は完敗だったが、後半戦は完勝と言えよう。でも、いらない物が増えてしまった。また、Yahoo!オークションで売りに出さねば。

昼食

通りを出たところで食堂らしきところがあったので、食事にする。ハングルが一杯書いてあるので、韓国人の店かと思ったらそうではなく、店のおやじはハングルがわからないと言っていた。最近はインドを旅する人は韓国人が多いようで、この国では最初にジャパニーズ?と聞かれる前にコリアン?と聞かれることの方が多かった。だが、店のおやじに聞いてみたら、日本人も多いよとのこと。

ここではインド初めてのビールが飲めた。Rp100(250円)もして、料理の値段よりも高いのはどこの国でも相変わらずと言ったところか。マサラが量味ともにグッド。なぜかおやじが前の席に座り、執拗に話しかけてくる。話しているうちに、近くにうちがあるので吸わないかと。まぁ、良くありがちな薬だろう。なんか、大人が高校生に、まぁタバコでも吸うかと勧めてくるのと同じ感じだ。興味本位でやってみると、後で高い代償になる。これから城にも行かないと、と言うとあっさり引き下がってくれた。お友達が欲しかったのか、薬を売りたかったのか。

次のアーグラ・フォートまでは全然歩けない距離でもないが、お土産を一杯抱えてしまったので、自転車のリクシャーに乗ってみることにした。たいした距離でもないのに、Rp50と言われる。そりゃちょっと高いよ、と交渉の末Rp30に。まぁ大体これくらいは簡単に落ちる。実際は数kmくらいなら、Rp20でどこでも行ってくれると思う。暑い中自転車では御苦労なことで大変だ。この銀のフレームがすごいだろ、あいつらの黒いのとは違うんだよと自慢されても良く分からない。

自転車はなぜかアーグラ・フォートを周回し、着いたよと停まったところはアーグラ・フォート駅だった。おっちゃん、違うよ、城自体に行きたかったんだよ。まぁ入り口までそんなに遠くないから、ここで降りてRp30というところチップをつけてRp40(100円)にしてあげた。ウソつきにはびた一文チップなど払いたくもないが、まじめに働いている人にはチップをあげたくなる。これが好循環で回るようになれば、嘘つきも減るはずなのだが、まだまだ嘘つきが勝ってしまう混乱した国だということだ。日本の戦後も同じようなものだったのだろう。

アーグラ・フォート

また城を半周して、城の入り口へ。先程のRp500もしたチケットを一緒に見せると、Rp10分が払わずに済んだ。それでも、入場料Rp200(500円)は高い。また荷物チェックがあるだろうからお土産類を整理して、カバンに積めておいたが、特に何も言われなかった。入ったあとは、相変わらず不案内なガイドブックのため、どこに何があるのか良く分からない。結局、ちゃんと取材をして記述していないのだろう。推測文が多いし。

ヤムナー川とタージマハル

ここでもオフィシャルガイドが近づいて来るが、なんとか逃げ切った。まずは手前の城に入ろうとすると、ガイドがいないとだめだみたいなことを言うので、いなくなったら行くことにしてさっさと退散。タージマハルを建てたシャーが幽閉されていた塔のあたりからはタージマハルが川沿いに建っている姿が見え、この景色の方が見ごたえあるかもしれない。城自体を見て回るというより、タージマハルと川の風景を追いかけ回っていた感が高い。だって、歩き方には何も書いていないのだから。

城を一通り見学したら、これにてアーグラ観光は終了であるが、デリーと同じく城のそばにはモスクがある。そこまで徒歩15分といったところか。それなのに、リクシャーがついてくる。Rp1でも乗らないよ。アーグラ・フォートの角のあたりからバザールが広がっていて、とんでもない人込みになっていた。そんな人込みの中をバイクや自転車が走って行くのだから、すごいというかよく事故が起こらないなと感心する。モスクは見えているのに入り口が分からない。

ジャマー・マスジット

ぐるっと一周して、駅側に入り口があった。階段を上るとおっちゃんが待ってましたとばかりに乗り出してきて、靴脱いで、ほらほら、と自分はシャツを着て、どう考えてもガイドをかって出るつもりだ。もちろん、たんまりチップを期待しているに違いない。あぁ、写真だけでいいやと退散する。チップがもらえないものだから、Donation(お布施)は〜と後ろから叫ぶが、写真一枚だけで帰ることにする。

バザールに戻り、オートリクシャーがたむろっているところへ行って、カント駅までと言うとわからないと突っぱねられる。このあたりのリクシャーは地元の方向けばかりで、相乗り客を捜しているくらい。観光客がたんまりお金をくれることを知らないらしい。次の人もよく分からないなぁという顔をしていたが、stationというと分かってくれた。歩き方にはCANT.と書かれていたが、実際はCANTTでカンティ。歩き方、ちゃんと表記して欲しい。今回は値引きできず、Rp50(125円)で駅まで向かう。

駅に着いたのは、持っている切符の二時間半前。その間にもデリーに向かって、二本列車がある。それなら、切符を変更して早めに到着した方がいい。窓口で聞いて見ると、変更するならチケットを取り直してとのことで、駅の左側にある予約窓口へ。最初は違う窓口に並んでいたらしく、それなら隣へ行けと言う。隣に並び直して変更しようとすると、あっちでやってくれと今度はどこへ行けばよいか分からず。じゃぁめんどくさいから、変更じゃなくてただ予約を取ろうとしてもらちがあかない。最初の窓口に戻ると、今度は出て右側で変更しろと。右側に出るとなにもない。もうわけがわからん。

