'11夏 小笠原諸島への旅 その4 - 南島

9月6日(火)
ドルフィンスイム、スターウォッチング
グリーンヴィラ

朝食を食べて、8時過ぎに出発する。昼食はどこかで買っていかないといけないので、多くの人は生協で弁当かおにぎりを買っていた。今日は一日船なので、脂っこい物は避けておいた方が良い、ということで、おにぎりを買っておく。Bシップには続々と人が集まってきていた。

おが丸が停まる岸壁から少し先で車は止まる。和船になるかもしれないと言われていたので、おそらくこんな感じだろうなと思っていたとおりのいわゆる小型ボートだった。本船はドック入りでもしているのだろう。船にはBamboo Innと書いてあった。

まず、船はイルカを探しながら南島へ向かう。昨日は波が高くて上陸できなかったようで、未だに台風12号の影響が続いている。こんな台風珍しい。天気は快晴なので、是非とも上陸したいところだ。

ツアーの船同士は連絡を取り合っていて、先に行った船からは南島上陸可能のお知らせがあった。ちなみに、いつもの船だと大きすぎて泳いで上陸しないといけないはずだったが、今日は図らずも小型船なので歩いて上陸できる。南島を訪れる際は、上陸方法で歩きか泳ぎを確認しておきたい。

南島に行きたくない人が一部いたが、おそらく何度も来ていて、ドルフィンスイム一本に絞っているのだろう。南島最南端のサメ池に入る入り口のところに岩が飛び出していて、船一艘入るのがやっとの広さのところがある。このため、入れない船が出てくる。

サメ池

桟橋とかあるわけもないので、船を岩に近づけている間に飛び移る。南島は本当に小さな島なのだが、海鳥の繁殖地に最適なようで、植物も守りたいということから、入場制限を独自に指定している。混雑時期には一日100人までしか入れず、11月〜1月は誰も入ってはいけない時期に指定しており、いつでも行けるところではないので注意が必要である。有名な扇池を守っているわけではなく、どちらかというと赤土の流出防止がメインの施策のようだ。

扇池 陰陽池

上陸してすぐのところも景色が素晴らしく、歩いている道を見てみると穴が空いている中に鳥の雛がいたりする。そして、一番のメインが扇池。真っ白な砂浜が見事で、海の青さも絶景。海には大きな魚も見ることができる。また、扇池はウミガメが産卵するポイントでもあり、たまたまウミガメの赤ちゃんが外洋に出られなくて池の中を泳いでいた。このままだと外洋に出られずに死んでしまうだけなので、拾って外洋に離してあげるのだそうだ。

尾根の上まで登っているツアーもあったが、こちらの南島上陸はおまけ的なので、残念ながらこれで引き返す。時間があれば扇池で泳ぐこともできるようなので、別の機会には扇池メインのツアーに参加してきてみたいと思った。

南島から船を出すと、いきなりイルカを発見した。これはドルフィンスイムの可能性ありと皆で探すがそれ以降見つけることはできなかった。その後、父島西側を北上していくと、別の船からイルカ情報がもたらされ、急遽そのポイントに向かう。確かに、船の前をイルカが泳いでいるのが見える。しかし、船長のコメントからすると、ドルフィンスイムには向いていない泳ぎ方のようなので、期待薄だが準備をして待つ。すると、今、入って、入って、と急に言われて、皆どうして良いのかわからずとりあえず海に入る。

イルカ

下方にイルカが数頭いるのが確認できたが、それもつかの間一気に泳ぎ去ってしまった。残念。次も同じような状況で、皆が順番に入っていく間にいなくなってしまい、イルカと一緒に泳ぐというよりは、イルカウォッチングだった。

それにしても思うのは、生半可なシュノーケルテクニックでは、ドルフィンスイムは無理。珊瑚や小魚を見るような子供でもできるシュノーケルと違って、いくらでも潜れるような素潜りができる域に達しないと無理だと思った。誰でもイルカと一緒に泳げますというのは、ちょっと誇大広告じゃないかなと思う。だからこそなのか、いろいろ他のイベントが付いているようにも思える。

宮ヶ浜

お昼になったので、宮ヶ浜に上陸して買ってきたお昼を食べる。昨日も来たところであるが、またしてもたびんちゅのヨッシーに出会った。今日はここで素潜り練習をやっているようだ。

