'04夏 中国への旅 その04 - 北京

8月4日(水)
Z8 7:15北京
北京(天壇, 天安門広場, 故宮, 王府井)
京倫飯店

夜行列車はかなりの速度で順調に走っていた。130km/hの客車列車は初めての経験かもしれない。さすがに朝食は付いていないので、昨日買っておいたパンを食べる。そして、予想に反して、北京駅には定刻に到着した。ホームが数面あるだけの簡易な駅で、駅の出口は黒山の人だかりになっていて、空港で出てくる人々を待ちかまえているような状態だった。中国では、まだまだ鉄道全盛なのだろう。

北京駅

駅を出て南へ向かい、まずは天壇公園へ向かう。明清時代に皇帝が天に向かって祈ったそうだ。歩いて行けるだろうと思って歩き始めてみるものの、いつまでたってもたどり着けない。上海と縮尺が全然違うのはわかるが、地図を見ると北京駅から天壇公園の入り口まで2km程度に見える。しかし、実際には倍くらいあるのではなかろうか。すなわち、歩き方の地図が間違っている。

30分くらい炎天下の中を歩いていった。上海に比べれば風がいくぶん涼しく、日陰に入れば暑くもないのだが、さすがに毎日炎天下の中歩いていたので、ふらふらになってきた。天壇公園に入ってすぐの売店で帽子を買うことにした。持ってくるつもりが忘れてしまい、ここまで来てしまったのだった。ナイキの帽子があるが、近くで見るとあきらかにバッタ物とわかる。この帽子はたった10元(140円)だった。

天壇・祈念堂

北天門から入ると、この天壇公園のメインである祈念殿が現れる。ちなみに天壇公園自体の入場料が必要であるが、その中に3箇所また見所があり、通し入場券は35元(490円)である。とにかくいろいろあってすごいのであるが、ここにくるまでで疲れていたので、一通り見て回るだけでも大変だった。それよりなにより驚いたのが、中国人団体が多いことである。

相変わらず密着大好きなのであるが、その間で日傘をさしており、危険きわまりない。中国人は他人のことなどお構いなし、歩いているときに急に立ち止まるので、間隔が短いのですぐぶつかりそうになる。ベトナムとは違った次元でなんとなく歩くだけでも億劫になった。一通り巡り、天安門広場まで戻りたいところであるが、かなり端の方に来てしまったので、バスに乗ることにした。

南門を出るとここを始発とするバスがたくさん停まっているが、どうもここから乗れないらしい。通りに出るとバス停があり、その系統のバスが表示してあったので待っていると、10分くらいでバスは来た。前門までバス停にして10個近くあるのだから、これは確かに時間がかかる。今時珍しい車掌からチケットを買う方式で、市内のバスなら1元(14円)である。10分くらいバスに乗り、前門(正陽門)に到着した。

天安門広場

降りるときの降車ボタンがないのだが、ほぼ全てのバス停で停まっていくので問題ない。目的地が近づいたら、立ち上がっていれば停まってくれる。前門のすぐ隣が毛主席記念館になっており、長蛇の列が出来ていた。列を作らない中国人にしては珍しい光景である。今日は荷物もあることだし、入るつもりはなかったので、そのまま横を通り過ぎ、かの有名な天安門広場に到着した。

ここでとんだハプニングが発生した。昨日からデジカメのバッテリー残量が怪しくなっていたのだが、ついに無くなってしまった。専用充電器は持ってきていないし、電池を買うことも出来ない。携帯電話のカメラがあるにしても、30万画素では話にならない。明日は今回の旅の最大の目的地、万里の長城へ行くというのに、困ったことになった。やはり、北京から旅を始めなかったことが悔やまれる。

仕方がないから、写るんですでも買っていこうかと、カメラ屋へ向かう途中ではたと気が付いた。もしかしたら安いカメラを買った方がいいのではなかろうか。案の定、99元(1,400円)のカメラが売っていた。しかもフィルムに電池付き。コダック製の写るんですが60元(840円)で売っているのだから、写るんですよりもよっぽど良い。さすが、中国の物価は激安である。

すると、店のおやじはズーム付きのカメラ148元(2,000円)を薦めてきた。大した違いでないし、最安値のカメラを買うよりは良いだろうと購入した。英語がさっぱりのおやじだったが、漢字を書きながら身振り手振りで会話をした。最後には両替しないかと言ってきたが、こんなところでするはずもなし。カメラ屋をいくつか見たところでは、300元(4,200円)もだせば、そこそこのカメラが買えるようである。

