'11夏 小笠原諸島への旅 その3 - 父島

9月5日(月)
おがさわら丸 11:30父島二見港
シュノーケル
グリーンヴィラ

朝日を見に甲板に出てみると、またしても雲の中で何も見えなかった。しかし、昨日に比べると揺れも治まっていて、海の色が変わっていた。海の色が透けて見えそうなくらいに青い。360度水平線しか見えないが、この海の色は素晴らしい。小笠原の海に期待が高まる。

海

大荒れの影響を受けて、到着時刻は30分遅れの12時の予定。朝食は昨日の残りのパンを食べて、あとは到着を待つばかり。それまでやっぱり寝て待つ。出港時には動きまくっていた若者たちも、すっかり静かになっていた。

9時40分、小笠原諸島最初の島、聟島列島が見えてきた。ここまで来ると、やっと到着するなという感じが生まれてくる。海もやっと穏やかになってきたが、それでもまだまだ波が高い。到着一時間を切ると、父島列島がいよいよ見えてきて、港に近づくと迎えの船が近づき、「いらっしゃ〜い」と手を振っている。

二見港

定刻より30分遅れで、12時ちょうどに父島二見港に到着した。まずは、今日と明日に参加するSeaTacの看板を探して予約を確認する。今日は13時30分にBシップに集合とのこと。ツアーの集合ポイントは大概ここである。次に、今日泊まる宿のグリーンヴィラの看板を探す。大村地区の宿なら、歩いてすぐだが、ほぼ間違いなく迎えの車が来ている。

車で2分くらい、歩いても10分はかからないだろうという民宿へ。旅館っぽく、お茶が飲めるようになっているが、いまどきこのサービスは必要だろうか。風呂はシャワーでトイレも共同。これで朝食付き6,300円は高いかもしれない。ちなみに、ユースホステルばりの相部屋宿は、素泊まりで3千円代が基本。

速攻で準備をして、昼食を食べに出かける。港の近くには店も豊富で、船がいるときは賑わっている。その中で、目を付けていたのがボニーナという店のポキ丼。テレビやガイドブックにたびたび登場する店で、すでに待ち行列ができていた。店の中を見てみると、ほぼ全員がポキ丼を食べていた。

ポキ丼

10分くらい待つと何とか座れた。もちろん、ポキ丼を頼む。ポキ丼とは、いわゆる地魚丼で、中央の卵と絡めるとうまい。島魚は、おそらくメカジキと思われる。どこの店でも島魚として出てくるのは、メカジキ、サワラ、カンパチ、マグロなど。

なんとか早めに食事が終わったので、早速定番のぎょさんを手に入れる。現地の人も誰もが履いているサンダルである。何の変哲もない普通のサンダルだが、濡れたところでも滑りにくいのが特徴で、今や小笠原の鉄板お土産にもなっている。

本日のシュノーケルレッスンは3名。ウェットスーツと三点セットを借りて、シュノーケルポイントへ。最終日にシュノーケルに行こうとしていた宮ヶ浜でレッスンを行うと言うことで、最終日に行く手間が省けた。これまで沖縄で勝手にシュノーケルをやってきたので、一度ちゃんと教わっておくのは良い感じ。基本的に泳げる人なら普通にバタ足なりドルフィンキックをすれば良い。ドルフィンスイムでは、バタ足をする方が良いとのこと。

シュノーケルで覚えておきたいのは、シュノーケルクリアとジャックナイフ。潜った後には筒に水が入るので、浮上した後に息を吹き出す必要がある。これはいつの間にか覚えていた。珊瑚の写真を撮るときには必須の技だからだ。そして、ジャックナイフはその沈むときのやり方である。独自に生み出したやり方ではなかなか沈まなかったものが、これをちゃんとやるときれいに沈める。

珊瑚

あとは、どこまで息が続くかだけで、深く潜水していくことができる。ただ、3mも潜ると水圧で耳が痛くなるので、耳抜きもちゃんとできるようになっておく必要がある。練習がてら、珊瑚なども見られて忙しい初日だったが、まずまず楽しめた。

宿に戻ってきたら、一度シャワーを浴びて、落ち着いてから18時ごろに外出する。宿から徒歩2分くらいで湾岸通りの出て、父島の二大マーケット生協とスーパー小祝が両面に立っている。昼にのぞいたときにはなにもなかった野菜類が、今ではどっさりあって、この船で持ってきたのがよくわかる。特に、前週は欠航になっているので、皆待ちわびていたことだろう。

並んでいる品物はと言うと、東京から持ってきているだけあって、島野菜以外は東京と同じ商品が並ぶ。不思議なのは、タイカレーとかインドネシア料理とか、日本語が書いていない料理がたくさんある。タイのシンハービールに沖縄のオリオンビール。一度東京に輸入して持ち込まれた物だろうが、それにしては不思議な感じ。

お土産も初日にして買い求めておく。いつ買っても同じなら、早め早めに買っておくべし。皆同じ船で帰るのだから、出航日前日や当日は物がなくなっていることが多いからだ。

今日の夕食は、本当は最終日に持ってきたかった居酒屋こも。スターウォッチングが明日になってしまったので、夜のんびりできるのは今日だけになってしまった。なので、初日から居酒屋に直行する。ここはフランス料理で腕を鍛えた方のお店で、いろいろな島料理が食べられる。島豆腐のサラダに、島ラー油のそば、極めつけは亀の刺身に亀の煮込み。亀を保護している反面、歴史的に亀も食べているというなんとも矛盾した話だが、鯨とも同じ感覚かもしれない。

亀の刺身

亀の刺身はショウガ醤油で食べるので、馬刺しのような感触で、結構おいしかった。亀の煮込みはいわゆるモツ煮。やや緑色に光っていたり、若干グロイかもしれないが、モツが好きな人にはおいしくいただける一品である。特に、酒のつまみには最適だ。スーパーでも冷凍品が売っていたりするので、地元の人も食べるのだろう。

島ラム酒も飲んでみたが、小笠原特産といわれなければ別に飲んでみるほどのものではなかった。泡盛にしてもそうだが、みんなでわーと飲むには良い安酒といえる。

そんなこんなで一日目が終了した。この時期どこもかしこも観光客で大賑わい。話によると、世界遺産登録で危惧された観光客の増加は、おが丸の定員もあるので、短い夏のシーズンが若干伸びただけだそうだ。ちなみに、地元の人は、おがさわら丸のことをおが丸、ははじま丸のことをはは丸と呼ぶ。


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