父島東側

お昼を食べたら、ドルフィンスイム本命の父島東側へ。西側は台風の影響でまだ波が高く、東側の方が海が穏やか。しかし、一時間かけてさんざん探したが、イルカを見つけることさえできなかった。昔ながらの目視だけではなく、魚群探知機でも入れた方が良いのではないかと思う。結局、なんとも消化不良のドルフィンスイムだった。

キャベツビーチ

最後に向かうのはキャベツビーチと呼ばれる、兄島にあるシュノーケリングポイント。珊瑚や魚がたくさんいて、シュノーケルをやるには最適。珊瑚のすごさは沖縄にかなわないが、大きめの魚も泳いでいたり、子供たちはライフジャケットを着て浮かんでいるだけでも楽しめるし、ジャックナイフを試してみられるのも良かった。

港に帰る途中で、南島周辺でイルカの目撃情報があったので、再度急行するが、残念ながら姿を見ることさえなかった。ドルフィンスイムはかなわなかったが、亀が見えたり、トビウオが飛んでいたり、いろいろ楽しめた。今度はドルフィンスイムなしのツアーを探してみたいところだが、小笠原ではこれを売りにしているだけあって、他を探すのは難しそうだ。

宿まで送ってもらい、速攻でシャワーを浴びて着替えると、JAに向かう。入港日を除いて大概の店は17時で閉まるので、珍しい地元の野菜を買うならJAだ。おめあては、モンステラの実だが、残念ながら置いていない。TVで放映されて以来、全く入ってこないのよね〜と店の方。世界遺産登録以来、店から土産物まで、なんでもテレビや本であちこち紹介されているので、あっという間に品薄になってしまうらしい。仕方がないので、ドラゴンフルーツにマンゴーを買っていく。どちらも内地ではびっくり価格だが、南の島ではリーズナブルに購入できる。お土産屋では、明日が出航日とあって、レジの前は長蛇の列。初日にお土産を買っておいて正解だった。

一度宿に戻って、18時過ぎに再度出直す。夕食には、島寿司を食べに、これまた紹介されていた丸丈に行ってみるが、店内には誰もいないのに、19時までは予約者のみと言う。なんとも素っ気なく言われ、紹介されすぎて高飛車になってしまった感じ。出直す気にもならないし、第一スターウォッチングで19時半までに夕食は終わらせないといけない。すぐ近くに寿司屋を見つけていたので、そちらに行くとすんなり入れた。まぁ、父島にまた来るかわからないが、高飛車寿司屋には二度と行くまい。

島寿司

こちらの寿司屋は値段も丸丈より全体的に安くて良い感じ。島寿司に刺身盛り合わせ、島野菜のてんぷらにアカバの味噌汁。なぜか奄美大島の黒糖焼酎や泡盛が置いてある。こっちのお店で大正解。島寿司は、わさびの代わりに和からしを付けるのが特徴。最後にもう一回島寿司を頼んだら、一回目はカンパチとメカジキだったが、二回目は全てメカジキだった。もうネタがなくなったそうだ。

19時半からはたびんちゅのスターウォッチング。主催者のヨッシーは世界中を旅して星空ガイド等をやっていた筋金入りのトラベラー。なぜ小笠原に定着してしまったのかは定かではないが、望遠鏡を使って星空観測ができるのはここだけである。

たびんちゅスターウォッチング 月

父島の真ん中くらいにある暗がりに向かう途中、ナイトツアーでおなじみのグリーンぺぺを探しに行く。夜になると緑色に光るキノコで、昨日は大量にあったそうだ。が、今日はかなり数が少なくなっていた。雨上がりや高温多湿時に一斉に出て、二、三日で枯れてしまうそうだ。

そして、本題のスターウォッチングへ。月が半月でかなり明るく、雲にも阻まれながらもなんとか北の空はきれいに見えていた。本当は昨日にしようとしていたが、満員で入れないとのことだったので今日になったのだが、今日で良かった。天体望遠鏡で月の観測をするところまではどこでもありそうだが、なんとその見た絵がデジカメで撮れてしまう。そして、織姫のベガを望遠鏡で覗くと、ダイヤモンドのような輝きを放っていた。これは普通の星空観測とは違った趣でおもしろかった。

最後にウクレレ生演奏があって、宿に着いたのは22時少し前だった。今回の旅で、丸一日楽しめるのは今日限りというのも寂しかったが、海に星に存分に楽しめた。


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