'01GW アメリカ・カナダ東海岸の旅'02冬 アラスカオーロラの旅'07冬 カナダオーロラの旅'08冬 カナダオーロラの旅'09冬 カナダオーロラの旅'13冬 三回目のイエローナイフ




1月1日(月)
イエローナイフ -15度
アイスフィッシングツアー
カナディアンEXオーロラツアー(21:00〜3:00)
Fraser Tower Suite Hotel

本日深夜のオーロラ予報 QUIET (Level1/Max10)

昨日は2時過ぎに帰ってきたとは言え、朝は9時20分にお迎えがくる。となると、昨日の片付けと朝食時間を考えると7時半には起きないとだめだろう。昨日は長めに外で活動したことが響いたか、目覚ましが鳴っても起きられない。とてつもなく眠い。あと30分延ばして8時になんとか動き出し、出発準備をしてから朝食を食べてそのまま出発とした。意外と外で突っ立っているだけでも体力を消耗する。毎日オーロラが見られるというラッキーな状況の時は、逆に体力が相当消耗するので、適度に曇ってくれた方が良かったりもする。

スノーモービルまずはバスで西に40分、スノーモービルのスタート地点まで向かう。徐々に陽が昇って来て、2007年の初日の出である。でも、あまりきれいには見えなかった。このツアーは、基本的には原地のイヌイットの方が連れていってくれるツアーで、かなり料金は高いがアイスフィッシングだけでなくいろいろなイベントがあって盛りだくさんなツアーである。スノーモービル自体はまさに原チャリで、右ボタンを押せば加速するし、左ボタンを押せばブレーキである。最初に簡単な練習をしたあと、二人乗りスノーモービルで釣りのポイントを目指す。

走るところは木々の間の遊歩道のようなところで、これもなかなかできないことだが、遊びで乗るだけとは違い、目的をもって走るというのはなかなかできない体験である。気温は-20度くらいだからすさまじく寒いということはないが、風を切るので寒風が突き刺さり、肌を出さないようにゴーグルまでしている。途中で運転手を代えながら走って行くが、スノーモービルの二人乗りの後ろに乗るだけでなく、後ろに引きずるソリに乗ることも可能で、これがまた犬ゾリのようで楽しい。後ろの席に乗るくらいならここの方がよっぽどおもしろい。

30分くらい走って、休憩ポイントのロッジに到着。コーヒーなど飲みながらしばしの休憩。ここは本当に休憩だけだから、ある程度暖まったらさらに10分くらい走って、いよいよ釣りのポイントへ向かう。イエローナイフのそばの湖と同じく、ここもまだグレート・スレイブ湖である。狙う魚はノーザンパイク。80cmくらいある魚で、淡水魚でありながら刺し身にするとおいしいそうだ。午前中に釣り上げられれば刺し身が食べられるが、午後になると釣っただけになるので、皆午前中に釣ろうと気合が入る。

フィッシングカナディアンEXのガイドも入れれば9人で釣りを始めるが、まったく当たりが感じられない。確かにこんな大きな魚を釣るとなると、食べようとした時点でかかっているということなのだろう。わかさぎ釣りなら釣れないということはほとんどないので、その方がおもしろいかもしれないが、ここでは釣れた時は大きい。しかし、残念ながら午前中の釣果は0だった。お昼はターキースープで、ブッシュティーと一緒にイヌイットの昼食はなかなかおいしかった。

食事を食べる小屋には、皆あちこちに書き込みがしてあるのだが、釣りの成果よりもオーロラが見えたとかの書き込みが多く、皆釣れていないことが伺える。昨日は2匹釣れたそうなのに。そういえば、天候は完全に曇り空で、今日の夜のオーロラは無理だろうか。午後も1時間ほどトライするが、結局誰も一匹もつれずボウス。こんなことがあってもいいように、昨日釣り上げた魚を氷の上に置いて冷凍しておいてくれたら良いのにと思うのだけど。

またスノーモービルでさっきのロッジに戻り、少し暖まったら実弾ライフル射撃である。イヌイットのおっちゃんが使っているライフルを撃たせてくれるのだが、三発で大中小の的を全部当てると記念品が出るそうだ。魚の分を取り戻せと意気込むが、そう簡単に当たるものではない。何人かは一部当たったが、さすがに全部は当たらない。大概の日本人ツアーではこのあたりでバスが迎えに来ていて、これでお疲れさま〜という感じだが、地元密着だけに元の場所までスノーモービルを戻さなければならない。まさに日帰りドライブの帰路のような感じで、暗くなる道を淡々と回送して最初のポイントに戻って来た。

