'11夏 小笠原諸島への旅 その2 - 出航

9月4日(日)
竹芝桟橋10:00 おがさわら丸

朝の時点で、本土近海の波はまだ5m、小笠原でも3mある。こんな高い波で船が出るのだろうかと疑心暗鬼のまま竹芝桟橋へ向かう。伊豆諸島へ向かう船もここから出航するが、浜松町駅には全て欠航の張り紙が。しかし、小笠原父島だけは掲示がない。相変わらず風が強い状況だが、巨大なおがさわら丸だけは大丈夫なようだ。

コンビニで食料を調達し、竹芝桟橋に着くと、8時半を前にしてすでに列ができていた。8時半から受付開始のはずだが、混雑のためか8時からすでに始まっていた。チケットを窓口に提出すると、通し番号が入った乗船券がもらえる。100番ごとに並ぶ列が指定されていて、早い列ごとに乗船するようになっていた。

竹芝桟橋

9時になると乗船を開始し、船の入り口で番号札を渡される。それが指定席になる。二等は雑魚寝で満室とのこと。まさに人一人分の毛布がびっしり引かれている。隣の人との間はわずか30cmくらいだ。荷物を置いて甲板に出ると、出航間際になってもまだまだ乗ってくる。その中に、「笑ってこらえて小笠原支局」の撮影クルーがいた。10月のスペシャルで放映するとのこと。今時はタレントとカメラマンだけ。旗を掲げて撮影していたから分かったものの、普通にしてると撮影だと気づかない。

船が出航すると、小笠原出港時のように多くの見送りの人たちが手を振っている。さすがに海に飛び込むようなことはないが、いつまでも手を振っていた。甲板では早速、あちらこちらで宴会が始まる。常連の皆さんなのだろう。レインボーブリッジ、お台場、羽田空港、ベイブリッジと過ぎて行く。

レインボーブリッジ

昼食には買ってきたパンを食べたが、お湯が出るので周りの人たちはカップラーメン、特にやきそば率が非常に高かった。揺れを意識した知恵なのだろう。さらには船内履きとしてすでにギョサン率が高い。ギョサンとは、「漁業従事者用サンダル」の略で、なぜか小笠原のお土産として定番となっている。

そんなのどかな船旅はつかの間、出航から二時間もすると外洋にでて、台風12号の影響で大荒れになった。アナウンスでも「船体動揺」があると聞き慣れない言葉を言われ、荷物などに注意するようにとのこと。立って歩けないどころではなく、荷物が倒れたり、悲鳴が聞こえたり大変な事態だ。

荒れる海

こんなときは、姿勢を低くして寝るに限る。座っているだけでも、船の揺れと頭の揺れが合わなくなるので船酔いしやすい。本も読めない。酔い止めの薬を飲んでいたが、それでも気持ち悪い。少し揺れが治まったところで甲板に出てみると、すごい縦揺れで波の中を進んでいる状況だった。

18時には夕陽を見に行くが、雲の中で見ることはできなかった。その足で夕食は船のレストランへ行ってみる。あまり食欲はないので、軽めの丼ものにしたが、レトルトなのに値段が高い。仕方がないが、これしかない。レストランはガラガラだったが、まずくて人がいないわけではなく、揺れのせいで客が少ないだけだった。

揺れもまだ激しいので、なにもする気になれないから、横になっているだけで、いつの間にか消灯時間22時になっていた。そして、いつのまにか起床時間6時になっていた。もはや寝て到着を待つばかり。


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【目次】
出発準備編
出航
父島
南島
フィールドツアー
帰航