30分走り回ってもうくたくた。結局インドでは、世界的にみて当たり前っぽいチケットの変更はできないということがわかった。もう、待つしかあるまい。次の列車は20分遅れで到着していた。ホームには椅子もないので柱の支柱の膨らんだところなどに座るしかないのだが、地元の人達はもちろんジベタリアン。そんなものおかまいなし。

座っているだけで、様々な人が寄って来るわけだが、物乞いに加えて、おまえの靴は汚れているから洗ってやると。そりゃ、泥だらけの道を歩いているのだから汚れるし、運動靴だ汚れて当たり前。でも、こちらの人達は、基本サンダルか裸足なので、靴みがきできる靴を履いている人自体が少ない。ちなみに、サンダルの方が良さそうだが、糞まみれ尿まみれの道を歩かないといけないので、サンダルでは足からどんな病原菌が拡がるか分かったものではない。できれば靴の方が良いと思う。そして、ホテルの部屋に入ったら、入り口で靴を脱ぐ。

どうせ時間があるなら、駅に備え付けのレストランで夕食とするが、これまたベジタリアンで市中の二倍くらいの値段。お客を見てもお金持ちっぽい人たちや外国人が多い。しかし、どんなところでカレーを食べても、まぁまぁ期待どおりのうまさで、外れがないところがいい。まだカレーの味をわかっていないのかもしれないが。

ぶらぶらしていると、エアコン車に乗る人のみの特別待合室があった。ので、そこで残りの一時間ほど待つことにする。椅子が並べてあるだけの殺風景な部屋だが、エアコンが一応効いているので、外にいるよりは涼しい。しかも、変な人が寄って来ないのがいい。これこそがお金でできた階級差別そのものかもしれない。

トイレもこの部屋についており、石鹸まであった。ちびた石鹸をもらっておく。今までいつも石鹸を持ち歩いていたのに、最近の海外旅行セットから石鹸が抜けていた。良いホテルに泊まれば石鹸くらいついているからだ。今回は石鹸はおろか、タオルもシーツも無いので、部屋の掃除をしてもらうよりも、鍵を預けないで持ち歩き、誰も入らせないようにした。これも、荷物の安全を守るための工夫である。

20分くらい前になったら、入り口の電光掲示板を見に行くと、なんとびっくりArriving(到着)の表示が。もしかしたら予定時刻よりも早く出発してしまうかもしれない。急いで二番線に向かうが、まだ列車は来ていなかった。毎度のごとくはらはらさせられる。しかし、数分後に列車は入って来た。行きと同じクラスの座席車のはずだが、椅子の間隔が飛行機のエコノミークラス並みに狭くて、なぜかほぼ満席の大盛況。しかし、一時間くらいの距離でほとんどの人が降りてしまった。通勤に使っているのかもしれない。

真っ暗な中でも、何度かかなり長時間停まっていることが分かる。どう見ても遅れそうだ。そんな中、同じ方向の列車に抜かれた。後からついてくる行きに乗ったのと同じ特急列車に違いない。今乗っている列車は3時間かかるが、1時間半後の特急列車は2時間で到着する。アーグラ発の最終列車で、今乗っている列車の30分遅れで到着するだけだったが、夜中で少しでも早くたどり着きたかったので、一本前にしたのに、抜かれてしまうとは。

結局デリーに着いたのは、ちょうど一時間遅れの23:00だった。しかし、驚くべきことにここはニューデリー駅ではない。切符を買った時点で気が付いていたのだが、行きと帰りで料金に差がある。同じクラスだから同じ料金のはず。すると、到着駅がニーザームディンになっていた。どこだこれは。切符に表示された距離の差がニューデリーから12kmだから、さほど遠いわけではない。すると、地図で見つけられた。昨日行ったフマユーン廟の近くだ。

こりゃ夜中だから、オートリクシャーでも高いだろうなぁと思った。駅の中まで客引きに来て入る人は無視して、駅前で捕まった人に料金を聞いてみるとRp150(375円)のびっくりする高額。深夜割増があるにせよ、メーターだったら60くらいで行けるところだ。値切り交渉したってたかがしれてるし、早く帰りたいこともあるので、その料金で行ってもらうことにした。20分くらいは走っただろう。メインバザールの入り口付近で降ろしてもらい、0時近くになっていたが、なんとか宿に戻って来れた。帰って来るだけでかなりへとへとだった。

明日はチェックアウトだが、12時に出ると夜行列車までの時間が空いてしまう。荷物を預かってもらうのも手だが、鍵のかかる部屋に荷物を入れておきたいし、シャワーもエアコンもあるのが良い。だが、当然のようにこんな安宿でレイトチェックアウトなんてシステムは無くて、何時までいても一泊分増しとのことだった。でも、一泊分増してもたかだか1500円だ。それなら、良いかって事で、明日は19時に出ることにした。

最後におっちゃんがビールでも飲むか?持って行ってやるよってことで頼んだが、屋上にはカフェもあるのでそのにいちゃんもビールはどう?と勧めて来た。もう頼んだと言ったら悔しそうな顔をしていたので、頼んだ人にマージンが入る仕組みになっているようだ。


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【目次】
出発準備編
出発
デリー
アーグラ
デリー
ヴァーラーナシー
ヴァーラーナシー
帰国