天安門広場に戻り、天安門から故宮博物院へと入っていく。明の時代に王宮として利用されていた場所で、広大な敷地に数多くの建物が整然と建てられている。日本で言えば、武家屋敷までが含まれているので、その広さはすさまじい。現在は博物館として利用されているのであるが、ガイドブック無しではどこに何があるかわからない。しかし、中国4千年の歴史は、現在台湾の故宮博物館にある。

故宮・太和門

北京では歩き方しか持ってこなかったので、ほとんどガイドブックの意味をなしていない歩き方では、どこに何があるのかよくわからない。連日歩き通しで疲れていたし、次から次から同じような建物が続くだけなので、すっかり飽きてきた。外朝から内朝へまっすぐ歩いていき、北側の門にたどり着くと、そのまま外に出た。本気で全部まわったら、一日くらいかかりそうである。

その門を出た正面に小さな山があり、その上に展望台がある。その景山公園には道路を渡らなければいけないのだが、渡れるところが無く、三輪車のおっちゃんの客引きを交わしながら、東側から公園に入った。その入り口前に食堂があったのだが、混雑のため中にも入れなかったので、公園内でフランクフルトを購入して、少しだけ腹を満たす。

景山公園

風水の条件を満たすために築かれたという、100mそこそこの山というよりは丘がある。そこに登ると、大きな故宮を見渡すことができる。どこもかしこも観光地は中国人のお上りさんで大混雑なのだが、ここも大混雑だった。ここはマイナーな観光地かと思ったが、そうでもないらしい。歩き方を見ると、故宮以外はマイナーに見えてしまうので、構成自体も見直して欲しいところだ。

今日行きたいところはこれですべて見てまわった。まだ14時を過ぎたくらいで、ホテルにチェックインするには早すぎることもあり、昼食がてら北京の繁華街である王府井(ワンフージン)に寄っていくことにした。故宮の東側に位置し、地下鉄駅にも近い。バスを待つ間に到着できるのではないかと歩いてみると、またしても歩いて行くには少々遠い距離だった。

王府

メインストリートの王府井大街は歩行者天国になっており、両脇にはデパートが連なっている。その一角に王府井小吃街という中国にもチャイナタウンのような通りがあった。ラーメン屋などが軒を連ねる食べ物街だが、この時間はどこの店もやっていないようで、頼んでみても無いよとしか言われなかった。じゃぁ、そこらへんでラーメン食っている奴らは何なのか。

仕方がないのでぶらぶらしていると、デパートの地下に美食街というところがあった。入ってみると、中国料理よりも日本料理、韓国料理の店が多かった。ぶらぶら料理を見て回るが、ラーメンを食べるのなら日本ラーメンを食べた方がよいかもしれない。と入った日式のラーメン屋は、とんこつラーメンだった。博多ラーメンのように細い麺で日本らしかったが、うまくはなかった。

ふと隣を見ると吉野屋があった。案の定、日本では食べられなくなった牛丼がメニューとしてある。中国では安飯がいまいちうまくないと感じていただけに、逆に吉野屋の牛丼の方が日本で食べられない料理といえるだろう。ラーメンを食べた後だが梯子して、中と大しかないメニューの中を選ぶ。日本とまったく同じ味付けで、久々に食べられて感激だった。

地下鉄1号線に乗って、日航ホテルと提携する京倫飯店へ向かう。ホテルは地下鉄駅に近く、駅を出たところに売店があるのも便利で良いが、日本語を話す人が少なく英語がやはり必要だった。人民元が無くなってきたので両替したいが、残金は一万三千円。一万円両替すると残り三千円で帰国後心許ない。しかし、一万円を両替することにした。すると、日本で得た額よりも、90元(1,260円)も多かった。

今日の最後は、ちゃんとした中華料理を食べることにした。ホテルのレストランが一人で食べるにはちょうど良い。海老料理を注文した後、前菜とういような一品料理を持ってきた。一皿10元(140円)というから食べてみると、これまた脂っこくて、これでおなかの調子が悪くなった気がする。海老料理自体はおいしかったが、中国のグラスワインを飲んで全部で150元(2,100円)とはびっくりする額だった。


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