'11夏 小笠原諸島への旅 その1 - 出発準備編

前月に続き二回目の夏休み。前回は日本から一番近い外国の韓国へ行ったのだが、今回は日本で一番遠い小笠原へ行くことにした。小笠原は高校の修学旅行で北海道か小笠原かという選択に北海道を推して以来、幾度となく行くチャンスに巡り会えなかった。北海道を回り、沖縄の離島を回り、海外へもぷらぷら行くようになってもチャンスを狙っていたが、相変わらず。

それも未だに交通は船しか無くて、片道25時間半もかかるためだ。下手すると地球の裏側まで行けてしまうくらい、日本国内で一番時間がかかる場所である。飛行場を作る計画は何度もあがっているが、不便さよりも生態系を守るという島民の思いが強く、それが今回の世界遺産の指定にもつながった。そんなこんなで、今回は祝世界遺産指定記念と言うことで、いよいよ悲願の小笠原へ行くことにした。

8月は頻発していたが、9月の船の出発は毎週土曜日。同じ船で往復し、現地三泊が一航海と呼ばれる。来た船を見送り、次の便で帰ることを二航海と呼ぶ。小笠原では全てが船を中心に回っているので、単位は曜日よりも航海で、出航日の翌日を休みとしている店が多い。長らく二航海を目指していたので、いつまでたっても行けない状況だった。二航海では、最短6日x2=12日は必要になるのだ。そこで今回は、素直に一航海で現地三泊の行程とした。

最初はおがまるパックという船と宿のセットを狙っていたが、発売日朝に電話したのにつながらず、昼の時点ですでに完売。仕方がないので、単純に船だけの往復券を購入した。二等で片道24,270円とは沖縄並みの料金だ。宿を別途予約したら、アクティビティを予約していく。入港日半日、滞在日全日、出航日半日に分けられる。ほとんどのアクティビティは個人でやっているので、いろいろツアーを持っていても、その日にやっているとは限らない。

小笠原村観光協会のホームページが充実しており、アクティビティは雰囲気で好みの物を予約していく。小笠原は海と山とに楽しめるが、海と言えばドルフィンスイム。いるかと一緒に泳げるツアーだ。加えて、小笠原に行ったら絶対行っておきたい場所、一日100人限定の南島に上陸できるツアーに申し込む。到着日にシュノーケルの練習ツアー(料金別)もあるので、シュノーケル初心者にも最適なツアーだ。

山と言えば、動植物を見るフィールドツアーと夜のスターウォッチング。食事も特徴的な物ばかりなので、いつどこに何を食べに行くかまで考えておく。三泊ではやはり詰め込みまくりで厳しい日程だが、なんとか予定が完成した。

この時期気になるのが台風だ。沖縄と同様台風の通り道というか発生地で、一週間前に台風11号と台風12号が同時に発生した。台風11号は沖縄を暴風圏に巻き込みながら台湾方面へ向かったが、台風12号は小笠原近海で発生し、まっすぐ北上してきた。飛行機であれば二地点間の天気だけ見ていれば良いが、船だとそうはいかない。

台風12号は、9/1に東日本に上陸するか東日本沿岸を北上する予報で、これならばなんとか9/3は出港しそうだ。一週前の8/27出発便は小笠原を直撃状態なので、一度は出発が8/30以降に延期されたが、ついには欠航となった。そして、台風は予報よりものろのろと北上し、どんどん西にずれていって、いつまで経っても波が高い状態だった。そして、前日9/2 10時になって、やっと一日遅れの出航が決定された。

東京へ戻ってくる便は予定通り。となると、滞在日数が一日短くなってしまう。これでは、ぱんぱんに入れた予定がこなせない。ドルフィンスイムを一日ずらし、フィールドツアーを出航日の半日コースに変更した。船の影響による日程変更料やキャンセル料はかからない。島民にとってはいつもの慣れっこだ。それにしても、夜に台風がやっと高知に上陸したところで、明日の出航は大丈夫なのだろうか。

25時間半の船旅となると、さすがに大変である。おがさわら丸に乗るときは、以下の物を準備しておくと、良いだろう。
酔い止め 一日持続するアネロンニスキャップがおすすめ。行きに買い忘れたら、現地の生協でも売っている。
カップやきそば 揺れがひどくても食べやすい。逆に揺れがひどいと気持ち悪くて食べられないことも。
パンやおにぎり 船の中で三食調達しても良いが、当然のごとく高くてまずい。軽めの食事を準備しておこう。
ウィダインゼリー等 揺れが激しいと、本当に何ものどを通らなくなる。流動食がおすすめ。
延長コード 特二等以上には部屋にコンセントがある。二等でもあるらしいが、私は見つけられなかった。売店前のロビーで座り込んで使っている人がいた。他の人も使えるように、いくつかコンセントがある物が良い。
本など 25時間半はあまりにも長い。発着時二時間くらいは甲板で時間がつぶせるが、それ以外は本当にやることがない。電気を使う装置は、コンセントで充電できると言ってもコンセントの数が限られているし、その場に付きっきりになるわけにもいかない。電化製品は、電池が持つ限りの暇つぶしと考えたい。


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【目次】
出発準備編
出航
父島
南島
フィールドツアー
帰航