スタート地点からバスに乗り込み、ダウンタウンに着くと寿司屋の前で降ろしてもらった。今日は元日で祝日だから、夕飯はここくらいしか開いていない。北海ちらし寿司をここで食べて、またしてもチャーの握りを持ち帰りにした。夕飯はこれでバッチリである。酒屋は今日も開いていないし、やっぱり日本からいくらか持って来ておけば良かったか。今日の出発はいつも通りの21時なので、ホテルへ戻って3時間くらいあるな〜と思っていても、あっという間に時間がたってしまうのが恐るべきところ。昨日に比べればのんびり出発であるが、昼間あれだけどんより雲っていたので、ちょっとだらけぎみ。さらにオーロラ予報もいまいちだったので、さらにやる気がなくなっている。

オーロラオーロラ講座2をやるので、集まってくださいとの連絡に、そろそろ行こうかなぁと思ったところ、驚くべきことに、オーロラが出た〜とのお知らせが。あんなにどんより雲が覆っていたのに、そんなことがあるのだろうか。カメラの準備は中途半端で、ひとまずデジタル一眼だけ抱えて外に出る。確かに雲が晴れていて、緑の線が出ていた。なんだか今日はいけそうな気がする。一段落したらキャビンに戻り、オーロラ講座2のかたわら、カメラを順次準備して外でじっくり準備を行う。

0時近くになると、いよいよオーロラの活動が活発になり始めた。今まで訪れてきたオーロラポイントは、だいたい北の地平線あたりに出るのが相場だったが、ここは北方向はかなり高い位置に見え、真上を通って南の地平線のあたりにも出る。はっきり言って、こんな状況ありえません。真上に出ると東から西まで続いているので、東の活動が終わったら西が、西の活動が終わったら東がと、次から次から活発化する。北の空にも出るし南の空にも出るし、全方位全く途切れる事がなく、どこかがずっと出っぱなし。魚眼レンズを真上に向けて撮るとおもしろい写真ができそうだ。やっと落ち着いたと思ってもちょっとするとまた出てくるのだから休憩もできない。

オーロラビデオのフィルムが切れ、フィルムカメラの操作にも飽きたのでデジカメを連写でほっといて、自分は雪の上に横になって空を眺める。これが案外味わったことのない景色だった。まさに全天が見えるのだから、やはりオーロラを見るのはこのスタイルが一番のような気がする。カメラの操作に気をとられていると、肝心なところを見逃してしまったりするから、記録か記憶かというのはまさにどちらか選択しなければならない。

いつの間にか2時に近くなっており、2時間もずっとオーロラショーが続いていたことになる。ただ、アラスカで見たような空から降ってくるようなオーロラとまではいかなかったのが、予報通りといったところだろうか。いつになったら終わるかわからないので、一段落したところで2時にバスを出発させることになった。すでにあっさり30分延長していた。フィルムカメラはたった二本だけだったが、デジタルカメラは露出アンダーで撮りまくったため、2秒に一枚、なんと2GBをフルに使う1,800枚も撮っていた。最後までよくメモリがもってくれたと驚くとともに、ビデオカメラで撮る以上にすばらしい動画ができあがっていた。

オーロラただ、今に思えばこれはこれでおもしろいが、まさに肉眼で見たとおりになっていて、写真としてのおもしろさはオーロラがぶれてなんぼ、つまりいくら明るいレンズを利用していても、10秒以上は開けていた方が、写真としてのできは期待できるような気がした。毎回毎回勉強である。毎度のことながら、撮影した後で後悔することしきり。これがまた次も出かけたくなる原因でもあるのだが。

帰り道、急にオーロラが出ているとの連絡にバスが停まる。外に出るととんでもないことになっていた。全天を覆うオーロラ、今回初めて見られた赤みがかかったカーテン状のオーロラ、空からオーロラが降ってきそうですごかった。惜しむらくはカメラを持って出なかったので、記録にはできなかったが、記憶にしっかり刻み込んだ。これくらいの規模のオーロラをしっかり記録するために、またしても来なければいけないだろう。

最後にすごいオーロラが見られて、大興奮の中ホテルへと戻った。アラスカで最初に見たすばらしいオーロラを見てからかれこれ5年がたっていた。やっとそれに匹敵するオーロラに出会えたのは最高だった。まだアラスカの方がすごかったと思うのは、初めてのオーロラが記憶の中で美化され過ぎているのだろうか。ちなみに、日本のツアーで良く利用するオーロラビレッジ組は、最後のすごいオーロラを見ることができなかったらしい。つくづくカナディアンEXの金本位制でない姿勢に敬意を払いたい。

オーロラ予報がLOWなのにこれだけ良いオーロラが見られたのはなぜか。アラスカ大学のホームページでは、時間単位で実測結果も表示しているが、イエローナイフはUMT時間(宇宙を語る時の標準時間。GMTに同じ)では-7時間であるから、若干ずれている。イエローナイフの22時くらいは確かにLOWなのだが、そこから数時間後に10段階評価の5というACTIVE以上のHIGHの状態が観測されている。つまり、ちょうど強いエネルギーが観測されたその時にオーロラがちょうど現れてすごいオーロラが見られたということである。これから3日間、オーロラ予報としては良い状態で、明日からさらに期待したい。

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